鈴木善幸の発言 (産業公害対策特別委員会)

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○国務大臣(鈴木善幸君) 今回私が閣議で発言をし、また両三日中に厚生省の試案を提案しようとしておりますものは、公害審議会の答申の御趣旨に沿うものだと私は確信をいたしております。いろいろいまお話の中に、問題点になるべき点につきましてはお触れになりましたが、公害防止あるいは公害が起こった場合の責任というものは、これは発生源者が第一次的に負うべきものである。この点は、私は公害基本法で明確にしなければならないと考えております。ただ、それを防除いたします施設の整備につきまして、企業、特に中小企業等のように財政力の弱いものにそういう防除施設を整備させるということにつきましては、先ほど来の御意見も出ておりますように、金融上、税制上、さらにまた財政的な助成の面、そういう金融、税制、財政の各般にわたって、私は、この施設が整備できるような措置を講ずべきだ。このように考えております。そういう点につきましては、私は通産省におかれても決して御異存がないものと確信をいたすわけでございます。その根本は、何と言っても地域住民の健康、衛生を保持するということが大切でございますから、環境基準の設定ということが前提にならなければならないと私は考えるわけであります。この環境基準の設定にあたりましては、そこに政治的な配慮があってはいけない。むしろこれは学問的、科学的な根拠に基づいて、ここまでは、人体なりあるいは農水産物等国民の食糧になるようなもの、そういうものに損害を与えないけれども、これ以上環境を害する、基準を上回るということになれば、これは国民の保健衛生に悪影響がある、こういう環境基準というものを科学的に私はまず設定をしなければならぬと思います。こういうことが基本法によって確認されますれば、そこに公害防止対策の一つの基準ができて、それをこわさないように、悪化しないようにということで、通産省等におきましても、いま、産業立地の規制法というようなものを構想されておるようでありますが、工場等の誘致、建設にあたりまして、大気汚染とか、水質汚濁とか、あるいは騒音とか、臭気とか、振動とか、そういうものの環境基準をそこなわないという前提の上に立っての工場の立地計画というものが策定をされなければならない。また建設省におきましても、下水道の整備でありますとか、あるいは工場の建設地域の問題でありますとか、いろいろ御所管があるわけでありますが、その場合におきましても、地域住民の保健衛生を阻害しないための環境基準というものを頭に置いて、そうして、都市計画なり、あるいは土地利用計画なり、あるいは下水道その他の整備計画をお立てになる、こういうことになろうかと思うのでありまして、私は、基本法の中でそういう面がはっきり確立をいたしますれば、それにのっとって各省で公害対策を進めていただく、こういうことになるわけでございまして、私ども、公害基本法の制定にあたりましては、あの公害審議会の答申の御趣旨の線に沿って十分国民の皆さんが納得するようなものをつくってまいりたい、こう思うわけであります。
 なお、そういうものをつくる場合に、まず行政機関を一つつくって、そこでやったらどうかという御質問でございますが、私どもとしては、公害行政の一元的総合的推進のための行政機関の設置ということは考えておりますが、公害基本法をつくるための一つの方法としては、総理府の連絡会議で十分事務的に検討を加え、調整をいたしましたものを、公害対策閣僚会議を設置する等によりまして、大所高所から関係閣僚によってこれを取りまとめたらどうか、公害対策閣僚会議を設置をする、そうしてこの基本法を最終的に取りまとめる、こういう行き方も考えていくべきではなかろうか、かように思うわけであります。

発言情報

speech_id: 105214381X00119661118_023

発言者: 鈴木善幸

speaker_id: 1360

日付: 1966-11-18

院: 参議院

会議名: 産業公害対策特別委員会