武藤山治の発言 (本会議)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○武藤山治君 私は、日本社会党を代表して、ただいま趣旨弁明のありました石井衆議院議長不信任案について、提案者中嶋代議士に質疑をいたすものであります。
 最近の自由民主党の行動は、あまりにしばしば正義の法や少数党の権利を無視して、利己的で威圧的な多数者の優勢な力によって諸法案を決定されるという思慮のないありさまであります。かかる多数党の危害を矯正する方法を論及し、いまにして大規模民主主義の真にあるべき姿を追求しなければ、わが国の民主政治は崩壊するでありましょう。(拍手)議院内閣制のもとにおいては、議会において過半数の議席を制する政党の幹部によって内閣が組織され、内閣の提案は大体において多数で承認されることになるでしょう。内閣も国会も、実質的には多数党によって動かされ、多数党をバックの議院内閣制では、内閣は政治の全範囲にわたって完全な独裁力を持っておるのであります。だから、多数党はその独裁力を利己心や党利党略に利用する場合、十分慎重に配慮しなければならないのであります。
 イギリスにおける議院が議長の地位を非常に権威あらしめ、多数党に引きずり回されないように配慮されているのは、この多数党の独裁力を牽制することができるためであります。多数党なら何でもできる、議論も尽くさず、反対の意見を聞かず、成規の手続も踏まずということでは、議会制民主主義、議院内閣制は形のみとなり、すでに死んでしまったと同然といわざるを得ません。(拍手)民主国会をかかる仮死状態に追い込んだその責任の一半は、中立、公正で規則を重んじなければならない議長の責任であると断ぜざるを得ません。民主主義は、その本質、内容、真理が重要であると同時に、そのプロセス、手続そのものが民主主義でなければならぬのであります。(拍手)
 私は、六月三日、六月二十日の二回にわたって国対委員長会談が開かれ、定足数を守ろうじゃないか、強行採決は慎もうではないか、十分審議をやろうではないか、この紳士的な申し合わせが文書で行なわれた。しかるに、いまだ一カ月の日時を過ごさないのに、本議場でわれわれが投票をして選んだ衆議院議長の不信任案を出さざるを得ないという、この議会の今日の姿を心から嘆く一人であります。(発言する者あり)しかし、われわれはその理由を、いまこれから古川君にもお答えいたしたいと思います。
 以下、具体的に、石井議長が正義を無視し、民主的法律の規定をいかに犯したかを追及し、提案者にその実情を伺うつもりであります。
 まず、その第一は、国会法第十九条には、「議長は、その議院の秩序を保持し、議事を整理し、議院の事務を監督し、議院を代表する。」と書いてあります。「秩序を保持し、」というところをわれわれは強く訴えたいのであります。さらに、国会法二十条は、「議長は、委員会に出席し発言することができる。」となっております。昨晩の状態のときに、委員会はまさしく委員長の宣言で休憩になっていたのであります。休憩の札が下がっていたのであります。その休憩中に社会党の議員が部屋の中におった。しかし、一度でも、委員会を開くから諸君出てくれという通告もない。第一、議長みずからが国会法二十条に基づいて、当然委員会に来て、何時から委員絵を開くから社会党の諸君出てくれぬか、一言半面の通告も、相談も、話し合いもないじゃありませんか。私は、その点、国会法を忠実に守ろうとするならば、まず、国会法の十九条と二十条の規定を議長が……(発言する者あり)議長、やじがある間はやりませんからね。やじがある間は休憩ですよ。議長、やじを制してください。やじをとめてください。
    〔発言する者あり〕

発言情報

speech_id: 106105254X05919690711_013

発言者: 武藤山治

speaker_id: 20160

日付: 1969-07-11

院: 衆議院

会議名: 本会議