小野明の発言 (文教委員会)

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○小野明君 ただいま議題となりました女子教育職員の出産に際しての補助教育職員の確保に関する法律の一部を改正する法律案について、提案理由及び改正内容を御説明申し上げます。
 去る第四十六回国会における本法の一部改正によって、女子の実習助手が法の対象に含まれ、国立及び公立の小学校、中学校、高等学校、盲学校、聾学校、養護学校及び幼稚園に勤務する女子教育職員のすべてが、この法律の適用を受けるに至りました。その結果、いまや学校教育の現場に勤務する教職員のうち、ただひとり事務職員のみが産休補助職員の適用のワク外に取り残されることとなったのであります。事務職員は、その名称の示すとおり、学校の事務を担当し処理することがその本務でありますが、その事務内容は、文書の整理、起案、統計などの庶務的なものから職員給与、学校給食費、物品購入等に伴う会計の分野、施設、設備の管理の面に至るまで多岐多様にわたり、教員の教育活動と相まって有機的に学校運営を推進するための、きわめて重要な使命になっているのであります。たとえば、一人の事務職員が出産のための休暇に入った場合、その事務は、一括してクラス担当外の教諭が代行したり、教頭と教諭が分割して処理に当たったり、あるいはまた養護教諭に充当するなど、種々の方法がとられましょうが、いずれの方法によるにせよ、一人の専門家の事務量のすべてを、本来不なれな教諭に課さなければならないことは、おのずから教育プロパーの面に手不足を生じて児童生徒の自習時間を設けたり、事務職員の代理として養護教諭が教育委員会等への出張中、児童生徒の負傷事故の手当てが粗略に流れるなど、しばしば正常な学校教育を阻害する要因をもたらしております。
 このように、学校教育をより正常に運営し、より円滑に推進して、その教育効果の高揚を期するための蔭の力となっている事務職員の重要性にもかかわらず、事務職員配置の現状をながめますと、必置制が規定されている高等学校においては比較的充実しており、国立及び公立の高等学校に勤務する者の数は二万二千六百余人でありますけれども、中小学校においてはいまだ十分な配置を見るに至らず、国公立を合わせ、その数約一万四千三百人にすぎない状態にあり、かつまた、その代替職員の臨時任用の道も開かれていないために、女子事務職員は安心して出産することができない状態にあるであります。ちなみに、女子事務職員の概数は、義務教育学校において約五千六百人、高等学校において約一万四百人であります。
 ここに、昭和四十一年の義務教育関係の事務職員の出産状況を申し上げますと、年間出産者七十八名のうち、産前六週間の休暇を完全にとれた者は、わずかに一〇%にも達しない六名にすぎず、休暇日数、十日以内の者は三十五名、実に全体の四〇%をこえるという実情でありますから、出産者の大半が、産前においてはほとんど皆出勤、時間出勤、あるいは自宅執務を余儀なくされているのであります。これらはすべて複雑な事務を不なれな教員に依頼することの不安、給与事務や報告書提出期限の切迫、地教委の監査、学校行事や授業への影響に対する心づかい等、事務職員の旺盛な職能的責任感に基づくところであり、その教育に対する献身的態度を雄弁に物語るものであると申すべきでありましょう。
 以上申し述べました理由により、女子の事務職員の出産の場合について、女子教育職員の場合と同様に職員の臨時任用を行なうことができるよう措置して、学校教育の正常な実施の確保に資する目的をもって、ここに本改正案を提出いたしました。
 改正案は、第一に、法第二条第二項の法の対象に新たに「事務職員」を加えることといたしました。この改正を行なうことにより、女子の事務職員の出産の場合、補助職員の臨時任用を可能にするものであります。
 第二に、法の題名及び本則中の「女子教育職員」の辞句を「女子教職員」に改め、「補助教育職員」を「補助教職員」に改めることといたしました。従来、事務職員は、その給与の面では教員と同様に義務教育費国庫負担法及び市町村立学校職員給与負担法の適用を受けておりますけれども、「教育職員」とは呼ばれず、他の法律においても「教職員」と呼びならわされております。それゆえに、事務職を本法の適用対象に加えるにあたり、題名及び本則中の「教育職員」、「補助教育職員」の字句を、事務職員をも含めて「教職員」、「補助教職員」に改めようとするものであります。
 なお、この法律は、実施のための準備期間の必要性を考慮して、公布の日から起算して三月を経過した日から施行することといたしてあります。
 何とぞ、十分御審議の上、すみやかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。

発言情報

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発言者: 小野明

speaker_id: 28797

日付: 1967-06-27

院: 参議院

会議名: 文教委員会