土屋義彦の発言 (社会労働委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○土屋義彦君 過般、宮城県、岩手県を視察いたしました結果につきまして御報告申し上げます。
第一班は、宮城県、岩手県を視察先といたしまして、山本委員長、土屋、藤原委員の三名が十月十六日から二十日にわたって派遣されて参りました。
両県にわたる共通の調査事項といたしましては、出かせぎ労働の状況と賃金事情をとり上げました。
両県の出かせぎ労働者は、宮城県から一万六千人、岩手県から二万一千人が、主として京浜地方へ出ております。全国の出かせぎ労働者数が六〇万と推計されておりますから、その比重は六%であります。堅実な県民性を反映してか、出かせぎ先で蒸発する者は今のところは少ないということであります。しかし、両県とも今後の対策を重視して、宮城県は、上野に独自で県の出稼者相談所を設置し、また、岩手県は、雇用促進事業団がこの十月から業務を開始した東京の相談所に係員を派遣しております。県内における雇用機会の増大、就職ルートの適正化、貿守家族への援助をはかるという一般的な対策を並行させていることは申すまでもありません。
御承知のように、東北は、工業の少ない地域でありまして、その中で、最も進んでいるといわれる宮城県でさえ、工業出荷額は四十一年度二千百億円で、これは全国の二十七番目に位いたします。したがって、賃金水準は、全国総平均を基準といたしましても、宮城は一〇%下回り、岩手は一二%下回っている状況であります。協定されている最低賃金は、四百五十円前後が大部分を占めております。また、内職工賃に対する施策には、特記すべきものは見当たらなかったのであります。
なお、調査事項とは別に、両県とも、僻地医療対策に頭を悩ましていることについて訴えがありました。宮城県は、九十の無医地区、その居住人口五万二千人をかかえており、また、岩手県は、百九十二の無医地区、その居住人口七万七千四百六十一人をかかえておりまして、これらの診療に当たるべき巡回診療車の整備を急いでいるところであります。とりわけ、岩手県は、その地域が四国四県分の広さを持っていますので、診療車を走らせるための道路整備にばく大な投資を要するため、二重の苦心をしている状況であります。
一行が視察しました施設は、宮城県で二カ所、岩手県で四カ所でありました。
まず、宮城県には、指定新産都市として仙台湾臨海工業地区がありますので、それとの関連で宮城総合職業訓練所を選び、次いで、全国的に有名な脳卒中の温泉療法を行なっている東北大学医学部の附属鳴子分院を訪れました。
岩手県では、僻地の保健対策を見る目的で、奥羽山嶺と北上山脈の北部西寄りの寒冷地帯を管轄する小規模の岩手保健所をたずね、続いて、乳幼児死亡率ゼロという記録をつくっている沢内村を訪れました。その間、時間をさいて、盛岡市所在の精簿児通園施設と虚弱児施設とを視察いたしました。
視察にかかる詳細な記述は、別途委員長の手元に派遣報告書を提出いたしてありますので、それによって御承知願いたいと存じます。
以上をもちまして御報告といたします。