予算委員会

1967-03-26 衆議院 全147発言

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会議録情報#0
昭和四十二年三月二十六日(日曜日)
    午前十時七分開議
 出席委員
   委員長 植木庚子郎君
   理事 赤澤 正道君 理事 小川 半次君
   理事 田中 龍夫君 理事 八木 徹雄君
   理事 中澤 茂一君 理事 小平  忠君
   理事 伏木 和雄君
      相川 勝六君    愛知 揆一君
      荒木萬壽夫君    有田 喜一君
      井出一太郎君    池田正之輔君
      加藤 六月君    仮谷 忠男君
      鯨岡 兵輔君    河野 洋平君
      周東 英雄君    塚田  徹君
      広川シズエ君    野原 正勝君
      藤波 孝生君    保利  茂君
      松浦周太郎君    松野 頼三君
      箕輪  登君    赤路 友藏君
      猪俣 浩三君    石橋 政嗣君
      大原  亨君    角屋堅次郎君
      川村 継義君    北山 愛郎君
      中井徳次郎君    西宮  弘君
      芳賀  貢君    畑   和君
      八木  昇君    山花 秀雄君
      横路 節雄君    曽祢  益君
      永末 英一君    小濱 新次君
      正木 良明君
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  佐藤 榮作君
        法 務 大 臣 田中伊三次君
        外 務 大 臣 三木 武夫君
        大 蔵 大 臣 水田三喜男君
        文 部 大 臣 剱木 亨弘君
        厚 生 大 臣 坊  秀男君
        農 林 大 臣 倉石 忠雄君
        通商産業大臣  菅野和太郎君
        運 輸 大 臣 大橋 武夫君
        郵 政 大 臣 小林 武治君
        労 働 大 臣 早川  崇君
        建 設 大 臣 西村 英一君
        自 治 大 臣 藤枝 泉介君
        国 務 大 臣 塚原 俊郎君
        国 務 大 臣 二階堂 進君
        国 務 大 臣 福永 健司君
        国 務 大 臣 増田甲子七君
        国 務 大 臣 松平 勇雄君
        国 務 大 臣 宮澤 喜一君
 出席政府委員
        内閣法制局長官 高辻 正巳君
        防衛庁長官官房
        長       海原  治君
        防衛庁防衛局長 島田  豊君
        科学技術庁原子
        力局長     村田  浩君
        法務省刑事局長 川井 英良君
        外務省アジア局
        長       小川平四郎君
        外務省北米局長 東郷 文彦君
        外務省条約局長 藤崎 萬里君
        外務省国際連合
        局長      服部 五郎君
        大蔵省主計局長 村上孝太郎君
        大蔵省理財局長 中尾 博之君
        大蔵省証券局長 加治木俊道君
        大蔵省銀行局長 澄田  智君
        文部省初等中等
        教育局長    齋藤  正君
        厚生省年金局長 伊部 英男君
        農林大臣官房長 桧垣徳太郎君
        農林省農政局長 森本  修君
        林野庁長官   若林 正武君
        通商産業省貿易
        振興局長    今村  曻君
        通商産業省石炭
        局長      井上  亮君
        通商産業省公益
        事業局長事務代
        理       藤波 恒雄君
        労働省労政局長 松永 正男君
        労働省労働基準
        局長      村上 茂利君
        労働省職業安定
        局長      有馬 元治君
 委員外の出席者
        参  考  人
        (日本銀行総裁)宇佐美 洵君
        専  門  員 大沢  実君
    ―――――――――――――
三月二十六日
 委員加藤六月君、仮谷忠男君、鯨岡兵輔君、鈴
 木善幸君、登坂重次郎君、灘尾弘吉君、野田卯
 一君、山崎巖君、渡辺栄一君、猪俣浩三君、阪
 上安太郎君、高田富之君、畑和君、山中吾郎
 君、広沢直樹君及び矢野絢也君辞任につき、そ
 の補欠として福田一君、中野四郎君、川崎秀二
 君、箕輪登君、江崎真澄君、河野洋平君、広川
 シズエ君、塚田徹君、船田中君、中井徳次郎
 君、川村継義君、赤路友藏君、山花秀雄君、西
 宮弘君、正木良明君及び小濱新次君が議長の指
