菅野和太郎の発言 (本会議)
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○国務大臣(菅野和太郎君) 昭和四十一年度中小企業の動向に関する年次報告及び昭和四十二年度において講じようとする中小企業施策並びに特定繊維工業構造改善臨時措置法案、及び中小企業振興事業団法案について、その趣旨を説明いたします。
まず、昭和四十一年度中小企業の動向に関する年次報告及び昭和四十二年度において講じようとする中小企業施策について御説明申し上げます。
わが国経済全般の回復とともに、中小企業の事業活動も活発化してきておりますが、経営面での回復は十分でなく、企業倒産も高水準で推移しております。
経営面での回復が十分でないのは、人件費、資本費が上昇基調で推移しているのに対して、生産性の向上によってこれを吸収するまでに至っていないためでありますが、これは労働力需給の逼迫、需給構造の変化等の中小企業をめぐる経済的諸条件の変化に対して中小企業が十分適応できていないことによるものと思われます。
中小企業の生産は、昭和三十年代においてかなりの伸びを見ましたが、大企業の生産の伸びが中小企業の生産の伸びを上回ったため、工業生産に占める中小企業の比重は若干低下しております。しかしながら、この間において生産の迂回度が高まり、消費が高級化、多様化したため、比較的中小企業の比重の高い分野での成長が高くなっており、中には、中小企業から大企業へと成長を遂げるものもかなり見られております。したがいまして、今後においても、経済の成長に伴い、中小企業の発展の可能性は大きいものと考えられます。
さらに、商業におきましても、卸売り業では経営規模の拡大傾向が見られ、小売り業でも大量廉価販売店の発展が見られております。しかしながら、わが国商業は、全体としては、いまだ経営効率の低い小規模企業が圧倒的に高い比重を占めており、このため消費者物価安定の見地からも、中小商業を含む流通機構全体の早急な近代化が特に要請されております。
政府といたしましては、このような状況に対処して、昭和四十一年度においては、経済的諸条件の変化に即応した中小企業の近代化のための施策を一そう充実するとともに、中小企業をめぐる環境の整備を進めました。これらの施策は、中小企業者の努力と相まって、一応の効果をあげておりますが、前述のごとく、中小企業がきびしい構造変動に直面していることにかんがみ、今後は事業の協業化、共同化等による構造改善対策を中心として、諸対策の総合的な推進をはかる必要があります。
昭和四十二年度においては、このような認識に基づいて、次のような諸施策を推進する所存であります。
すなわち、中小企業の協業化、共同化を推進するために中小企業振興事業団を創設するとともに、協業化のための新たな組織として協業組合制度を設けることとしております。
また、指導事業の充実、労働力の確保等のための労働対策の拡充、輸出の振興、官公需確保対策の強化等につとめるとともに、下請企業の問題につきましては、下請取引の適正化、受注の安定の確保をはかることとしております。
次に、小規模企業につきましては、個人企業の家族専従者に対する完全給与制の実施、小規模企業共済制度の拡充、経営改善普及事業の強化、中小企業振興事業団の活用等により、その経営の合理化と安定をはかることとしております。
さらに、金融面につきましては、政府関係中小企業金融機関の貸し出し規模の拡大、信用補完制度の充実等により金融の円滑化を進めることとしております。
次に、特定繊維工業構造改善臨時措置法案及び中小企業振興事業団法案の趣旨について御説明申し上げます。
まず、特定繊維工業構造改善臨時措置法案の趣旨でありますが、わが国繊維工業は、国民の衣料及び生産資材の供給と多額の輸出を行なう重要産業でありますが、その零細過多性等構造上の脆弱性に悩み、加えて労働力需給の逼迫、発展途上国繊維工業の発達等、内外の経済的環境は最近一段ときびしさを加えるに至っております。
この法律案は、このような事態に対処して、特定の紡績業と特定の織布業とを対象として、昭和四十二年度を初年度とし、関連労働者の職業の安定につき配慮しつつ、その構造改善をはかるための措置を講じようとするものでありますが、次にその概要を御説明申し上げます。
第一は、特定紡績業について、通商産業大臣が設備の近代化、規模の適正化、過剰設備の計画的な処理その他構造改善に関する事項について基本計画及び毎年の実施計画を定めるものとし、これらの計画の実施に関し、資金の確保及び課税の特例等の規定を置くこととしております。
