災害対策特別委員会

1966-07-22 参議院 全140発言

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会議録情報#0
昭和四十一年七月二十二日(金曜日)
   午前十時五十分開会
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   委員の異動
 七月二十一日
    辞任         補欠選任
     吉田忠三郎君     杉山善太郎君
 七月二十二日
    辞任         補欠選任
     大森 久司君     小柳 牧衞君
     大倉 精一君     戸田 菊雄君
     白木義一郎君     黒柳  明君
     高山 恒雄君     片山 武夫君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         成瀬 幡治君
    理 事
                青田源太郎君
                稲浦 鹿藏君
                永岡 光治君
                浅井  亨君
    委 員
                小柳 牧衞君
                近藤英一郎君
                園田 清充君
                森 八三一君
                山内 一郎君
                和田 鶴一君
                杉山善太郎君
                鈴木  力君
                武内 五郎君
                戸田 菊雄君
                黒柳  明君
                高山 恒雄君
   国務大臣
       農 林 大 臣  坂田 英一君
       建 設 大 臣  瀬戸山三男君
   政府委員
       総理府総務副長
       官        細田 吉藏君
       大蔵政務次官   竹中 恒夫君
       文部省管理局長  宮地  茂君
       農林大臣官房長  大口 駿一君
       農林省農林経済
       局長       森本  修君
       農林省農政局長  和田 正明君
       農林省農地局長  大和田啓気君
       建設省河川局長  古賀雷四郎君
       自治省財政局長  細郷 道一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木  武君
       常任委員会専門
       員        宮出 秀雄君
   説明員
       内閣総理大臣官
       房参事官     上田 伯夫君
       厚生省公衆衛生
       局防疫課長    春日  斉君
       厚生省社会局施
       設課長      飯原 久弥君
       農林省大臣官房
       参事官      来正 秀雄君
       農林省農地局建
       設部災害復旧課
       長        松井 芳明君
       気象庁長官    柴田 淑次君
       建設省住宅局住
       宅総務課長    角田 正経君
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  本日の会議に付した案件
○理事の互選
○災害対策樹立に関する調査(台風四号による災
 害対策に関する件)(六月、七月の集中豪雨に
 よる災害対策に関する件)
○委員派遣承認要求に関する件
○台風四号による岩手県下の災害対策に関する請
 願(第二一号)
○継続調査要求に関する件
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成瀬幡治#1
○委員長(成瀬幡治君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、吉田忠三郎君が委員を辞任され、その補欠として杉山善太郎君が委員に選任されました。また本日、大森久司君が委員を辞任され、その補欠として小柳牧衛君が委員に選任されました。
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成瀬幡治#2
○委員長(成瀬幡治君) ただいまから理事の互選を行ないます。
 本委員会の理事の数は四名でございます。互選は、投票の方法によらないで、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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成瀬幡治#3
○委員長(成瀬幡治君) 異議ないと認めます。
 それでは理事に青田源太郎君、稲浦鹿藏君、永岡光治君、浅井亨君を指名いたします。
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成瀬幡治#4
○委員長(成瀬幡治君) 災害対策樹立に関する調査を議題といたします。
 本日は、台風四号による災害対策に関する件、六月、七月の集中豪雨による災害対策に関する件、その他について調査を行ないます。
 最初に、六月、七月の集中豪雨による被害状況等について、前回に引き続き関係当局より説明を求めます。
 なお、政府側の出席者につきましては、お手元に配付いたしました出席者一覧表をごらん願いたいと存じます。
 まず、気象概況について気象庁からお願いをいたします。柴田気象庁長官。
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柴田淑次#5
○説明員(柴田淑次君) せんだっての六月、七月にかけての集中豪雨につきまして七月の六日の本委員会におきまして、台風四号について御報告申し上げましたので、その後の集中豪雨について本日は御報告させていただきたいと思います。
