稻村隆一の発言 (内閣委員会)
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○稻村(隆)委員 農林大臣にお尋ねしたいのですが、農業構造改善事業は、もう至るところに行き詰まっているわけですね。それは行き詰まるわけなんですよ。年に六分五厘で七カ年の年賦償還というふうなことで、コンバイン機やトラクターを買ってやっているわけなんですが、これは絶対にこんな高い金でもって——三分五厘もありますよ。やっていけるわけはないのです。日本の農業金融の高利であり、短期であることは、世界の文明国家では第一番ですから、こういう無理なことをして農民に借金させるわけです。だから、農業構造改善事業は、至るところに抵抗を受けておるわけだ。それでも、その間違いを農林省は強行しようとしているわけです。これは私は非常に重大問題であって、日本のような貧乏な農民が、六分五厘の金を借りて機械を買って、どうして間に合うか、これは常識でもわかるわけです。現在耕うん機のような小型なものでも、あれは三町歩以上なければ、採算はあなたも知っているとおり合わないのです。ところが、何百万台という耕うん機が農村に入っている。それがためにどんどん農民は機械貧乏に追われて、それが離村の重大な原因になっておるわけです。デンマーク農業を御存じでしょうけれども、平均二十二町歩耕しております。その二十二町歩は男二人でやっている。女は、デンマークでは農耕に、外の仕事に出ませんで、うちの仕事をやっておりますから。そういうデンマークのような二十二町歩を二人でやっている、コンバインやあるいはトラクターをもってやっているようなところでも、機械なんか買っていません。至るところに農機具サービスセンターがあって、そこから借りてくるのです。われわれは農業基本法を制定するときに、農機具サービスセンターを設けろと言ったのですよ。ところが、大蔵省が反対したり、農林省が反対したりして、そういう具体的なものを削って、抽象的な農業基本法をつくり上げたわけなんですね。そういうわけで、いかなる国に行っても、社会主義の国に行こうが、あるいは資本主義のヨーロッパのあらゆる国を回っても、たいがい利息は三分五厘以下、三十年以上の年賦償還。デンマーク六十カ年、オランダ百カ年という調子なんです。そうでなければ農業経営は成り立たない。日本のような非常に過小性の農業経営において、六分五厘や七分の金を借りてトラクターやコンバイン機を買って、そんなものが払えるわけはない。払うときは必ず不動産を売って返さなければならぬ、七年たったら、あるいは十年たったら。それだから、いまの日本の農業政策は、これは事実上農民を収奪して、だんだん離農させるようなことになるんです、結果は。いまや農業政策は官僚がやっているんですから。私はこの前も赤城農林大臣に申し上げたんですけれども、日本の農業技術は世界の最高水準であるし、官僚農業政策というものは、明治以来非常に功績がある。ところが、農民を中心とする農業経営じゃないんだから、役所のための農業経営になってしまっている。それだから、無理なことを平気でやり通すのですね。これが農家を没落させ、離農させる。これが私はいまのいわゆる農業構造改善事業じゃないかと思うのです。あなたも農業のことは非常に詳しいんだが、あのような生活程度の高いデンマークのようなところですら、農機具サービスセンターからトラクターとかあるいはコンバイン機とか、あるいは耕うん機を借りてきてやっているのに、日本のような貧乏な農民が、幾ら共同であろうが何であろうが、六分五厘の金を借りてコンバイン機やトラクターを買ってきてやって、それで一体償還ができると思うのですか。償還したら、必ず二町の田んぼは一町三反になり、一町五反になるということになるわけですから、そういうことに対して、農林大臣は一体どうお考えでありますか。しょっちゅう大臣がかわるものですから、大臣は責任がない。官僚がやっているのです。官僚は責任がないですから、これはただしゃくし定木でもってものをやるだけであって、そうして無理ないわゆる構造改善事業なんかをやって、農家をいじめつけている。自分の責任の上からも、農民が納得しないものを無理に納得させるようなことをやって、そうしてこういうふうなことをやっているから、そこで、これはたいへんだ——やってみてたいへんだということで、あとで問題が起こる、こういうことになるんですが、そういうふうなことに対して、農林大臣は一体どういうお考えを持っておられるか、お聞きしたいのです。