曾禰益の発言 (外務委員会)

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○曽祢委員 私は、この法案の骨子が、世界の大勢であり、また日本の旅券発給事務の簡素化からいっても必要なものであり、進歩的なものである、こういうことが第一の理由で、この法案に賛成するものであります。
 また、これに関連いたしまして、国益、公安条項が残っているからいかぬという議論もありますけれども、私は、現在の世界の大勢が、必ずしもすべての国において渡航の自由が行なわれていない、あるいは分裂国家等の実情を踏まえるならば、このような条項が現に存するのは、各国にある事例から見て、これはやむを得ない。問題はそれが恣意的な判断によって行なわれてはならない。こういうことに尽きるのであって、これは本案に反対する理由にならないと思います。
 第二の問題は、やはりある種の国に対しては実際上渡航をさせない、国会議員以外に朝鮮民主主義人民共和国に対する渡航は事実できないようになっている。それに対して今度のような問題が起こって、いわゆる渡航先以外のところに、記載以外のところに行った者に対する罰則問題がある。これはけしからぬじゃないかという議論がございました。しかし、それは問題の根本じゃない。いかなる国に対しても、いかなる地域に対しても、日本の自主的判断で、これは必要だということに対しては原則として旅券を出すべきである。このほうが私は基本ではないかと思うのであります。いま委員長が読み上げられた外務理事会の懇談会における確認事項といいますか、各理事が確認いたしました、政府としてはいずれの地域であっても本法は渡航を制限するという趣旨のものではないということが第一項だと思います。
 また第二項は、むしろ積極的にいずれの地域に対しても渡航の自由をやらせるのだということが目的で、それに善意をもって対処するという、こういう表明があり、それを確認したわけであります。
 なおかつ、私自身本委員会におきましてこういう質問をして、大臣からこういう応答があったわけであります。「私が外務大臣に伺いたいのは、この北朝鮮に対する旅行についても、私どもの了解するところでは、これはあくまでも日本の独自の判断でやることである。」こういうことを私が言いましたのに対しまして、外務大臣は「未承認国、中でも具体的に拾い上げてまいりますと、結局北朝鮮の扱い方が一審御心配の点ではなかろうかと思います。」少し飛ばします。「未承認国に対しましても日本の自主的な判断によって考慮をしていくべきものである。」「すべて日本の自主的な判断による処理をいたす、こういうことにいたしたいと思っております。」こういうふうに述べられております。さらに同じ北朝鮮の問題でありますが、私は「民間人が行くにしても、はっきりスポーツの目的、あるいは貿易の具体的な話し合いの目的、理由のある者はどんどん外務省に申請する。外務省と法務省がもうタブーのような態度をとっているから、横すべりが起こるのじゃないでしょうか。そうでなくて、そういうような理由のある者については自主的な判断で善処する。」こういうことが必要ではないかということを申し上げまして、さらに「ケース・バイ・ケースということになりましょう。そういう未承認国、特に共産諸国、なかんずく朝鮮のような場合、従来ほとんど出しておらない。国会議員、それらの場合でも一回限りの旅券だけれども、理由のある者は出していくのだ。こういう意味で、私の申し上げたことにどういう見解を持たれるか、ここにはっきりとひとつ御答弁を願いたいと思います。」この質問に対して愛知国務大臣は「渡航は私も原則的に全然同じような考え方のつもりでございます。」「私は、日本の自主的の立場に立って善処し得る、こういう心証を私としては持っておるわけでございます。そういうつもりあるいは気持ちで適正な運営に当たってまいりたい、かように考えております。」こういうふうに述べておられます。最後に「くどいようですけれども、私がいま申し上げた例もございましたが、そういう私の発言全体を含んで善処し得る、こういうお答えであるかどうか。もう一ぺんここで明らかにしていただきたい。」これに対して愛知国務大臣は「そのとおりと申し上げて間違いないと思います。十分私は善処してまいりたいと思います。」これは七月三日の本委員会の正式な記録でございます。
 私は、以上の記録に徴し、私の一番問題としておりましたこの未承認国への渡航の問題について、政府の善処ということの、信頼するに足る御答弁があったと、この了解の上に立って、本案に対して賛成するものであります。

発言情報

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発言者: 曾禰益

speaker_id: 12807

日付: 1969-07-09

院: 衆議院

会議名: 外務委員会