佐藤榮作の発言 (本会議)

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○国務大臣(佐藤榮作君) 鈴木君にお答えいたします。
 ただいま、わが国におけるラジオ、テレビ等の発達の経過等については、鈴木君が御指摘のとおりだと思います。したがいまして、ただいまの放送法あるいは電波法が、御指摘にありましたように今日の実情にはなかなか合っていない、こういうことはお説のとおりだと思います。また、説明ではっきりいたしましたように——郵政大臣から提案理由を説明いたしましたが、今回の改正は、過去の経験を生かし、同時にまた、国民の放送に対する要望にこたえる、各界各層の良識、良知を集めて、そうして成案を得て、今後の放送のあり方、あるいは電波政策のあり方等をきめるまことに重大なものでございます。この点も御理解はいただいたと思いますが、ただ、それにつきましても、前大臣が具体的に社会党と相談をするとか、あるいは四十八国会に提案するとか、かように申したと言われますが、私は必ずしも、そう具体的に、はっきりした約束があったとは思いません。ただいま申し上げますことは、一昨年、法制調査会の答申を得まして、今回の改正はまことに重大だと、かように考えるがゆえに、各界各層の意見を十二分に取り入れて、そして納得のいくようなものをつくりたい、できるだけ早い機会に提案をすると、かように申したことだろうと思います。ただ、残念なことには、一昨年に、さような法制調査会の答申があったにかかわらず、四十八国会に提案することができなかった。同時に、この点では、提案のできなかったことは、重大な法案でありますだけに、郵政省も態度として慎重であったと、かように御了承いただきたいと思うのであります。したがいまして、今回の放送法の改正にあたりまして、私どもが最も意を用いたものは何か。これは申すまでもなく、放送の自由、あるいは言論の自由、あるいは表現の自由、こういうことに制限を加える、こういうことは絶対に避けなければならない。今日、私が申し上げるまでもないことですが、民主主義国家としての最も誇りにするこの言論の自由、あるいは表現の自由、こういうことが確保されなければならない、かように思いまして、特に意を用いたつもりでございます。したがいまして、いろいろ社会党には社会党の御意見がおありだと思いますし、また、その他の公明党や共産党におきましても、同じようにこれについては御意見がおありだと思いますが、十分その審議におきましてそれらの御意見を戦わして、そして、りっぱな放送法、電波法をここに成立さしていただきたいと、心から願う次第でございます。
 ただいまもお話にありましたように、いろいろ問題が山積しておるのではないか、新規免許や、あるいは在来の免許の修正、あるいは増補等、いろいろ問題が山積している。しかし、そのつど言うことは、新しい法律ができて、その基本に従って解決いたします。これこそは事務の渋滞を来たす、けしからぬことだ、かようなおしかりを受けましたが、私は、最初に鈴木君が御指摘になりましたように、今日の法制そのものが実情に即しない部分もあるので、どうか皆さんの御協力のもとに、早くりっぱな放送法の成立を得まして、そしで、その定めるところによっての処置が、これがいい行き方ではないか、かように思いますので、おくれて迷惑を国民に与えておる、かように思えば思うだけ、早く法案の成立をさせていただきたいと、お願いする次第であります。
 同時に、審議会において特別な委員会を設けて、そうして行政機構の改革をはかれ、大臣の権限が少し強過ぎやしないか、そこらに問題があるのだ、事務能率も低下しておる、かようなおしかりでありますが、私は、この点につきましては、鈴木君とは別な考え方を持っておりまして、今日の内閣法のもとに各省制度というものがあり、そしてその責任が非常にはっきりしておる。したがって、大臣が許認可の権限を持っておる、これは当然その責任の所在を明確にすることで、望ましいことだと思います。しかしながら、これは、ほんとうに責任がとれないような状態で行政が処理されてはならないと思います。ことに制度審議会において申しますことは、どこまでもこの種の国民に対しての権利の設定、こういうような事柄については十分厳正であって、公正な扱いをすべきである。また、一貫性が行政になければならない。かような御指摘だと思いますので、この点については、この御期待に沿うように今後とも十分努力してまいるつもりであります。
 次に、マス・メディアの集中排除についてのお尋ねでありますが、申し上げるまでもなく、マス・メディアに対して規制を加える、こういうようなことは民主主義のもとにおいては好ましいことではございません。しかし、実情は、ただいまの放送の媒体がとにかく非常に強力なものになっておる。その結果、放送が一カ所に集中される、かような事態が起こっておるのであります。そういう意味におけるこの集中の排除、これはやはりしなければならない、かように思うのでありまして、このマス・メディアの内部規制、こういう意味ではなくて、集中排除、こういうところに重点が置かれておるのでありますから、誤解のないように願いたいと思います。また、行政の遂行にあたりましても、この点は十分注意をいたしまして、そうして民主主義の基本に反することのないようにいたしたいものだと思います。
 NHKの企業体としてのあり方についてのお尋ねでありますが、これは申すまでもなく、放送法に基づく特殊の法人でございます。したがいまして、この特殊性を十分生かすということが大事であります。しかしながら、NHKも国家的なコントロール、これはやはり受けざるを得ない。しかし、その点では最小限度にこれを受けるということで、国会の権限等にもきわめて制限がされておると思います。その他の放送自体の問題については、どこまでも自主性が尊重される、かように私は考えておりますし、また実際にも、自主性が尊重されてきております。
 最後にお尋ねのありました科学放送の問題でありますが、私は、民間放送におきましてもこの種の事柄が行なわれることが最も適当だと、かように思いますので、ただいまの方針を変える考え方はございません。(拍手)
  〔国務大臣郡祐一君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 105115254X02619660511_016

発言者: 佐藤榮作

speaker_id: 21117

日付: 1966-05-11

院: 参議院

会議名: 本会議