山本幸一の発言 (予算委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○山本(幸)委員 私は、日本社会党を代表して、主として佐藤総理に数点のお尋ねをいたしたいと思います。
 もちろん総理と私との間には意見の相違がたくさんあることは存じております。しかし、違いは違いとしてぜひとも国民のだれでもわかるよらな御答弁をいただきたい、これがまず第一であります。
 それから、私が言うまでもなく、日本はいまたいへん重要な段階に来ております。いわば戦後最大の危機に直面しておると私どもは認識しておるのでありますが、その一つは、ベトナム戦争をめぐる日本の危機であります。すなわち、沖縄はアメリカの核兵器の基地でありますばかりか、ベトナム戦争への発進地になっております。佐世保、横須賀をはじめとする数多くの軍事基地もまたベトナム戦争と重大な関係にあることは言うまでもありません。したがって、佐藤内閣のかじのとり方いかんによっては取り返しのつかない事態を迎えることになろうと思います。
 その二つは、戦後資本主義諸国の矛盾がようやく露呈いたしまして、加えてアメリカのベトナム戦争をはじめとする海外の軍事援助による膨大な軍事出費は、ポンド切り下げを契機としてドル不安が急激に表面化してまいったのであります。アメリカ経済に依存する日本経済も大きな打撃をこうむっておることは間違いありません。状況の発展いかんによっては、円不安すら予想されるのでございます。戦後日本経済の最大の危機に当面しておると申し上げても決して私は言い過ぎでない、こう考えておるのであります。しかしながら、佐藤内閣は残念なことには、依然としてアメリカのベトナム戦争を支持しております。ドル防衛協力のために国民生活を圧迫し、それどころか、日米共同声明以来、急速に防衛力の増強、客観的には軍事体制の必要を強調し、国民全体にかってない不安と危機感を与えておることは言うまでもありません。私はこの重大な危機打開のために、国民の持つ不安と危機意識を、総理からぜひ解明していただきたい、本委員会を通じてその意味において私は率直にお尋ねをいたします。
 そこで、昨日総理と福田君との間に相当トレーニングをされたわけですから、したがって、ひとつ自信を持ってお答えいただきたい。いま加藤理事からいろいろ要望がございました。総理は注意をする、こういうお答えでしたが、その要望の中に、親切丁寧ということばがありました。丁寧ということばは長い答弁をさしておるのではありません。簡潔に、わかりやすくおっしゃっていただきたい。あなたが答弁が時間がかかればかかるほど、時間に制限を受けておりますから、そういう点を前提にしてぜひわかりやすいお答えをいただきたいと思います。
 そこで、私はまず最初に、問題のエンプラ事件、いわゆるエンタープライズの問題についてお尋ねをいたしたいと存じます。エンタープライズが佐世保に寄港したことは、日本人が原爆被災者なるがゆえに、非常に大きなショックを受けておることは間違いないと思います。冒頭私が申し上げたとおり、日米共同声明以来、佐藤総理や一部閣僚の発言は、ことごとに日米共同責任論を主張し、国防意識を強調しております。アメリカのベトナム戦争支持の態度を一そう強めてまいっております。このため国民の不安は高まりつつありまして、このやさきにエンタープライズの佐世保寄港ということになったのであります。したがって、国民はやっぱりそうか、佐藤総理は、一体日本の政治をどこに持っていこうとするのか、こういう恐怖感で一ぱいであったと私は考えております。マスコミもそれは筆をそろえて連日書き立てておったことは御承知のとおりであります。これほどの国民の不安を歯牙にもかけずに、エンタープライズの寄港を、政府は寄港の理由として、補給、休養、そういうことをあげておられるのでありますが、アメリカ側は、私が言うまでもなく入港日の当日、十九日エンタープライズの艦上における記者会見の際に、新聞記者の質問に対しまして、一体何の目的で寄港するのか、この質問に対して艦長の言っておりますのは、すなわち第一空母司令官の答弁は、補給や休養ではない、いわば今後も日本に自由に寄港できるようにするためである、あるいは第七艦隊に配備された艦艇が日本に寄港するのは習慣である、こういうふうに答えております。さよういたしますと、政府の言う補給、休養と、第一空母司令官のこの答えとは、全く大きな違いがございますが、その違いについて総理のお答えをいただきたいと思います。

発言情報

speech_id: 105805261X00219680206_005

発言者: 山本幸一

speaker_id: 20150

日付: 1968-02-06

院: 衆議院

会議名: 予算委員会