和田正明の発言 (農林水産委員会)
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○政府委員(和田正明君) 最初に法律案の補足説明を申し上げます。
この法律案は、給付の内容を国家公務員共済組合、地方公務員共済組合等の他の共済組合制度に準じて改善するとともに、組合が給付を行なうように要する費用についての国の補助率を引き上げ、あわせてこの制度の円滑な運営をはかるための規定の整備を行なうことを内容とするものであります。
初めに、給付内容の改善に関する点につきまして御説明申し上げます。
まず第一条中の第三十七条の二におきまして、減額退職年金を新設することといたしております。この年金は、退職年金の受給権を充たしていても五十五歳に達するまでは支給を停止されることとなっている現行制度と関連するものでありまして、五十五歳未満でありましても特に希望する者につきましては、退職年金の額を一定率で割り引きした年金を支給することができるようにするものであります。割引率は退職した年令と五十五歳との差一年につき四%でありますが、この率は国家公務員共済組合制度等他の共済制度ですでに減額退職年金制度を設けているものにおける割引率と同率としております。
次に第二条中の附則第四条第四号の改正におきまして、昭和三十九年九月三十日以前の組合員期間、いわゆる旧法組合員期間にかかる平均標準給与の年額の計算方法を改めることとしております。平均標準給与の年額は、昭和三十九年の法改正前の組合員期間、いわゆる旧法組合員期間につきましては、従来、給付事由発生時点からさかのぼり五年間の平均となっておりましたが、今回、昭和三十九年改正後の本法における計算方法、すなわち給付事由発生時点からさかのぼり三年間の平均とすることとし、平均標準給与の年額の引き上げをはかることとしております。
また、旧法組合員期間にかかる平均標準給与につきましては、当時の標準給与表との関連で、最高額を五万二千円で押えることとされておりましたが、これを廃止して昭和三十九年法改正後と同様の取り扱いとすることとしております。
平均標準給与は、これに一定の給付率を乗じて給付額を算定する基礎となるものでありますから、これらの措置によって旧法組合員期間にかかる給付額が増額されることとなるわけであります。
次に、第二条中の附則第五条の二及び附則中の第五条におきまして、すでに年金受給権者となっている者の退職年金、障害年金または遺族年金の額を、四十一年十月分以後、引き上げることとしております。二カ条に分かれておりますのは、前の方は三十九年法改正前の既裁定年金にかかるものであり、後の方三十九年法改正後の既裁定年金にかかるものであります。
引き上げの内容は、第一に、旧法組合員期間にかかる平均標準給与の年額をただいま第四条第四号について申し上げましたと同様に、五年平均から三年平均に改めるとともに、五万二千円の最高制限を廃止すること、第二に、厚生年金保険の被保険者であった期間にかかる年金額の減額を受けていた者についてはこれを廃止すること、第三に、組合員期間が二十年以上であった者につきましては、以上の方法によりその額を改定した後に、なお退職年金、障害年金にあっては六万円、遺族年金にあっては三万円に達しない場合におきましては、それぞれその額を六万円又は三万円まで引き上げることとしております。
以上が給付内容の改善に関する改正点のおもな内容であります。
次に国庫補助率の引き上げに関する改正について申し上げます。
第一条中の第六十二条でございますが、従来、組合が毎年度給付を行なうのに要する費用のうち一五%を国が補助することといたしておりましたが、本改正法によりましてこれを一%引き上げて一六%を補助することとするものであります。これによりまして、今回の給付内容の改善に伴って必要となる財源増が相殺され、農林漁業団体及び組合員の掛金負担を増加することは回避できることとなります。
次に、その他の改正点につきまして御説明申し上げます。
その一は、第一条中の第十条の改正でございます。これは組合の監事が、監査の結果に基づいて、理事長または農林大臣に意見を提出することができる旨の規定を新設するものでありまして、他の各特殊法人と軌を一にする規定を設けるものであります。
