産業公害対策特別委員会
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会
会議録情報#0
昭和四十一年十一月十八日(金曜日)
午前十一時十五分開会
—————————————
委員の異動
十一月八日
辞任 補欠選任
瓜生 清君 高山 恒雄君
十一月十八日
辞任 補欠選任
高山 恒雄君 瓜生 清君
—————————————
出席者は左のとおり。
委員長 横山 フク君
理 事
植木 光教君
黒木 利克君
瀬谷 英行君
委 員
大谷藤之助君
梶原 茂嘉君
木島 義夫君
紅露 みつ君
柳岡 秋夫君
小平 芳平君
瓜生 清君
国務大臣
厚 生 大 臣 鈴木 善幸君
建 設 大 臣 橋本登美三郎君
事務局側
常任委員会専門
員 中原 武夫君
常任委員会専門
員 小田橋貞寿君
説明員
警察庁交通局交
通指導課長 関 忠雄君
大蔵省主計局主
計官 辻 敬一君
厚生省環境衛生
局長 舘林 宣夫君
通商産業政務次
官 金丸 冨夫君
通商産業省企業
局産業立地部長 馬場 一也君
運輸政務次官 金丸 信君
運輸大臣官房審
議官 鈴木 珊吉君
—————————————
本日の会議に付した案件
○派遣委員の報告
○産業公害対策樹立に関する調査
(産業公害対策の現況に関する件)
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この発言だけを見る →午前十一時十五分開会
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委員の異動
十一月八日
辞任 補欠選任
瓜生 清君 高山 恒雄君
十一月十八日
辞任 補欠選任
高山 恒雄君 瓜生 清君
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出席者は左のとおり。
委員長 横山 フク君
理 事
植木 光教君
黒木 利克君
瀬谷 英行君
委 員
大谷藤之助君
梶原 茂嘉君
木島 義夫君
紅露 みつ君
柳岡 秋夫君
小平 芳平君
瓜生 清君
国務大臣
厚 生 大 臣 鈴木 善幸君
建 設 大 臣 橋本登美三郎君
事務局側
常任委員会専門
員 中原 武夫君
常任委員会専門
員 小田橋貞寿君
説明員
警察庁交通局交
通指導課長 関 忠雄君
大蔵省主計局主
計官 辻 敬一君
厚生省環境衛生
局長 舘林 宣夫君
通商産業政務次
官 金丸 冨夫君
通商産業省企業
局産業立地部長 馬場 一也君
運輸政務次官 金丸 信君
運輸大臣官房審
議官 鈴木 珊吉君
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本日の会議に付した案件
○派遣委員の報告
○産業公害対策樹立に関する調査
(産業公害対策の現況に関する件)
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横
横山フク#1
○委員長(横山フク君) ただいまから産業公害対策特別委員会を開会いたします。
産業公害対策樹立に関する調査を議題といたします。
まず、先般の派遣委員の報告を聴取いたします。瀬谷君。
この発言だけを見る →産業公害対策樹立に関する調査を議題といたします。
まず、先般の派遣委員の報告を聴取いたします。瀬谷君。
瀬
瀬谷英行#2
○瀬谷英行君 九月十二日から四日間、兵庫県及び愛媛県の両県における公害行政調査のため派遣されました。派遣委員は、横山委員長、植木理事、松澤理事、それに私、瀬谷の四人でありましたところ、現地参加の形で柳田委員が終始一行に参加されました。九月十二日から十三日にかけて、兵庫県と神戸市の公害事情を聞いた後、神戸化学センターの建設現場、ゴム工場の作業状況及び神戸製鋼所を視察いたしました。
兵庫県は、昭和四十年に公害防止条例を制定し、神戸市もまた騒音防止条例をつくって、ばい煙規制法、工場排水法による規制の足りないところを補いつつ、公害発生源の把握に努力しております。専任の公害担当課が県及び市にも設置され、公害パトロールカーと公害測定車を持ち、公害監視員二百十三名が置かれています。
現在問題となっている大きな公害関係事案としては、関西電力の百万キロワット能力神戸発電所の建設問題、加古川上流の染色工場群と。パルプ工場群による上水道源の汚濁問題、揖保川上流の皮革工場群による工業用水道源の汚濁問題等があります。
関西電力の問題については、市民代表、大学教授、市当局の三者構成による対策委員会が設けられ、また、加古川、揖保川の水質汚濁問題については、県と関係市とが共同して、専用排水路、中間沈澱池、終末処理場の建設に当たり、いずれも前向きの解決方策を進めつつあります。その中で、染色排水の処理技術を開発すること、一億数千万円を要する終末処理場を建設することの二点については、県、市の力だけでは及ばないので、国及び公害防止事業団の援助の手を求めております。
なお関連して、工場排水規制に関する権限を知事に包括的に委任してもらうことが、行政指導の立場からも、また被害者の苦情申し出の便宜からも効率的であるという意見が出されております。
神戸化学センター、いわゆるゴム靴工場アパートは、零細工場の公害対策として、神戸市の衛生部局、経済部局、都市計画部局が緊密な連絡のもとにつくりあげた不燃性の高層共同ゴム工場であります。公害対策が都市計画事業の一環として進められていることがその特色であります。総工費四億八千九百六十万円、工事は、公害防止事業団の最初の仕事として取り上げられたものであります。完成後に入居する十四の工業所が協同組合を結成して、頭金二千五百万円をすでに納入しております。据え置き六カ月、二十年の年賦で支払いが完了したときに協同組合のものとなることとなっております。
神戸市は、すでに第二次のゴム工場アパートの計画を設定しており、また別に鉄工団地の計画も具体化しつつありますが、今後の計画実現について、公害防止事業団の業務能力を拡充してもらいたいとの要望が出されております。現在のように、事業団が建設したものを譲渡するだけの方法のもとでは、分譲を受けるに必要な資力を持たない業種は、初めから事業団の仕事を活用することをあきらめざるを得ないことになります。事業団がみずからの施設として設置運営に当たり、入居工場は使用料を支払うことで利用ができるようにしてもらえれば、公害対策をより円滑に進めることができるということであります。
神戸製鋼所は、その立地条件が、背後に六甲山の風致地区と住宅街を控えているほかに、西部に隣接してわが国の酒づくりの本場ともいわれる灘五郷が存在していることから、発足当初以来、公害防止への努力を要求されてきた企業であります。大気汚染の防止、特に粉じんの防止に非常な努力が見られます。たとえば、原料鉱石の荷役を水平輸送方式とし、地上三メートル以上のベルトコンベアには、すべてトンネル式カバーを設けてあります。ダストのトラック積みは屋内作業で行なえる設備がなされています。集じん装置は、法的に要求されるものに限定することなく、すべての発じん個所に取りつけられ、法律できめられている排出基準の三分の一ないし十分の一に押えるというきびしい努力を続けています。これらの公害防止設備に投ぜられた費用は三十六億円、その運転維持費は年間三億円といわれます。この設備投入額は、総設備費七百億円の五%に当たります。欧米における公害防止設備費は、鉄鋼にあっては五%といわれておりますから、この工場の公害防止努力は欧米並みであると言うことができましょう。会社では、これらの公害対策費に対して、補助金までは求めないけれども、せめて税と金融面において助成措置を講じてもらいたいと要望しております。
四国に渡りまして、十四日と十五日、新居浜の住友コンビナートと松山の丸善石油精油所を視察し、また愛媛県の公害事情を聴取いたしました。
住友コンビナートの発祥は、別子銅山の煙害対策として大正二年に硫酸工場がつくられたことに始まります。その後、昭和十一年に独特のアンモニア中和法による処理技術の開発に至る間が煙害問題との戦いであったという歴史が示すように、公害によって生まれ、公害問題を背負いながら伸びてきたところであります。したがって、公害防止については特に意を用い、技術的に可能なものを工場建設時にまず取り入れ、効率が悪くなればこれを更新し、常に最新技術の採用につとめていると自負しております。大気汚染防止に四億一千百三十四万円が投ぜられ、排水処理施設に六千百四十万円がかけられています。