 台風四号が去ったあと、六月の三十日から七月の一日にかけまして、福岡県とそれから山口県にかけまして集中豪雨がございました。この状態は、お手元にプリントで資料を差し上げておりますが、気象状況としましては、原因は梅雨前線でございまして、台風四号によって雨を降らせた梅雨前線が一時南下しておりましたが、それが再び北上いたしまして本州にひっかかったわけでございます。その上に低気圧が山陰沖にできまして、その低気圧の刺激も手伝いまして豪雨になったわけでございます。なお、小さい低気圧が済州島付近に発生いたしまして、それが東進いたしましたというような副作用もございます。
 こういうような梅雨前線の活動によりまして、低気圧を伴った活動によりまして、西日本、主として福岡県から東の山口県及び四国の東部地方に大雨が降ったわけでございます。下関では大体二百五十二ミリ、四国の剣山では二百二十九ミリ、日和佐では二百三十九ミリというような集中豪雨が降っております。これに対しまして、気象庁は福岡県、山口県、愛媛県に対しまして警報を発表いたして警戒をさせております。
 それから七月の八日でございますが、七月の八日には鹿児島県で大雨が降ったのでございまして、その資料も引き続いてお手元の資料の中に入っております。このときの原因はやはり梅雨前線でございまして、七月の初めに本州にひっかかっていた梅雨前線が、一たん南下いたしましてまた北上してきたわけでございます。その上に山陰沖に低気圧がございまして、その低気圧が梅雨前線を刺激したということで大雨が降ったわけでございます。雨量は、そこのお手元の資料に書いてございますが、お手元に差し上げている資料では、七月の九日の午前九時までの雨量ということになっておりますが、その後総雨量を計算いたしますともう少しふえまして、これは鹿児島県の吉ケ別府というところがございますが、ここで七百三十五ミリ降っております。それからこれはやはり鹿児島県の湯之野というところで六百九十八ミリ降っております。これはちょっとその数字が資料と違いますが、大体それくらいの雨が降っております。これに対しまして、気象庁は鹿児島県に対しまして警報を発表いたしまして警戒をさせております。
 それから次には中部地方の北部、主として能登半島でございますが、に豪雨がございました。それは七月の十二日でございます。その原因もやはり梅雨前線でございまして、梅雨前線が房総半島から山陰にかけて本州にひっかかっておりまして、能登で大体二百ミリ程度の雨が降っております。輪島で二百三十四ミリということになっております。これに対しまして、石川県には警報を出しまして警戒をさせております。
 最後に、先ほどの新潟あるいは山形の豪雨でございますが、これは原因はやはり梅雨前線でございますが、その梅雨前線の上にやはり低気圧が重なりまして、低気圧の刺激で梅雨前線の活動が活発化したというようなのが気象状況でございます。これによりまして、お手元にも資料がございますが、主として新潟県の北部とそれから山形県に集中豪雨が降っております。その値で一番大きなのは鳥海山で七百二十三ミリという値でございまして、新潟の二王子岳でございますが、ここで五百四十三ミリというような降水量を観測しております。これに対しまして警報は、秋田、山形、新潟にそれぞれ警報を出しまして警戒をさせております。そういうような状況でございまして、これが大ざっぱな概況でございます。なお詳しくは、お手元の資料に書いてございますので、それをごらんくださいますようにお願いをいたします。
 気象庁の説明はこれで終らしていただきます。
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成瀬幡治#6
○委員長(成瀬幡治君) 次に、被害状況について瀬戸山建設大臣。
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瀬戸山三男#7
○国務大臣(瀬戸山三男君) 六月末以来、新潟、南九州地方をはじめとしまして、各地に相次いで発生いたしました局地的集中豪雨による災害は、すべて梅雨前線の活動によるものでありますが、現在までの調査集計によりますと、その被害状況は、死者二十一名、行方不明七名、負傷者百五名、家屋の全半壊、流失約三百棟、浸水家屋約十三万棟、農地の流失、埋没約三千六百ヘクタール、農地の冠水約九万三千ヘクタールとなるほか、道路、堤防等にも多大の被害を与え、罹災者は二万二千四百九十六世帯、九万一千三百七十六名にも及んでおります。また公共施設、農作物等の被害額は、約二百八十一億五千万円に達しております。
 被災県におきましては、災害の激甚なことにかんがみ、実態に応じ災害救助法の発動をはじめとし、地元警察、消防団の協力のもとに、被災者の救助活動に全力を尽くし、被災地住民の福祉の確保につとめており、政府といたしましても、事態に即応して自衛隊を出動させ救助活動につかせるとともに、現地機関をして鉄道、道路、通信の機能の回復、河川の破堤個所の仮締め切り工事の施行に当たらせる一方、中央においては、関係省庁連絡会議を開き、災害対策の検討、協議を進め、特に新潟地方については、政府調査団を派遣して、つぶさに現地の状況を視察するとともに、関係各省庁においても、災害の状況に応じ、それぞれの所管業務に関し、被災後直ちに係官を現地に派遣して被害の実態調査、所管施設の応急復旧、工法の指導等に当たらせる等の措置を講じており、引き続き早急に査定を実施し、予備費の支出を待って本復旧を行なうことといたしております。
 このほか、被災納税者に対する租税減免等の措置、被災住宅に対する住宅金融公庫からの特別貸し付けを行なうこととするなど、災害復旧及び被災者助成のための万全の対策を講じ、被災地域の民生の安定を早急にはかる所存でございます。
 以上、簡単でありますが、概略を御報告申し上げます。
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成瀬幡治#8
○委員長(成瀬幡治君) 次に、細田副長官から御説明願いたいと思います。
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細田吉藏#9
