伊能繁次郎の発言 (内閣委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○伊能委員 それについて、こういうように経済が高度に成長し、その影響として全体としての物価、その一部を占める公共料金等がアンバランスになった結果、最近政府が個々の会社、企業体の運賃の実態まで精査されるというような、政府全体の行き方としてはやや片寄った行き方に進んでおられると私は思うのです。こういうような時代でない、かつての平常の時代においては、基準運賃と目すべきものはあったわけです。それは、大都市は大都市の交通量等に応じて一定の基準を設ける。他の中都市、もしくは僻陬地、あるいは雪寒地、こういうような大体四つの基準で運賃の基準が定められて、大都市の交通量の多いところは、全体として輸送費が大ぜいに分担される関係上、安かった。雪寒地のごときは、年に四カ月も動かないというようなことから、ある程度の運賃に差を設けるということで、理論的な基準運賃と目すべきものではなくても、一応常識的な意味での長い慣行と基準というものがあったわけです。それが最近の公共料金の政府規制によってすっかりこわれてしまって、個々の会社の収益の多いところは、それが労使の非常な努力の結果によって生まれたものであっても、おまえのところは利益があるから上げない。一方、労使間がうまくいかない
 でのべつにストライキをやっておるとか、あるいは経営が不十分であるとかいうようなところでも、赤字を出したところは優先的に上がるというようなことでは、私は政府の政策というものがない感じがしますので、その辺のところについてはいろいろ御苦労はあろうかと思いますが、今後十分な御配慮を願って、単に物価問題懇談会だけでなく、政府自体としても、関係者一体となってこの問題に対する解決をはかるべきではないか、かように考えております。特に、当面公営企業の問題でありますが、大臣見えましたから、公営企業についても私は御意見を伺いたいと思いますが、公営企業については、公営企業合理化懇談会というものが政府に設置されて、いろいろと結論を出された。この問題についても、かつては名古屋であるとか北海道の札幌であるとかいうようなところの公営企業は、非常にまじめにりっぱにやって、民間企業と同じようなある程度の、これは利益というよりも、成績をげておる。ところが最近は、もうそれらの企業においてもほとんど赤字を出しておる。ことに東京、横浜のごときは非常な赤字で、これはいずれも運賃値上げを申請しておる。これに対して、公営企業に対しては低利の融資であるとか、利子のたな上げであるとか、いろいろな特段の措置は講じられておりますが、民間企業と公営企業とを、公共事業、公共料金という立場から見て政府が規制されるという場合においては、私は特段の差別があってはならぬ。これは政府監督下にある。ところが、一方において公営企業については特段の利益を与え、民間のものについては何ら利益を与えないというようなやり方も、片手落ちだ。そういうことであれば、赤字のところには低利資金なり何なりも、一応民間に対しての融資全体として政府の公共料金と称せられる事業についての統一的な方策というものをできるだけ樹立して——要するに運賃というものは、昔から世界じゅう公定ということが運賃原則です。それは対人的に差別があってはいけない、対物的に差別があってはいけない、こういうようなことで運賃は公定ということが基本の原則なんですが、最近は個々の隣の会社と隣の会社と同じ地域でも、ラップしているところは同じ運賃だが、その他は違う運賃ということは、私は運賃の基準算定の上からも重大な問題だと思いますので、これらの問題について、政府当局におかれては、ぜひひとつ明確な基準をおつくりになって、業界の指導並びに監督に万遺憾なきを期して、正直者がばかを見るというようなことのない方策をお立てを願いたい、この点だけを大臣に御質問申し上げまして、私は質問を終わりたいと思います。

発言情報

speech_id: 105104889X01619660317_004

発言者: 伊能繁次郎

speaker_id: 30151

日付: 1966-03-17

院: 衆議院

会議名: 内閣委員会