 名で委員に選任された。
同日
 委員河野洋平君、塚田徹君、広川シズエ君、箕
 輪登君、赤路友藏君、川村継義君、中井徳次郎
 君、西宮弘君及び山花秀雄君辞任につき、その
 補欠として灘尾弘吉君、山崎巖君、野田卯一
 君、鈴木善幸君、高田富之君、阪上安太郎君、
 猪俣浩三君、山中吾郎君及び畑和君が議長の指
 名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 昭和四十二年度一般会計予算
 昭和四十二年度特別会計予算
 昭和四十二年度政府関係機関予算
     ――――◇―――――
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植木庚子郎#1
○植木委員長 これより会議を開きます。
 これより昭和四十二年度一般会計予算、昭和四十二年度特別会計予算、昭和四十二年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、質疑を続行いたします。
 この際、申し上げます。本日、参考人として宇佐美日銀総裁の御出席をいただいております。
 宇佐美参考人には、御多忙中のところ御出席をいただきまして、まことにありがとうございましす。厚くお礼を申し上げます。
 参考人の御意見は、委員の質疑に対する答弁の形で承ることにいたしますので、御了承願います。
 なお、日銀総裁は、午前十一時には他の用務のため退席したいとのことでありますので、あらかじめ御承知おきを願いたいと思います。
 それでは、これより質疑に入ります。八木昇君。
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八木昇#2
○八木(昇)委員 きょうは、さいわい日銀総裁が一時間御出席でございますので、当初の質問の予定を若干変更いたしまして、最初に国債問題を中心にいたしまして、若干御質疑を申し上げたいと思うのであります。
 総裁にお聞きをいたします前に、二、三の点について、まず大蔵大臣にあらためてお聞きしたい点を質問いたしたいと思います。
 まず第一は、一昨年の予算編成におきまして、二千五百九十億円の公債を発行されました。昨年度は七千三百億円、本年度の予算において、さらに八千億円の公債発行をいま政府は提案をしておられるのでございますが、今後、一体何年間くらい、ほぼどの程度の金額の公債発行をいまのところ見込んでおられるのであるか、その点を最初に大蔵大臣からお答えをいただきたいと存じます。
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水田三喜男#3
○水田国務大臣 年々の国債発行額をどうするかということは、今後の経済成長がどうなるか、これに応じて税収がどのように伸びて、またどの程度減税を行なうかというような問題、また一方、国民福祉の増進をはかるためには歳出の規模をどの程度にする必要があるかというような問題と関連するものでございますので、長期にわたる公債の見通しというものは非常に困難でございます。そのほか、道路をどうするとかというようなものは、年次計画というようなものを立てて予想をすることができますが、特に公債問題はこの長期予想がむずかしい。したがって、私どもは、いまやり得ることは、いろいろの調査会から御意見が出ておりますように、公債の依存率というものを下げるくふうをしながら年々対処していくことが必要だという、この意見に従って今年度もそういうふうな処置をとったのでございますが、長期計画については、まだ私どもはできておりません。
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八木昇#4
○八木(昇)委員 全くそういう無責任で、全くめくら運転でもって、とりあえずことしは八千億だ、また来年度になりますると、とりあえずまた八千億だ、こういうようなことでは、とうていわれわれは予算審議に応じられないわけであります。したがって、昨年度におきましても、前の福田大蔵大臣は、明確に言うことはできないけれども、昭和四十工年度ぐらいまでの期間においてどういうことが予想されるかぐらいは当然言うべきだというわれわれの追及に対しまして、まあ大体昨年度発行した程度ぐらいの国債というものが、昭和四十五年度ぐらいまでには好むと好まざるとにかかわらず発行せざるを得ないだろう、こういうニュアンスの御答弁があったように思うのでございます。そうなりますると、大体昭和四十五年までの間に、答弁の中でも出ておりますが、四兆円とかあるいは五兆円とか、いまの程度の状態からいきますると、私どもは六兆円ぐらいになるのじゃないかと思うのでありますけれども、大体その程度ぐらいのところだというふうに大ざっぱに考えてよろしゅうございましょうか。
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水田三喜男#5