その二は、第一条中の第二十条の標準給与表の改正であります。これにより標準給与の月額の最低を従来の六千円から八千円に引き上げることとするものであります。
その三は、第一条中第五十三条の二の新設及び第七十条以下の改正でありますが、これは組合の業務のうち福祉事業及び余裕金運用としての農林漁業団体への貸し付けにかかる事業を、農業協同組合連合会その他の一定の者に委託することができることとするとともに、受託する法人がそれぞれの根拠法律において他からの業務の受託能力につき制限を加えられている場合において、それらの根拠法律の規定にかかわらず組合の業務を受託し得ることとすること及びこれに関連する監督、罰則の規定の整備であります。これにより、農林漁業団体職員共済組合が、より円滑に福祉事業等の業務を行ない得るようにするものであります。
最後に、この法律の施行日は、準備期間等を考慮いたしまして、昭和四十一年十月一日といたしております。
以上がこの法律案の主要な内容であります。
続けて、お配りをしてございます資料についてごく概略を御説明申し上げます。
三種類お配りをしてあるのでございますが、そのうち一番厚い農林漁業団体職員共済組合等の一部を改正する法律案関係資料という厚い一冊の本のほうは、法案とそれから条文の新旧対照表、それから提案理由の説明、要綱等でございますので、御説明を省略させていただきます。
それから横とじで四角なワクをつけました四ページほどの資料がございます。これは各共済組合制度の給付内容の比較をいたしたものでございます。一ページから二ページにわたりまして各共済組合法におきます新法ベースの給付内容の比較をいたしてございます。一番左の縦に各共済組合法を並べまして、横のほうに給付基準、以下退職年金あるいは一時金、障害年金等給付の内容その他を横にとってございます。これは現行ベースでございますので、今回の改正法案の内容はこの対照表には織り込んでございません。一番上が国家公務員共済組合法でございまして、一番下にこれから御審議をいただきます農林漁業団体職員共済組合法が書いてございます。一番下をごらんいただきますと、ほぼ大体新法ベースでは国家公務員に同じというところが多いのでございますが、一番最初の給付基準のところで、国家公務員法では最終三年間の標準給与の平均ということになっておりますか、その次の退職年金のところの給付要件のところで、減額退職年金制度が現在は農林年金にはございませんで、それを先ほど補足説明等で申し上げましたように、今度の改正法案に織り込んであるわけでございます。
それから、右から二つ目の廃疾一時金のところに、若干、国家公務員に同じということではなく、別なことが書いてございますが、これは組合員期間が一年以上の場合に、国家公務員では、公務内の軽廃疾については、国家公務員の災害補償法が適用されまして、共済組合法が適用にならないわけでございます。農林年金の場合には、同様、職務上の軽廃疾につきましては、一般的には、労働災害保険法が、一般に言っております労災法が適用対象になるわけでございます。
ただ、この年金の組合員のごく一部には、労災法の適用対象にならない者がございますので、それをカバーをいたしますために、職務上の軽廃疾につきましても、若干の規定を設けておるわけでございます。
その二点以外は、現行法ベースでは、公務員共済と同一の事情になっております。
それから、次のページも比較表でございますが、掛金率及びその負担割合という、まん中より右寄りのところにございますが、そこのところが、国家公務員と農林年金とでは、公称貝の掛金率が千分の百五でございまして、そのうち、国が千分の八十一を、組合員が千分の四十四を負担いたしておりますが、農林年金では、掛金率が千分の九十六で、それを折半して、事業主千分の四十八、組合員が千分の四十八、負担をしておるという、負担制令がやや国家公務員とは違うのでございます。
それから三ページ以後に、農林年金の旧法組合員期間、昭和三十九年の法改正以前の組合員期間の取り扱いが、上段に書かれてございます。まん中からやや下宿りのところに、棒を引いてありますところより下が、今度の法改正が成立した以後の取り扱いの内容になるわけでございます。
