若林正武の発言 (農林水産委員会)
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○若林政府委員 優遇措置につきましては、大面積所有者であるがゆえに特に優遇するというふうな考え方をとっておらないのであります。御承知のように、零細所有者の優遇措置につきましても、税法上では所得税あるいは相続税の面におきまして優遇措置を考えておりますし、さらに造林の補助金の面におきまして、これは零細規模所有者だけでございますが、補助金のかさ上げということも考えておるのでございます。
そこで、ただいまお尋ねの伐採調整資金の問題でございますが、御承知のように、伐採調整資金は、昭和二十六年の普通林の伐採許可制度の実施に伴いまして発足をいたしまして、昭和二十九年に保安林が貸し付け対象に含められ、昭和三十七年に普通林の伐採許可制度が廃止されましたために、現在では貸し付け対象として残っておりますのは保安林に限られておるのでございます。このように、伐採調整資金の貸し付けは、公益的な要請に基づきまして国により一方的に伐採を制限された森林の立木維持の実をあげますとともに、このような個人財産に対する一方的な制限を代償する措置といたしまして講ぜられてきたものでございます。一方、この森林施業計画制度につきましては、森林資源の保続培養と森林生産力の増進のための諸施策の効果的な実施をはかるために、経営主体ごとの自主的な森林施業計画につきまして認定の措置を講じようとするものでございます。森林施業計画に従いまして施業する森林所有者は、そうでない者と比較いたしまして、伐採の任意性というものは確かに制約を受けるのでございますが、その制約は保安林制度におきまするような伐採の制限等に比べまして、国の一方的な規制に基づくものではございませんし、また結果として、自巳の所有いたしておりまする森林経営の改善に資するものであるという観点からいたしまして、趣を異にいたしておるのでございます。さらに、現行の伐採調整資金の融資の実績は、資金ワクといたしまして大体毎年二億準備をいたしておるのでありますが、現実には四千万前後という貸し付けの実績になっております。したがいまして、そういった実績の面から見まして、この森林施業計画の認定を受けました中小規模の森林所有者につきましても、この種の資金に対する必要性というものは、さほど大きくはないのではなかろうかというふうにまあ考えておるのでございます。また、かりにそのような資金需要が出てまいりました場合におきましても、その多くは現在ございまする林業経営維持資金の貸し付けによってもある程度対処できるのではなかろうかというふうに考えておるのでございます。
以上申し上げましたような現行の伐採調整資金の沿革、森林施業計画制度の趣旨等にかんがみまして、当面森林施業計画の認定を受けた中小規模の森林所有者に伐採調整資金を貸し付けることは考えておらないのでございますが、今後の取り扱いにつきましては、この新しい制度の実施状況等を考慮いたしまして検討してまいりたいというふうに考えております。