曾禰益の発言 (外務委員会)

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○曽祢委員 直接、今後の見通しについて判断は差し控えられたようでありますが、私は、大体あまり拡大しないのじゃないかという感じがいたします。
 ただ、この問題を考えますのに、私はどうもまだ事実がわかってはいませんが、アメリカ及び北鮮側双方に過剰防衛的な感じがしてならないのであります。
 まず、アメリカのほうは、今度の事件については、またこれも事実がわからないのですけれども、はたして領空侵犯があったかどうかわかりませんが、かつてU2偵察機ではっきり領空侵犯をやりながらスパイ飛行をやったこともありますし、少なくとも北鮮の領海なり領空付近で、至近の距離でいろいろ偵察、観測等をやっておったことは事実だと思うのですね。そういう意味で、北鮮に対する過剰防衛的な姿勢がそこにまず第一あった。
 それから第二には、北鮮側のほうも、プエブロ事件のときからすでに同様な感じがいたしますが、かりに領空侵犯、領海侵犯があっても、直ちにそれが武力行使という行動になったとするならば、しかもその武力行使が一方的であったとするならば、これはやはり過剰防衛というケースではないか、かような感じがいたします。
 いずれにしても、問題はわが国に対する影響であります。これがわが国の軍事基地から飛び立っておった飛行機である場合と、そうでない場合とは、つまり、日本領土からアメリカ軍が出撃して——出撃という言葉は悪いかもしれないけれども、出動して引き起こした事件である場合と、ない場合と、これはわが国に対する関係は非常に違います。そこで、両方の過剰防衛が事件の真相であるとするならば、しかも、それがわが国から発進したアメリカの軍艦なりあるいは飛行機が関連しているとするならば、わが国としてはこれはまことに迷惑だと、これが偽らざる気持ちだと思うのです。
 そこで、私は、そういう観点からいたしまして、ここに問題が二つある。第一は、いまも穗積、戸叶委員が指摘された点に関連するのですけれども、こういったような偵察行動等は、現行の安保条約の解釈からすれば、戦闘作戦行動そのものとは認めないから、事前協議ではない、これが政府の解釈だと思うのですね。しかし、これは、その戦闘作戦行動でないことが先方との間に戦闘行為に発展する可能性はある。したがって、第六条の問題だけでなくて、結局問題は、アメリカ軍が日本に常時駐留している。そこで戦闘作戦行動でない限り、あるいは核兵器の持ち込みでない限りは、いろいろな行動をしている。これはおそらく日本に相談なしにですね。それで偵察行動をやっている。偵察行動そのものは戦闘行為ではない。だがしかし、それが過剰防衛になったときに、相手方の反応いかんによっては、それが戦闘行為にエスカレートする可能性があることを示している。だとすれば、そのような偵察行為から起こった事態が、先方側の追跡によって、第五条を発動してわが国が攻撃されるという場合のみならず、そういう追撃によってわが国に直接戦火が及ぶ及ばないにかかわらず、常時駐留、それに基づくアメリカの戦闘作戦行動でない行動自身が、わが国をきっかけとして、アメリカと北鮮等の共産主義国との間の非常に大きな戦闘行動に発展しないとは限らない。これは一体わが国の安全のためにプラスなのかマイナスなのか、少なくともわが国としてはやはり無関心ではあり得ない。ここに安保条約が持っている一つの大きな問題、極東の平和のために駐留しているということなんだけれども、それが戦闘作戦行動以外の場合には、日本側はこれは何も言えないのかどうか。先ほど山田委員が指摘されたこともそれに尽きるかと思うのであります。そういうような場合に、常時コンスタントに第四条で日本側とアメリカ側は協議しておるということ、それによってアメリカ側は私の言うような過剰防衛みたいなことをやらせないということが当然必要だと思うのですけれども、まず第一に、安保条約の極東のための駐留ということについて、非常に安保条約の根本的な一つの欠陥といいますか、問題点といいますか、危険なことがある。第二には、現状はとにかく安保条約があるのです。安保条約の運用上、かりに第六条の戦闘作戦行動だから事前協議しろというのでない場合も、こういったような過剰防衛的なアメリカの行動に対して、われわれは第四条なりその他の方法で、また外務大臣の先ほどの答弁をもってすれば、こういうことがないようにできるだけ善処する、その善処の方法として、アメリカに注意する、アメリカと協議して、そういったような行動を少なくともアメリカ側がやらないように、北鮮側には直接これはわれわれは言いたくても言えない、こういうことが必要ではないかと思うのですが、右二点。第一が、安保条約の常時駐留条項に対する考え、極東条項ですね。第二は、そのことを踏まえて、現状においても運用上こういうような過剰防衛的な行動をどうして押えていくか、その協議をどうしていくか、この二点について伺いたいと思います。

発言情報

speech_id: 106103968X01319690416_073

発言者: 曾禰益

speaker_id: 12807

日付: 1969-04-16

院: 衆議院

会議名: 外務委員会