田中武夫の発言 (予算委員会公聴会)
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○田中(武)委員 大来、川田両公述人に、三点について簡単に御意見を伺いたいと思います。
その第一点は、国際収支についてでありますが、宮澤さんは、経済演説の中で、来年度末の国際収支の赤は三億五千万ドルにとどめたい。そのためには輸出額を率にして一五%、金額にして二十億ドル程度伸ばす。先ほど両先生は大体この一五%、二十億ドルの伸びは可能である、こういうような御意見のように伺ったわけですが、これを妨げるものはいろいろありますが、一、二あげますと、アメリカにおきましてはいわゆる輸入制限措置というものが考えられておる。あるいは輸入課徴金の問題がいま大きな問題になっている。こういうのに対して、これがうまくいかなければ、私はこういう考え方は成功しないと思うのです。そこで、アメリカの輸入制限ないし輸入課徴金等についてどのように見通しを持っておられるのか、あるいは中国の関係にいたしましても、まず政府の姿勢あるいは吉田書簡の問題 ココムリストの問題等々、輸出を増加さすということに対してのマイナスの面がたくさんあると思います。こういう点についてどのように考えておられるか。
第二点は、外貨準備ですが、現在の二十億ドル程度では少ないと思います。これはよくいわれることですが、輸入総額の四分の一ぐらいは、すなわち、日本にすれば三十億ドルくらい必要であろう、そして、そのうちの三分の一、十億ドル程度は金保有でなくちゃならぬということがいわれておりますが、そういうことについてはどう考えておられるか。
さらに、外貨準備の下限といいますか、これ以上外貨が減るならば為替相場を維持することができないというような下限があると思うのですが、そういうものについてはどのように考えておられるか。
それから、三点といたしましては、金融引き締めが浸透するにしたがって、中小企業の倒産がふえてくる。そこで、中小企業対策ということに対して、たとえば特別金融とかあるいは下請代金の支払いの改善とか、こういうことが必要だと思います。そういうことについて、特に金融引き締めと中小企業対策の問題、また、川田先生は先ほど南北問題をあげて言われましたですが、この南北問題は、結局私は国際間の二重構造の問題だと思うのです。かつて中小企業基本法を論議したときに、この日本内における経済の二重構造ということで、政府とわれわれはだいぶん議論いたしました。そのときに、私は、やはり二重構造というのは、一国の経済の中に先進国の状態と後進国の状態が同居しておるのを二重構造だというように言ったことを記憶しております。そこで、この南北問題、いわゆる新特恵問題等々は、日本の二重構造の面、すなわち、中小企業、農業等に大きく影響があらわれてくると思うのです。それに対する何らかのいい対策があるかどうか。
それからもう一点は、先ほどの第二点のアメリカの輸入課徴金あるいは輸入制限に対する対抗策、こうよくいわれておるのですが、その一つとして、私は、アメリカがそういうことをやるならば、日本はそれに対する対抗策としてアメリカから輸入しておる綿花あるいは鉄鉱石、大豆、こういうものを中国、ソ連から輸入さしたらいいじゃないか。いままでの貿易のアメリカ依存——総理は三〇%程度だから決して依存ではない、こう言われておりますが、そういうことをもしアメリカが強行するならば、私は、そういった報復手段として、日本の貿易の構造を変えるといいますか、こういうことを、すなわち、中国、ソ連その他との貿易をふやす、輸入をふやしていく、そして輸出を求めていく、こういう方法がとられねばならぬと思うのですが、以上のような点について、何か御意見がございましたら承りたいと思います。以上でございます。