大来佐武郎の発言 (建設委員会)

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○大来参考人 ただいま御質問の点でございますが、確かに日本の土地問題の一つのむずかしい点と申しますか、都市周辺におきましても零細な農民の所有地が多いわけでございまして、公益という問題を考える場合に、先ほども私申しましたように、とにかく土地というものが唯一の生活の保障だ、これを手放したら先行きどうなるかわからないというような気持ちが、諸外国の場合と比べて非常に違う点であると思いますので、その点の考慮は十分に必要なのではないか。場合によれば、農民の所有地からその所有権を移転しないで、その農家が土地を持ったままで、それが有効な都市的目的に転用されるような各種の誘導手段と申しますか、ちょっと先ほども申しましたけれども、そういうことも十分に考慮してよろしいのではないか。もちろん、公共用地等につきましては公共団体にその所有権を移転しなければならない場合がたくさんあると存じますけれども、やはり地価の将来の値上がりに対して地主がある程度その利益を受け得るようなくふうというものは、確かに今後の都市計画なりその実行面で必要であろう。急いで土地を売った者があとで非常に損をするというような形をなるべく避ける。それは私、先ほど風の神と太陽というようなことを申したのでありますけれども、そういうような考慮が必要だろうというふうに感じております。
 それから食糧増産のことにつきましては、これはまた別の問題になるわけでございますけれども、大体土地を経済的な価値として考えますと、農産物をつくる場合に比べまして、工産物といいますか、工業製品を製造いたしますと、同じ一反歩なら一反歩の生産高は大体五百倍から千倍に農産物に比べますと上がるわけでございまして、まあある意味ではそれだけ土地の利用度が高まる、現在の地価上昇の中には、そういった土地の利用目的の変換による土地の利用価値の上昇が地価に反映している面があるわけでございまして、これは私どもは純粋な地価上昇と区別して考えるべき面があるように存じておりますけれども、ただ、食糧につきましては、生存に不可欠でございますけれども、まあ国際化時代でもございますし、日本経済のエネルギー消費全体の七割がすでに海外から輸入されておる、海外からのエネルギーの供給がとまれば、自動車も工場も、あるいは電気の供給もとまるような日本の経済になってきておりまして、食糧の点につきましても、自給度が高いことは望ましいわけでございますが、これをあまり絶対的に、価格の問題を完全に無視してもというわけにはなかなかいかない事情があるかと思うのでございます。
 土地の面積からいたしますと、日本全体の土地面積から見まして、市街化を必要とする面積は思ったより少ないわけでございまして、全体の農地から見ますと、もしもこのスプロール現象がある程度規制されまして合理的な土地利用が行なわれますと、思ったよりも食糧生産に対する農地の転用が及ぼす影響は少ないと、私、現在正確な数字を持ち合わせておりませんけれども、この土地の都市的利用という点ではわりあい少ないのでございまして、たとえば、現在一億の人口の半分の五千万は日本の国土の一%の土地の上に生活しておるわけでございます。さらに、人口の半数以上がだんだんと都市人口にもなってまいりますと、やはり都市に住む人たちの生活ということ、便益ということにもかなり政策の重点が向けられざるを得ない。ことに最近の府県別の人口の出生率などを見てまいりますと、農村地域の出生率はかなり低くなりまして、大阪、神奈川、東京等の大都市の出生率が最も高い地域にもなってまいります。次代の国民の相当多数が今後は都市で生まれ、都市で育つということになってまいるといたしますと、やはり土地の利用ということについて、農業的な利用と都市的な利用との間のバランスをはかっていくということが必要になるのではないか、以上のようなことでお答えになるかどうか……。

発言情報

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発言者: 大来佐武郎

speaker_id: 17223

日付: 1968-04-11

院: 衆議院

会議名: 建設委員会