瀬戸山三男の発言 (災害対策特別委員会)

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○国務大臣(瀬戸山三男君) 昨日の本会議でも申し上げましたように、率直に申し上げて、河川ばかりではございませんけれども、ほかのことをやめまして、治水、砂防、この日本の御承知のような複雑な地形のもとに特殊な河川がたくさんある、しかも雨量の多い、この条件の中での治水行政というものは、非常におくれております。私は率直に、これは政府ばかりでなくて、お互いに考えなければならない、これは従来からそういう強い気持ちを持っております。これもしかし、まあ国力といいますか、行政の欠陥があったと私は反省すべきだと思っておりますが、最近日本のこの二、三十年あるいは三、四十年といってよろしいと思いますが、この間の日本の国のあり方が、そこにここに欠陥を露呈しておる。私はこの反省に立って建設行政に携わっておるわけでありますが、そういう点からきのう申し上げたわけであります。そこで、そういうことをいろいろ申し上げても及ばないことでありますが、そういう反省の上に立って、治水防災行政を進めるべきである、こういうことだけを申し上げておるわけでございます。
 そこで、政府といたしましても、戦後非常な天災と申しますか、台風、豪雨等の災害が御承知のとおりに続いておりまして、治水に相当の力をいたしておりますが、何しろ過去の大きなギャップというものを一挙にこれを埋めるということができない。これは技術上の問題ばかりでなくて、やはり国力といいますか、財政の問題にからまっておるわけでありますが、その中でも昭和二十八年でありますか、治水の計画を立て、その中で順次治水計画を進めております。昨日も申し上げましたように、四十年度からは新たに河川法改正と同時に、水系一貫主義の治水を進めるということで五カ年計画を立てて、これも率直に申しまして、日本の現状からいいますと、まだまだもちろん不十分でありますけれども、砂防を入れて治水計画二兆一千億の計画を進めてきております。その中で河川治水関係が八千五百億、五カ年計画をいま進めておる現段階でございます。その中で、きのうも申し上げましたように、新潟県下の大河川は別にいたしまして、中小河川十八河川、あるいは小規模河川十八河川、こういう計画を立ててそれを進めておる途中に、こういう事態が起こったということでございます。
 おっしゃるとおりに、日本海沿岸は、特に日本のこの脊梁山脈の西側といいますか、あるいは北側に面しておる大陸から来る気象状況のために、さらにまた海岸に流砂の関係で丘陵地帯がある、その間に、低い地帯に多くの農耕地がある、あるいは町がある、村がある、こういう状態で、新潟県の日本海沿岸のおおむねは、さように非常に地形的に困難な状態にあることはいまお話のとおりであります。
 そこで、加治川の問題については、先ほどお話がありましたように、大正年間に、昨日も申し上げましたように、いわゆる鉄橋以下約十キロ河口に至るまでの間に当時の改修が行なわれております。しかし、建設省といたしましては、現状においてはこれだけでは足りないということで、先年から河川計画を立てまして、二十何億か、二十一億か二十三億の全体計画を立てまして、それに着手をしておる、こういう状態であります。きのうも申し上げましたように、過去の雨量の歴史から見ますると、日雨量約七十余ミリ、こういう状態を想定いたしまして、二千トンの流量をさばく、これで安全であろうと、こういう計画で進めておるわけでありますが、今回は御承知のとおり、五百ミリ以上連続雨量があった、日雨量が二百五十三ミリという雨量があった、これはこれで言いのがれをするわけじゃございませんが、異常な降雨量があった、これが大きな災害を起こした両々相まっての原因である、かように私どもは見ておるわけであります。そこで、私どもはこの事態を見まして、過去の日雨量二百ミリというのを歴史的に調べてやっておるわけでありますけれども、現実に起こった雨量を見ますると、それにプラスの五十三ミリという状態、たいへんな雨量でありますから、こういうことを想定して河川計画を改定すべきであるということを、さっそく検討をいま指示しておる段階でございますが、しかしおっしゃるとおり地形がああいうところでありますから、必ずしも河川を膨大に広げる、あるいは河川堤防を上げるというだけの工事では、とうてい解決することはできないのではないか。したがって上流山間地帯において、できるだけ多くのいまおっしゃった砂防のお話もありましたが、これは全く手おくれであります。砂防のみならず、上流において貯留する防災ダムを建設すべきである、そうしないと、これはこの地点を調査しませんと技術上の問題がありますが、必ずそういう地点があるわけであります。