椎名悦三郎の発言 (本会議)
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○国務大臣(椎名悦三郎君) 総理によって大体御答弁は済んでおりますが、なお多少補足をして私からお答えしたいと思います。
まず、東南アジア経済開発に関する閣僚会議の構想を示せというお話でございまして、大体の構想は総理からお話がございましたが、若干つけ加えて申し上げますと、これは結局、東南アジアのわが国に対する政治的関係、経済的関係はきわめて密接なものがございまして、東南アジアの動揺が平静化し、貧困が繁栄に変わるというようなことになりますれば、これはとりもなおさず、日本の平和、安全並びに繁栄につながるものである、こういう見地から、この際、東南アジアに対するいろいろ経済援助のことをいわれておりますけれども、その実効はきわめて微々たるものであるのでございます。これらの国とともにいかにして東南アジアの開発をやっていくか、お互い連帯感を強めて、そうして自発的な意欲をここにかき立てる、そうして自由活発な討議の上にそれぞれの具体的方策を定めて、これを推進することが最も有意義である、かような考えのもとに、ただいま各国の意向を打診中でございます。これはイデオロギーをこえた、いわゆる東南アジア一体となって経済開発に立ち向かうという趣旨のものでございますから、イデオロギーを全然超越しておるものであります。これに全部招請国が応ずるかどうか。ただいま、まだ確定的には申し述べられない段階にありますので、御了承をいただきたいと思います。
それから有償無償の問題についての御質問でありまして、総理の御答弁はこれが抜けておりますので、追加いたします。有償は何といっても金を貸すのであります。無償はただで差し上げる。有償でございますと、たとえその条件がいかに緩和されても、ただでやるのと貸すのとでは違うのです。これは違いがございます。しかし、ひとしくこれは韓国の経済復興に協力すると、こういう意味のものでございまして、これらの問題につきましては、条約にも関係条文にも書いてございますので、わが国としてもその内容を十分に検討して、これが韓国の復興のために有益であるかどうかという判断をして、この問題をきめるということになっておるのであります。
それから生産物及び役務の供与、これは明文にも書いてありますとおり、軍事的なものは含まない。すなわち、兵器弾薬はこれを含まない。その他の問題につきましても、あくまで韓国の経済復興に役立つかどうかという問題を中心として考えてまいるということになっております。
それから国連の問題につきまして、わが国は申し上げるまでもなく、国際紛争解決のための武力あるいは軍備というものは一切憲法上これを認められておらないのでございまして、国連のほうからいかに要請がありましても、この憲法のたてまえに抵触する限りにおいては、これは協力はいたさない、こういうことでございます。それから国連の平和活動に協力するというととは必ずしも兵員のみに限るのではない。やはり経済的にこれに協力する、支援するという道も開かれておることを、御参考までに申し添えておきます。
大体以上でございます。(「漁船の問題はどうした」と呼ぶ者あり)
漁船の拿捕は、やはり個人として韓国政府に請求する権利は、これは認められておりますけれども、しかし国と国との間においてこれを促進する、あるいはこれを助けるというようなことが禁じられております。そういうわけで、結局、拿捕漁船に対する損害請求の問題は、これは実際問題としては封ぜられておる。その結果、国内的にどういう措置をするかということにつきましては、もちろん十分にその償いを政府において考えなければならぬという方針はすでに明らかにしておるのでありますが、まだ具体的に決定はいたしておりませんが、そういう趣旨において、できるだけ早くこの問題の結論を得たい、かように考えております。(拍手)
〔国務大臣藤山愛一郎君登壇、拍手〕