陸地から海へ突出した埋め立て地に工場群がつくられたので、民家を侵すことなく建設が進められていったという立地上の好条件が一方にあり、他方に、住友企業のおかげで、かつての一寒村が昭和十二年には市制をしくまでに発展したという関係から、地域住民の感情にも控え目なところがあって、組織的な公害紛争は生じてきませんでした。まれに起こる操業上のミスあるいは防止施設の一時的故障によって、時に被害が発生することがあり、その補償として、農業関係に二百七十五万四千円、漁業関係に三千六百三十四万円が会社から支払われております。市当局が公害問題に介入させられたのは、四十年六月にできたラクタム工場からの亜硫酸ガスに関する苦情が初めてでありました。会社側は直ちに一億五千万円をかけてガスの防止施設を整備いたしました。住民から別に、グリーンベルトの設置を市に要求していますが、市当局は、原因についての科学分析結果が厚生省から出されるまで、決定待ちという態度であります。
このように、幸いにして、現在までこの地域には困難な公害紛争が生じていないのでありますが、法定ばい煙発生施設に相当するものが八十六もあることですから、将来にわたっても、大気汚染が生じないという保証はないわけであります。厚生省は、ばい煙規制法に基づく基礎調査を行なった結果、近く指定地域とする予定であるということであります。汚染度がはなはだしいから指定するというのでなく、今後の公害発生を防ぐという意味で指定されるという点に、他の地域と異なったものがあります。
丸善石油松山精油所は、松山市の吉田臨海地区にあって、六万バーレルの精油能力を持つ中型の精油所であります。この丸善石油をはじめ、昭和工業、帝国人絹、大阪ソーダ等の工場が集まっている地帯から約二キロメートルの距離にある農地、山林にあって、ビワ、稲、レンコン、落花生の被害が三十五、六年ごろから訴えられ始めました。三十八年二月に公害対策協議会が設けられ、県の衛生試験所と愛媛大学農学部が協力してその原因究明に当たっていますが、いまだに科学的実証がなされておりません。あるいは亜硫酸ガスが原因であろうといい、あるいは塩素ガスのせいではないかといい、あるいは土壌の強酸性が原因ではないかといわれていますが、きめ手が出ておりません。
このような状況の中で、丸善石油精油所での対策は、南西の風が被害地区へ吹きつける夏の期間には、低硫黄重油に切りかえて、ロスを覚悟で過剰空気を吹き込むことにし、また三ヵ月に一回の調査を行ない、さらに煙突を高くして拡散をはかっているといいます。しかし、切りかえて使用される低硫黄重油というのが含有硫黄二・五%であること、調査が継続されていないこと、高いという煙突が四十五メートルでしかない点について、視察委員から疑問が投ぜられました。
愛媛県は、右に述べましたもののほか、他に二つの公害紛争をかかえております。
一つは、三瓶町を中心として続けられている養豚事業と真珠養殖事業との紛争であります。農家が飾育する七千頭分の豚の排泄物が特別の処理を経ないで海へ流されることが、真珠養殖の母貝の成長を悪くし、使えない貝が続出し始めた原因ではないかというのであります。町にとっては、豚も真珠も大切な産業であるため、いずれにも譲歩を求めかねて、いまだ解決の糸口がつかめないでいる状態であります。
ほかに、松山市内の食肉の骨を処理する化成場の臭気、排水の問題が生じております。当局では、活性炭に吸着させる方式、水をかける脱臭方式、火力を上げて完全燃焼させる方式等をあげて、脱臭装置の開発を進めているのでありますが、零細企業であるために改良が進まないでいます。
愛媛県は、公害行政を担当する専任の部課を置いておりません。専任の職員もありません。事件が生じるごとに、関係部課が協力して事後処理に当たっている程度であります。行政当局は、企業の良心にたより、企業は当局の態度をそれぞれ区々に受けとめています。公害に敏感な植物に反応が出てきても、人体への影響が来なければ地域の盛り上がりはなく、それがまた企業にも当局にも反映して、堂々めぐりをしているというのが、この県の現状であります。公害問題のもとには地域住民の意識、主張が必要であるといわれますが、しかし、住民が気がっくときは、もう手おくれのときでもあります。経済が発展するほど住民がむしばまれていったという矛盾の前例を持ち込まないための努力が、この県の行政に見られないことに若干のもの足りなさを覚えた次第であります。
以上、派遣報告といたします。
この発言だけを見る →兵庫県は、昭和四十年に公害防止条例を制定し、神戸市もまた騒音防止条例をつくって、ばい煙規制法、工場排水法による規制の足りないところを補いつつ、公害発生源の把握に努力しております。専任の公害担当課が県及び市にも設置され、公害パトロールカーと公害測定車を持ち、公害監視員二百十三名が置かれています。
現在問題となっている大きな公害関係事案としては、関西電力の百万キロワット能力神戸発電所の建設問題、加古川上流の染色工場群と。パルプ工場群による上水道源の汚濁問題、揖保川上流の皮革工場群による工業用水道源の汚濁問題等があります。
関西電力の問題については、市民代表、大学教授、市当局の三者構成による対策委員会が設けられ、また、加古川、揖保川の水質汚濁問題については、県と関係市とが共同して、専用排水路、中間沈澱池、終末処理場の建設に当たり、いずれも前向きの解決方策を進めつつあります。その中で、染色排水の処理技術を開発すること、一億数千万円を要する終末処理場を建設することの二点については、県、市の力だけでは及ばないので、国及び公害防止事業団の援助の手を求めております。
なお関連して、工場排水規制に関する権限を知事に包括的に委任してもらうことが、行政指導の立場からも、また被害者の苦情申し出の便宜からも効率的であるという意見が出されております。
神戸化学センター、いわゆるゴム靴工場アパートは、零細工場の公害対策として、神戸市の衛生部局、経済部局、都市計画部局が緊密な連絡のもとにつくりあげた不燃性の高層共同ゴム工場であります。公害対策が都市計画事業の一環として進められていることがその特色であります。総工費四億八千九百六十万円、工事は、公害防止事業団の最初の仕事として取り上げられたものであります。完成後に入居する十四の工業所が協同組合を結成して、頭金二千五百万円をすでに納入しております。据え置き六カ月、二十年の年賦で支払いが完了したときに協同組合のものとなることとなっております。
神戸市は、すでに第二次のゴム工場アパートの計画を設定しており、また別に鉄工団地の計画も具体化しつつありますが、今後の計画実現について、公害防止事業団の業務能力を拡充してもらいたいとの要望が出されております。現在のように、事業団が建設したものを譲渡するだけの方法のもとでは、分譲を受けるに必要な資力を持たない業種は、初めから事業団の仕事を活用することをあきらめざるを得ないことになります。事業団がみずからの施設として設置運営に当たり、入居工場は使用料を支払うことで利用ができるようにしてもらえれば、公害対策をより円滑に進めることができるということであります。
神戸製鋼所は、その立地条件が、背後に六甲山の風致地区と住宅街を控えているほかに、西部に隣接してわが国の酒づくりの本場ともいわれる灘五郷が存在していることから、発足当初以来、公害防止への努力を要求されてきた企業であります。大気汚染の防止、特に粉じんの防止に非常な努力が見られます。たとえば、原料鉱石の荷役を水平輸送方式とし、地上三メートル以上のベルトコンベアには、すべてトンネル式カバーを設けてあります。ダストのトラック積みは屋内作業で行なえる設備がなされています。集じん装置は、法的に要求されるものに限定することなく、すべての発じん個所に取りつけられ、法律できめられている排出基準の三分の一ないし十分の一に押えるというきびしい努力を続けています。これらの公害防止設備に投ぜられた費用は三十六億円、その運転維持費は年間三億円といわれます。この設備投入額は、総設備費七百億円の五%に当たります。欧米における公害防止設備費は、鉄鋼にあっては五%といわれておりますから、この工場の公害防止努力は欧米並みであると言うことができましょう。会社では、これらの公害対策費に対して、補助金までは求めないけれども、せめて税と金融面において助成措置を講じてもらいたいと要望しております。
