大出俊の発言 (内閣委員会)
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○大出委員 時間がございませんから簡単に申し上げますが、いまの件は、NHK等でもやりましたし、四十年八月十一日の朝日新聞にも毎日新聞にも取り扱われた記事でございます。そこで、あれからだいぶ時間がたっておりますが、三次坊を特にきめておるその三次防の中で、二次防の文言とは違う点があるのであります。二次防のときには弾薬などというものは一カ月ぐらい確保などというような意味のことがございます。あれからだいぶたっておりますが、この中で取り扱われておりますのは、一つは防衛出動時における陣地構築等の作業のための人員動員についての政令を自衛隊法百三条に基づいて定める。これが一つあるわけです。自衛隊法の百三条と申しますのは、私も国会図書館の専門員の方その他をわずらわしまして調べてみたのでありますが、自衛隊法ができるときは——百三条というのは雑則ですからね。こういう取り扱いは私はいかがなものかと思っておるのですが、これだけ重要なことを、この百三条については、この法律の成立をするときの論議の中で、どういうわけか全く論議が行なわれていないのです。私、当時おりませんからわかりませんが、記録がない。行なわれないで通ってしまった条項なんですね。これは与野党ともに国民に対して責任を負わなければいかぬだろうと思うのです。だから、国民のほとんどの方は知りません。国会でこの問題が突っ込んだ論議をされたこともない。
そこで、私は申し上げるのでありますが、この百三条によりますと、「第七十六条第一項の規定により」こうまずうたってあります。七十六条の規定と申しますのは、御存じのとおり、さっき防衛庁長官がおっしゃいましたが、自衛隊の行動、防衛出動の項なんですね。したがって、国防という意味ではこれは中心です。この七十六条の規定を受けまして各種の防衛出動が出ております。この規定を受けまして、「七十六条第一項の規定により自衛隊が出動を命ぜられ、当該自衛隊の行動に係る地域において自衛隊の任務遂行上必要があると認められる場合には、都道府県知事は、長官又は政令で定める者の要請に基き、」政令が出ておりません。「病院、診療所その他政令で定める施設(以下本条中「施設」という。)を管理し、」管理ができるわけです。「土地、家屋芳しくは物資(以下本条中「土地等」という。)を使用し、物資の生産、集荷、販売、配給、保管若しくは輸送を業とする者に対してその取り扱う物資の保管を命じ、又はこれらの物資を収用することができる。」昔の旧軍隊時代に言っておりました徴発でありますが、これができる。「ただし、事態に照らし緊急を要すると認めるときは、長官又は政令で定める者は、都道府県知事に通知した上で、」通知だけでいいわけであります。「通知した上で、自らこれらの権限を行うことができる。」明確な規定であります。
さらに、第二項におきましては、なお明確でありまして、時間がありませんから中身だけ簡単に読みますが、「内閣総理大臣が告示して定めた地域内に限り、」昨日も論議に出ました、局地戦以下の侵略事態に対してこの地域というふうに定めた場合、こういう意味であります。「前項の規定の例により、施設の管理、土地等の使用若しくは物資の収用を行い、又は取扱物資の保管命令を発し、また、当該地域内にある医療、土木建築工事又は輸送を業とする者に対して、当該地域内においてこれらの者が現に従事している医療、土木建築工事又は輸送の業務と同種の業務で長官又は政令で定める者が指定したものに従事することを命ずることができる。」つまり土木建築並びに輸送、医者というような方々は、昔の例で言えば徴用ができる、ここまで考えていい条文だといわなければなりませんし、しかもこれは、後段におきまして、「第一項又は第二項の規定による処分については、行政不服審査法による不服申立てをすることができない。」できないのであります。通知をして命令をされれば従わなければならない、こういう規定であります。これは手続的な政令その他がございませんから不備であります。したがって、もし非常な事態が起こった場合、三次防でいうところの局地戦以下の侵略事態、だから私はきのう執拗に聞いたのでありますが、起こった場合に、国防会議の承認を得ないで事前に緊急に動く場合がある。あとで国会の承認はできるだけすみやかに受けることになっておりますけれども、そういう場合だってある。そういう緊急な場合に、この百三条というものは直ちに発動される性格のものなんですね。しかも長官がおっしゃるように、きょうという日もわれわれは守られているというほどに緊急な事態であるとするならば、手続的なものがなくてはこれは発動できない。防衛に関しては皆さんと私は見解を異にいたします。いたしますけれども、実体法上、法治国家である限りは法律があるのですから、してみれば、不備なるままにこれが発動されたんでは国民はたいへんなことになる。そう考えなければなりません。
そこで、私は、いま申し上げましたように、まず一つあげたんですけれども、明らかに項目がきまっているんですよ、四十年八月十一日。一つは、いま申し上げたように、防衛出動時における陣地構築等の作業のための人員動員について政令を自衛隊法百三条に基づいて定める。いいですか。それからもう一つは、日赤との関係等があります。赤十字。それからもう一つは、自衛隊員の戦死の場合の補償額、これを高くする。つまり戦死した場合の補償金を特別に高くするための防衛庁職員給与法改正の研究、あるいは防衛出動時の職員の給与の留守宅送り、その制度の研究というようなことが当時出ていたわけです。してみると、これは全体を含めて今日まで相当な日時がたっておる。参事官会議では取り扱った、議題にしたというところまではあなたはお認めになった。私のほうで入手しているあれからいけば、議題として研究をするときまっている、こういうわけであります。ならば、どこから考えても研究していないはずはない。しかも長官は、いま冒頭の答弁の中で、非常に怠慢であったということをおっしゃっておるわけです。そうだとすると、怠慢であった、だから研究している、こうおっしゃっておられる。してみると、その研究の成果のほどは一体どういうことになっておりますか。非常に重要な問題ですから、はっきり答えてください。