○政府委員(細田吉藏君) ただいま瀬戸山建設大臣から、本年六月ないし七月の集中豪雨による災害につきまして、概略説明がございました。私から若干の補足をいたしたいと存じます。お手元に昭和四十一年六月ないし七月の台風及び大雨による被害状況と政府のとった措置の概要がございますが、これは今回の新潟地方の大雨までを含めました今年の梅雨前線並びに台風四号による被害を総まとめにしたものでございます。木曽谷集中豪雨、台風四号につきましては、前回の当委員会におきまして御審議いただいておりますので、地方の大雨災害を中心といたしまして御説明を申し上げたいと存じます。
 新潟地方の大雨災害は、七月十五日から十八日にかけて新潟地方を中心として降りました大雨によるものでございますが、被害の状況を新潟県について見ますと、一般被害は七月二十日、正午現在の警察庁調べによりますと、死者、行方不明三名、負傷者二名、家屋の全半壊・流失七十一棟、床上浸水八千二百八十棟、床下浸水一万三千八百二十二棟、罹災者は八千四百七十七世帯、三万七千二名等となっております。施設関係被害額は、現在調査中のものもございますが、七月二十一日、夕刻現在、昨晩の現在で県の報告によりますと、この資料の一番うしろに大雨災害のことが書いてございますが、この資料よりもさらに増加をいたしておりますので御訂正をいただかなければならぬと思いますが、公共土木施設は約六十四億になっております。また農地等は約四十三億、農作物は約五十三億等、総額百七十億円の報告になっておる次第でございます。
 この災害の特色は、すでに御案内のとおり、加治川が天井川的性格を有しておりますために、流出水流が福島湾を中心とする低地帯に流れ湛水いたしまして、農作物等に甚大な被害を与えたことにございます。降雨量も五百ミリをこえるというような非常な異例な降雨でございまして、こうした大きな災害が発生いたしたのでございます。国と地元の関係機関また住民の方々の災害防止対策がよく行なわれて、警察官、自衛隊員、消防団員等の活躍と相まちまして、死者が一名、行方不明二人で、人命に関しましては、これだけの災害のわりにはきわめて少数な被害にとどまることができましたのは、不幸中の幸いでございました。
 また、避難者の収容、たき出し、あるいは被服、寝具等生活必需品の給与、飲料水の供給等、災害救助に最大の努力をいたしました。今回の水害では三十二の部落が孤立をし、国道七号線、国鉄白新線をはじめとしまして、非常に低地帯でございまして、湛水のため交通路が遮断されておるという非常に大きな影響を持った災害でございまして、そういう点で私、実はいま瀬戸山大臣から御報告がございましたように、一昨日新潟県に関係各省の係官を帯同いたしまして、政府調査団として参ったのでございますが、非常に困難な問題が多うございまして、特に自衛隊が舟艇を使いまして、飲料水とかいろいろなものを配ると、こういうようなことを続けておるような次第でございます。
 なお、対策といたしましては、加治川の決壊しておりまする堤防破堤個所を早急に直しませんと、いつまでたっても水が引かないわけでございます。そういうわけで、自衛隊を主力といたしまして一昨日早朝から破堤箇所——加治川の右岸、左岸の破堤個所の修理にいまかかっておるのでございまして、徹夜で作業を続けておるのでございますが、本日大体午後一時くらいまでには左岸、さらに夕方から夜にかけて右岸が大体応急の仮堤防をつくることができるというふうに報告を受けておるような次第でございます。なお、この加治川の決壊個所をとめますと同時に、いま湛水しておるのを全能力をあげましてポンプアップをいたしまして排水に努力をしておるというのが、実情でございます。いろいろそのほかの防疫対策とか、いろいろな対策につきましては、ただいま瀬戸山大臣から御説明ございまして、政府関係の金融機関の問題でございますとか、租税の問題でございますとかいうような点につきましては、御説明がございましたので省略をさせていただきます。
 たいへん概略で恐縮でございますが、新潟地方の大雨を中心にいたしまして御報告申し上げた次第でございます。
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成瀬幡治#10
○委員長(成瀬幡治君) ただいまの報告につきまして質疑の通告がございます。順次これを許します。武内君。
 ちょっと速記をとめてください。
  〔速記中止〕
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成瀬幡治#11
○委員長(成瀬幡治君) 速記を起こして。
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武内五郎#12
○武内五郎君 ただいま瀬戸山建設大臣並びに細田総務副長官からの説明がありまして、私も新潟県の出身でありますが、予想以上の被害の大きいのには、実は全く驚きのほかはないのであります。御承知のとおり新潟県の今度の水害地は穀倉地帯であります。新潟県全体といたしましても、日本における水稲農業の最も大きな水準をもって今日までやってきたのでありますが、その中でも特に北蒲原地方は、最もその中心をなすものであることは、御承知のとおりであります。特に新潟の県の地勢というのは背後に脊梁山脈を控え、それを流れてくる渓谷があるいは信濃川となり、阿賀野川となり、あるいは胎内川となり、荒川となって海に注いでおるわけなんでありまするが、その脊梁地帯をはずれますると、海岸の地帯に入ってまいりますると、これは平地よりもずっと高くなり、砂丘地帯が盛り上がっておりまして、その内陸はあるいはゼロ地帯になっておる。水溶性ガス採取の関係等からいたしましてマイナス地帯が非常に大きいんです。そういうような地勢でございまして、その中を流れてまいりまするといろいろな川が、堤防はずっと高くしなければ常に隘水のおそれがある次第であります。
