芳賀貢の発言 (農林水産委員会)
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○芳賀議員 ただいま議題となりました学校給食の用に供する牛乳の供給等に関する特別措置法案について、提案者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
昭和二十九年に学校給食法が制定され、自来今日まで、全国の大部分の義務教育小中学校において牛乳の学校給食が実施に移され、児童及び生徒の心身の健全な発達と国民食生活の改善に大きく貢献してまいったのであります。
しかしながら、他方において、この既往のこの制度のあり方に関し、アメリカの余剰農産物である脱脂粉乳がその主体をなしておりましたために、これが衛生的、栄養的見地から、また一方国内の酪農振興の観点から世論の強い批判を受け、その結果、四十一年度から計画的に国内産の牛乳による学校給食の実施に切りかえられることになったのであります。すなわち、四十年、第四十八国会において、酪農振興法が改正され、国内産の牛乳による学校給食の計画的な実施及びその援助措置等を行なうための規定が設けられ、引き続き、この規定に基づいて四十一年四月、四十五年度を最終年次とし、全国の義務教育小中学校等の全児童、生徒のすべてに対し、国内産の牛乳による学校給食を完全に実施するための学校給食供給目標を定めたのであります。
国は、この供給目標に従い、目下牛乳の学校給食を実施しておりますが、その年次ごとの計画は、四十一年度十九万トン(百万石)、四十二年度二十五万トン(百三十万石)、四十三年度三十五万トン(百八十五万石)、四十四年度四十八万トン(二百五十五万石)、最終年次の四十五年度は六十六万トン(三百五十万石)とされており、四十一年度及び四十二年度はおおむねこの計画どおりに実行され、あるいは実行の予定となっているのであります。
ところで、以上のように一応計画どおり実施されておりますが、最近においては、生乳生産の停滞傾向による供給上の問題や、生乳生産費の上昇による生産者価格の引き上げ等による父兄負担の増高の問題などを招き、今後必ずしも計画どおり実施されるかどうか一まつの危惧を感ずるのであります。なかんずく、父兄負担の状況については、国費の半額負担が実行されず、百八十CC当たり平均供給価格が、四十年度十円八十銭、四十一年度十一円四十七銭、四十二年度十三円弱に対し、国の補助はいずれも五円に据え置かれているのでありまして、父兄負担が連年増大しているのであります。
そこで、日本社会党といたしましては、かかる国内産の牛乳による学校給食に対しまして、この際、憲法第二十六条の義務教育費無償の精神にのっとり、かつ、学校給食制度調査会が三十六年八月答申した中において指摘しているミルクの全額無償給与を行なうことの趣旨を尊重し、今後において全額国費をもって実施することとし、さらに、これに必要な牛乳を完全に確保し、あわせてわが国酪農の発展に寄与するため、特別の措置を講ずることが必要であると認め、本案を提出した次第であります。
なお、これがために、学校給食法の改正も必要と考え、別途、同法の一部改正法案を提出し、その御審議をお願いしているのであります。
以上が本案を提出した趣旨でありますが、そのおもな内容について以下御説明申し上げます。
まず第一に、国は、毎会計年度、学校給食の用に供する牛乳を買い入れ、公立または私立の義務教育諸学校の設置者に無償で給付することとしております。
第二に、農林大臣は、毎会計年度、当該年度の開始前に、文部大臣と協議して、学校給食の用に供する牛乳の買い入れ及び給付に関する計画を定めなければならないこととしております。
第三に、学校給食の用に供する牛乳または乳製品の買い入れ価格は、毎会計年度、当該年度の開始前に、畜産振興審議会の意見を聞いて、牛乳については、生乳の生産者価格に処理及び販売に要する標準的な費用を加えて得た額を基準として、農林大臣が定める価格とし、乳製品については、加工原料乳生産者補給金等暫定措置法において安定指標価格が定められているものにあってはその価格、その他のものにあっては農林大臣が定める価格とすることとしております。
なお、生乳の生産者価格については、生産される生乳の相当部分が飲用に供される生乳と認められる地域における生乳の生産費を基礎とし、物価その他の経済事情を参酌し、生乳の再生産を確保することを旨として農林大臣が定めることとし、この場合において、生乳の生産費に含まれる自家労働の価額は、他の産業に従事する労働者の賃金の額と同一水準のものでなければならないものとしております。
第四に、国は、学校給食の用に供する牛乳の買い入れについては、生乳生産者団体からの買い入れを優先的に行なうこととしております。
第五に、国は、予算の範囲内において、生乳生産者団体に対し、学校給食の用に供する牛乳の供給の円滑化をはかるため、牛乳の処理または乳製品の製造に必要な施設の改良、造成または取得に要する経費について、その三分の二を補助することとしております。
第六に、附則において、この法律の施行を昭和四十三年四月一日からとし、そのほか、国が学校給食の用に供する牛乳を買い入れる場合には、食糧管理特別会計において処理することとし、さらに、酪農振興法の一部を改正し、学校給食の用に供する牛乳の無償給付についての義務づけを新たに設けること等を規定いたしております。
以上が本案の提案の趣旨及びその内容であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
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