四国に渡りまして、十四日と十五日、新居浜の住友コンビナートと松山の丸善石油精油所を視察し、また愛媛県の公害事情を聴取いたしました。
住友コンビナートの発祥は、別子銅山の煙害対策として大正二年に硫酸工場がつくられたことに始まります。その後、昭和十一年に独特のアンモニア中和法による処理技術の開発に至る間が煙害問題との戦いであったという歴史が示すように、公害によって生まれ、公害問題を背負いながら伸びてきたところであります。したがって、公害防止については特に意を用い、技術的に可能なものを工場建設時にまず取り入れ、効率が悪くなればこれを更新し、常に最新技術の採用につとめていると自負しております。大気汚染防止に四億一千百三十四万円が投ぜられ、排水処理施設に六千百四十万円がかけられています。
陸地から海へ突出した埋め立て地に工場群がつくられたので、民家を侵すことなく建設が進められていったという立地上の好条件が一方にあり、他方に、住友企業のおかげで、かつての一寒村が昭和十二年には市制をしくまでに発展したという関係から、地域住民の感情にも控え目なところがあって、組織的な公害紛争は生じてきませんでした。まれに起こる操業上のミスあるいは防止施設の一時的故障によって、時に被害が発生することがあり、その補償として、農業関係に二百七十五万四千円、漁業関係に三千六百三十四万円が会社から支払われております。市当局が公害問題に介入させられたのは、四十年六月にできたラクタム工場からの亜硫酸ガスに関する苦情が初めてでありました。会社側は直ちに一億五千万円をかけてガスの防止施設を整備いたしました。住民から別に、グリーンベルトの設置を市に要求していますが、市当局は、原因についての科学分析結果が厚生省から出されるまで、決定待ちという態度であります。
このように、幸いにして、現在までこの地域には困難な公害紛争が生じていないのでありますが、法定ばい煙発生施設に相当するものが八十六もあることですから、将来にわたっても、大気汚染が生じないという保証はないわけであります。厚生省は、ばい煙規制法に基づく基礎調査を行なった結果、近く指定地域とする予定であるということであります。汚染度がはなはだしいから指定するというのでなく、今後の公害発生を防ぐという意味で指定されるという点に、他の地域と異なったものがあります。
丸善石油松山精油所は、松山市の吉田臨海地区にあって、六万バーレルの精油能力を持つ中型の精油所であります。この丸善石油をはじめ、昭和工業、帝国人絹、大阪ソーダ等の工場が集まっている地帯から約二キロメートルの距離にある農地、山林にあって、ビワ、稲、レンコン、落花生の被害が三十五、六年ごろから訴えられ始めました。三十八年二月に公害対策協議会が設けられ、県の衛生試験所と愛媛大学農学部が協力してその原因究明に当たっていますが、いまだに科学的実証がなされておりません。あるいは亜硫酸ガスが原因であろうといい、あるいは塩素ガスのせいではないかといい、あるいは土壌の強酸性が原因ではないかといわれていますが、きめ手が出ておりません。
このような状況の中で、丸善石油精油所での対策は、南西の風が被害地区へ吹きつける夏の期間には、低硫黄重油に切りかえて、ロスを覚悟で過剰空気を吹き込むことにし、また三ヵ月に一回の調査を行ない、さらに煙突を高くして拡散をはかっているといいます。しかし、切りかえて使用される低硫黄重油というのが含有硫黄二・五%であること、調査が継続されていないこと、高いという煙突が四十五メートルでしかない点について、視察委員から疑問が投ぜられました。
愛媛県は、右に述べましたもののほか、他に二つの公害紛争をかかえております。
一つは、三瓶町を中心として続けられている養豚事業と真珠養殖事業との紛争であります。農家が飾育する七千頭分の豚の排泄物が特別の処理を経ないで海へ流されることが、真珠養殖の母貝の成長を悪くし、使えない貝が続出し始めた原因ではないかというのであります。町にとっては、豚も真珠も大切な産業であるため、いずれにも譲歩を求めかねて、いまだ解決の糸口がつかめないでいる状態であります。
ほかに、松山市内の食肉の骨を処理する化成場の臭気、排水の問題が生じております。当局では、活性炭に吸着させる方式、水をかける脱臭方式、火力を上げて完全燃焼させる方式等をあげて、脱臭装置の開発を進めているのでありますが、零細企業であるために改良が進まないでいます。
愛媛県は、公害行政を担当する専任の部課を置いておりません。専任の職員もありません。事件が生じるごとに、関係部課が協力して事後処理に当たっている程度であります。行政当局は、企業の良心にたより、企業は当局の態度をそれぞれ区々に受けとめています。公害に敏感な植物に反応が出てきても、人体への影響が来なければ地域の盛り上がりはなく、それがまた企業にも当局にも反映して、堂々めぐりをしているというのが、この県の現状であります。公害問題のもとには地域住民の意識、主張が必要であるといわれますが、しかし、住民が気がっくときは、もう手おくれのときでもあります。経済が発展するほど住民がむしばまれていったという矛盾の前例を持ち込まないための努力が、この県の行政に見られないことに若干のもの足りなさを覚えた次第であります。
以上、派遣報告といたします。
横
瀬
瀬谷英行#4
○瀬谷英行君 報告して、さっそく質問で、ちょっと忙しいのですけれども、だれかほかの方からと思ったら、ないようですから、私から質問いたしますが、兵庫県で揖保川上流の、要するに皮革工場群による工業用水源の汚濁問題を解決するために終末処理場の建設が必要であるけれども、公害防止事業団の仕事として取り上げてもらいたいという要望がございました。これに対して、一体いま、どういう運びになっておるか、お聞きしたいと思います。
この発言だけを見る →舘
瀬
瀬谷英行#6
○瀬谷英行君 兵庫県の県当局からの要望であったのでありますが、工場排水規制法の権限というものを包括的に知事へ委任をしてもらうということが、行政指導の面からも、あるいは被害者の苦情の処理の便宜の面からも望ましいという要望があったのでありますけれども、知事に対する工場排水規制法による権限の委任ということを、政府としては一体どのようにお考えになっているか、お伺いしたい。
この発言だけを見る →馬
馬場一也#7
○説明員(馬場一也君) お答えいたします。
工場排水規制法による工場の取り締まりの問題でございますが、これは、業種によりまして、通産省所管に属するもののほかに、農林省その他、他省関係の業種もございますが、通産省関係の所管業種につきましては、工場排水というのは、業種によりまして、その処理あるいは取り締まりに非常に技術的な問題の多い業種が多うございますので、問題の比較的少ない業種から逐次都道府県のほうに規制の事務をお願いするという方針でずっとやってきておりまして、ちょっと、ここに具体的な業種のメモを持っておりませんが、最近におきましても数業種について都道府県のほうに規制を委任したという状況になっておりまして、今後逐次問題のはっきりしたものから都道府県のほうに業種を移してまいりたい、かように存じております。
この発言だけを見る →工場排水規制法による工場の取り締まりの問題でございますが、これは、業種によりまして、通産省所管に属するもののほかに、農林省その他、他省関係の業種もございますが、通産省関係の所管業種につきましては、工場排水というのは、業種によりまして、その処理あるいは取り締まりに非常に技術的な問題の多い業種が多うございますので、問題の比較的少ない業種から逐次都道府県のほうに規制の事務をお願いするという方針でずっとやってきておりまして、ちょっと、ここに具体的な業種のメモを持っておりませんが、最近におきましても数業種について都道府県のほうに規制を委任したという状況になっておりまして、今後逐次問題のはっきりしたものから都道府県のほうに業種を移してまいりたい、かように存じております。
瀬
瀬谷英行#8