○水田国務大臣 前の大臣のときそういうようなお話があったということを聞きましたので、私どももそういう長期予想は一応する必要があると思って、いろいろ検討しましたが、これはさっきお話を申しましたように、経済の今後のあり方と関係いたしますので、これを明確に見通しをつけるということはできません。したがって、さっき申しましたように、国債を発行する以上は、減債制度ははっきりしたものをつくらなければなりませんので、今回この減債制度をつくったということと、情勢に応じて、公債の発行が必要であったにしても、必要依存度を減らすということで対処する以外にはない。これから長期的な見通しもつくりたいと思いますが、いまのところできておりません。
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八木昇#6
○八木(昇)委員 そういった御答弁では、とうてい私どもは満足できませんので、それに関連いたしましてはあとでまた質問をいたしますし、今後も予算委員会で当然これは問題にしてまいります。
 ところで、現在発行しておられる政府の公債期限は七年間ということになっておる。ところが、この減債基金ということを言っておられまするけれども、世界の常識で、公債は発行をしたならば、まあ返済の頭金というような意味で、発行額の二十分の一、つまり五%程度というものを減債基金とするということがまあ世間の常識でございまするが、政府は一・六%しかそれを予定していない。こういうことになりますと、七年たった後においても、とうていこの公債の返済はできないわけでございますね。年々公債を発行していく、何年かたって期限が来ても返済はできない。そうしますると、七年たってから後は一体どうなさるおつもりでございますか。結局、期限が来たけれども、政府の発行した公債を政府が金を払って買い、戻すということはできないわけですね。七年たって後、その後はどうなさるおつもりでございましょうか。
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水田三喜男#7
○水田国務大臣 そういう問題を含めて、私どもも公債の長期計画をする必要があるので、いまいろいろやっておりますが、さっき申しましたように、まだはっきりした額を示し得ないと言ったのも、そういうこととの関係もございますし、将来の私どもの減税計画というものとも関係がございますので、いまのところその計画を述べられませんが、いずれにしましても、減債制度はいまのようにしております。これに前年度の剰余金の二分の一を下らざる額、それから、必要に応じて一般会計から適宜繰り入れをするということになっておりますので、七年たったというときには、これは一般会計からそれとは無関係に別途の金を会計の中に入れてやることもございましょうし、この借りかえをもって対処することもございましょうし、方法はそのときになったらいろいろあろうと思います。
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八木昇#8
○八木(昇)委員 そんなでたらめな答弁じゃとうてい承服できません。国債を国が発行するということは、言いかえれば国民が借金をするということに通じておるわけです。しかも、いま公債発行の初年度ではないのです。すでに公債発行を始めて三年度目に入っておる。しかるにもかかわらず、ただいまのようなことでとにもかくにも借金はするのだ、これはひとつ認めてください、あとのことがどうなるかはいまだ検討中でございますという、公債発行の三年度目においてそういう答弁を受けて、われわれがどうして了承できましょうか。結局、落ちる期限なしの手形を発行しておるということになるわけでしょう。これはもうまさしく不良手形ですね。そういう不良手形は厳罰に処すというのが政府の方針でしょう。その政府がみずからこういうことをやっておって、一体どうなりますか。そこで、そういった事柄について、当然償還計画あるいはもっと本格的な減債制度、こういったものの内容を示していただくことを私は要求をいたしますが、それが示されざる限りは、この予算委員会は一歩も前進しないということを私は申し上げておきたいと思うのです。それはあとで要求をいたします。
 以上の前提の上に立って日銀総裁にお伺いをしたいと思うのでありますが、いまの政府の公債は、市中消化である、日銀の直接引き受けではない、だから決して紙幣の増発にはならない、したがってインフレにはならないというのが、政府の繰り返して主張してきたところでございますけれども、現実は銀行シンジケートの割り当てでございますね。ところが、その公債発行引き受け団の中でも、その中で一番大きく引き受けをしておりまするのは、申すまでもなく都市銀行ですね。ところが、これらの市中銀行の中でも、都市銀行が最も資金が不足をしておるということは事実だと思うのであります。だとするならば、このシンジケート団、このシ団は軍隊の師団と違って、あまり勇ましくないのです。結局、そういう状況であれば、一応国債を引き受けはしたけれども、一日も早く日銀、何とかこれを買い取ってくれ、こういうふうに日銀の買いオペを要求するということは今日自然の事情ではないか、こう考えるのですが、この辺のところを、日銀総裁としてはどういうふうに見ておられるかが一点。