 そういう地帯の中で今日まで農業をやってきたのが新潟であります。こういうところに今回災害が起きたんでありまして、日を追うて災害の度がだんだん大きくなるように考えられます。最初人命の損傷があるいは一名または二名という報告で、きわめてその災害の小さいことを報ぜられておったんでありまするが、それがだんだん実相が明らかになってまいりまするに従って、なるほど人命の損傷は小さいかもしらぬけれども、幸いにして小さくして済んだんでありまするが、農地等を中心とする被害というものは、想像に余るものが出てまいりました。今日すでに、昨日の本会議において瀬戸山建設大臣の御報告にもありまするように、被害農地は二万ヘクタールをこえる状態になっておる。反当たり三石を生産するとすれば、かりに二万ヘクタールの被害地がほとんど全減の状態になってまいりますると、おそるべき農産物の被害が出てまいります。こういうような状態になってまいります。私は、なお今後日を追うて真相が明らかになるに従って、災害の度が大きくなっていくのではないかと考えておる次第であります。
 そこでいろいろお伺いしたいのでありまするが、いずれ本委員会から実情調査のために委員の派遣があるようであります。その調査の結果を持って詳細な御質問を申し上げて、いろいろ対策の御検討をお願い申し上げたいと思います。本日は大体基本的な問題に関してだけ短い時間でお伺いしたいと思うのであります。
 今度の災害の中心でありまする加治川の破堤溢水、こういうような災害の中心となったこの加治川は、今日まで実はほとんど災害のない川でありました。私の記憶しておるところによりますると、大正時代にわずかにあった。それもほんの川べりをなでた隘水が見られた程度であります。今回のような状態にまではとうてい及びもつかなかった。この加治川に十数カ所の堤防の決壊が見られた。この川が、そういうような今日まであるいは大きな災害をもたらすことのなかったこうした川が、今回急激な出水とともに大きな災害を下流地帯にもたらしてまいったということは、これは私はまことに実は河川行政上、災害対策上から考えてきわめて重大な問題が残されておる。なるほど今日まで比較的災害が少なかった加治川でありまするが、それに対する非常時に対する考え方がほとんどなおざりにされておった。昨日の本会議において瀬戸山建設大臣が、みずから中小河川に対する施策というものがきわめて手薄であったということを自己批判されたことは、その謙虚な態度に実は非常に好感をもって私ども瀬戸山大臣の話を聞いたのであります。事実この加治川に対する河川行政というものの手は、ほとんど伸びてなかった。たとえばこういう中小河川の上流地帯に砂防施設が一つない、今日ない、現にただ一つだけ三光川という渓流地帯に目下工事中の砂防が一つある、工事中、そういうようなふうに考えてみますると、新潟県には信濃川、阿賀野川という大河川がある、こういうようなもの、こういうような方面はなかなかそれは大きな災害もときどきまいってまいりまするが、その方面が非常な関心を持たれて、中小河川のほうには手が回ってこないと、今度現地の人々はこう言っておる、一体われわれの地域に最も身近かな中小河川に対しては、政府が何ら施策の手を伸ばしてくれないのか、こういうのが今日のこの災害の中で現地の人々が言っていることばであります。こういうようなことで、特に加治川に対して災害を防止する施策というものは、今日までほとんどなかった。まして今回荒れておりまする岩船の荒川地帯あるいは胎内川、北蒲原と岩船の境を流れております胎内川等のはんらんを考えてみまするときに、中小河川に対する施策というものは全くないといっても差しつかえない。こういうようなことで、今回の災害はさらに大きくなっておることを、私どもはつぶさに考えなければならない。このように、私は先ほど申し上げましたように、だんだん下流の地帯にまいりますに従って、ゼロ地帯からますます低くなって、マイナス何メートルという状態になってまいりますので、水のはけ口がない。こういうことを前提としてまずお伺いしたいことは、昨日の瀬戸山大臣の自己反省に基づく今後の河川行政というもののあり方、このただいまの水害に対する応急の対策とこの二つを本日、実はお伺いしておきたいと思う。まず、建設関係からいいまして、瀬戸山大臣のお考えをお伺いしたい。
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瀬戸山三男#13
○国務大臣(瀬戸山三男君) 昨日の本会議でも申し上げましたように、率直に申し上げて、河川ばかりではございませんけれども、ほかのことをやめまして、治水、砂防、この日本の御承知のような複雑な地形のもとに特殊な河川がたくさんある、しかも雨量の多い、この条件の中での治水行政というものは、非常におくれております。私は率直に、これは政府ばかりでなくて、お互いに考えなければならない、これは従来からそういう強い気持ちを持っております。これもしかし、まあ国力といいますか、行政の欠陥があったと私は反省すべきだと思っておりますが、最近日本のこの二、三十年あるいは三、四十年といってよろしいと思いますが、この間の日本の国のあり方が、そこにここに欠陥を露呈しておる。私はこの反省に立って建設行政に携わっておるわけでありますが、そういう点からきのう申し上げたわけであります。そこで、そういうことをいろいろ申し上げても及ばないことでありますが、そういう反省の上に立って、治水防災行政を進めるべきである、こういうことだけを申し上げておるわけでございます。
 そこで、政府といたしましても、戦後非常な天災と申しますか、台風、豪雨等の災害が御承知のとおりに続いておりまして、治水に相当の力をいたしておりますが、何しろ過去の大きなギャップというものを一挙にこれを埋めるということができない。これは技術上の問題ばかりでなくて、やはり国力といいますか、財政の問題にからまっておるわけでありますが、その中でも昭和二十八年でありますか、治水の計画を立て、その中で順次治水計画を進めております。昨日も申し上げましたように、四十年度からは新たに河川法改正と同時に、水系一貫主義の治水を進めるということで五カ年計画を立てて、これも率直に申しまして、日本の現状からいいますと、まだまだもちろん不十分でありますけれども、砂防を入れて治水計画二兆一千億の計画を進めてきております。その中で河川治水関係が八千五百億、五カ年計画をいま進めておる現段階でございます。その中で、きのうも申し上げましたように、新潟県下の大河川は別にいたしまして、中小河川十八河川、あるいは小規模河川十八河川、こういう計画を立ててそれを進めておる途中に、こういう事態が起こったということでございます。