○瀬谷英行君 公害防止の問題でいろいろな要望が出たのでありますけれども、たとえば神戸製鋼ですか、相当ばく大な予算をかけて公害防止に企業自体が努力をしているという面があったわけであります。たとえば、年間にして三億、大体毎月二千五百万円くらいずつ公害防止の運営費というものがかかっている。こういう場合に、その費用を国で持ってくれとまでは言わないが、せめて税の面で軽減措置をとってもらうとか、あるいは金融上の助成措置というものが何とかしてもらえないものか——この種の要望がございましたけれども、税制上の処置あるいは金融上の措置でもって、企業の公害防止の運営に対する事実上の補助をするということができるかどうか、あるいは今後の方針としてお考えになっておられるかどうかをお伺いしたい。
この発言だけを見る →馬
馬場一也#9
○説明員(馬場一也君) お答え申し上げます。
御承知のように、現在法律で規制を行なっております、いわゆるばい煙関係——亜硫酸ガスを含めましたばい煙関係、それから工場排水の関係、これにつきましては、各企業でそれぞれ、その防止のための設備をつくります際に、その設備に対しましては短期償却という制度を改めまして、税制上の優遇をいたしておりますと同時に、地方税関係におきましても、そういう防止設備につきましては固定資産税の免税という措置をとっております。現在、これからの問題は、そういう法律に規制のない、まだ法律上の規制の行き届いておらない、たとえば騒音でございますとか、いうような公害につきましても、やはり騒音防止の設備につきましては、ばい煙なり排水道等の税制上の優遇措置というのを考えてまいりたい。これは、来年度以降そういうぐあいにしたいということで、目下大蔵省その他と折衝をしておるところでございます。
それから、そういう設備を企業がいたします際の金融上の資金援助でございますが、これは、そういう防止設備を設置いたしますときの設備資金につきましては、御承知のように、大企業につきましては開発銀行、それから中小企業につきましては中小企業金融公庫、それから一部非常に汚染の著しい特別の地域につきましては公害防止事業団のほうから、それぞれ、これは低利融資でございますが、一般の金利より安い金利で融資をする制度というものがございます。
なおそのほかに、御報告のございました兵庫県のたとえば竜野でございますとか、あるいは播州の西脇というようなところに中小企業の群落がございまして、これが共同で排水設備をつくるという場合に、いままでのような単なる資金のあっせんということだけでは、なかなか設置が困難であるというような事情もございますので、これにつきましては、ひとつ明年度以降、公害防止事業団の業務として取り上げますと同時に、できれば設備の一部を国のほうから公共下水道の例に準じまして、補助というようなことを考えてみたらどうだろうかということで、これも私どものほうから大蔵省のほうへ明年度の予算要求をいたしておるのでございます。
この発言だけを見る →御承知のように、現在法律で規制を行なっております、いわゆるばい煙関係——亜硫酸ガスを含めましたばい煙関係、それから工場排水の関係、これにつきましては、各企業でそれぞれ、その防止のための設備をつくります際に、その設備に対しましては短期償却という制度を改めまして、税制上の優遇をいたしておりますと同時に、地方税関係におきましても、そういう防止設備につきましては固定資産税の免税という措置をとっております。現在、これからの問題は、そういう法律に規制のない、まだ法律上の規制の行き届いておらない、たとえば騒音でございますとか、いうような公害につきましても、やはり騒音防止の設備につきましては、ばい煙なり排水道等の税制上の優遇措置というのを考えてまいりたい。これは、来年度以降そういうぐあいにしたいということで、目下大蔵省その他と折衝をしておるところでございます。
それから、そういう設備を企業がいたします際の金融上の資金援助でございますが、これは、そういう防止設備を設置いたしますときの設備資金につきましては、御承知のように、大企業につきましては開発銀行、それから中小企業につきましては中小企業金融公庫、それから一部非常に汚染の著しい特別の地域につきましては公害防止事業団のほうから、それぞれ、これは低利融資でございますが、一般の金利より安い金利で融資をする制度というものがございます。
なおそのほかに、御報告のございました兵庫県のたとえば竜野でございますとか、あるいは播州の西脇というようなところに中小企業の群落がございまして、これが共同で排水設備をつくるという場合に、いままでのような単なる資金のあっせんということだけでは、なかなか設置が困難であるというような事情もございますので、これにつきましては、ひとつ明年度以降、公害防止事業団の業務として取り上げますと同時に、できれば設備の一部を国のほうから公共下水道の例に準じまして、補助というようなことを考えてみたらどうだろうかということで、これも私どものほうから大蔵省のほうへ明年度の予算要求をいたしておるのでございます。
瀬
瀬谷英行#10
○瀬谷英行君 騒音その他、基本的な問題については後ほどまたお伺いすることにしまして、この派遣報告に関連した問題として、もう二点ほど質問をして、派遣報告に関連する質疑を終わりたいと思いますが、公害防止事業団の業務範囲を拡大して、みずから工場アパートの設置運営ができるようにして、入居希望者に対して使用料によって利用させる。つまり、賃貸工場アパートの経営業務ができるようにしてもらいたいという、これは兵庫県関係でしたが、こういう要望について、こたえられる可能性があるかどうかという問題が一つ。
それから今度は、愛媛県関係でありますけれども、愛媛県関係は非常に兵庫県とは対照的でありまして、いま報告に申し上げたように、片一方は、県も市も公害防止には相当力を入れており、それぞれ担当の部課も持っておるというのに対して、片一方は、全然そのものがないというところなんで、その極端な違いというのは、片一方は大企業が林立をしておるということで公害そのものが極端なまでに住民に害を及ぼす、こういう条件にある。愛媛県のほうは非常に環境的に恵まれておって、あまり苦情が出てこない。しかし、だんだんとその工場群が発達をして、今後公害が出る可能性はあるということになっておる。こういう極端な違いがあるんでありますけれども、愛媛県の場合、テレビにも一回出たことがあると思いますが、豚と真珠という問題ですね。豚の汚物がそのまま海に流れる。真珠のほうがそれでだめになる。しかし、零細企業のために、特に豚の汚物をうまいこと処理をするというようなところまで手が回らないという問題があります。真珠と豚と、この問題をどうするかということは、いまだに解決がついてない。つまり、豚のほうが、まあ、とんと見当がつかないと、こういうような状態になっておりますけれども、こういう零細企業の場合に一体どういうふうに指導し、どういうふうに公害対策としての手を差し伸べたらいいか。
この二つの問題について質問したいと思います。
この発言だけを見る →それから今度は、愛媛県関係でありますけれども、愛媛県関係は非常に兵庫県とは対照的でありまして、いま報告に申し上げたように、片一方は、県も市も公害防止には相当力を入れており、それぞれ担当の部課も持っておるというのに対して、片一方は、全然そのものがないというところなんで、その極端な違いというのは、片一方は大企業が林立をしておるということで公害そのものが極端なまでに住民に害を及ぼす、こういう条件にある。愛媛県のほうは非常に環境的に恵まれておって、あまり苦情が出てこない。しかし、だんだんとその工場群が発達をして、今後公害が出る可能性はあるということになっておる。こういう極端な違いがあるんでありますけれども、愛媛県の場合、テレビにも一回出たことがあると思いますが、豚と真珠という問題ですね。豚の汚物がそのまま海に流れる。真珠のほうがそれでだめになる。しかし、零細企業のために、特に豚の汚物をうまいこと処理をするというようなところまで手が回らないという問題があります。真珠と豚と、この問題をどうするかということは、いまだに解決がついてない。つまり、豚のほうが、まあ、とんと見当がつかないと、こういうような状態になっておりますけれども、こういう零細企業の場合に一体どういうふうに指導し、どういうふうに公害対策としての手を差し伸べたらいいか。
この二つの問題について質問したいと思います。
舘
舘林宣夫#11
