佐藤榮作の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(佐藤榮作君) お答えいたします。
 資本の自由化、これは中小企業といわず、大企業に対しましてもたいへんな問題を引き起こしております。また、中小企業そのものが本来弱体でございますから、このたび資本自由化ということに踏み切れば、その影響は一そう大きいのであります。これは直接外国資本が中小企業の面に出てくる場合もありますし、また、資本の自由化を前提として大企業がいろいろこれに備える、そのための間接的影響も受けることになります。御指摘になりましたように、これはたいへんな問題であります。しかし、お話では時期尚早だ、かように言われますが、私は必ずしも時期尚早だとは思いません。問題は、資本の自由化が行なわれたときに、わが国の産業に混乱を起こすか起こさないかということであります。その混乱を起こさないように、私どもが、政府が十分めんどうを見る、これが政府の本来のたてまえであります。外資法の運用におきましても十分注意してまいるつもりでありますし、また、この外国資本の自由化が行なわれたそのときに技術がどんどん進んでまいりますから、そういうたいへん長所もあるわけであります。問題は、一に混乱を起こさず、同時にまたわが国の産業の発展に寄与する、こういうような外資である、これならばもちろん歓迎すべきものだと思いますから、この外資法の運用にあたりまして十分注意していくわけであります。混乱を来たさないような状態は一体どういうことなのか。そのために、やはり企業の体質の改善が必要だし、今日、近代化をはかる、あるいは国際競争力を強化する、あらゆる面でくふうをするわけであります。今回の中小企業対策、これも一連の対策、この振興事業団などもそういう点に処すという——いよいよ外資が自由化され、外国資本がどんどん来る、わが国の業界は混乱はしない、りっぱに立っておる、そして国際競争力がむしろこれによって強められる、こういうような状態に持っていきたいのであります。そこで、今回協業組合制度なども導入いたしますが、これなども必ず国際競争力強化という点に役立つ、かように思います。
 小規模企業対策、これは倒産等から見まして特に私どもが気をつけなければならないと思います。その面で、税制の面におきまして、あるいは資金の面において特にくふうをする。今回完全給与制を採用いたしましたことなどは、この小規模企業対策として必ず効果をあらわすものだ、私はかように確信をしております。
 倒産についてお触れになりました。まだ時間が足らないのか、こういうような御指摘であります。私は、いつまでも時間が足らないということで私の責任をのがれるつもりはございません。もちろん、中小企業の方々が、今日なお倒産が続いておる。こういう痛ましい状態については、私も心から同情し、こういう産業が倒産というようなうき目を見ないようにぜひともしたいものだ、一そう努力するつもりでございます。御承知のように、ただいま産業自体はすでに不況から脱却いたしまして、そうして上昇機運に向かっております。こういう際に、ただいまのような倒産がなお続いておる、これは特別な理由か、さらに私どもは掘り下げてみる必要があると思います。御指摘になりましたように、最近はその倒産件数は相当だが、その金額はだんだん小口化している、こういうことであります。このいわゆる小口化したところに、私どもがさらに意を用いなければならないのではないか、かように思います。全般としてはいいわけでありますから、そこでこれは主として金融の問題だ、かように考えますので、政府関係三機関の量をふやすこと、さらにまた質をよくすること、同時に信用補完の制度を考えていくこと、無担保保険の制度を拡充していくとか、あるいは国民公庫等の融資が楽に行なわれるようにすること、さらにまた、御指摘になりましたように、連鎖倒産など積極的に防止するということにいたさなければならないと思います。ただいま悩みの問題は、この倒産をいかにして私どもがこれを減少さすことができるか、一そうの努力を必要とするものであります。
 次に、高度化資金の不用額がずいぶん出ておるじゃないか、これは政策的にもおかしいのではないかという御指摘であります。私も、この不用額が相当たくさん出ておることについてやや疑問を持っておりますから、十分検討してみるつもりであります。
 中小企業振興事業団で小規模企業は救えるか、こういうお話でありますが、私どもはこれで救える、これを必ず活用して、そうしてりっぱな成績をあげたいというのでこのたびつくるのでございますから、どうか御協力をお願いいたします。
 御提案として、中小企業省をこの際つくったらどうかというお話であります。いままでしばしばかような議論がございました。しかし、私は、役所をつくるだけが能ではないと、かように思っております。中小企業省をつくることには、ただいま私は賛成いたしません。
 次に、規模別、構造別に対策を立てろ、これはまさしくそのとおりでございまして、中小企業と一口に申しますが、業種、業態、規模別によりまして、それぞれ対策が違うのでありますから、実情に応じて対策を立てなければならない、これは御指摘になりましたとおり、私もその必要を感じます。
 下請代金支払遅延等防止法を改正するかという御指摘であります。いろいろこの点について御意見並びにお尋ねがございましたが、私は、ただいまこの改正の必要ありやいなや、罰則強化をする必要ありやいなやという点についてのみお答えいたしますが、これも今後とも続けて十分検討してまいるつもりであります。ただいままだ改正の決意はいたしておりません。今後十分検討するつもりでございます。以上。(拍手)
  〔国務大臣水田三喜男君登壇〕

発言情報

speech_id: 105505254X01319670516_020

発言者: 佐藤榮作

speaker_id: 21117

日付: 1967-05-16

院: 衆議院

会議名: 本会議