 おっしゃるとおりに、日本海沿岸は、特に日本のこの脊梁山脈の西側といいますか、あるいは北側に面しておる大陸から来る気象状況のために、さらにまた海岸に流砂の関係で丘陵地帯がある、その間に、低い地帯に多くの農耕地がある、あるいは町がある、村がある、こういう状態で、新潟県の日本海沿岸のおおむねは、さように非常に地形的に困難な状態にあることはいまお話のとおりであります。
 そこで、加治川の問題については、先ほどお話がありましたように、大正年間に、昨日も申し上げましたように、いわゆる鉄橋以下約十キロ河口に至るまでの間に当時の改修が行なわれております。しかし、建設省といたしましては、現状においてはこれだけでは足りないということで、先年から河川計画を立てまして、二十何億か、二十一億か二十三億の全体計画を立てまして、それに着手をしておる、こういう状態であります。きのうも申し上げましたように、過去の雨量の歴史から見ますると、日雨量約七十余ミリ、こういう状態を想定いたしまして、二千トンの流量をさばく、これで安全であろうと、こういう計画で進めておるわけでありますが、今回は御承知のとおり、五百ミリ以上連続雨量があった、日雨量が二百五十三ミリという雨量があった、これはこれで言いのがれをするわけじゃございませんが、異常な降雨量があった、これが大きな災害を起こした両々相まっての原因である、かように私どもは見ておるわけであります。そこで、私どもはこの事態を見まして、過去の日雨量二百ミリというのを歴史的に調べてやっておるわけでありますけれども、現実に起こった雨量を見ますると、それにプラスの五十三ミリという状態、たいへんな雨量でありますから、こういうことを想定して河川計画を改定すべきであるということを、さっそく検討をいま指示しておる段階でございますが、しかしおっしゃるとおり地形がああいうところでありますから、必ずしも河川を膨大に広げる、あるいは河川堤防を上げるというだけの工事では、とうてい解決することはできないのではないか。したがって上流山間地帯において、できるだけ多くのいまおっしゃった砂防のお話もありましたが、これは全く手おくれであります。砂防のみならず、上流において貯留する防災ダムを建設すべきである、そうしないと、これはこの地点を調査しませんと技術上の問題がありますが、必ずそういう地点があるわけであります。そういうところを検討して、こういう河川の全体的な安全をはかる方策をすべきである、こういうことがいま考えておる段階であります。そこで先ほど申しました河川計画に従って鉄橋以上の地点において、武内さん御承知であろうと思いますが、先年から改修計画を始めておるわけでありますが、本来ならばこれは鉄橋以下において下流のほうの放流をできるだけ多くするということが、治水上、防災上最も考えなければならない問題でありますから、鉄橋以下において工事を進めるのがこれは当然であります。建設省といたしましてはその計画を進めておるわけでありますが、残念ながらいままで歴史的に、おっしゃるとおりこういう事態の経験が少ないわけであります。これも言いのがれではありませんけれども、地元の御理解がなかなかうまくいかなかったという実情がございます。この図面にもありますように、今度の場合は約十一カ所、大小合わせて破堤個所がございますが、一番ひどいのは鉄橋足下、左岸の四百メーターくらい、右岸の二百二十メーターくらいのあたりが大きな被災の原因をなしております。よくここにあらわれておりますが、非常な急激な湾曲がある。しかも狭窄になっておる。こういうところをすみやかに改修しなければならないというのが、河川行政の本筋でございます。ところが残念ながらここには御承知のとおり約七キロにわたる桜堤防ができておる。これは非常に地元としては当然でありますけれども、桜堤ができておってこれを大事なものとしておられる。これにさわるということは、なかなかこれは地元としては率直に申し上げて反対をされて今日まで来ておられる。桜の並み木があるそうでありますが、お気持はわかりますけれども、今度起こりましてきわめて残念でありますが、言いのがれをしておるわけではありませんが、こういう点をどうしても私は今後すみやかにお話し合いをして、根本的な、時間がかかりますけれども、根本的な改修をすみやかにいたしたい。これが全体に対する考え方でございますが、これはやや時間がかかりますから。
 そこで、私どもは何しろこの大量の水が低地に入っておる、このためにばく大な農耕地、あるいは町村、部落等に損害を与えているこの水を早く排除することが先決である。こういうことで一昨日地元のそういう意向があるということで、昨日も申し上げましたように阿賀野川地帯の下流右岸堤を、これは堤防が完成しておるわけでありますけれども、これを切ってここから放流をはかるべきではなかろうか、こういう検討をいたしました。ところが、地形が堤防のほうが高くなっております。水たまりと申しますか、湛水地域がずっと低くなっておる。もともとここは湛水地域であったろうと思われる地形でありますが、そういうことで水が減りますとその堤防を切るいわゆる幅といいますか、長さといいますか非常に長くなっておる。少なくとも二百メーターないし三百メーター切らなければならない、相当の時間がかかる。それをいろいろと地元と協議いたしました結果、それよりも減水がいま始まっておりますから、まず流入することをすみやかに防ぐべきである、これ先ほど長官から申し上げました、きのう本会議でも御報告いたしましたが、今明日ときのう申し上げておきましたが、今日中にはこの流入を防ぐ。ただよけいなことでございますが、残念ながらけさからまた雨が降り出しております。気象庁、お帰りになったかと思いますが、これ非常に心配いたしております。いずれにしても早く流入を停止する、締め切る、これに全力を上げておりますが、これきょうの夕刻には右岸左岸とも締め切りができる状態になっております。これを締め切って最初左岸地域の広大な地域に約一億トンの水が流入しておると想定されておりましたが、それが漸次天気が回復するにしたがって減水しておりますが、昨日は、きのうの朝大体八千万トン、こういうことを私は本会議で御報告をいたしましたが、今朝の報告では約五千万トンに減っておる。これは排水に努力をいたしております。締め切りまして上からの流入を防ぎ、そうして排水に全力を上げて、なお二日ないし三日で排水を終わろう。こういうことになりまして、阿賀野川の右岸堤の諸施策をやめる。気象条件によっては阿賀野川の危険度も考えなければなりませんから、いろいろ勘案して、その緊急避難的な思い切った工事は地元と協議の上でやる、こういう次第でございます。いま申し上げました、緊急的には早くこの水をとめて早く排水をすべきである、こういうようにいま全力をあげております。その他の対策はもとより今後進めていかなければならぬ、これが現状でございます。
