穗積七郎の発言 (外務委員会)

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○穗積委員 きょうは、実務家の皆さんがわざわざこの重要な基本的人権に関連をする法律審議に対して御出席をいただいて、非常に各方面から御意見をいただきましたことを厚く感謝いたします。いま伺いますと、伍堂さん、お忙しくて先にお帰りだそうですから、簡単に質問いたします。
 いまおっしゃいましたことは、私ども、与党のみならず、野党全員賛成なんです。つまり、数次、長期にわたってグローバルな旅行ができるという原則、これは原則上も手続上もそういうふうにとりましたことは、これはもう当然なことであって、おそきに失したと実は思っているわけです。御参考までに申し上げておきますが、いまから四、五年前に、私どもは野党の立場ですけれども、この不合理な、何か旅行の自由を実行することを認めるか認めないか、政府の特権であるかのごとき封建的な、権力主義的な考え方はもう時代おくれだ。早くどこへでも自由に行けるようにする。これは先ほど御出席前でしたけれども、田上教授もおっしゃいましたが、われわれは、旅券または旅行に対する基本的なあれは同感なんです。すなわち、それは日本国民であるという身分証明書である、同時に、相手国に対してその保護の依頼を兼ねたものである、こういうふうに理解しております。これは許可証じゃないはずなんですよ。それはたとえば学生でいいますならば、学生の身分証明書のごときものであって、当然発給すべき、要求すべき権利がありますし、大学はこれに対して証明書を出すべき義務があるわけです、国民で国籍を認めておる以上は、学籍を認めておる以上は。それと同様な性質のものであるということをわれわれも理解いたしております。したがって、今度の数次、五カ年間の渡航先不特定な自由な旅行、旅行目的も自由である。それが商用であろうと、政務であろうと、あるいは観光であろうと、気晴らしであろうと、かってだということはいいと思うのです。伍堂さんもさすがに国際人でありますから、その合理性に従って、いまの改正の前段についてはこれをたいへんけっこうであるというふうにおっしゃったと思うのです。ところが、問題はそこにはないのです。いままでお述べになりました田上教授をはじめ皆さんの一致した御意見は、旅行なり旅券に対する基本的考え方は、ここにおります与野党の委員全部一致しております。ところが、その基本的な考えと手続に反する大きな誤ったものがここにくっついておることが問題になっておるわけなんです。その御精神からいけば、特に特定国、未承認国の中の、平井、相川両参考人から摘示されましたように、特に朝鮮、それから中国、北ベトナム、東独、この四カ国に対してきびしい差別取り扱いが行なわれておるわけですし、差別だけではなくて、もう非常な反人権的な制限が加えられている点でございます。これは内容についてはもう伍堂参考人もごらんいただいたことと思いますから、説明を申し上げません。そこの点についての御意見を聞くことができなかったので、国際人であるあなたの立場から見て、いま申しました旅行の自由と、それで旅券というものは身分証明書であり、相手国に対する保護の希望書のようなもの、依頼書のようなものですね。そういうことに立ちますならば、この四カ国に対して絶対に旅行は許さないという原則をやるなら、これは鎖国でございましょう。それも一つの政策かもしれません。ところが、一々点検をして、いろいろな制限、条件をつけまして、そしてこれに差別するということのいわれは、今日の国際環境、特に日本のような、国際的な環境の中においてのみ経済的にも政治的にも生きられるわれわれが、こういう差別をすることは時代おくれであり、不当である、こういうふうに考えるわけなんです。その点について、一点だけあなたの合理的な御判断による御意見を承っておきたいと思うのです。

発言情報

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発言者: 穗積七郎

speaker_id: 15879

日付: 1969-07-03

院: 衆議院

会議名: 外務委員会