給付基準につきましては、現行法では、最終五年間の標準給与の平均であり、月額では五万二千円の頭打ちでございますが、今度の改正法案が成立をいたしますと、最終三年間の標準給与の平均となり、頭打ち五万二千円が十一万円に改められるわけでございます。
それから、退職年金の額につきましては、特に既裁定年金について六万円以下のものが六万円というふうに、最低保障をいたしますことと、それから現行法では、厚生年金期間について二割の減額をいたしておりますが、それを廃止することに改められるわけでございます。
退職一時金の額には変更がございません。
それから障害年金につきましても、内容は変更がございませんが、既裁定年金につきまして、六万円未満のものは六万円まで引き上げられるということになるわけでございます。
障害一特金の額については変更がございません。
それから遺族年金の額につきましては、基本的には変更がございませんが、特に、本人が二十年以上の組合員期間の場合には、その遺族年金の最低を、三万円未満のものについては三万円まで引き上げるという点が、今回の改正法案の中に盛られておるわけでございます。
遺族一時金などについては変更がございません。
それから四ページの表は、各種の共済組合制度の現行法におきます取り扱いの類似点と、おもな相違点とを表にしたものでございます。
類似点は、そこに文章で書いてございますように、新法期間は新法で、旧法期間は旧法で計算をして、それを足したものとして支給をするというルールは同じでございますが、旧法期間の取り扱い等について、若干の差がございます。それがおもな相違点として掲げてある表でございます。
国家公務員共済と農林年金とについて比べて見ますと、給付基準の中で、給付の基礎給与となりますものが、国家公務員共済は、恩給法時代あるいは旧共済組合とも最終給与でございますのに、農林年金については、最終五年平均、今回の改正で三年平均というふうに改められますけれども、そこが違います。
それから給付の頭打ちにつきましては、恩給法にはございません。また、旧共済は、月額十一万円でございますが、農林年金は、現行法が月額五万二千円の頭打ちになっておりますのを、今回、十一万円というところまで改めるということになるわけでございます。
それから給付標準につきましては、いろいろな給付によっていろいろな違いがございますが、ここでは一番典型的でございます退職年金の給付標準を例示したわけでございます。恩給は、十七年の勤続年限で給付が開始されまして、その給付は、十七年につきまして百分の三十三・三、十七年をこえる場合には、その一年につき百五十分の一ずつ加算いたします。旧共済は、二十年で百分の三十三・三、二十年をこえる一年につき九十分の一ずつ加算されます。農林年金は、この旧共済と同様でございまして、二十年で給与年額の百分の三十三・三、二十年をこえることで九十分の一ずつ一年につき加算をされるような仕組みになっております。
なお、まん中のところにございます地方公務員等共済組合のところでは、カッコして、市町村職員共済というふうに書いてございますが、地方公務員の共済におきましては、旧恩給法から引き継がれましたもの、それから退職年金に関する各県の、あるいは各市町村の条例によりますもの、昭和十八年にできました町村吏員恩給組合、あるいは昭和三十年に厚生年金から分離をいたしました市町村職員共済組合等、各県各市町村によって旧法期間が非常に多彩でございましたので、市町村職員共済のみを例として掲げておりますので、御了承いただきたいと思います。
それからもう一つ、農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案参考資料といたしました、数枚とじましたものをお配りしてございます。
これについて簡単に御説明を申し上げますと、第一ページのところに、現在の組合員の員数、それから加入しております団体の数、それから標準給与の平均金額、負担割合及び掛金率を表にして掲示をしてございます。組合員の数は、三十五万三千六百四十七人、団体の数が一万九千七百二十九、標準給与が二万一千四百七十八円、いずれも昭和四十年十月三十一日または四十年三月三十一日現在の数字でございます。
それから、二ページから三ページにかけましては、現行の農林年金が厚生年金から分離をいたしまして、その後行なわれましたところの改正点を列記をいたしております。三ページの左側にございますのが、三十九年までに行なわれました改正、それから右側に書いてございますのが、三十九年以後の改正でございますが、その内容については、特に御説明は省略をさせていただきます。