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成瀬幡治#14
○委員長(成瀬幡治君) 委員の異動について御報告いたします。
 ただいま大倉精一君、白木義一郎君が委員を辞任され、その補欠として戸田菊雄君、黒柳明君が委員に選任されました。
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武内五郎#15
○武内五郎君 たいへん詳しく御報告がありましたが、私も、いま大臣が申されました堤防上の桜の並み木というのは、ここの観光の大きな資源になっておるのでありますが、これは反省する必要があると思います。もちろんシナの古いことばの中に、植柳培堤ということばがありますが、柳を植えて土手をつちかうという意味だそうでありますが、柳ならいいとか桜なら悪いとか、その点は私にはわかりませんが、いずれにしましてもこれはやはり堤防を守るという点においては十分謙虚に反省し、検討する必要があると思います。ひとつそれを地元と十分接触して、あたたかい気持ちの上で対策を立てていただくようにお願いしたいと思うのですが、先ほど申し上げましたように、このゼロ地帯に、下流になってまいりますにしたがいまして地帯が低くなる。湛水がそこへできてくることは避けられません。今日、すでにきのうあたりからの情報によりますると、水はだんだん福島潟を中心とした豊栄町を浸して、同時に阿賀野川対岸の鳥屋野潟、新潟近郊の鳥屋野潟を中心として、大きな湛水地帯ができてきた、こういう報告を受けております。上流から流れてまいりました水が、そういうゼロ地帯にだんだん集まってまいりまして、上流から被害がだんだん下流に移ってしまった。こういう形ができてしまった。そこで地元の諸君の大きな希望というのは早くこの水を排除する、だから非常なせっかちな考え方は、地元民としてはやむを得ない、堤防を切ってくれとこう言うのです。これは私はそう簡単にできるとは考えません。堤防を切るということはもう重大な問題。そういうような、とにかく地元民のせっぱ詰まった希望が出ておることは事実であります。この水の排除について、堤防を切ることが困難であり、できないとするならば、どういうふうにしてこの水を排除するか、ひとつ基本的なお考えを承りたい。今日まだ二十何カ部落というものが、水の中に孤立の状態になっております。これは非常に重大な問題でありまするので、早急に手を打っていただかなければならないと考えます。
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瀬戸山三男#16
○国務大臣(瀬戸山三男君) 阿賀野川の右岸堤防を切れということは、真剣に検討いたしまして、昨日も申し上げましたように、これは異例中の異例の緊急措置でありますから、私は技術上可能であればやるべしという指令を出しました。そういう意味で、きのう申し上げましたように、これはめったにやらないことでありますから、総理大臣にも報告して、こういう処置をとる可能性を了解してくれと、ここまでやったわけであります。ところが、それを切る時間と排水の時間といろいろ検討し、また近い将来の危険性、阿賀野川を切った場合の危険性、こういうものをいろいろと地元と相談いたしまして、切らずに排水される日時等を考えますと、切る時間と排水の時間とがそう違わないということで、そういうことになりました。農林省の施設、これを活用する、そういうことでいろいろ打ち合わせて、排水のことをいま全力をあげておりますから、この点については、農林省のほうから詳しく御説明を願いたいと思います。
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武内五郎#17
○武内五郎君 農林省はまたあとで排水の問題を伺います。ちょっとその前に、農林省に排水の問題について、排水の問題はこれはまことに重大。特に農林関係においては、もうこれは死命を制する問題です。特にあの地帯で、北蒲原、中蒲原の水が新井郷川に注いでまいります。きのうその報告の一端がありましたが、新井郷川に北蒲原、中蒲原の水が入ってまいりまして、その排除のためにいわゆる新井郷排水機が、これは東洋一と称せられる大きな排水機でございます。ところが、その地帯が、いわゆる先ほど申しましたゼロ地帯なんだ。ゼロ地帯になっておって、上流からの水が非常な勢いでかぶさってまいりましたので、機能がほぼ停止の状態、麻痺状態になって、排水能力がほとんどないと言われる。幾らか回ってるようでありまするけれども、十分その機能を発揮することはできない。したがって、その周辺から上流地帯にかけて、北蒲原、中蒲原の地域では、もう湛水して、きのう建設大臣が国道七号線の上でさえ一メートルの水が走っていると、そういう状態が今日出ている。しかも、これがもうすでに十七、十八、十九、二十の四日です。この温度の中で水稲の上を水が流れておりますので、一本の稲の葉も水面から出ていない。こういう状態になってまいりますると、すでにもう穂ばらみの時期に入っております。いままであまりいい気候でもなかったので、軟弱徒長の稲が育っている。それがどろの水をかぶって稲がくさってくることは、もう避けられない。このことはまことに私は重大な状態になってきたと考えますが、まず第一に、農林関係においてはこの排水をどうするかということが、新潟県における今度の災害の問題を解決する糸口である。同時に、私はこれはもう農業政策上の大きな問題を今後残してくるのじゃないかと思います。基本的なひとつ考え方を……。
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坂田英一#18