 それから、第二の点は、信用金庫とか相互銀行等の中小金融機関にとっては、これはもう逆ざやですね。六分五厘とか七分くらいに回していたのでは、とうてい成り立たないのがこれらの中小金融機関でございます。昨年の予算委員会におきましても、これは中澤委員から追及があったのでございまするけれども、もうはっきりと赤字が出る、損になるということがわかっておる、そういう国債を買うということは、中小金融機関の重役の背任であり、横領が成立するということすら中澤委員は指摘をしておったのでございまするけれども、そういった問題についてどういうふうに日銀総裁としてはお考えであるか、この二点についてまずお答えをいただきたい。
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宇佐美洵#9
○宇佐美参考人 ただいまの御質問にお答えいたします。
 最初に、国債の消化の問題でございます。私は国債そのものにつきましては、日本の現状、いろいろの社会資本の不足であるとか、こういうことは申し上げるまでもないことでありますが、福祉の増進等につきまして、できればやはり国債発行ということが適当ではないかと思っておるのであります。ただ問題は、その量なり条件が適正であるかどうかということだろうと思うのであります。これにつきましては、私ども資金の調節につきましてよく検討しまして、そうして無理でないような適正な発行ならばよろしいかと思っております。
 ただいま御質問がありました、都市銀行が特に資金が不足している際に、都市銀行にまあ大体申し上げますと全額の七〇%くらいやっておりますが、これは無理ではないかという御質問かと思うのであります。私どもが資金調節をやっておりますのは、国債の消化が――むろん国債消化というものは大事な問題でございますけれども、国債消化のために資金調節を第一義的にやっておるのではなく、毎日毎日経済が動くために必要な資金をどういうふうに出すかというためにやっておるのです。そういう意味から資金調節をやっておるつもりでございます。したがって、その資金調節に必要な貸し出しなりあるいはオペレーションをやる場合に、やはり一番信用度の高い、市場性のあるものを、われわれはその担保なりあるいはまたオペレーションの対象にすべきものだろうと思っております。これは日本銀行の本質的の問題でございますが、そういう意味から言いますと、やはり国債あるいは政府保証債というものをオペレーションの対象にするのは当然であろうと思っておるわけであります。ただ、御承知のように、国債につきましても、オペレーションの対象にする場合に、まあ一年経過ものをいま実行いたしております。その趣旨は、やはり国債というものを、日本銀行の引き受けというよりも、市場で一応批判を受けたものを取り扱うのがわれわれの責任だと思っておるので、そういう意味から言いまして、一年間批判を受けたものをわれわれはオペレーションの対象にしておるというわけでございます。その間、繰り返して申し上げますが、決して国債をよけい発行しようとか、あるいは価格を維持しようとかという意図でないことは、ひとつ御了承を願いたいと思うのであります。
 それから、中小金融機関の逆ざやではないかというお話でございますが、これはある場合においてそういうこともあろうかと思いますが、しかしこれは、資金の調達のためにやっておるので、中小金融機関が日本銀行に対して買いオペに応じてきますのは、その資金が必要だから応じてくるわけでございますので、その意味から言いまして、それだけを直接的に比較して、逆ざやとかなんとかということは、これはむろんその幅が非常に広くなり、また長期的になると問題ではございますが、短期的にはそれほど問題ではなかろう、かように思っております。
 それから、前段の問題にも関係するのでございますが、割り当てではないかということでございますが、これにつきましては、政府におかれましても非常に配慮をされまして、御承知のように、国債発行懇談会というので、銀行側の人も出てもらいまして、その一年間なりあるいは半期なりの発行額はどれぐらいにしようかという御相談もございますし、また、毎月そういう直接いわゆるシンジケート団の懇談会をやりまして、そうしてその月その月の発行額を相談してやっておるのでございます。決してわれわれは押しつけがましいことはしていないつもりでございますし、現に毎月その割り当て額も違っておりますし、個々の銀行になりますと、ある銀行は今月はやめてくれというところもございますし、また、ある銀行は、もう少しよけい買ってくれとか、いろいろございますので、それらをすべて各引き受け側の意向を十分尊重してやっておるつもりでございます。
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八木昇#10
○八木(昇)委員 質問時間が十分でございませんので、はなはだ失礼でもけれども、できるだけひとつ要点を端的にお答えいただきたいと思うのであります。