また、過剰設備の処理に関しては、共同行為を指示することとし、さらにその後、特に必要ある場合には、処理に関する命令をすることができることとしております。
第二は、特定織布業について、特定織布業商工組合が設備の近代化、規模の適正化等の構造改善に関する事業を総合的に実施するため事業計画を作成し、通商産業大臣の承認を受けることができることとし、承認を受けた計画に従って実施する事業についての資金の確保、補助金の交付、課税の特例等の規定を置くこととしております。
第三は、繊維工業構造改善事業協会についての規定であります。協会は、この法律に基づき、業界関係者、関係都道府県知事及び学識経験者が発起人となり、通商産業大臣の認可を受けて設立されるものであり、協会の資本金は、その全額を政府が出資することとしております。
協会は、特定紡績業における過剰設備の買い取り及び廃棄、特定織布業構造改善事業に必要な資金調達をはかるための債務保証及び融資等の業務を行なうものとしております。このうち、債務保証及び融資の業務に関し、信用基金を設け、また、特定紡績業における過剰設備の買い取り等の費用に充てるため特定紡績事業者から強制徴収の裏づけをもって納付金を徴収することができることとしております。
以上のほか、この法律は昭和四十七年六月三十日までに廃止することとし、また、構造改善の円滑な実施をはかるため、繊維工業設備等臨時措置法について所要の改正を加えることとしております。
次に、中小企業振興事業団法案の趣旨でありますが、最近の中小企業をめぐる経済環境は一段ときびしさを増しており、わが国の中小企業は画期的な構造改善を迫られております。
政府といたしましては、中小企業の構造改善を促進するため、従来から各種の施策を実施してまいりましたが、わが国の中小企業をより一そう振興するためには、中小企業の構造改善を推進するための指導と助成を有機的かつ総合的に実施する専門的な機関が必要であると考えられます。
中小企業振興事業団は、このような要請にこたえるため、現行の中小企業高度化資金融通特別会計と特殊法人日本中小企業指導センターを発展的に解消し、両者を統合して一つの総合的な機関とするものであります。
次に、本法案が規定する中小企業振興事業団の概要を説明申し上げます。
まず、事業団の資本金としましては、一般会計からの出資金約百四億円のほか、中小企業高度化資金融通特別会計の貸し付け金債権等を引き継いで、合計で約二百五十億円を予定しており、役員は、理事長以下七名を予定しております。
次に、事業団の業務といたしましては、中小企業の構造改善を促進するために必要な事業を総合的に行なうこととしておりますが、これを法案に即して説明申し上げますと、
まず第一は、指導事業であります。中小企業の構造改善を促進するためには、親身になって相談に応じ、適切な助言を行なうことが大切であります。事業団は、都道府県と協力して中小企業者の依頼に応じて必要な指導を行なうこととしております。
第二は、資金の貸し付けあるいは施設の譲渡事業であります。事業団は都道府県の助成を前提に、都道府県と協力して中小企業者の事業の共同化、協業化を中心とする構造改善事業あるいは織布業が産地組合を中核として行なう設備の近代化、企業の集約化等の構造改革事業に対して、長期低利の資金の貸し付けを行なうとともに、さらに中小企業者の依頼に応じてこれらの事業に必要な施設の分割譲渡を行なうこととしております。
第三の事業は、研修事業であります。本事業団は中小企業の経営管理の合理化や技術の向上をはかるため都道府県の指導担当者を養成するとともに、中小企業者またはその従業員に対する研修にも力を注ぐこととしております。
事業団は、以上の業務のほか、これらの各業務を行なうための基礎となる中小企業に関する情報の収集や調査研究を行ない、その成果を広く中小企業者に普及する事業も行なうこととしております。
なお最後に、本事業団の監督は通商産業大臣が責任をもって当たることとしております。
以上が昭和四十一年度中小企業の動向に関する年次報告及び昭和四十二年度において講じようとする中小企業施策並びに特定繊維工業構造改善臨時措置法案及び中小企業振興事業団法案の趣旨であります。(拍手)
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中小企業基本法に基づく昭和四十一年度年次報告及び昭和四十二年度中小企業施策についての発言並びに特定繊維工業構造改善臨時措置法案(内閣提出)及び中小企業振興事業団法案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