○国務大臣(坂田英一君) 今度のこの豪雨の問題、特にこれが食糧、いわゆる米の倉庫とも言われるこの北蒲原を中心にして行なわれておりまするので、この罹災農民に対して非常に私はお気の毒に思っておるのでございまするが、なおあわせまして、私はちょうど穂ばらみ期であります早場米の地帯であります。特に水に完全につかっておりますることは、相当長くつかっておりますることは、収穫の面においても非常な心配をいたすものでございます。ほんとうにその点罹災者の皆さんに対する御同情に加えまして、私自身非常に憂慮いたしておるものでございます。そういう関係からいたしまして、この北蒲原の浸水の状況については、私のほうでも十八、十九、また二十日とあわせまして、本省からもまた北陸農政局のほうからも出まして、十分それらの処理について検討を加えておる次第でございます。したがいまして、先ほどお話しのとおりに、この排水の関係につきましては、この新井郷川の排水機によって十分機能を発揮しようということで努力はいたしておるわけでございまするが、新井郷川、北蒲原郡の浸水の状況は、高位部にあるところの加治川の決壊個所及び新発田川幹線排水路から溢水した浸水が、福島潟を中心とする低地帯に、きわめて広範な面積にわたって、いまお話しのとおり湛水をいたしておる。この湛水の排除にあたりまして、先ほど建設大臣から言われたように、加治川の仮締め切り及び新発田川幹線排水路の応急復旧とあわせて、国営で完成しました新井郷川排水機場を昼夜連続運転して、懸命に排除を続行中でございまするが、この大排水機場に通ずる新井郷川及び新発田川幹線周辺低地部の各排水機場は、モーター、それから配電盤等を、災害発生と同時に機場内の天井に積み上げる措置をとったのでありまするが、いわゆる水の高水のために、不幸にもこれは浸水いたしまして、運転不能となった次第であります。これら被災したモーターあるいは配電盤等を、早急にこれを乾燥修理して、またこれら既設のポンプで不足するときは農林省及び県所有のポンプを増強して、早期に排水できるよう、万全の措置を行なっておるわけでございまするが、先ほどお話しのとおりに、非常な高い水が、さらにそういうようなことにまで被害を及ぼしておるようなわけでございます。たいへん困っておるようなわけでございまするが、でき得る限りの能力を発揮すべく、ポンプ等を先ほど申しましたように、総能力を発揮して進めておるような次第でございます。
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武内五郎#19
○武内五郎君 また建設大臣に戻りますが、先年福井県の北陸地方から岐阜県にかけての水害の際、台風二十四号ですか、私は現地を回ってみて、福井県の西谷村の驚くべき災害を見たのでありますが、その西谷村の災害が、今日まだ容易に手がつけられない状態だと聞いておりますが、それが事実だとすれば、私は中小河川対策というものの大きな反省の機会が今日をおいてないと考える。ことに今日の河川法が改正されたのが三十九年、新しい河川法に基づいて、河川行政がまだ混乱の状態にあるんじゃないかと考えられますが、その点はどうなんですか。これからもそれを——かりにあったとすれば、それを整理して、中小河川対策の方向というものをはっきり示してもらいたいと思う。
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瀬戸山三男#20
○国務大臣(瀬戸山三男君) 三十九年国会で河川法改正を御議決願いまして、先ほど申しましたように、四十年度を起点として新たな河川計画を全国のおもな水系に立てまして、先般最終決定をいたしております。その河川行政といいますか、それには混乱はないと思っております。
 先ほどお話しの、台風二十四号によるいわゆる九頭龍川の主流真名川でありますが、西谷村、たまたま私はあのときにはあそこにおったわけでありますが、それは早急に災害復旧の計画を立てまして、地元と協議して、いろいろな措置を講ずることにいたしました。ところが、御承知のような地形でありますから、一体それで将来、いわゆる西谷村というものが安住の地になり得るかどうかということが、その当時もありましたが、その後いろいろ地元で検討され、西谷村はもとよりでありますが、福井県と政府とも協議いたしまして、これはあそこで再建をするということよりも、あそこに数十億の災害復旧費を入れるかわりに、そういう金を総合して、別に村の計画をするほうがよかろうという大体結論になりました。あそこの治水計画といたしましては、どうしても九頭龍川は真名川その他の主流が合流いたしておりまして、九頭龍全体の河川計画からいっても、真名川の上流地帯、西谷村等に相当大規模の調整ダムをつくる必要があるということで、地元とおおむねの話し合いができました。いわゆる復旧計画はいまストップしておるわけであります。むしろそれだけの金をかけて別な地域に安住の村をつくるほうが適当である、こういう考え方で、地元と協議が整いまして、それに従って進めていく。あすこの場合はそういう状況であります。
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浅井亨#21
○浅井亨君 関連して一言だけ……。建設大臣がもう時間で間もなくお帰りになると聞きますので、一言お伺いしたいことがあります。それは災害は忘れた時分にくる。だけれども、ずいぶんと豪雨によるところの災害というのは、非常に次々と毎年あらわれてまいります。そうすれば建設省としてはその善後措置といいますか、完全にお考えになって計画を立てられていると思うんですけれども、いま武内委員からも質問がありましたが、福井の問題ですが、あの真名川ですね、あそこの決壊個所が四百メートルと五十メートルの二カ所であります。それが今年初めから施行にかかったそうでございますが、途中でそれを打ち切られてしまった、こういうわけで、非常に現地の人は嘆いておりました。先日私は建設者に伺いまして、そのことについて話し合いました。ところがまた始めた、こういうわけですが、こういうところを県と建設省と連絡を緊密にすると同時に、そういう中途はんぱにやめられるということは、たいへんだと思うのです。現地住民は、もしも同じような災害がきたならばたいへんだと、こういうふうに思いまして非常に嘆いております。こういう点を途中で打ち切られていくとかなんとかいうことは、これはどういうことかと思うのです。なおかつ、いま農林大臣のお話がありましたが、そのあとで、いわゆる農地がことしも植えつけができないということになりますと——現在新潟に起こっておる、今年は収穫が全然ないといたしましても、そのあくる年である今年も植えつけができないということになりますと、これはたいへんなことだと思うのです。そういう点において建設省は一番先になって、そういう後顧の憂いのないように、事業を始めたならばそれを続行して、一日も早くそれを完備しなくちゃならない、こういうふうに思うわけなんです。こういう点はいかがでしょうか。
