坂田英一の発言 (農林水産委員会)

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○国務大臣(坂田英一君) 野溝委員のお心持ちは非常に私たちにも響くわけでございます。ただ、ここで申し上げたい点は、アジア閣僚懇談会においては、この前参りましたのは八カ国参りました。その八カ国参りました国のうちで、タイ国だけが少しばかり輸出できる国でありまして、あとは全部足らない国ばかりでございます。そこで、いわゆる食糧問題に努力してきた日本としては、これらの不足する地帯に対してどうして自給できるかという問題、それからそれらの技術協力、そういった問題について協力をするという問題を提供したわけでございます。この点については閣僚諸公においても反対はなかったわけでございます。新聞等を見るといろいろの誤伝があったように聞いておりますが、それは単なる誤伝でございます。これはそういうことで進みましたわけでございまして、各国ともそういう問題について非常に感激をいたしておったように私は見ておるわけでございます。ただ、この際に食糧以外の問題としてどういう問題があったかという問題については、私はその当時においてまだ的確に発表はいたさなかったのでございまするが、家畜のえさのうちでトウモロコシやマイロのようなものは、国内でも増産をでき得る限りするのはいいが、やはり必要なところからこれらのものは輸入するのがよかろうという意見を持っておるのでございまして、そういう点についていろいろ論じ合ったわけでございまして、いま申し上げましたアジア閣僚会議においては私の意見どおりそれらが進んでおるのでございまして、別の意見がないわけでございます。ただ、そういうことで寄った各国も、ぜひともこれらの問題を審議したいということに相なっておるわけでございまして、向こうからまた農業会議をやりたいというのでそれを進めておるということでございますから、この点はよく御了承を願いたいと思います。
 それから物価問題懇談会においていろいろの問題があるいは出されたかとも存ずるのでございまするが、これは日本といたしましては、たとえば米のような食糧についてはいまから十年ほど以前においては御存じのとおり六千四百万石程度のものが平年作であるというのでございましたが、現在は八千三、四百万石に伸びておるわけです。だから非常な米の増産ができ上がってきておるわけでございます。そのために当時七千万人の人口であったにもかかわらず、現在一億に近くても米の自給量は九六%以上に到達しておるということで、食糧の増産という問題については日本として相当努力を払っておることは御了承のとおりでございます。しかし、現在のところ、二、三年の経過を見ますというと、米の生産も減少の傾向が若干見られるのでございます。天候の関係もあり、いろいろの関係がございまして、そういう関係にございます。しかし、実態としては九六%程度の自給が可能になっておるのでございまして、私はやはり主要なる食糧についてはどうしても自給に向かって進みたい、こう考えていろいろ各種政策を立て、また、それらのものを完成すべき方向に向かっておるわけでございます。
 それから、基本法の根本問題についてでございますが、現在の基本法においては、ご存じのとおりにやはり生産性の向上という問題いわゆる反当たり収量という問題よりも、一人当たり労働生産性を上げるという問題に非常に力が入り、しこうして、また農家の所得を向上させるという点に非常に力が入っておることは御了承のとおりでございまして、これらは申し上げるまでもないことでございまするが、さような方向に向かって基本法の趣旨に沿ってでき得る限りのことを進めておるわけでございます。しかし、農政の根本から考えまして、野溝委員も御同感であろうと思いますが、それのみならず、農政のきわめて重要な面がこれだけでなしに大きな面が残されておる、こう思います。それらの問題は農業基本法の前文においてはっきりとそれらをうたっておるわけでございます。前文ではっきり生産性の向上及び所得の向上という問題以外の農村としての重要問題は、おわかりのことを申し上げてたいへん恐縮でございますが、前文にはっきりとこれをうたっておることは御了承のとおりでございます。しかし、最近の情勢から言うと、やはり一人当たりの労働生産性をふやすべきである、そうして所得全体の均衡をはかるべく努力する、こういう基本法の目的というものも、現在としては非常に大事な問題でございまするので、その線に向かって努力を払ってまいりたい、こういうのが私どもの考え方でございます。しかし、この基本法に基づいてのいろいろやっておる一つ一つの施策について見ますと、これはどれもこれも十分間違いなくいっておるかということになりますというと、物によっては全体はよくいっているにしても、部分的にはやはりまだ足らないことも、初めてのことでありますからいろいろ出ております。こういうことのために、全般としてこれらの問題に対して非常に疑問を持つということがあるのではないかと思いまして、私も就任早々、たとえば構造改善事業については全体の問題として十分調べる必要があるというので、調査をいたしたようなわけでございまして、部分的に見ますというとある地帯においてはまだいろいろの事情がある、これは大きなむずかしい問題でございまするので、改めるべきものは改めつつ、これらの方向に向かって進んでいきたい、かように考えておるわけでございます。

発言情報

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発言者: 坂田英一

speaker_id: 7800

日付: 1966-04-15

院: 参議院

会議名: 農林水産委員会