早川崇の発言 (本会議)
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○国務大臣(早川崇君) 第一の御質問は、最低賃金の決定基準についてお尋ねでございます。この最低賃金の決定基準すなわち生計費の考え方は、その地域産業における実際に労働者が生活に要している費用を、総理府統計局の家計調査、消費者物価、また人事院あるいは人事委員会の標準生計費等を参考にいたしまして、この決定基準をつくっておる次第でございますが、また、法定の賃金と申しますか、いわゆる目安について、そのままそれが一律に機械的に適用されておるのではないかという御質問でございまするが、実際に、最低賃金の決定は、この目安どおり決定されておるのではございません。高いものは、目安では五百円のものが、東京あたりでは六百円をこえる最低賃金もございますが、あくまでもそういう目安をもとにして、実情に応じてきめておるというのが現状でございます。
二番目の、ILO二十六号条約問題は、総理からお答えされましたとおりでありまして、今回の法改正がなされますと、業者間協定が二年間でなくなります。そうしますと、ILO二十六号条約の批准をでき得る国内体制ができ上がるわけでございまして、一切の支障がなくなるものと考えておるのであります。
第三番目の、家内労働の問題につきまして御質問がございました。率直に申しまして、一時間二十六円というようなまことに低い低賃金の家内労働も多数存在をいたしておるわけでございます。われわれといたしましては、最低賃金の決定以前の問題として非常に重視をいたしまして、長沼弘毅さんを会長といたしまして家内労働審議会を設けました。これが昭和四十四年三月末までとなっておりますのを、家内労働の労働者の地位向上の重要性にかんがみまして、一年この答申を繰り上げさしまして、目下家内労働につきましての法改正につきまして諮問をいたしておる次第でございます。いずれ来年の三月末までには答申が出ますので、次の来年の通常国会までにはこの問題につきまする法案ができると考えておる次第でございます。
四番目の、全国一律、全産業一律方式というものについての御質問でございますが、これはあくまでも一つの最低賃金の方式でございます。世界におきましても、しかしながら、それぞれ地域差、あるいは職業、業種差等を考慮いたしまして、先進諸国ではまだこの全産業、全地域一律方式はとられておりません。ただ、フィリピンと沖繩でそういう方式がとられておるのにすぎないのでございます。したがって、今後の最低賃金制度の審議にあたりましては、一つの考え方として十分検討してまいりたいと思うわけであります。
これに関連いたしまして、この最低賃金審議会に総評の方が欠席された、これを復帰させる意思があるかどうか、こういう御質問でございます。労働大臣といたしましては、有沢会長を通じまして、再三総評委員の方々の御参加を願ったわけでございます。全国一律、全産業一律方式をその場で大いにひとつ主張してもらいたいと、こう再三お願いをしたのでございまするが、最終的に欠席されましたことは残念でございました。同盟と中立の労働組合の方々が入りまして、満場一致で最大公約数の答申が、今回御提案しておる法案となって、答申されたわけでございまするが、しかし、この審議会はこれで打ち切るわけじゃないのであります。今後、全国一律がいいか地域別がいいか、あるいは業種別がいいか、いろいろな観点でそういう根本的な制度問題は引き続き検討するということになっておりまするから、引き続き総評委員の方の御参加も努力をしてまいる所存でございます。
最後に、今回の改正は、政府並びに労働大臣並びに基準局長が発議する、労働者側委員が発議権がないではないか、こうなるとILO二十六号条約に合わないのではないかという御質問でございまするが、ILO二十六号条約は、その運用というものはすべてその国の国内法にゆだねておりまして、ただ労使同等の数でこの運用に参加するということがILO二十六号条約の規定するところでございます。そういう意味では今回の改正案は大きく前進をいたしておりまして、業者間協定を廃止し、また労使とも審議会に同数で同条件で参加することができまするし、基準局長、労働大臣の最賃決定に対して、労使とも不服があれば、異議を申し出ることができる、こういうことになっておりまするから、ILO二十六号条約によるこの体制は、これによってでき上がっているものと考えておりまして、労働者側委員も決して審議会の運用から除外されているのではない、むしろ平等な立場で、労使同数の条件で参加できるようになっていることを御了承賜わりたいと思っております。(拍手)
〔国務大臣坊秀男君登壇、拍手〕