野原覺の発言 (文教委員会)
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○野原(覺)委員 昭和三十九年の三月の、私は、衆議院文教委員会の速記録をつくってみた。わが党の長谷川委員の質問に対して、時の文部大臣灘尾さんがこう答えておる。速記録から拾ったとおり申し上げますと、この各種学校で行なわれる教育内容も——この各種学校でとは、朝鮮人学校ですが、永住者に対して母国語による民族教育を行なうことは好ましくない、と断言をして、という観点から、そういう各種学校の新たな設置等については、望ましいものではないという態度で取り扱っております。いま私は、これをこれ以上追及はしませんよ、いずれあらためて論議の機会がありますから。しかし中村さんによれば、これは灘尾さんの個人の見解だ。私は、そういう方針は間違っておる、私は、母国語による民族教育というものは否定すべきではない、世界人権宣言の精神からいっても、国際親善、友好の上からいっても、そういう考えなのだ、そういう考えでこの法案についても検討しているんだ、こういうことでございますから、触れませんけれども、そういう過去があるわけです。この流れがやはり与党の中にも文部省の省内にもあると私は思う。灘尾さんにこういう答弁をさしたのは、そのときの管理局長です。管理局長の答弁も読み上げたらいいのですけれども、時間がないから省きますよ。だからして、あなたがどんな答弁されても、そういった底流があるじゃないか、民族教育否定の底流があるじゃないか、かつてそういうことを国会で答弁しているじゃないかというのが、背景にあるわけです。だからこの辺も十分お考えの上に、民族教育という問題は、ひとりこれは朝鮮人の教育ではなしに、私も昨年の八月、東南アジアを回ってきましたが、商社の数百名の子供の親たちが、やはり民族教育を希望しておる。私は帰ってきてから福田大蔵大臣に面接をして、日本人学校をつくれ——もうインドのボンベイ、カルカッタでは六百名、それぞれ私は陳情攻めにあってほんとうに困ったわけです。日本人学校をつくれ、日本語の教育をやらないとこの子供たちはどうなるのだ、インドの歴史を習って何になるのだということで、東南アジア六カ国に、本年度の予算では、日本人学校をつくる予算を一億円ばかり計上した。これは朝鮮人であれ、日本人であれ、アメリカ人であれ、当然の叫びなんです。こういったことを一片の単なる誤解で簡単に片づけてはいけない、よほど深く掘り下げて、再検討した上で法案の提出をしてもらいたいと私は思います。これを要望いたしておきます。
それからもう一点は、私どもこの学校教育法の一部改正で、先ほど大臣が言われた職業技芸教育、洋裁、散髪あるいは体育あるいは簿記等の職業技芸教育を盛んにしなければならぬということは、全面的に賛成いたします。私もあの要綱を見て、これはいいと思う。だからして、私はこの際、いま問題のある外国人学校のところを切り離して、やはりよいものは早く成立させる。そして外国人学校問題が世間の誤解と申しますか、いろいろ私どもも意見をこれから申し上げますから、聞いていただいて、そうしてほんとうに国民が納得できる。それからしいたげられてきた六十万の朝鮮の人たちも、これならば納得ができるというようにして法案を出されてはいかがかと思います。これを切り離すわけにはいきませんか。しばらく時間をかけて、学者の意見を聞き、もう少し議論をやって、外国人学校問題は手をつける。職業技芸の各種学校のほうは、政府の原案、まことにけっこうでございますから、これを提出して、そしてやはりそういった学校関係者の要望に国会はこたえる。そうすることが最も望ましいと思います。私は、これは技術的にも不可能ではないと思う。やろうと思えばこれはできることです。いかがですか、大臣。