○説明員(舘林宣夫君) 現在、公害防止事業団法によりまして、公害防止事業団は、特定地域の公害防止事業に対して融資をするということのほかに、みずからも、そういうような種類の施設をつくり、つくった暁にはこれを譲渡する、企業側に譲渡するというたてまえでございまして、みずからがこれを運営するというたてまえになっておらぬわけでございます。しかしながら、お話のございましたように、将来みずからこれを運営する必要も生じてくる場合がありますし、また、水資源公団等におけるように、一たんつくりましたものを譲渡し、その運営を委託されるという場合も生じるかと思いますので、今後お尋ねのようなことが適当かどうかということは十分検討してまいりたい、必要があれば法律改正もしてまいりたいと、かように考える次第でございます。
この発言だけを見る →瀬
舘
舘林宣夫#13
○説明員(舘林宣夫君) 養豚のような、非常に小企業、零細企業が各地で公害事故を発生しておる事例がございますし、そのようなことに限らず、メッキ工場その他の中小企業が公害の発生源になるということは各地で見られるわけでございます。大企業に対しては、むしろ企業側が相当最近意欲を持って努力をいたしておりますし、融資の道も開けておりますが、資力のないこういう施設がなかなか公害防止の施設をつくり得ない、その意欲も盛り上がってこないという実態がございます。これらに対しましては、今日のところ、中小企業金融公庫等において融資をしておるわけでございまして、公害防止事業団が、こういう零細な企業が合同で施設をするというようなものに対しましては、施設をつくるために融資の道が開けておりますけれども、まだ今日の段階で、個々のこういう零細企業に対して融資をするとうい道が開けておらぬということから、公害対策がこういう零細企業において不十分な面があるということは御指摘のとおりでございまして、現在、各都道府県において非常なネックになっておる実態がございます。私どもとしては、やはりこういう種類のものにはきわめて低利な融資をするということで防止施設をつくらせるというような方向で指導してまいりたいと、かねがね思っておるのでございまして、今後そのような努力をいたしてまいりたいと、かように思います。
この発言だけを見る →横
横
瀬
瀬谷英行#16
○瀬谷英行君 内閣が改造になりましてから、大臣がそれぞれかわられまして、それで、前の大臣のときにもいろいろこれは問題になったのでありますけれども、産業公害の対策ということになると、だれが一体責任者であるかということがはっきりしなかったわけです。そこで、そういう状態であると、産業公害対策委員会の審議も、たいへんにやりにくくなるわけです。一応は、政府側の産業公害に関する責任者というものがあって窓口をはっきりさしておく、要するにチームで言えばキャプテンみたいなものがだれかいないというとやりにくいということになるわけでございますが、この前の委員会では、総理府の長官が一応責任者のような形でもって返事をされたわけです。しかし、聞くところによると、公害対策についてもいままでのように責任者がどこにあるかはっきりしないというのではまずいので、政府としても今度は本腰を据えてかかるんだということを聞いておりますし、もしそれらの問題処理の基本方針というものを閣議で決定をするとかいう事実があるならば、この際御報告をいただきたい。
それから、政府としての公害に対する対策、方針というものも、新しいメンバーにかわられたところで、一言お伺いしたいと思う。
この発言だけを見る →それから、政府としての公害に対する対策、方針というものも、新しいメンバーにかわられたところで、一言お伺いしたいと思う。
鈴
鈴木善幸#17
○国務大臣(鈴木善幸君) 公害の問題は深刻な社会問題になってきております。また、公害のはなはだしい地区におきましては、公害病患者も発生をしておるというようなことで、急速に総合的な公害対策を進める必要があると政府としても考えておるわけであります。実は、きょうの閣議におきまして、そういうような観点から、私は公害対策を総合的に、かつ強力に進めるために公害基本法の制定ということが必要であると考えまして、この基本法の制定を総理府の公害対策推進連絡会議が中心になって、関係各省庁の意見を調整して来たるべき通常国会に提出をするという目途で、その準備を促進してほしい、こういうことを閣議で提案をいたしました。関係各大臣の御賛同を得、また総理からも特に発言がありまして、公害対策の総合的な強力な推進ということは各方面から強く要請されておる、ついては、非常にむずかしい問題ではあるけれども、関係各省庁、各大臣が協力をして、そうして通常国会に基本法案が提案できるように努力をしてほしい、総理からもこういう趣旨の御指示があったような次第でございます。で、私はその際に、公害基本法案の検討を始めます場合、どういう事項が検討さるべき事項になるかということにつきまして、閣議で問題点を取り上げておいた次第でございます。
これはあくまで検討さるべき事項でありまして、総理府を中心に関係各省庁で検討いたしました結果、初めてそこに政府全体の一致した意見というものが固まるわけでございますが、この基本法案を審議検討いたします場合の検討事項といたしましては、一、基本施策の対象として、大気汚染、水質汚濁、騒音、振動、地盤沈下及び悪臭を取り上げること。二、事業者は、公害の防止のため必要な措置を講じ、他人に損害を与えないようにする責務を有すること。三、公害防止対策についての国及び地方公共団体の責務を明確にすること。四、国は、環境基準を設定し、汚染地域については、環境基準まで汚染等を引き下げるためにあらゆる手段を講じ、公害の予防の見地からは、環境基準を越えないようにすること。五、環境基準の維持のために排出規制、立地規制、土地利用規制その他の措置を講ずること。
六、公共の行なう公害防止事業に対する企業の費用負担について定めること。七、国は、公害防止のため基本的な施策を策定し、地方公共団体は、当該地域の公害防止施策の具体的実施に当たること。八、汚染地域、または公害の発生が予想される地域について重点的な公害対策を講じるため公害防止指定地域を指定し、公害防止計画を推進すること。九、公害防止行政を一元的に総合調整するため公害防止委員会を設置すること。——これがただいまの御質問に触れるわけでありますが、これも検討事項として取り上げるべきである。十、財政措置、金融、税制上の助成措置の整備強化をはかること。十一、住民の公害についての苦情を処理する機構——苦情処理機関であります——苦情を処理する機構、公害による被害の救済のための基金等の救済制度の整備をはかること。
こういう点が、基本法の制定にあたっての重要事項であろうかということで、私、問題点だけを取り上げて、関係各省庁がこういう点を中心に総理府の公害対策推進連絡会議で政府としての一本の基本法を制定するように、次期通常国会に提案できるように準備を促進してほしい、こういう提案をいたしまして、閣議の御承認を得た次第でございます。
厚生省といたしましても、大体先般の公害審議会からの答申の趣旨を尊重いたしまして、すでに一つの成案をまとめております。私は、両三日中にこれを総理府の連絡会議に提案をいたしたい。また、建設大臣も建設省の立場における公害対策の案をお持ちになっておるようであります。また通産、自治、運輸等々、関係各省庁からも公害対策についての御意見があると思いますが、それらを総合調整をして、公害基本法の制定をぜひ次期国会において実現をしたい、この基本法を中心にいたしまして、そして政府がそれぞれの各行政部門において有機的な連携のもとに対策を進めることが必要である、かように考えておるわけであります。
この発言だけを見る →これはあくまで検討さるべき事項でありまして、総理府を中心に関係各省庁で検討いたしました結果、初めてそこに政府全体の一致した意見というものが固まるわけでございますが、この基本法案を審議検討いたします場合の検討事項といたしましては、一、基本施策の対象として、大気汚染、水質汚濁、騒音、振動、地盤沈下及び悪臭を取り上げること。二、事業者は、公害の防止のため必要な措置を講じ、他人に損害を与えないようにする責務を有すること。三、公害防止対策についての国及び地方公共団体の責務を明確にすること。四、国は、環境基準を設定し、汚染地域については、環境基準まで汚染等を引き下げるためにあらゆる手段を講じ、公害の予防の見地からは、環境基準を越えないようにすること。五、環境基準の維持のために排出規制、立地規制、土地利用規制その他の措置を講ずること。
