羽生三七の発言 (日韓条約等特別委員会)

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○羽生三七君 私は韓国の現状において問題にしておるのです。これを無視するということじゃない。そんなことは当然のことであります。ただ、時期的に見て、この時期にあえて拙速の方向をとる必要はないということを申し上げておるのでありますが、たとえば、基本条約に引用する国連決議、これは成立してから久しいことであります。国連決議そのものが私は失敗だったと思う。それから長い年月がたっておる。その間に世界は激動しておる。その激動して長い年月を経た今日のこの客観的なアジア情勢を十分把握して、その時点から韓国問題というものを見るべきだと思う。これはあとから申し上げますが、要するに、一口に言えば、総理は韓国という時点から出発された、韓国という部分から。私はそうじゃないと思う。アジア全体の平和の確立の中に韓国をどう位置づけるのか。つまり、アジア全体の平和の中の一部分としての韓国というものをよく判断をして、そこから出発するときにはおのずから違った結論が出てくる。たとえば、北ベトナムをもし日本が承認しておったら、おそらくベトナム問題について有効な発言をする機会を持ったと思います、日本は。その資格を持ち得たでしょう。あるいは中国の片方だけ、台湾政権だけを、これは限定承認みたいなものでありますが、それにしても、そういうことをしなかったならば、今日の中国に対する日本の困難性というものは解消されておったはずです。同じコースをまた韓国において選ぼうとする、これを私は問題にしておる。しかし、私はこの問題はまたあとだんだん詳しく申し上げますから、いま総理の御答弁に対する反論として私は申し上げたわけで、この問題は重ねて御答弁は要りません。
 きょうは、したがいまして、だんだんに韓国にも触れますけれども、日韓問題にも。国際情勢全般でありますから、アジアの平和確立に最も重要な関連を持つと思われる中国問題についてお尋ねをいたします。
 さきの国連総会において、日本は今回もまた中国問題を重要事項指定とする提案国となりました。私は前内閣時代にもしばしばこの問題について、このことの不当性を指摘したことがございます。これは中国問題が重要であること、これは当然われわれも知っております。おそらく世界的に見ても最重要問題の一つでありましょう、中国問題は。それほど重要問題であります。全然政府の考え方とこの点は違いはございません。違いはどこにあるかといえば、中国問題が重要であるということと、重要事項指定とすることとは本質的に違います。これはもう根本的に違うのです。重要事項である、単なる重要問題であるというならば、討議を幾らでも深めればよろしい。ところが、中国の国連加盟を阻止するための手段として重要事項指定というものを国連の場で使っておる、これはもう明白であります。これは政府自身もそのことを承知でおやりになっておると思う。問題は、このような場合に、私はしばしば前内閣にも警告を発しましたが、なぜ日本があえて共同提案国となる愚をおかすかということであります。ここに問題がある。これは、この問題の本質は複雑でありますから、簡単には言えませんが、しかし一言にして言うならば、重要事項である、重要であるということと重要事項指定とすることとは本質的に違う。しかも、一番隣国である日本、まだ二十年を経て戦後の処理もできてない中国、これとすみやかな国交回復を、たとえいろいろな国際事情があるにしても、最もすみやかにやらなければならない日本が、この国連加入を阻止する共同の提案国となっておる。ここに問題がある。これをどうお考えになりますか。

発言情報

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発言者: 羽生三七

speaker_id: 21186

日付: 1965-11-25

院: 参議院

会議名: 日韓条約等特別委員会