曾禰益の発言 (外務委員会)

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○曽祢委員 全く善意から出ているのですから、別に問い詰めるわけじゃないのです。また、総理が出る前に各党の党首等とも懇談をして、なるべくならばその祝福と国民的のバックのもとに交渉に臨みたい、そういう気持ちは私も了としたいと思うのです。
 それから、相手があることであるから、あまりきちんとこれだけで一歩も退かないという態度では、これは必ずしも交渉でないという気持ちはわかりますが、二つの点を申し上げますと、一つは、但し特別の協定の場合を除くというと、あまりにも交渉の原案ということと——結局いつでも特別協定に譲ってしまうということは、実は結果するところは、沖繩は返ってきたけれども、それが相当の期間になるかどうか知りませんけれども、少なくとも特定の期間の間は、事実上基地の機能に関しては施政権がアメリカにあったときと同じ形、非常に不完全な返還になる。これは完全な返還じゃないという見方もありましょう。そういう解決だとすれば、これは決して日本とアメリカとの間にそれこそ沖繩問題が解決したことにならない。過渡的というのじゃなくて、むしろそこに、アメリカの意向と日本の国民の希望とがまさに衝突した形で、非常に無理ができることになりはしないかと思う。つまり、特別取りきめで、安保条約の適用排除という、実際上の自由使用というのは、そういう意味なんですね。その場合も、核兵器はいいのか、そうじゃなくて、作戦行動だけ飛び出すのか、自由使用がいろいろありましょうけれども、とにかく本土並みでない、場合によって特別解決があり得るということ、それをあまり強くいえば、それじゃ何のための交渉に行くかわからないということになる。そのことがまた、日米間にせっかく交渉して沖繩問題で解決、少なくとも数歩前進というのが、前進にならないという、将来トラブルの種をまくことになる。だから、そういうことは望ましくないですね。やはり交渉の原案としては、核抜き、本土並みでやります、だから、ひとつ国民もバックしてくれというような態度でいいのじゃないかということが一つですね。
 もう一つは、交渉に関してはやはり時期がもうだんだん切迫して、そう日にちはたくさんないような感じがする。というのは、この間岸元総理が向こうに行かれたときに、ロジャーズ国務長官に会った話、あるいはニクソン大統領に会った話が新聞に出ておりましたが、まあ向こうさんとしてはまだきめてないようだ、実際、かけ引きなしにそうだと思うのですね。非常にデリケートな問題。それから下田大使がレアード国防長官に会った話も、まだ向こうはきめてないようだ、聞き役に回った。ところが、一カ月半ばかりすれば、外務大臣が、瀬踏み以上の決定的な、重要な国務長官との、総理の渡米を前にしての相当突っ込んだ話に行かれる。その前には、むろんこれは内政干渉みたいで悪いけれども、自民党の党議もきめられるというようなことでしょう。そうなると、もう日程は相当詰まっている。それから外務大臣が行かれて帰ってこられるというと、あとは総理大臣が乗り込まれるまでに五カ月しかない。戦後もう四半世紀たっている問題ですね。平和条約がてきて十七年たっている。その大きな既成事実の上に立った問題を、ことに日本国民の意思に沿うた——日本人は主権の問題とまず考えますからね。本土並みの安全保障の協力はいいけれども、それ以上の協力はできないという、それをそのくらいのたった半年程度の交渉の日程で日本の意向に沿うた解決をやろうというのは、これはなかなかむずかしいので、いかに総理大臣の外交交渉の手腕を全幅的に信頼するにしても、一回限りのワシントンの乗り込みで、これだけの難問題を数日間の滞在できめられるということは非常に困難なような気がする。したがって、もうそろそろ日本側の原案をきめて、それに基づいて——まあやっておられるとは思うのです。それぞれ大使を使っていろいろサウンドさせるなり、ありとあらゆる外交機能をやっておられると思うのですけれども、しかし、やはり日本の基本的な姿勢が、核抜き、本土並みでいきたいのだけれども、特別協定もあり得るというのじゃ、これは実際は腹がきまっていない形だと思うのですね。やはり困難はあるけれども、これでやってみようという、核抜き、本土並みを基本方針とするということをきめて、それに対して全力を払うという時期がせもう来ているのじゃないかという気が私はするのですが、どんなものでしょう。

発言情報

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発言者: 曾禰益

speaker_id: 12807

日付: 1969-04-11

院: 衆議院

会議名: 外務委員会