芳賀貢の発言 (予算委員会第四分科会)

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○芳賀分科員 これは即答を求めているわけじゃないですよ。すみやかに検討すべきである。国有林の生産材の数量と外材の輸入数量が全供給量のちょうど半分を占めておるわけですね。国有林は自分でやっておるわけですから、国営方式だから、あるいは外材を買う場合においても、相手のソ連圏等は、これは国家貿易でやっておるわけですから、一般の産品を国が輸入管理するということはなかなか問題はあるが、こういう木材資源のごときは、いまの国有林の制度から見ると、そういうことは食糧の場合よりも容易にできると私は考えるわけです。ですから、こういう問題こそ公社化とか公団化とか、職員の首切りを検討するよりも、やはり国家百年の計を進める場合になかなか検討に値する事項だと思うわけですからして、ぜひこれは検討を進めていただきたいと思うわけです。
 もう一つお尋ねしたい点は、農林大臣は首切りをやるようなことは毛頭考えておらぬ、もしそういう説をなす者があれば、これは全く誤解に基づくものだということを言っておるが、昨日からもっと能率の上がる企業を云々ということを繰り返し、繰り返し言われておるが、これは最少の人員に従業者をしぼって、そうして過大なノルマを与えて生産を期待するということは、どうしても腹の中に隠されておると思う。大臣は正直だからそれほどでないが、林野庁長官の考えはそこにあるわけですね。長官からこれは別な機会にまたよく聞きますが、ですから、大臣がまじめに言っておるように、絶対に首切りはやらぬ、雇用の安定は十分に進める、しかも林業白書によっても、林業に従事する中堅的な基幹労働者というものは他産業にどんどん流出しておるということは、これは白書にもうたってありますし、あるいは農業白書にもそのことは同様にうたっておるわけです。ですから、人間を整理するとか首切りなんということでなくて、どうしたならば林業の生産分野に優秀な労働力を長期的に安定的に確保するかということが、これが林政に与えられた大きな課題であると考えるわけです。そういうことを忘れて、赤字をなくすためには公社化したらいいじゃないか、五千人、六千人首を切れば何とか収支のバランスがとれるとか、あるいはまた営林局単位で一定のノルマというものを与えて、是が非でも年間示された収益というものはこれを確保せい、それをやるためにはどんな方法をやってもかまわぬということが示されておるでしょう。あるいは長期計画によって、皆伐方式で逐次造林を進めていくというような場合にも、一定の収益をどうしてもあげなければならぬということになれば、奥地林の伐採はできないということになる。繰り返してやはり黒山とかそれに近い生産条件の有利なところにそれを振りかえて、そうして生産をあげる。造林するのもやめてそうして皆伐方式をやらないで、択伐方式を昔のように採用する、そういうことが現地でいや応なしにやらなければならぬというような状態が出てくるわけです。そういうことでなくて、ほんとうに雇用の確保をするとか、雇用の安定をはかるということであれば、現在の林業基本法でも、われわれが国会で審議をして、雇用関係の問題については、もう至れり尽くせり、これは法文上にはそういうものをうたってあるわけです。しかし、それが実行されていない。それでは首を切らぬで雇用の安定を確保するということになれば、どういうふうな制度をこの際判定して、特に国有林労働者の雇用の安定、あるいはまた民有林労働者の雇用の安定、あるいは社会保障制度を具体的に進めるかという点について、この際大臣から明確に答えてもらいたいわけです。
 この雇用の安定の問題については、一昨年の十二月の、当時の臨時国会のときに、予算委員会において私から農林大臣並びに当時の石田労働大臣に対して、この雇用安定の問題特に国有林における定期作業員ですね、一年じゅう続けて仕事をする意欲があっても、林業の特徴、性格上、年間の一定期間は仕事が休止される、中断される、しかしまた次の年には、一定の時期が来れば事業が再開されて、労働力が当然必要になるというような、こういう反復した事業の状態あるいは雇用の状態というものが特徴的に出ておるわけだから、それに対応する雇用安定の制度というものを国有林が率先して制定すべきである。それに続いて民有林、公有林等の労働者に対する雇用安定制度というものを確立すべきであるということを指摘した。当時の石田労働大臣は、労働省としてもそれの必要性は認めておる、しかし、残念ながら農林省のほうが非常に消極的である、特に林野庁長官が全く熱意がないので、やはりこれは農林省の問題として十分やってもらわなければならぬ、こういう趣旨の答弁が行なわれたことは、これは長官も御承知のとおりでしょう。一体その後何をやっているのですか。全然何もやっていないじゃないですか。そこでこの際首切りはしない、雇用安定むしろ事業を拡大していかなければ、これからの林力の拡大、再生産ということはできないわけですから、そういう意味における雇用安定の国の制度というものをすみやかに制定する作業が進められておるかどうか。その点について農林大臣から明快に答えてもらいたいわけです。

発言情報

speech_id: 105105270X00319660226_028

発言者: 芳賀貢

speaker_id: 28868

日付: 1966-02-26

院: 衆議院

会議名: 予算委員会第四分科会