菅野和太郎の発言 (本会議)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○国務大臣(菅野和太郎君) 中小企業の大本につきましては、いま総理から詳細な御説明がありましたので、具体的な問題についてお答えしたいと思います。
中小企業の適正化の問題についてお尋ねがあったように思うのでありますが、中小企業の適正規模ということは、結局中小企業が存立し得るように中小企業の規模を持っていくというところがねらいでありまして、御承知のとおり、今日は大規模と比べて所得の格差があり、生産性も低いし、収益性も低いというところに中小企業の悩みがあるのであります。したがいまして、その適正規模というのは、その生産性なりあるいは収益性というものを確保できるように規模を持っていきたいというところがねらいであります。そういう意味におきまして、今回、中小企業振興事業団を設けましたのも、それをひとつねらって設けました次第であります。
それから産業構造に関連しても御質問がありましたが、なるほど産業構造自体は、これは中小企業者自体の問題でありますけれども、やはり外部的の問題についてこれを考慮すべきではないかという御質問があったと思います。これはもうお話のとおりでありまして、中小企業者自体がこれはもちろんやるべきでありますが、しかし、中小企業者自体でできないことが多々あります。そういう場合には、政府が積極的にこれを援助したいと思うのでありまして、たとえば先ほど御説明申し上げました繊維産業などの、これも産業構造の改善でありますが、これは業者自体でできない部分を政府が乗り出して、繊維産業の改善をやろうということで、今回皆さん方の御審議をお願い申し上げておる次第であります。お説のとおり、中小企業自体だけでは決してこれは完全に行なわれるものではありません。
それから小規模の対策についてお尋ねがあったと思いますが、これについては、労働、金融、税制面等においてできるだけ政府がその対策を講じなければならないことはもちろんであります。これは大規模と比べて、その点においても劣っておる点がありますからして、たとえば金融面につきましても、金融の資金の豊富、あるいは金利を安くするとか、あるいは税制面においては、大企業に比べて税金をもう少し安くするとかいうようなことについては、今回も個人企業の専従者の免税、減税というようなことを認めたのもその一つのあらわれでありまして、中小企業者の税金をできるだけ安くするというような方針をとって今日までやってきておるのであります。
それから、資本の自由化の問題について、中小企業に対してどう考えておるかというお話があったと思いますが、資本の自由化の問題について、これは日本の産業経済に対しては重大な影響を及ぼしますので、したがって、これが対策については目下政府が慎重に対策を検討中であります。ことに中小企業がこの資本取引の自由化において最も影響を受けると思いますから、したがいまして、その対策の重点はやはり中小企業が重点であります。そこで、この中小企業の対策につきましてはまだ具体的にこれは決定しておりませんが、外資審議会などにおきまして、目下審議いたし、また、通産省におきましても、これが具体的に、業種別に資本自由化に対してどうすべきかということをいま検討中でありまして、おそくとも六月までにはこれを完成したいと思っております。それによって、中小企業が資本の自由化によって打撃を受けないようないろいろな方策をいま考えておる最中であります。
なお、景気がよくなったにもかかわらず中小企業の倒産者がふえているじゃないかという御質問があったと思いますが、お話のとおり、確かに倒産者はふえております。それについては先ほどもちょっと申し上げましたが、労力の不均衡あるいは需給の関係等、あるいはまた中小企業が近代的な生産に沿うていけなかったというようなところに原因があると思うのでありまして、したがいまして、今後の中小企業を振興せしめるという意味におきまして、先ほど御説明申し上げました振興事業団をつくりまして、資金面のことについて考慮すると同時に、中小企業者の協業化、共同化をはかり、同時に、政府があるいは府県庁がこれを指導して、そうして営業を続けていくように、また繁栄せしめるようにしたいというのが今回の事業団の設立の本旨でありまして、そういうことによって今後倒産者を減らしていきたい、こう考えておるのであります。
それから、繊維についてお話がありましたが、なるほど永井さんのお話のとおり、繊維界はいま岐路に立っております。そこで、先ほど申し上げましたとおり、繊維産業の構造改善についての法律案をいま御審議をお願いすることになったのでありますが、お話のとおり、先進国は繊維産業についての構造的な大改善をやっておりますし、また、低開発国は繊維産業について安い労賃で繊維産業に手を染めておりますから、日本はいまはさみ打ちにあっておるような状態であります。そこで、思い切って繊維産業の構造改善をやりたいということで、先ほど御説明申し上げた法案を提案したのでありまして、これによって私は繊維産業のこの岐路を打開できるのではないかというように考えております。先ほども染色やその他二次製品についてはこの繊維特別法は考えていないじゃないかというお話がありました。なるほどその点はわれわれも気づいておる点でありますが、基本的なものにまず手を染めて、それから同時に引き続きこの染色というような問題に進んでいきたい。お話のとおり、染色、二次製品が日本の今後の繊維産業の進むべき道であると考えますので、この点は決してわれわれのほうでも等閑に付しておるわけではありません。引き続きこの問題については、また皆さん方の御審議をお願いしたいというように考えております。お話のとおり繊維産業というものは、今日は輸出の大体二割近くの地位を占めておりますが、日本全体の産業といたしましては約一割を占めておりますから、これは日本の重要産業でありますし、また、今日までの日本の産業というものは、繊維産業の発達のおかげでここまで来たと思うのでありますからして、また繊維産業自体は私は日本に向いておる産業だと思いますので、したがいまして、この繊維産業というものはこれを確保し、またその発展をはかることに今後通産省といたしましては全力を注ぎたい、こう考えている次第であります。(拍手)
〔国務大臣水田三喜男君登壇〕