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瀬戸山三男#22
○国務大臣(瀬戸山三男君) そのことは私は全く初耳でありますから、事務当局から事情を御説明いたします。
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古賀雷四郎#23
○政府委員(古賀雷四郎君) ただいま大臣から御発言がありましたように、西谷村に降りました雨量は約千ミリ、そのために九頭龍川水系全体として治水対策のためには、どうしても大規模のダムが必要であるということで、われわれいろいろ検討いたしまして、真名川の五条芳の若干上流に大規模のダムをつくることを関係方面と打ち合わせまして、福井県と十分打ち合わせましてやったわけであります。そこで現在の段階は大臣がおっしゃいましたように、福井県とその移転に対する対策を協議中でございます。地元はそれについて大体御了承になっております。
 そこで、災害復旧の問題につきましては、そういうダムをやりますので、そのダムをやる前提として、ここ七、八年耐えるというような工事の方法で、できるだけ地元に迷惑をかけないように、程度を若干落とした。たとえば本復旧をやらなければいかぬところはやるというようなことで、程度が若干落ちておりますが、そういう方法でやることにきめまして、災害個所につきましては万全の手当てをいたしたいというふうに考えております。それは福井県と十分打ち合わせてそういう措置をとったわけでございます。したがいまして、いま四百メートルと五十メートルの個所につきましてやらないという話は、私全然いままで福井県との打ち合わせでございませんので、おそらく何か間違いだと思いますが、調査いたしまして御報告いたします。
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浅井亨#24
○浅井亨君 私がいま申し上げましたのは、この真名川の下の土布古というところなんです。そこのところで現地住民は非常に困っているわけですが、それは着工したのは今年の二月ごろとか聞きました。しかし途中で打ち切られて、またいまやっている、こういうわけなんです。そういうことでどういうような、これは県当局と建設省との連絡が不十分であるのか、またやりかけたらそれをやってしまうというお気持ちがあるのかないのか、この点なんですよ。やりかけますと現地住民は安心するわけなんです。途中で打ち切られますといつ始めるのやら、また雨が降ったらたいへんだ、こういうわけでほんとうにことしも植えつけはできないというのです。それではからめ手から農民にいわゆる農地を価値的に使うことを断っているようなものです。こういうようなことであっては、ほんとうにいわゆる人間不在の政治じゃないか、こういうわけなんです。で、今年度のいわゆる災害当時の粗収入がないことはこれはわかりますが、だけれどもあくる年もまだ不安にして、それも植えつけもできないというようなかっこうにしておくというのは、どうも私はまずい施設じゃないかと思うのです。それでは国民は納得いかないと思うのです。この打ち切ってまたやる、こういうときに、現地住民にほんとうにその内容を話して納得のできるような方法を講じているのかどうか、こういうわけなんです。
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瀬戸山三男#25
○国務大臣(瀬戸山三男君) おっしゃるとおりであれば、きわめて私は不適切だと思います。たぶんその地点は大野市の端のほうの橋が流された右岸、左岸ではないかと思いますが、そういう事態を私は何も聞いておりませんが、よく調べまして、そういうことはあり得べからざることでございますから督励をいたしたいと思います。
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浅井亨#26
○浅井亨君 そのとおりでありますが、ひとつ、まあ御存じないといえばそれまでですけれども、こういうことであっては、ほんとうに現地住民はかわいそうだと思います。それではどこへ持っていっていいのかわからないということでおるというのは、かわいそうだと思います。とくとこれを督励していただきたいと思います。
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成瀬幡治#27
○委員長(成瀬幡治君) 戸田君、建設大臣は十二時二十分までだそうですから。
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戸田菊雄#28
○戸田菊雄君 建設大臣に三点ほどお伺いするわけですが、その前にごく簡単に気象庁に伺っておきたいのですが、雨量統計というものはとっておりますか。とっているとすれば、何年分ぐらい統計としてとっておられるのか、その点ちょっとお伺いしたいと思います。
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柴田淑次#29
○説明員(柴田淑次君) 雨量統計というのは、全国的に雨の観測所を設けまして統計をとっております。あるところによりますと、三十年あるいはそれ以上のところもございますし、観測所が新しくできたところは、その観測所の創設以来ということになりますので、数年の分のところもございます。だから全国的に場所によって統計年数は違うわけであります。
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