それから四ページで、給付に充てる資金の流れを図示してございます。これも別に御説明をすることはございません。
それから五ページに、給付経理の資産の運用状況を、昭和四十年三月までの現在で載せてございます。三百十六億七千六百万円の余裕金を預貯金に、あるいは他経理の長期貸し付け金、投資有価証券、信託、投資不動産等々、そこにございますように、運用いたしておりまして、それぞれの運用利回りは、そこにございますようなことで、平均八分になっております。それから、それぞれの運用の構成割合は、そこにございますような比率になるわけでございます。
なお、投資有価証券の内容について簡単に申し上げておきますと、大部分は農林中央金庫あるいは商工中央金庫、長期信用銀行、不動産銀行等の発行する金融債に投資をされておりまして、二百十五億五千万円のうち、百三十四億がそういう金融債でございます。それから四十七億六千万円ほどが電電公社、国有鉄道、東京都交通営団等の特殊法人債でございます。それから三十三億七千万円が東京電力、関西電力、中部電力等のいわゆる電力会社の社債でございます。残りの約千五百万円足らずが地方債ということになっておりまして、これは制度上も制限をいたしておりますが、しょっちゅう価格の変動をいたします株式等には投資をさせることを認めておらないわけでございます。
それから二番目にございます他経理長期貸し付け金と申しますのは、組合員に対する貸し付け、福祉事業としての貸し付け、それから福祉事業としての療養所でございますとか寮の設置とか、そういうことに向けられておる金額でございます。
それから六ページから七ページにわたりまして、この年金の給付状況を、昭和三十八年と三十九年と、四十年度はまだ最終決境が終わっておりませんので今年の二月までの実績の数字及び予算を、それぞれ給付の種類別に掲げてございます。
それから八ページから九ページにわたりまして、今回の改正に伴います財源率の試算をいたした表を載せてございます。新旧通算の関係で、先ほど来申し上げておりますように、平均標準給与の算定基礎期間を、現行五年から三年に改めますことで、所要財源率が千分の一・三八でございます。それから平均標準給与五万二千円の頭打ちを廃止いたしますことに伴います所要財源率はきわめて微々たるものでございまして、特に計上の必要がないような数守でございます。
それから、既裁定年金の引き上げのうち標準給与を五年から三年にいたしますことが千分の〇・〇八、それから厚生年金の減額廃止が千分の〇・〇四、それから最低保障で六万円、三万円という最低保障をつくりますことで千分の〇・〇三、それから減額退職年金制度の新設をいたしたわけでございますが、これは本人が希望を申し出ることによって、減額した退職年金を支払うことになりますので、今回、改正法施行後、どの程度の希望が出てくるかによって所要財源率に変更がございますが、とりあえずは所要財源を必要といたしませんので、今後の財源率再計算の機会に検討することにして、今回はその部分をはずしております。以上の合計で千分の一・五三の所要財源率を所要といたしますが、国庫補助率を一六%といたしました場合に、千分の一・四一が吸収をされますので、残りとして現行の掛け金率が九五・八五の財源率を九六というふうに切り上げてやっております結果、千分の〇・一五なお余裕がございましたので、それらを差し引きをいたしますと、この改正法を施行いたしました場合にも、国庫補助率が一六%である限り、とりあえずなお財源としては千分の〇・〇三だけ余裕があるということになるわけでございます。
それから一〇ページから一一ページにかけましては、本年度の予算と法改正後の関係を掲げてございます。十月一日からの施行を予定いたしておりますので、現行ベースの金額の半分と改定後の増加額の半分とにつきまして、それぞれ前半が一五%、後半が一六%で計算をいたしますと、三億六千二百七十万五千円の補助になるわけでございますが、これで予算書に計上してあります補助金と同額ということになるわけでございます。
以上、たいへん簡単でございますが、参考資料の説明を終わります。