 続いてお伺いをいたしますが、ただいまの御答弁は、少なくとも一年間は、国債というようなものは、市中の批判を受けてから、オペレーションの対象にするにしても、そういうふうにすべきものであるというふうなお考えだと私はお聞きしたのでございます。ところで、一昨年発行されました例の赤字公債の分、これは二、三日前この委員会におきまして、大蔵大臣は、すでにその約六〇%が日銀保有になっているという御答弁があったのであります。それで、どういう状況になっておるのか。それから、昨年度発行の国債七千三百億円分は、一体現在は日銀がこれを買いオペの対象にまだしていないのか。また、買いオペの対象のみならず、市中銀行に金を貸し出す場合の担保物件としても扱っていないのかどうか。また、現在いまだにそういうことをやっていないとするならば、一体いつからこれらを買いオペの対象にするというお考えをお持ちなのか。それから、本年度政府が発行しようとしておる八千億円分については、一体どういうふうにお考えになっておるのであるか。これらを端的にお答えをいただきたい。
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宇佐美洵#11
○宇佐美参考人 いわゆる赤字公債分は、大蔵大臣がおっしゃったとおりであります。市中消化分が、千百億だったと思いますが、そのうち六割を日本銀行が買いオペにいたしたわけであります。
 それから、今後どうするかという御質問だと思うのでございますが、国債は現在担保にはいたしておりませんけれども、やはり貸し出しの担保というものは、最も優秀で、信用度が高く市場性のあるものという見地から言いますと、私は国債は当然入ってくるのだろうと思うのでありますが、現在は国債は担保に取っておりません。しかし、その場合でも、やはり国債につきましては、一年経過ものをできるだけ取ってまいりたい、つまり一年経過したものを、将来担保に取る場合はそういう趣旨でやってまいりたい、かように思っていますが、原則としては、やはり最も信用度が高いというところが、日本銀行の立場から言いまして、当然これは担保に取っていいのではなかろうか、かように考えております。
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八木昇#12
○八木(昇)委員 そうしますと、一昨年の補正予算で赤字公債の発行がきまりましたのは、一昨年の十二月であったと思います。そうなりますと、そのうち市中引き受けの分が千百億、それの六割をすでに日銀が買い取っておる、こうおっしゃるのでございますが、いつごろから買い取りを始められたのでございますか。
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宇佐美洵#13
○宇佐美参考人 この二月に買い取りました。
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八木昇#14
○八木(昇)委員 そうしますと、これは一年たっていないという状況になるのじゃございませんか。公債は昨年の一月から三月にかけて発行されておりますね。それがもうことしの二月には買い取られておる。こういうことになりますと、どうなりますか。
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宇佐美洵#15
○宇佐美参考人 この国債は三カ月ごとに仕切って発行いたしております。したがって、去年の一月から三月まで発行されたものは、一月に発行されたものも、二月に発行されたものも、三月に発行されたものも、同じものでございます。したがって私どもは、二月に買い取りましても、これはどれが一月分か二月分かというようなことは、しるしがございませんので、中をとって二月ということで一年経過ものとみなしてよろしいかと思っておるのであります。
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八木昇#16
○八木(昇)委員 ただいまのような状況をお聞きいたしますと、もうこれは日銀が直接引き受けをすると、世論の批判もきびしいので、中にちょっとトンネルを通そうというだけであって、そのトンネルを通る期間も、もう一年すれすれ、こういうところでやっておるという印象を強く受けます。少なくとも一年間は絶対に日銀が買いオペの対象にするようなことはしないということを、これは大蔵大臣やあるいは総理も、昨年あたりの予算委員会でたびたび言明をしておられるのでありますけれども、その辺は非常にごまかしのにおいが強いと私は判断をせざるを得ないわけであります。
 そこで、これはできれば総理からお答えをいただきたいと思うのでありますが、七千三百億の昨年度分、今年度の八千億、これらについてはどういうふうに今後お考えでございましょうか。いまのような形で結局日銀が買い取るということであるならば、私はもう日銀直接引き受けと何ら違いない、こういうふうに思うのでございますが、その辺ひとつ国民に安心感をはっきりと与える意味において、これはできれば総理から御答弁いただきたい。
