草野一郎平の発言 (農林水産委員会)

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○草野政府委員 森林病害虫等防除法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
 森林病害虫等を駆除し、その蔓延を防止することは、単に森林所有者の経営の安定に資するばかりではなく、広く国民経済的な観点から森林資源の確保、風致景観の保持、国土の保全等各般にわたる森林の公益上の要請にこたえる上におきまして、きわめて重要なことと考えられます。このため、昭和二十五年に制定された森林病害虫等防除法に基づきまして、森林病害虫等の防除の推進をはかってまいったのでありますが、現行法の制定後すでに十数年を経過し、その間に森林病害虫等の発生状況、その防除の状況その他社会的経済的諸条件は、著しい変化を見ているのであります。
 すなわち、近年の各種開発事業の進展に伴う自然環境の改変に加えて連年の異常気象条件の影響もあり、森林病害虫等の被害発生地域は急速に拡大し、またその被害対象も枯損老齢木にとどまらず、幼壮齢木等健全木にも及ぶ傾向が見られるのであります。
 他方、御承知のとおり、農山村における労働力の減少傾向に伴って、個々の森林所有者による防除の実施が困難な場合が多くなっているのであります。
 これらの事情に対処し、国、地方公共団体、森林組合、森林所有者が、相互に協力して森林病害虫等の防除措置の実施体制を整備強化することが一そう強く要請されてきているのであります。一方、森林病害虫等の防除技術、特に薬剤による防除技術は、著しい進歩を見せており、これらを利用してより経済的で有効な防除の促進をはかることができるようになっております。
 このような状況にかんがみまして、最近の実情に即応した森林病害虫等の防除の効果的な実施をはかるため、森林病害虫等防除法につき所要の改正を行なう必要があると考え、本法律案を提出した次第であります。
 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一は、防除命令の内容の拡充であります。
 現行法におきましては、農林大臣または都道府県知事は、樹木の伐倒、剥皮、焼却による防除措置を命ずることができることとなっておりますが、これらの措置のほか、樹木を伐倒して薬剤による防除を命ずることができるものとする等薬剤による防除命令の範囲を拡大することとしております。
 第二は、緊急に防除を行なわなければならない場合の命令手続きの簡素化であります。
 現行法では、森林病害虫等の防除の命令をするには、その二十日前までに命令の内容を公表することとなっておりますが、緊急に森林病害虫等の防除を行なわなければならないためその公表を行なういとまがない場合には、あらかじめ公表することなく防除の命令をすることができることとしております。
 第三は、防除措置の実施の徹底であります。
 まず、防除命令をした場合におきまして、現行法では森林の所有者等が行ないます被害木の伐倒の費用は補償の対象に含まれておりませんが、最近では被害木が幼齢木にまで及ぶ等伐採木の販売収入によりその伐倒費を回収することができない場合が生じておりますので、その回収できない分の伐倒費についても補償することといたしました。
 次に、現行法では、防除命令をした場合におきまして、その受命者が指定された期間内に命ぜられた措置を行なわなかったときは、その者にかわって国、都道府県がその防除措置を行なうことができることとなっておりますが、このほかに、受命者が当該期間内に命ぜられた措置を行なっても十分でないときまたは行なう見込みがないときにおいても、受命者にかわってその防除措置を行なうことができることといたしております。
 さらに、農林大臣または都道府県知事は、森林病害虫等の防除措置を行なう場合において必要があるときは、地方公共団体または森林組合もしくは森林組合連合会にその措置の実施に関し必要な業務に協力することを要請することができることといたしております。
 なお、これらの改正とあわせ、森林害虫防除員等による検査の対象及び検査結果に基づく指示の範囲を拡充する等所要の規定の整備を行なうことといたしております。
 以上が本法律案の提案理由及びその主要な内容でございます。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
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発言情報

speech_id: 105505007X03619670719_002

発言者: 草野一郎平

speaker_id: 30294

日付: 1967-07-19

院: 衆議院

会議名: 農林水産委員会