六、公共の行なう公害防止事業に対する企業の費用負担について定めること。七、国は、公害防止のため基本的な施策を策定し、地方公共団体は、当該地域の公害防止施策の具体的実施に当たること。八、汚染地域、または公害の発生が予想される地域について重点的な公害対策を講じるため公害防止指定地域を指定し、公害防止計画を推進すること。九、公害防止行政を一元的に総合調整するため公害防止委員会を設置すること。——これがただいまの御質問に触れるわけでありますが、これも検討事項として取り上げるべきである。十、財政措置、金融、税制上の助成措置の整備強化をはかること。十一、住民の公害についての苦情を処理する機構——苦情処理機関であります——苦情を処理する機構、公害による被害の救済のための基金等の救済制度の整備をはかること。
こういう点が、基本法の制定にあたっての重要事項であろうかということで、私、問題点だけを取り上げて、関係各省庁がこういう点を中心に総理府の公害対策推進連絡会議で政府としての一本の基本法を制定するように、次期通常国会に提案できるように準備を促進してほしい、こういう提案をいたしまして、閣議の御承認を得た次第でございます。
厚生省といたしましても、大体先般の公害審議会からの答申の趣旨を尊重いたしまして、すでに一つの成案をまとめております。私は、両三日中にこれを総理府の連絡会議に提案をいたしたい。また、建設大臣も建設省の立場における公害対策の案をお持ちになっておるようであります。また通産、自治、運輸等々、関係各省庁からも公害対策についての御意見があると思いますが、それらを総合調整をして、公害基本法の制定をぜひ次期国会において実現をしたい、この基本法を中心にいたしまして、そして政府がそれぞれの各行政部門において有機的な連携のもとに対策を進めることが必要である、かように考えておるわけであります。
瀬
瀬谷英行#18
○瀬谷英行君 いま御報告になったのが、要するに基本法の骨子であろうと思うのでありますけれども、問題は、中心は、たとえばいま総合調整ということがございましたが、中心はどこか。何省が中心になるのか。厚生省なら厚生省が中心になってやられるということになるのかどうかということ。それから責任者はだれか。これは、中心が厚生省であるならば厚生大臣がいわば責任者のような形になるというふうに理解をされるわけなんでありますけれども、いままでのこの連絡会議というものは、連絡会議自体で事を処理するというのじゃなくて、悪く言えば、公害対策の小田原評定をやる場所だ。これを具体的に強力に実施をするというところまでは至っておらなかったような気がするわけでございます。だから、この連絡会議の存在というものが今後どうなるのか。こういう問題。
それから関係大臣においても寄り寄り、それぞれの意見があるというふうにいまお聞きいたしましたけれども、厚生大臣だけでなくて、それぞれの立場から、建設大臣なりあるいは通産大臣なり、それぞれの立場から計画をお持ちであるということであれば、この機会にそれも発表をしていただきたいという気がするわけであります。
この発言だけを見る →それから関係大臣においても寄り寄り、それぞれの意見があるというふうにいまお聞きいたしましたけれども、厚生大臣だけでなくて、それぞれの立場から、建設大臣なりあるいは通産大臣なり、それぞれの立場から計画をお持ちであるということであれば、この機会にそれも発表をしていただきたいという気がするわけであります。
鈴
鈴木善幸#19
○国務大臣(鈴木善幸君) 公害防止行政の一元的な行政の推進、ばらばらでなしに、総合的な施策が行なわれるように、そのための行政機構をどうするか、現在の総理府に設置されておる公害対策推進連絡会議というようなものは、御指摘のように連絡調整のみに限っておりまして、いかにもそれでは十分でない、所期の目的を達してない、こういう御指摘もあるわけでありまして、先ほど私が基本法の中で重要な検討事項としてこの問題を取り上げまして、原子力委員会のような権限を持ったところの行政委員会を設置するということも一つの構想ではなかろうかということで、先ほど申し上げましたように公害防止委員会の設置ということを一応私提案をいたしておるわけでございます。これはおそらく、そうなりますれば国務大臣——総理府総務長官になりますか、どなたになりますかわかりませんが、国務大臣を責任者とする行政委員会というようなものを設置いたしまして、そのもとに、調整と、それから固有の権限を持って公害対策を総合的に推進をする、そうすべきである——これは私の試みの案、試案として提出されますところの公害基本法の案の中にあるわけでございますが、これはまだ政府全体として検討されているのでなしに、厚生省の試案として提案をいたしておるのでございますから、今後政府におきまして十分、この公害行政機構の一元的総合的な推進という面につきましてどうするかということは、重要な課題として検討さるべきである、かように考えております。
この発言だけを見る →瓜
瓜生清#20
○瓜生清君 関連。その問題ですがね、大臣。実は私、安井総務長官の時代にも、いまのような問題について質問したことがあるのですけれども、最近次々に発表されました自治省の案、公害審議会の案、あるいは経団連の考え方、厚生省の案、通産省の案、いろいろあるわけです。それがみなそれぞれ内容的に、ニュアンスが違う面もあれば、あるいは対立するような考え方の面もあるわけです。したがって、公害問題というのは非常に国民生活に対して重大な影響を与えている、言うならば時の課題と言ってもいいような問題ですが、それが行政的に各個ばらばらの行き方をしておる。確かに総理府の連絡会議で調整をとっておるというけれども、それでは十分でないということは大臣も関係者も認めておられると思うのです。
そこで私は、質問じゃなしに、強い要望意見としまして、ぜひいまの考え方、そういったものを強力に推進して、統一ある公害対策というものを実現できるような体制を整えてもらいたい。そういうふうに考えております。
この発言だけを見る →そこで私は、質問じゃなしに、強い要望意見としまして、ぜひいまの考え方、そういったものを強力に推進して、統一ある公害対策というものを実現できるような体制を整えてもらいたい。そういうふうに考えております。
鈴
柳
柳岡秋夫#22
○柳岡秋夫君 厚生大臣から、いま公害基本法の問題についての見解が示されたわけなんですが、いま申されました内容を聞いておりますと、十月の七日に出されました答申、あるいは八月の四日に出された中間報告、これからの内容と、どういう関連があるのか、その点をまず私はお聞きしたいわけです。
と申しますのは、いま申されました検討事項を見ますと、やっぱり基本的な問題で検討さるべき、もっと前提の段階で検討さるべき問題が残っていると思うのですよ。たとえば、公害の責任の所在は一体どうなのか、あるいは公害というものの概念と申しますか、そういうものについては、おそらく私は政府部内の中でも一致した見解はできていないのじゃないかと思うのです。と申しますのは、いままでこの委員会でもいろいろ問題になりましたけれども、通産省を代表する産業優先の立場、厚生省を代表する人命尊重の立場、こういう立場から、公害防止に対するいろんな施策の面でも、そごがあったのじゃないかと思うのですよ。それが、いま各省間の調整ということで議論しなければならない段階にある。私は、答申が出た段階で各新聞の論調等を見ますと、基本法の制定よりも、まず実行の段階だと、こういう意見が若干載っていました。実行の段階であるのだけれども、私はやっぱり、基本となる考え方が政府部内で統一をされておらなければ、いろんな施策も、お互いに足を引っぱりあって、なかなか思うようにできないというのであれば、この際答申を受けての基本法の制定というものが大事である、その点は私と厚生大臣とは意見が一致していると思うけれども、ただ問題は、各省間のばらばらの意見をどうやって調整していくかということが、これから政局の流動的な段階で、通常国会にはたして間に合うのかどうか。しかも連絡会議というようなところにこれをまかしていっていいのかどうか。少なくとも答申の中では、そういう基本的な施策を策定する特別な行政機構というものを設置すべきではないだろうかという、そういう要望も答申の中にあるわけです。したがって、私はやはり、この際一刻も早く基本法を制定して実行の段階に移すというのであれば、この連絡会議ではなくて、別な行政機構をつくって検討すべきではないだろうか、各省間の意見を調整すべきではないだろうか、こういうふうに思うのですけれども、その点はいかがですか。
