穗積七郎の発言 (外務委員会)
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○穗積委員 最後に、二点田上先生にお尋ねいたします。いろいろありがとうございました。
私は、台湾と韓国政府の対日政策、態度が違うことを前提として考えることは間違いだと思うのです。わが国が中国あるいは朝鮮と経済、文化の交流、人事の交流をやろうがやるまいが、そのことは自主的な内政問題です。それに対して台湾や韓国が文句をいってくる、これは不当な干渉ですよ。さっきおっしゃったように、両国に対しては、われわれは反対だけれども、とにかく日韓条約、日台条約というものがあります。その条約に基づいて、日本政府がそれに違反し、あるいは履行の義務を怠っておるという場合に文句をいうのはいいですよ。それはある意味で政治的には賛成しなくても、法律的にこれはジャスティファイさるべきものでしょう。ところが、韓国、台湾に関係のない、すなわち、中華人民共和国あるいは朝鮮民主主義人民共和国とわが国の人民が文化、経済、人事の交流をやることが、何の干渉を受けるべき筋合いがありましょうか。国際的に見まして、その不当な干渉によって、われわれ日本人民の基本的人権というものがそれを理由にして侵されるなんということは、法律的に見て、これは許すべからざることではないでしょうか。それを一点お尋ねしたいのです。
第二点は、それは罰則の問題です。罰則は、私も立場としては反対であります。もし置いたとしても、置いてあるこの法律があったとしても、事の性質上、これはさっき言ったように、秩序罰、すなわち行政罰にすべきことだと思いますね。そうでありますならば、罰金ではなくて、過料にすべきことである。さらにはなはだしきあやまちというものは、さっき言ったように、旅券の無効、没収あるいは再発行の拒否、こういうことまで刑罰の内容が発展しておるということは、これははなはだしき権利の乱用であると私どもは考えます。したがって、先生の言われる秩序罰、これはあえていえば、私は行政罰でとどめるべきものである。やるとしてもですよ。やることに賛成ではありません。やるという論理に立ち、必要に立っているという法治国としての日本政府の論理からいきましても、これを越えるべき筋合いのものではないというふうに考えますが、その点は先生はどういうふうにお考えでございましょうか。
それから最後に、先ほど平井または相川参考人から陳述されました。私どもは旅券法によって旅券発給の申請をする正当な権利があるわけですね。それに対して政府は受付をしないのです。受付した上で、法律に従ってこれにノーといい、イエスという場合があっていいですよ。そのことまで言うのではないのですよ。そうではなくて、受け付けることが当然なことではないでしょうか。それに対して、何の法の根拠もなしに、事前審査と称して、共産圏渡航趣意書というものをまず出せ。それは何だといえば、何でもない、紙きれだと、こういうわけです。説明書にすぎない。旅券申請書とは何ら関係のないものである。こういうことで旅券申請の受付を拒否する。怠っておる。これは明らかに違法、権利の乱用行為であると私は考えますが、法律学者としてどうお考えでございましょうか。旅券法に従ってのみ政府は行なうべき義務と権利があるわけですが、それを明らかに逸脱いたしました権利の乱用行為であるといわざるを得ないと思うのですね。
その二点について、尊敬すべき法律学者としての御意見を陳述をしていただきたいと思うのです。