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水田三喜男#17
○水田国務大臣 今後も同じように少なくとも一年を経過したものをオペの対象とするという方針は変わらないでやっていきたいと思っております。
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八木昇#18
○八木(昇)委員 たとえばこれが一年以上経過したからといったって、私はこれは大きな問題だと思うのですね。いまのような安易なやり方はやらないということを総理からはっきりおっしゃるわけにいきませんか。
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佐藤榮作#19
○佐藤内閣総理大臣 公債の発行について、基本的にずいぶん考え方が食い違っておるようであります。しかし私は、いま大蔵大臣並びに日銀総裁が説明をいたしましたとおり、このいき方でいわゆるインフレになるというようなことはない、かように確信をいたしております。したがいまして、在来の方針同様、今後ともこの状態でいくつもりでございます。
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八木昇#20
○八木(昇)委員 総理がそういうふうな御答弁をなさるのならば、私も若干お聞きをいたしたいと思います。
 一体、政府の公債政策は成功したのであるかどうかの評価の問題だ、こう思うのであります。私は、これは将来において、あの佐藤内閣の時代に発足をした公債政策が今日の重大事態をもたらしたというときがきっと来ると思う。私はしろうとでありますがゆえに、かえって私は変な知識がないので、素朴にこの感じがいたします。それのほうがむしろ正しいと思う。というのは、公債政策の効果という点について、総理は、非常に景気が回復をした、日本の経済が調子がよくなった、こういうことをおっしゃりたいのだろうと思うのですね。まず短期的な視野での評価、それからさらに長期的な視野での問題は、あとで私は意見を申し上げますが、そういうふうに言いたいところだろうと思うのですけれども、なるほど景気が若干上向いてきた、そうして各産業の生産が非常に伸びてきた、そうして大企業の会社の収入はたいへんふえてきておりますね。三月末の決算は、重要基幹産業、大企業においては、たいへん好調であります。特に鉄鋼のごときは笑いがとまらない、こういう状態ですね。結局、そのことは、大企業や基幹産業を担当しておる大資本の筋に対しては、たいへん公債政策は調子がいい結果をもたらしたということは事実でありますけれども、中小企業は依然として倒産の記録を続けておるということについて、どうお考えでありますか。あるいは、農村はどんどん専業農家が減少しておる。出かせぎ労働者の問題が出ておる。昨日でございましたか、四名の方が不幸にもなくなられるという事態が起きておる。労働者の状態は一体どうであるか。こういうことを考えますと、私は短期的にこれを見てみても、公債政策が成功しておるとはいえないと思う。東京都知事候補の美濃部さんの話ではございませんけれども、いま佐藤内閣は、こういう公債政策とベトナム特需という二つの麻薬によって当面を糊塗しておるけれども、これは近い将来に重大な事態をもたらすということを彼は断言をしておりまして、こういう佐藤内閣の政策と対決をするということが今回の都知事立候補の目的の最大なるものであるということを言っておる。そのことは都民の生活を守る――むろん、そういう佐藤内閣の政策に、地方の首長が、政治は中央依存であってはならない、都民の生活を守るために、そういった経済政策に対しても、あくまでも佐藤内閣のやり方に対して、主張すべきは主張していくというお考えのようであります。そういった点について、一体総理はどういう見解をお持ちであるか。これはもう実際、現実です。大企業にとっては潤っておるけれども、一般大衆はあえぎ苦しんでおる。どうお考えでありますか。
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佐藤榮作#21
○佐藤内閣総理大臣 私は、景気論争をよほどいたしましたので、重ねてするつもりはございません。私もいわゆる経済評論家ではございません。しかし、経済を担当しておる政治家として言いますると、公債はりっぱにその目的を達し、成功しておる。これは、何とおっしゃろうと、不況を克服するために、公債を発行したということを申しました。これは明らかにその目的を達しておる。ただいま大企業と中小企業に分けて、そして大企業には幸いしているが、中小企業には幸いしていない。倒産等から云々と、こういうお話でございました。私は、いま不況を克服をしたと言うのは、経済全般について言うのであります。したがいまして、ある部門におきまして、これは中小企業全体ではございません、個々のものについて非常に苦しい状態にあるか知りませんけれども、経済全体が上向いたことは、これは専門家もしろうともひとしくみんなさように言っておるのであります。これは私、最も素朴な考え方が非常に端的にこれを表明しておると思います。