この発言だけを見る →と申しますのは、いま申されました検討事項を見ますと、やっぱり基本的な問題で検討さるべき、もっと前提の段階で検討さるべき問題が残っていると思うのですよ。たとえば、公害の責任の所在は一体どうなのか、あるいは公害というものの概念と申しますか、そういうものについては、おそらく私は政府部内の中でも一致した見解はできていないのじゃないかと思うのです。と申しますのは、いままでこの委員会でもいろいろ問題になりましたけれども、通産省を代表する産業優先の立場、厚生省を代表する人命尊重の立場、こういう立場から、公害防止に対するいろんな施策の面でも、そごがあったのじゃないかと思うのですよ。それが、いま各省間の調整ということで議論しなければならない段階にある。私は、答申が出た段階で各新聞の論調等を見ますと、基本法の制定よりも、まず実行の段階だと、こういう意見が若干載っていました。実行の段階であるのだけれども、私はやっぱり、基本となる考え方が政府部内で統一をされておらなければ、いろんな施策も、お互いに足を引っぱりあって、なかなか思うようにできないというのであれば、この際答申を受けての基本法の制定というものが大事である、その点は私と厚生大臣とは意見が一致していると思うけれども、ただ問題は、各省間のばらばらの意見をどうやって調整していくかということが、これから政局の流動的な段階で、通常国会にはたして間に合うのかどうか。しかも連絡会議というようなところにこれをまかしていっていいのかどうか。少なくとも答申の中では、そういう基本的な施策を策定する特別な行政機構というものを設置すべきではないだろうかという、そういう要望も答申の中にあるわけです。したがって、私はやはり、この際一刻も早く基本法を制定して実行の段階に移すというのであれば、この連絡会議ではなくて、別な行政機構をつくって検討すべきではないだろうか、各省間の意見を調整すべきではないだろうか、こういうふうに思うのですけれども、その点はいかがですか。
鈴
鈴木善幸#23
○国務大臣(鈴木善幸君) 今回私が閣議で発言をし、また両三日中に厚生省の試案を提案しようとしておりますものは、公害審議会の答申の御趣旨に沿うものだと私は確信をいたしております。いろいろいまお話の中に、問題点になるべき点につきましてはお触れになりましたが、公害防止あるいは公害が起こった場合の責任というものは、これは発生源者が第一次的に負うべきものである。この点は、私は公害基本法で明確にしなければならないと考えております。ただ、それを防除いたします施設の整備につきまして、企業、特に中小企業等のように財政力の弱いものにそういう防除施設を整備させるということにつきましては、先ほど来の御意見も出ておりますように、金融上、税制上、さらにまた財政的な助成の面、そういう金融、税制、財政の各般にわたって、私は、この施設が整備できるような措置を講ずべきだ。このように考えております。そういう点につきましては、私は通産省におかれても決して御異存がないものと確信をいたすわけでございます。その根本は、何と言っても地域住民の健康、衛生を保持するということが大切でございますから、環境基準の設定ということが前提にならなければならないと私は考えるわけであります。この環境基準の設定にあたりましては、そこに政治的な配慮があってはいけない。むしろこれは学問的、科学的な根拠に基づいて、ここまでは、人体なりあるいは農水産物等国民の食糧になるようなもの、そういうものに損害を与えないけれども、これ以上環境を害する、基準を上回るということになれば、これは国民の保健衛生に悪影響がある、こういう環境基準というものを科学的に私はまず設定をしなければならぬと思います。こういうことが基本法によって確認されますれば、そこに公害防止対策の一つの基準ができて、それをこわさないように、悪化しないようにということで、通産省等におきましても、いま、産業立地の規制法というようなものを構想されておるようでありますが、工場等の誘致、建設にあたりまして、大気汚染とか、水質汚濁とか、あるいは騒音とか、臭気とか、振動とか、そういうものの環境基準をそこなわないという前提の上に立っての工場の立地計画というものが策定をされなければならない。また建設省におきましても、下水道の整備でありますとか、あるいは工場の建設地域の問題でありますとか、いろいろ御所管があるわけでありますが、その場合におきましても、地域住民の保健衛生を阻害しないための環境基準というものを頭に置いて、そうして、都市計画なり、あるいは土地利用計画なり、あるいは下水道その他の整備計画をお立てになる、こういうことになろうかと思うのでありまして、私は、基本法の中でそういう面がはっきり確立をいたしますれば、それにのっとって各省で公害対策を進めていただく、こういうことになるわけでございまして、私ども、公害基本法の制定にあたりましては、あの公害審議会の答申の御趣旨の線に沿って十分国民の皆さんが納得するようなものをつくってまいりたい、こう思うわけであります。
なお、そういうものをつくる場合に、まず行政機関を一つつくって、そこでやったらどうかという御質問でございますが、私どもとしては、公害行政の一元的総合的推進のための行政機関の設置ということは考えておりますが、公害基本法をつくるための一つの方法としては、総理府の連絡会議で十分事務的に検討を加え、調整をいたしましたものを、公害対策閣僚会議を設置する等によりまして、大所高所から関係閣僚によってこれを取りまとめたらどうか、公害対策閣僚会議を設置をする、そうしてこの基本法を最終的に取りまとめる、こういう行き方も考えていくべきではなかろうか、かように思うわけであります。
この発言だけを見る →なお、そういうものをつくる場合に、まず行政機関を一つつくって、そこでやったらどうかという御質問でございますが、私どもとしては、公害行政の一元的総合的推進のための行政機関の設置ということは考えておりますが、公害基本法をつくるための一つの方法としては、総理府の連絡会議で十分事務的に検討を加え、調整をいたしましたものを、公害対策閣僚会議を設置する等によりまして、大所高所から関係閣僚によってこれを取りまとめたらどうか、公害対策閣僚会議を設置をする、そうしてこの基本法を最終的に取りまとめる、こういう行き方も考えていくべきではなかろうか、かように思うわけであります。
柳
柳岡秋夫#24
○柳岡秋夫君 厚生大臣のほうは、公害審議会の答申に沿って基本法を、あるいはその他の施策をやりたいという気持ちはわかるのです。この公害審議会の中間報告が出てから、そのあと、通産省の機関であります産業構造審議会の立地部会、あるいは産業公害部会でそれぞれまた産業公害に対する、まあ防止対策と申しますか、方針を打ち出しております。この通産省関係の機関で出した答申と申しますか、中間報告、そういうものと、公害審議会で出した答申、あるいは中間報告、その中で特に私どもが注目をしなければならない意見の違いがあるでしょう。その辺ちょっとお伺いしたい。
この発言だけを見る →舘
舘林宣夫#25
○説明員(舘林宣夫君) 両省の関係の審議会での答申で、細部の点は別といたしまして、ある程度の違いがあるかどうかという点で、私どもとしても検討いたしてみたわけでございますが、しばしば指摘せられます点は、原因者の責任に対する考え方という点があるわけでございます。で、公害審議会の答申を貫いております基本精神は、原因者は無過失賠償的に責任を負うという基本精神が貫かれております。すなわち、先ほど大臣が仰せられましたように、公害の原因者が引き起こしました公害に対しては責任を負うのである。かような思想で貫かれた答申になっておりまして、なお、地方公共団体等が実施する公害防止事業につきましても、原因者はその費用の一部を持たなければならないというような記述があるわけであります。この点が、産業構造審議会におきまする答申では、必ずしも明確になっていない。国または地方公共団体が実施する都市改造事業に対する企業の費用負担につきましては、地域社会における話し合いを基調として定めるという手段が述べられておりまして、やや明確を欠いておる点がございます。また、公害行政の総合調整をするための中心行政機構として、公害審議会の答申は必ずしも明確に書いてあるとは申しませんが、はっきりした行政機構をつくる必要があるということを述べておりますが、産業構造審議会の答申におきましては、連絡会議の機能を法的に明確化するなど、総合的な公害防止行政を推進するための行政機能を強化するという方向で考えたらどうかという書き方がございまして、完全に合致しておると言いがたい色彩がございます。明確に両審議会の答申が食い違っておる点は必ずしも見当たらないわけでございます。
