曾禰益の発言 (外務委員会)
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○曽祢委員 この前の当委員会において、外務大臣に対して、もうそろそろ沖繩の基地の問題については白紙でなくて、基本的な交渉の方針をおきめになる必要がありはせぬかということを申し上げたのですが、その間だいぶ舞台が回ってまいりまして、私はいいほうに回ったと思うのですけれども、三月十日の参議院における予算委員会の答弁以来、少なくとも総理大臣は、どういう理由があったか、そこは存じませんけれども、あるいは自民党の党内からも、沖繩に対する交渉の基本的態度について、やはり本土並みということを入れるべきではないかという御意見もあったようですし、その間、アメリカの議員さん十三名が日本に来まして、相当やはり沖繩問題に対する日本国民のコンセンサスに耳を傾けざるを得なかったということ、さらにはまた、沖繩問題懇談会の基地研の報告が出ましたが、これもおそらく、政府が委嘱したこういう委員会の報告としてはかなり思い切ったと思われるような、基本的には核兵器の沖繩存在は戦略的に見ても必ずしも必要でないし、政治的にはむしろマイナスファクターであろう、また、沖繩の基地についても特別の取り扱いをすることはやはり沖繩問題の解決にならない、こういうようにはっきりと核抜き、いわゆる本土並みですね、つまり、安保条約のフルの適用で、他の本土の基地と区別をしない、法体系のみならず、その法の適用にあたっても区別をしないという線の報告が出された。これらのことが何らかの意味で総理大臣にはね返っての言動ではないかと思います。私は、そういう意味で、遺憾ながら穗積委員と意見が少し違うので、基本的には総理大臣が白紙から一歩進んだ、しかも、それは国民の意向、私ども民社党が前々から言っていた基本的な日本のコンセンサス——安保条約については相当困難であっても、沖繩問題についてはいわゆる核抜き、本土並み、つまり安保をフルに適用して、分け隔てをしない、これが大体コンセンサスの得られる線である。政府はそれを少なくとも基本的態度として交渉をされるべきである。この方向に大きく近寄ったと思うのです。もちろん、話を詰めていけば、まだ交渉の原案ができていない。いろいろ外務大臣としては、特に慎重な外務大臣のことですから、そう言われるのもわかりますが、少なくとも総理の従来の言動から見れば、これは清水の舞台から飛びおりたというほどのことでなくても、かなり思い切った態度の表明だと思うのです。私はこれを一つのアメリカに対する観測気球だと見ていいのではないかと思います。その方向は決して誤ってない。言うならば、だいぶ迷っていたけれども、大体いい方向に来つつある、まあまあ、いい子いい子と言ってやってもいいのじゃないか、そういう観点でものを見ているのです。
そういう観点でものを見た場合に、交渉上の立場があろうから、ぎりぎりのところまではまだ言えないので、白紙ということを言っておられると思いますけれども、しかし、少なくともこれらの議論、論議を通じて一番心配な点は、普通にほうっておけば安保条約の適用を受ける、しかし、場合によっては安保条約の適用を排除するといいますか、そのまま適用しないという意味の基地に関する特別の協定があり得るということを言っておられるわけですね。これが一番大きな問題だと思う。この点はあとでさらに伺うことにして、そうでない場合、つまり安保条約の適用を受ける場合にも、一部の国民の心配は、沖繩の基地だけについては、いわゆる有事の際等にいかなる核兵器でも持ち込みを許すのではなかろうか。もう一つは、沖繩の基地からだけは、他の本土の基地と違って、従来の経緯と東南アジア諸国、特に韓国及び国民政府の要請もあるので、日本に返っても、沖繩からの発進だけは事実上ゆるやかにする、こういうことはないというふうに総理大臣は答えておられるようですけれども、私は、それは理の当然ではないか。何も区別しないで、返ってきた沖繩に安保条約適用のたてまえをとっておいて、つまり、外務大臣の言われる法体系においては完全に他の内地の基地と同じにしておきながら、事実上のその適用においてむしろ旧沖繩だ、旧沖繩基地だけは自由発進でいいというのは、これはもうどだいナンセンスですね。そんなことはできないと思うのです。口の悪い人に言わせれば、それは沖繩の本土並みじゃなくて、本土の旧沖繩並みだ、本土全体がかつての沖繩のようにアメリカの自由発進基地になるに違いない、こういう皮肉な議論もあるし、また理の当然として、諸外国に対して沖繩からはかってに出ていいけれども、他の本土の基地からは、たとえば立川、横田からは出ちゃいけない、これでは意味をなさない、そんなことはできないと思いますが、そこに非常に疑いがかかっていることは事実なんです。これを明らかにしていただきたいと思います。