 また、地方選挙で国政について対決するような問題はございません。その点は、社会党もそういうことを本気でおっしゃらないだろうと思いますから、どうかひとつ誤解のないように願っておきます。
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八木昇#22
○八木(昇)委員 いまの答弁は全く的をはずれておりますね。専門家も、大衆も、総理のお考えとむしろ逆に見ております。
 それから、地方政治の首長といえども、ただ政府から分け与えられたところの資金のワク内で、何か住民にいろんな日常の生活の問題を、そのおこぼれを配分してやるのが地方自治じゃございませんから、その点を論議するつもりはございません。
 ところで、今度は長期的にこの公債政策が成功であったかどうかを見てみた場合も、私はたいへん問題があると思う。ということは、先ほど来の大蔵大臣の御答弁その他から判断をいたしましても、やはり今後、少なくとも昭和四十五年ぐらいまでの間は、相当程度の公債を発行していかれるお考えのようでございます。それでは一体、昭和四十五年度に国債の総額はどのくらいになるだろうかということについて、私も専門家に少し計算をしていただいたのであります。そうしますると、大体財政規模が今後年間一割くらいずつ伸びていくものと一応想定して、それからまた租税の弾性値というものを一・二ないし一・五くらいに見ていきますと、公債の累積総額は、昭和四十五年で六兆円ということになる。この数字については、そんなにはっきりと規定することはできないでしょうが、そういうことがほぼ想定をされる。現在はまだ政府は償還の原資としてわずかに一・六%しか本年度の予算に提案をしておりませんけれども、これを世界水準にみなして五%償還をしていく、こういうことに見て、そうして公債の金利を六分程度に押えてみましても、昭和四十五年度には、いままでのずっと発行してきた公債の元利の昭和四十五年度だけの償還金が幾らになるかといいますると、六千九百億円になる勘定になります。この約七千億円の金というものは、今日一年間の国全体の社会保障費の総額にも見合うものです。しかも、なおかつ膨大なる国債の元本の大部分は残っておる。そうして、それを返済するにはさらに相当の長期を要する。しかもその間には、ベトナム戦争はおそらく、そんなに五年も十年もあの惨烈な戦争を続けるとは思えない。こういうようなことを考えると、一体どういう見通しをもって今度やっていかれるつもりであるか、この公債政策は危険千万であって、しかも償還計画も示さずに、あるいは減債基金についての確たる計画も示さないでおって、国民の代表であるわれわれにこれをのめ、今後一日か二日の審議でもって押し通せというようなことを政府は要求をしてこれを提案をしておられるわけでしょう。どういうふうにお考えになりますか。
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水田三喜男#23
○水田国務大臣 いま出しておる公債は、いわゆる建設公債でございまして、この公債によってつくられる資産は、国民経済の上で非常に役に立つ資産である。今後どのくらい長期にわたって役に立つかと申しますと、平均して少なくとも六十年ぐらいの効果を続ける資産であるだろう。見合い資産は少なくとも六十年ぐらいは国民生活に非常に役立つ資産であるというふうに考えますと、そういう資産を国が公債という借金によって、一方有効資産を、見合い資産をつくっておるときに、期限がたとえば七年で来たといっても、長期にわたってそれだけの効果を発掘しておる資産を持ちながら、これを全部七年で決済するというほうが、実際においては財政上非常な無理であって、当然にそのうちで償還すべきものは償還するし、借りかえのきくものは借りかえるという借りかえ政策をとるということは当然でございまして、したがって、私ども減債制度をつくって、全体に償還に見合ったこれだけの財源を積んでおくんなら、長期にわたって差しつかえないであろうという制度は一応つくりながら、現実の期限の来た場合には、これは借りかえとかいろんなことによって対処しながら、順にこれを長期に延ばして、その間の経済の成長によって、これを全部決済をする方法をとる。もう公債というものは、発行しだしたら、その返済は相当長期的な対策をもって臨まなければならないということは、国際間の常識でございますので、そういう意味で、私どもはそう簡単にこの対策を立てられない。どうしても必要だといってその作業はやっておりますが、そう簡単にすぐにお示しできるようなものにはならないということを言っておることでございまして、いまやっておるのが全くでたらめな公債政策というものではございませんで、私どもは十分将来を考えた政策をやっておるつもりであります。
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八木昇#24
