愛知揆一の発言 (外務委員会)
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○愛知国務大臣 ただいま議題となりました通商に関する日本国とメキシコ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。
メキシコは、わが国にとってラテンアメリカ最大の貿易相手国になっておりますが、同国はいまだガットに加盟しておらず、また、戦後、両国間には通商上の諸般の待遇を保障するための協定がなかったので、政府は、通商に関する協定の締結についてメキシコシティ及び東京において交渉を行ないました結果、昭和四十四年一月三十日に東京において本大臣とロドリゲス・アダメ在日メキシコ大使との間で本件協定の署名及び関連書簡の交換を行なった次第であります。
この協定は、本文八カ条及び議定書からなり、さらに、協定に関する交換公文が付属しております。この協定は、わが国がすでに締結している通商協定と同様に、関税、輸出入制限、外国為替等通商に関する事項について相互に最恵国待遇を保障しております。したがって、この協定の締結により、両国間の通商関係は一そう安定した基礎の上に促進されるものと期待されます。
よって、ここにこの協定の締結について御承認を求める次第であります。何とぞ御審議の上、本件につきすみやかに御承認あらんことを希望いたします。
次に、千九百六十八年の国際砂糖協定の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。
従来砂糖は国際価格の変動が激しく、ややもすればその需給が不安定となる傾向があり、わが国のように国内需要の約七割も輸入に依存する国にとっては、ことのほか関心を持たざるを得ないところであります。この協定は、砂糖の需給を調整し、もって糖価の安定をはかることを主たる目的とするものでありまして、輸出割り当ての実施、最小及び最大在庫量の設定、一定の場合の供給保証、非加盟国からの輸入の制限及び禁止、消費の増大の検討等について規定しております。
わが国がこの協定に参加することにより、適正な水準の糖価により安定した供給を受けること、及び、もし糖価が暴騰した場合には、各加盟輸出国より供給保証を確保することができることは、わが国にとってまことに望ましいことと考えられます。また、わが国は、一九五八年の協定にも参加いたしておりましたが、今回もこの協定に参加することとなれば、輸出国たる発展途上国の経済発展のためこれに積極的に協力する態度を表明することともなり、きわめて有意義であります。
よって、ここにこの協定の締結について御承認を求める次第であります。
最後に、プレク・トノット川電力開発かんがい計画の実施工事のための贈与に関する日本国政府とカンボジア王国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。
プレク・トノット川電力開発かんがい計画は、カンボジアの首都プノンペン市の西方約七十キロの地点でメコン河の支流プレク・トノット川をせきとめ、多目的ダムを建設し、一万八千キロワットの発電と五千ヘクタールの農業かんがいを実施しようとするカンボジア政府の計画でありまして、総建設費は約二千七百万ドルと見積もられ、そのうち外貨分は千八百万ドル、現地通貨分は九百万ドルとなっております。
政府は、この計画の実施に他の諸国十一カ国及び国際連合開発計画、UNDPとともに協力することとし、この計画の実施工事のための贈与に関する協定を締結するため、本年一月以来プノンぺンにおいてカンボジア政府と交渉を行ないました結果、本年三月二十一日にプノンぺンにおいて、わがほう力石駐カンボジア大使とカンボジア側プリサラ外務大臣との間でこの協定に署名を行なった次第であります。
この協定は、本文九カ条及び附属書からなっており、そのおもな内容は次のとおりであります。日本国政府は、カンボジア政府に対し原則として四年間にわたり十五億千七百四十万円の贈与を行なうものとし、この贈与は、日本国の供給者とカンボジアのダム公社との間の契約に基づいて行なわれる日本国の生産物及び日本人の役務の購入に充てられることとしております。
この協定の締結によりまして、カンボジアにとり重要な意義を有するプレク・トノット川電力開発かんがい計画の実現が可能となりますとともに、両国間の経済協力の増進を含む全般的な友好関係の促進に多大の貢献がなされるものと期待されます。
よって、ここにこの協定の締結について御承認を求める次第であります。何とぞ御審議の上本件につきすみやかに御承認あらんことを希望いたします。