そういうところを検討して、こういう河川の全体的な安全をはかる方策をすべきである、こういうことがいま考えておる段階であります。そこで先ほど申しました河川計画に従って鉄橋以上の地点において、武内さん御承知であろうと思いますが、先年から改修計画を始めておるわけでありますが、本来ならばこれは鉄橋以下において下流のほうの放流をできるだけ多くするということが、治水上、防災上最も考えなければならない問題でありますから、鉄橋以下において工事を進めるのがこれは当然であります。建設省といたしましてはその計画を進めておるわけでありますが、残念ながらいままで歴史的に、おっしゃるとおりこういう事態の経験が少ないわけであります。これも言いのがれではありませんけれども、地元の御理解がなかなかうまくいかなかったという実情がございます。この図面にもありますように、今度の場合は約十一カ所、大小合わせて破堤個所がございますが、一番ひどいのは鉄橋足下、左岸の四百メーターくらい、右岸の二百二十メーターくらいのあたりが大きな被災の原因をなしております。よくここにあらわれておりますが、非常な急激な湾曲がある。しかも狭窄になっておる。こういうところをすみやかに改修しなければならないというのが、河川行政の本筋でございます。ところが残念ながらここには御承知のとおり約七キロにわたる桜堤防ができておる。これは非常に地元としては当然でありますけれども、桜堤ができておってこれを大事なものとしておられる。これにさわるということは、なかなかこれは地元としては率直に申し上げて反対をされて今日まで来ておられる。桜の並み木があるそうでありますが、お気持はわかりますけれども、今度起こりましてきわめて残念でありますが、言いのがれをしておるわけではありませんが、こういう点をどうしても私は今後すみやかにお話し合いをして、根本的な、時間がかかりますけれども、根本的な改修をすみやかにいたしたい。これが全体に対する考え方でございますが、これはやや時間がかかりますから。
 そこで、私どもは何しろこの大量の水が低地に入っておる、このためにばく大な農耕地、あるいは町村、部落等に損害を与えているこの水を早く排除することが先決である。こういうことで一昨日地元のそういう意向があるということで、昨日も申し上げましたように阿賀野川地帯の下流右岸堤を、これは堤防が完成しておるわけでありますけれども、これを切ってここから放流をはかるべきではなかろうか、こういう検討をいたしました。ところが、地形が堤防のほうが高くなっております。水たまりと申しますか、湛水地域がずっと低くなっておる。もともとここは湛水地域であったろうと思われる地形でありますが、そういうことで水が減りますとその堤防を切るいわゆる幅といいますか、長さといいますか非常に長くなっておる。少なくとも二百メーターないし三百メーター切らなければならない、相当の時間がかかる。それをいろいろと地元と協議いたしました結果、それよりも減水がいま始まっておりますから、まず流入することをすみやかに防ぐべきである、これ先ほど長官から申し上げました、きのう本会議でも御報告いたしましたが、今明日ときのう申し上げておきましたが、今日中にはこの流入を防ぐ。ただよけいなことでございますが、残念ながらけさからまた雨が降り出しております。気象庁、お帰りになったかと思いますが、これ非常に心配いたしております。いずれにしても早く流入を停止する、締め切る、これに全力を上げておりますが、これきょうの夕刻には右岸左岸とも締め切りができる状態になっております。これを締め切って最初左岸地域の広大な地域に約一億トンの水が流入しておると想定されておりましたが、それが漸次天気が回復するにしたがって減水しておりますが、昨日は、きのうの朝大体八千万トン、こういうことを私は本会議で御報告をいたしましたが、今朝の報告では約五千万トンに減っておる。これは排水に努力をいたしております。締め切りまして上からの流入を防ぎ、そうして排水に全力を上げて、なお二日ないし三日で排水を終わろう。こういうことになりまして、阿賀野川の右岸堤の諸施策をやめる。気象条件によっては阿賀野川の危険度も考えなければなりませんから、いろいろ勘案して、その緊急避難的な思い切った工事は地元と協議の上でやる、こういう次第でございます。いま申し上げました、緊急的には早くこの水をとめて早く排水をすべきである、こういうようにいま全力をあげております。その他の対策はもとより今後進めていかなければならぬ、これが現状でございます。
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発言情報

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発言者: 瀬戸山三男

speaker_id: 30007

日付: 1966-07-22

院: 参議院

会議名: 災害対策特別委員会