○八木(昇)委員 そんな答弁では、とうてい満足できません。なお、今度の政府の公債政策の影響として、国際収支も悪化しておりまするし、あるいは、いろんな現象から卸売り物価が値上がりを始めてきておるというようないろんな問題がございますので、それらはとうてい短時間でやれませんから省きますけれども、ともかく償還計画の、もっといわば財政計画的なものですね、それと、並びにいまの本格的な減債制度、こういうものを直ちにお示しになれますか。昨年の予算委員会におきまして、勝間田委員の質問に対しても、中澤委員の質問に対しましても、総理並びに前大蔵大臣はそれぞれ非常に明確に答弁をしておるのです、議事録を読み上げませんけれども。要するに、いましばらくお待ちを願いたい、でき得べくんばこの予算案が参議院通過までの間に何とか示したいというふうに考えておるという趣旨を言っておられますね。しかもその後加藤委員の質疑で、ついに予算委員会休憩という状態になった。理事会の席上では、いまの参議院通過までに何とか計画を示すからごかんべん願いたいということで、昨年は事態が収拾をされておりますね。ことしもそれは示さないままで、ほおかむりのままで通ろうとなさるのでありますか、その点ひとつ明確に御答弁願いたい。
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水田三喜男#25
○水田国務大臣 昨年そういう答弁がございましたかどうか、私はよく知りませんが、しかしそういう答弁をして、いままで努力しておって、まだそれができなかったということだと私は考えておりますが、私もこの公債発行についてはそういう計画は持ちたい。私の考えはできるだけ早くこれを打ち切る方法はないかという、また新しい考えを入れていろいろやってましたために、とうとうやはり私もきょうまでそういうものをお出しすることは間に合いませんが、私もいましばらくこれはお持ち願いたいというふうに考えます。
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八木昇#26
○八木(昇)委員 いましばらく、いましばらくということで、予算委員会を、一昨年の補正から含めますると、三たびそれで押し通すということはできません。どう言ったか知らぬけれどもとおっしゃるならば、勝間田委員の質問に対する佐藤内閣総理大臣の答弁を読みますと、「この予算委員会の審議中にと、こういう条件をつけられるのですが、できるだけ早い機会にただいま要望されました各点について成案を得るようにしたい」、できるだけ早い機会にというのは、これは去年の三月ですね。そしてあなた、ことしまた八千億の公債発行をやろうというこのときまで出さないでもって、一体この答弁が成り立ちますか。
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水田三喜男#27
○水田国務大臣 私の言っているのは、その金額のめどを入れた計画のことでございまして、そうでないものは一応考え方を示そうということに去年なっておった、その考え方というものは、この三月二十二日に資料として大蔵省のほうから出してございます。これが去年の考え方を示すということの回答でございまして、私のさっき申しました、まだしばらく待ってくれというのは、金額の入ったそういう長期計画という意味でございます。
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八木昇#28
○八木(昇)委員 もうきょうは時間がございませんから、この議論はこういたしましても、これは将来、この予算案が成立するかいなかというようなときには、それまでの間に必ずわれわれの党としても問題にいたしますので、一応その点は留保いたしておきたいと思うのでありますけれども、ただいまのような答弁では全然了承できません。
 それからまた、考え方などとおっしゃるけれども、今年度の予算について、あるいは暫定予算についての提案説明の中でも、あるいはこの予算説明書の中でも、述べてあることは、もう全然説明になっていないです、それは。問題にならない。もう少しはっきりした約束ができませんか。
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水田三喜男#29
○水田国務大臣 いまのお話でございますが、速記録によりますと、福田大臣の御答弁でございますが、この数字を並べる、何年度の財政はどうなるというようなことについて、「それを並べることは意味がないことである、私はこういうふうに考えております。先ほど申し上げたとおりであります。しかし、考え方自体を文章にする、そうして御理解の一助ともしていただく、こういうことは私は意義のあることであると思います。さような意味においての資料は早急に提出いたします。」と、こういうふうにお約束したようでございまして、このお約束に基づいた資料は三月二十二日に提出したということになっております。
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