曾禰益の発言 (予算委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○曽祢委員 私の得ている数字は少し古かったのですが、三万四千七百人、これは大体いまおっしゃったような程度のあれでありまして、陸軍といっても補給部隊ですね。実際上日本防衛と極東の防衛に役立っているかと思われるのは、横田のF105の三スコードロン、三沢のF100の二スコードロン、そのほかに二ないし三の偵察機のスコードロン、これだけじゃないですか。これだけですよ。あとは、それは訓練のために厚木や岩国には来ているでしょう。あとのいろいろな基地とかございますけれども、これはお互いに承知のように、極東全体のためにアメリカが通信施設や何か、非常に重要なものを持っているし、またアメリカが横須賀、佐世保の軍港を補給基地として、あるいは修理基地として使うことは、これは絶対欠くべからざる要素かもしれません。しかし、いわゆる戦闘的な軍隊としての、日本を守るためにあるというものは、これは非常に少ないもの、しかも、それはだんだん減りつつある。現実はそうなんですね。ですから、たいへん失礼な言い方だけれども、そういう問題のすりかえの議論で、日本はアメリカに守ってもらう以上は、日本を守るためにも必要な軍隊はいてもらうんだというのは、これは事実じゃないのですよ。そういううその議論では弱いんです、私に言わせれば。どうしても、もっとまじめな議論をしていかなければいけないのではないか。そこで私どもが言っているのは、やはり有事駐留じゃないのですよ。常時駐留なき形の、新しい安全保障の約束にしたらどうだ、つまり、駐留なき安全保障の条約を提唱したい。駐留軍がなくなれば、いまの条約でもいいじゃないか、――そうじゃない、たてまえが違うんだから。ああいう、占領時代からだんだんにオタマジャクシがカエルになったようなものでなくて、ほんとうにここで、二十二年たったんだから、もう一ぺん、お互いに頭を整理して――日本の憲法の特殊性がありますから、日本はむろん外国に出かけて行って防衛の協力はしません。日本の防衛をやることは、アメリカが日本を愛するからでなくて、アメリカが絶対に必要だと思うから、私は十分にその対等関係は成り立つ、こういうふうに考えて――一体、国防省みたいな、言うならば純粋に軍事的な御都合論からいえば、日本防衛のためには必要でないことは知っているんですよ。だけれども、極東に対する展開のステップストーン、踏み石として、現在のままのほうが楽なんだから、都合がいいんだから、なるべくこのままでいきたい。こういうのはわかる。しかし、その議論でいくと、政治的なポイントを失うんではないか。これはアメリカのことですけれども、いわゆる国務省的見解というものがあっていいんじゃないかと思うんですね。日本の心、国民の心を抑えないで、基地だといって押しつけておいて、いざ、ほんとうに大局的な、大きな紛争が起こったときに、その基地を含めて、日本との関係がまずくいくことは、これはアメリカの好むところじゃない。したがって、私は、有事のときだけ駐留する、だから常時要らぬというんだ。駐留なき形の、普通の形の安全保障の約束に変えたほうがベターではないか、政治的に、より安定した基礎に日米の必要なる協力関係というものを置きかえたほうがいい、こういう意味から言っているのです。(「一歩前進だ」と呼び、その他発言する者あり)盛んに隣からも応援があるようで、たいへんうれしいんですけれども、少なくともそういうことをやって――あまりにも安保破棄論と安保固定論とで対立して、一番因るのは日本国民ですよ。(「そうなんだ」と呼び、その他発言する者あり)だんだんギャラリーのほうがにぎやかになってきましたけれども、ほんとうに駐留が事実なくなればいいのではなくて、これは条約のたてまえ――条約のたてまえということは、やはり国民の覚悟の問題ですよ。両国の協力の基本ですよ。そういうところに不平等な影を残しておくことは、長く見て得策じゃない。せっかくあなたのおにいさんがおやりになったことだけれども、私はあれは失敗だと思う、一九五〇の形だけの安保。国内であれだけの騒動を起こす。そうでなくて、一九七〇年を迎えるための衆議院ができている。その前に解散があるかどうか知りませんが、当面は小康を得ているようです。おそらくそんなに長く持たないと思うけれども、理屈からいえば、この衆議院は国民に対して一九七〇年まで責任があるのです。いまからこういう問題を真剣に考えるのは当然じゃありませんか。自民党の従来の考えは、アメリカにいてもらうのが安全だ、その考えもあるでしょう。しかし、もう少し広い見地に立って、こんな重大な問題で少なくとも野党第一党との間に全然対話ができないより、半畳にせよ、一歩前進だと言ってくれるのがいるんだ。そのくらいのことを真剣に努力しないで、総理大臣の任務は私はつとまらないと思う。したがって、この日米協力を、そういう意味の永続的な基礎に置く。このためにもっと真剣にお考えになって、そう簡単に否定したり、あるいはただもう拱手傍観で研究中、研究中と言ったり、自民党の考えはこれだからといって一歩も変えない、そういうかたくなな態度をとるべきじゃない。総理のお考えをもう一回伺いたいと思います。