この発言だけを見る →柳
柳岡秋夫#26
○柳岡秋夫君 色彩が違うかどうかわかりませんが、私は、非常に重要な問題で、いま言われた三つの点で食い違いがあると思うのです。たとえば、発生源の原因者の責任の問題にしても、公害審議会の、中間答申の中では非常に強く出ている。それで、十月五日に経団連がそれに対する反論を出した。——公害審議会の答申のその部分が若干条件つきになっておるということが新聞でも報ぜられておりましたように、非常に経済界の圧力というものが私は出てきていると思う。で、産業構造審議会の答申の中でも、いまそう食い違いはないと申されますけれども、環境基準の設定の問題にしても、あるいはいまの発生源者の責任の問題にしても、あるいはまた費用の負担にしても、非常に産業を保護すると申しますか、ほとんど国に責任を持ってくるような書き方ですね。一般の国民とか地方自治体にはあまり強く出していないから、その点はごまかしていると思うが、国というものに代表してそこへ責任を持ってきている。国がそういう環境基準をつくるにも、すべての施策をやった上で環境基準をつくるべきだという書き方をしている。そういう形のものが出ている中に、各省間の調整をこれからやって、はたして通常国会に間に合うかどうか。私どもが聞くところによると、内閣改造がこの十二月の初めにある。鈴木厚生大臣、橋本建設大臣はおそらく残るでございましょうが、おそらく半数——この問題に関係ある省の半分くらいはおそらくかわるんじゃないかと思う。それから衆議院解散、総選挙ということになりますと、通常国会、そうして四月には地方統一選挙、そういうことを考えますれば、非常にばらばらな各省間の意見、あるいはそれぞれの考え方の違いがある中で、これを調整をして通常国会に間に合わせる……。これは、単にこの基本法をつくっただけでは何にもならない。いままでの論議の中にありますように、もうすでに公害防止は単なる抽象的な論議の段階ではなくて、決断と実行の段階である。こういうことが言われているわけです。これは答申の中でもはっきり言っている。したがって、その基本法に基づいた施策と、それを裏づけする、やはり予算的な措置が必要である。そういうものが四十二年度の予算の中で確保できるかどうか、その辺を私は非常に危惧しておりますので、これは、どちらの大臣でもけっこうですから、お答えいただきたい。
この発言だけを見る →鈴
鈴木善幸#27
○国務大臣(鈴木善幸君) いまお話しのように、公害防止対策につきましては、各省のそれぞれの基本的な行政のたてまえもありまして、この公害問題を調整することにつきましては、私も、なまやさしい問題ではない、こう考えておりますが、どうしても国民世論の強い要望にこたえるために、万難を排して、閣僚が全力を尽くして、これは意見を調整し取りまとめて、そうして通常国会に提案できるように、きょう総理の御指示がありました方向で最善を尽くすべきものである、かように考えているわけでございます。もとより、そういうようなことになりますれば、四十二年度予算におきましても十分予算的に考慮さるべきものである、かように考えております。最善を尽くします。
この発言だけを見る →橋
橋本登美三郎#28
○国務大臣(橋本登美三郎君) 私に指名ではありませんが、私の考え方をひとつ平たく申してみたいと思うのですが、先ほど来厚生大臣から基本法のお話がありましたが、これは、きょうの閣議で基本法をつくろうということで了承を得ましたので、次の国会には何とか間に合わせたい。問題は、こういうことを平たく言うと、いろいろな問題がありますけれども、先ほど来から、産業資本の圧迫を受けはせぬかというお話があったのでありますが、そこでたとえば、これは例がはたしていいかどうかわかりませんが、煙突から一つの公害が発生すると仮定します。しますと、これが十本か十五本の場合は、いわゆる社会的な地域公害となってはあらわれないが、これが五十本、百本ということになれば、これが地域的な公害となってあらわれる、こういうことがあります。そこで、通産省として考える一これは私ども副総理でもなければ総理大臣でもないですから、通産省のことを言うのはどうかと思いますけれども、一応通産省の立場で言えば、いわゆる産業の能率化といいますか、そういう点から考えて、いわゆるある程度の限度があろうと思います。したがって、コストの関係から見て、その発生源について、この程度まではいろいろな点から考えて可能であるという結論が出るわけですが、これは科学的調査を必要としますが、しかし、そういうものが一本か十本の範囲内であれば社会的な産業公害になってこない。地域公害にはなってこないわけですが、それが五十、百という数になってくると、ある程度規制が行なわれても、地域的公害になってくる。
そこで、先ほど来の瀬谷さんの御質問ですが、だれに責任があるかということになれば、厚生大臣がお答え申し上げたように、いわゆる第一次的な責任は企業者にあると思う。けれども、そうしたいわゆる広域的に産業が発達し、それが、その一つ一つでは害にならぬものが、それが多くなって、いわゆる一つの害を及ぼす場合に、これをだれが処理するかということになれば、やはり国が原則としては処理していく——責任の問題になって処理していくということになるのではないか。たとえば、御承知のように、隅田川のいわゆる水質汚濁を浄化するためのフラッシュ、いわゆるきれいな水をそこに流すことによって、最近隅田川というのはだいぶ浄化されてきた。あるいはまた名古屋でも堀川その他各大都市にあるところの市内を流れている川の浄化ということは、原則としてやはり公共団体が処理していく。これは川の問題で申し上げましたが、あるいは産業工場それ自体のものでも、それが一つ一つの場合は、なるほど基準には合っているけれども、それが多くなれば大気内における汚染度は高まってくる。その場合にも、処理するのはだれが処理すべきものかということになれば、やはり公共団体が原則としては処理していくという方向であっていいんじゃないか。こういうことからして、御承知のように、あるいは建築基準、あるいは都市計画、あるいは産業都市の建設の場合における地域の設定というような措置が、政府としては行なわれているわけであります。
そこで、少し長くなりますけれども……。
この発言だけを見る →そこで、先ほど来の瀬谷さんの御質問ですが、だれに責任があるかということになれば、厚生大臣がお答え申し上げたように、いわゆる第一次的な責任は企業者にあると思う。けれども、そうしたいわゆる広域的に産業が発達し、それが、その一つ一つでは害にならぬものが、それが多くなって、いわゆる一つの害を及ぼす場合に、これをだれが処理するかということになれば、やはり国が原則としては処理していく——責任の問題になって処理していくということになるのではないか。たとえば、御承知のように、隅田川のいわゆる水質汚濁を浄化するためのフラッシュ、いわゆるきれいな水をそこに流すことによって、最近隅田川というのはだいぶ浄化されてきた。あるいはまた名古屋でも堀川その他各大都市にあるところの市内を流れている川の浄化ということは、原則としてやはり公共団体が処理していく。これは川の問題で申し上げましたが、あるいは産業工場それ自体のものでも、それが一つ一つの場合は、なるほど基準には合っているけれども、それが多くなれば大気内における汚染度は高まってくる。その場合にも、処理するのはだれが処理すべきものかということになれば、やはり公共団体が原則としては処理していくという方向であっていいんじゃないか。こういうことからして、御承知のように、あるいは建築基準、あるいは都市計画、あるいは産業都市の建設の場合における地域の設定というような措置が、政府としては行なわれているわけであります。
そこで、少し長くなりますけれども……。
柳