若林正武の発言 (農林水産委員会)
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○若林政府委員 昭和十四年の森林法によりまする施業案制度の問題でございますが、この制度は、民有林全般に対しまして営林の監督を強化する手段といたしまして運用されたものでございます。その方法といたしましては、五十町歩以上の森林所有者につきましては単独の施業案をつくらせる、それ以下の者につきましては、それらを構成員といたしまする森林組合に対しまして施業案の編成の義務を課しまして、その施業の当否を知事が審査してこれを認可し、実行せしめるというふうな制度であったのでございます。
そのねらいとするところは、森林所有者にその定める方針に基づきまして施業案を編成させて、行政庁の指導と監督のもとに共同して自由な伐採を抑制するとともに、造林を勧奨して森林資源の維持培養をはからしめることにあったのでございます。この昭和十四年に発足をいたしましたいわゆる森林組合施業案、この事業は、昭和十八年に至りまして、戦争中でもあった関係もございまして、不急事業として中止されるに至ったのでございます。しかし、この事業は終戦とともに再開をされまして、昭和二十二年度からは、五カ年で戦時中に編成をいたしました施業案の検討と、公有林施業案の検討の二つの事業とともに、施業案の編成地区に対しまする施業案の実施を検討いたしたのでございます。ただいま申し上げましたように、この制度は、編成面積につきましては成果をあげたのでございますが、森林所有者の自発的な意思が十分に反映されて計画が作成されなかったことと、戦中、戦後の社会経済事情の変動があったこと等に基因いたしまして、その実行につきましては十分な成果をあげ得なかったのでございます。
その後、昭和二十六年に森林法の大改正が行なわれたのでございますが、現行の森林計画制度は、この二十六年に制定されました森林法によりまして新しくできました森林計画制度というものを基礎にいたしまして、その後におきまする数次の改正を経て今日に至っておるのでございます。
そこで、昭和三十七年度に改正いたしましたねらいその他について申し上げますと、当時のわが国の経済の発展に即応いたしまして、木材の需要というものは伸張し、木材価格というものも一時的な停滞を得まして上昇に転じた。このような当時の事情の推移に伴いまして、造林事業は対象地の奥地化にもかかわりませず、着実に進展をするとともに、伐採許可制度の対象となっておる立木についての伐採量というものも、伐採許容限度量というものをかなり下回るようになります等、森林所有者の林業経営の合理化への指向がうかがえるような状態になったのでございます。
このような当時の林業の動向というものを反映いたしまして、昭和三十五年十月におきまする農林漁業基本問題調査会からの「林業の基本問題と基本対策」の答申にも見られますように、当時の森林計画制度につきましては、その性格は行政庁によって作成される上からの制度たるところにある。このような森林計画制度では、近年における林産物需要構造の変化と林業経営の実情に十分即応し得ないのみならず、行政運営上の効率から見ても問題があるという意見が出まして、森林計画制度の改善あるいは合理化ということが要請されるに至ったのでございます。このような状況のもとで、昭和三十七年の森林法の一部改正、森林計画制度につきましては第二次改正が行なわれたのでございます。
改正内容といたしましては、伐採の許可制度につきましては、保安林等必要最小限度のものだけに規制を行なうという措置をとったのでございます。その他の伐採につきましての規制は、事前の届け出制度に改められることになったのでございます。したがいまして、森林計画制度も、従来の伐採許可制度と造林の義務づけを骨子とするというふうな制度から、性格が大幅に変わってまいったのでございます。都道府県知事が、全国森林計画に即しまして、森林計画別に森林についての公益上の要請と林業政策の方針とを地域の特性を生かして具体化したものとして、この地域森林計画というものを定めまして、これを公表することとなったのでございます。一般の森林につきましての伐採の許可制度の届け出制への全面移行に伴いまして、従来森林区別に毎年定められておりました森林区実施計画というものは、そのときに廃止をされたのでございます。こういうふうな改正によりまして、新たに地域森林計画というものに即しまして森林所有者が施業をやるわけでございますが、その過程におきまして施業の勧告の制度を設けまして、森林計画を順守しない場合には、その是正のために都道府県知事が施業の改善を促すというふうな勧告をすることといたしたのでございまして、これらによりまして森林計画制度の目的達成の確保をはかることになったのでございます。
以上が昭和十四年及び三十七年の森林計画制度の改正の内容でございます。