愛知揆一の発言 (外務委員会)
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○愛知国務大臣 第七回の日米貿易経済合同委員会は、昨日まで三日間にわたって東京で行なわれましたことは御承知のとおりでございます。委員会といたしましては、昨日合同コミュニケを非常に詳しくつくって発表をいたしておりますとおり、委員会の議題としては、貿易経済問題が主題でございますから、委員会自体の討議におきまして沖繩問題等について議論をかわしたわけではございません。コミュニケに明らかにしておりますように、「会議の期間中、外務大臣および国務長官は沖繩の施政権の日本への返還の問題を討議した。」こう書かれておりますが、そのとおりでございまして、この期間を利用いたしまして、沖繩返還問題につきましても討議をいたしたわけでございます。その結果、これは昨日国務長官と私が共同で記者会見をいたしましたときに、国務長官からも明確にいたしておりますように、双方友好的に建設的に本件の話し合いをいたしました。そして九月中旬にワシントンにおきましてさらに討議をいたしましょう、そして十一月に予定されておりまする佐藤総理の訪米のときに、両方が満足し得るような成果をあげるように最大の努力をいたすことにいたしました。
全体の経過としてはそういう状況に相なっておりますので、私といたしましては、今後さらに検討すべきところは検討して、九月の会談に臨みたい。その際におきまして、前々から詳細御報告をいたしておりますように、日本側の基本的な態勢は、早期に沖繩の施政権の返還を求めることであります。そしてその返還のできました場合におきましては、施政権が沖繩から日本に返る限りにおきましては、憲法はもとよりのこと、一切の法律も一切の条約等も、本土と同様にこれが行なわれることがまことに自然の姿であり、当然の帰結であります。したがって、日米安保条約もそのまま沖繩に適用されるようにいたしたい。これはいわゆる本土並みの主張でございます。
それから、特に核の問題につきましては、いわゆる核抜きということが日本国民の悲願でもあり、また、沖繩を差別したくないという沖繩県民の悲願でございます点から申しましても、核抜きを絶対に確保したい、こういう六月二日私からニクソン大統領に提案いたしました基本線は、現在一歩も譲っていないわけでございまして、アメリカ側も、その考え方についていろいろただしたいことやいろいろ心証を得たいところもあるようでございますが、それらについては、できるだけこちらの考え方を明確にして、この基本線が貫けるように今後とも最大の努力をいたしたい、かように考えておるわけでございます。
前から申し上げておりますとおり、現在の段階で、書類の上でどうこうという段階はまだでございましたけれども、そろそろ双方の考え方を——いわば俗なことばでいえば、鉛筆を使って双方の考え方というものを具体的に検討する段階に入ることが望ましい、かように存じております。こういうふうな点におきまして、従来の考え方を明確にしながら、いま申しましたように、基本線が十分貫かれるように今後とも努力を尽くしてまいる、こういう状況でございます。