本会議

1969-07-11 衆議院 全92発言

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会議録情報#0
昭和四十四年七月十一日(金曜日)
    —————————————
 議事日程 第五十号
  昭和四十四年七月十一日
   午後二時開議
 第一 議院に出頭する証人等の旅費及び日当に
  関する法律の一部を改正する法律案(議院運
  営委員長提出)
 第二 真珠養殖等調整暫定措置法案(内閣提
  出)
 第三 昭和四十四年度における農林漁業団体職
  員共済組合法の規定による年金の額の改定に
  関する法律案(内閣提出)
 第四 旅券法の一部を改正する法律案(内閣提
  出)
 第五 新東京国際空港周辺整備のための国の財
  政上の特別措置に関する法律案(内閣提出)
 第六 沖繩における産業の振興開発等に資する
  ための琉球政府に対する米穀の売渡しについ
  ての特別措置に関する法律案(内閣提出)
 第七 健康保険法及び船員保険法の臨時特例に
  関する法律等の一部を改正する法律案(内閣
  提出)
    —————————————
○本日の会議に付した案件
 本日の議事における発言時間は趣旨弁明につい
  ては十五分質疑答弁討論その他については十
  分とするの動議(園田直君外二十六名提出)
 衆議院議長石井光次郎君不信任決議案(柳田秀
  一君外六名提出)
  質疑終局の動議(園田直君外二十六名提出)
  討論終局の動議(園田直君外二十六名提出)
 衆議院副議長小平久雄君不信任決議案(柳田秀
  一君外六名提出)
  質疑終局の動議(園田直君外二十六名提出)
  討論終局の動議(園田直君外二十六名提出)
   午後七時九分開議
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小平久雄#1
○副議長(小平久雄君) これより会議を開きます。
     ————◇—————
 本日の議事における発言時間は趣旨弁明については十五分質疑答弁討論その他については十分とするの動議(園田直君外二十六名提出)
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小平久雄#2
○副議長(小平久雄君) 園田直君外二十六名から、本日の議事における発言時間は趣旨弁明については十五分質疑答弁討論その他については十分とするの動議が提出されました。
 本動議は記名投票をもって採決いたします。
 本動議に賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参せられんことを望みます。——閉鎖。
    〔議場閉鎖〕
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小平久雄#3
○副議長(小平久雄君) 氏名点呼を命じます。
    〔参事氏名を点呼〕
    〔各員投票〕
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小平久雄#4
○副議長(小平久雄君) 投票漏れはありませんか。——投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開匣。——開鎖。
    〔議場開鎖〕
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小平久雄#5
○副議長(小平久雄君) 投票を計算いたさせます。
    〔参事投票を計算〕
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小平久雄#6
○副議長(小平久雄君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。
    〔事務総長報告〕
 投票総数 三百十九
  可とする者(白票)       百八十一
  否とする者(青票)       百三十八
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小平久雄#7
○副議長(小平久雄君) 右の結果、本日の議事における発言時間は、趣旨弁明については十五分、質疑、答弁、討論その他については十分とするに決しました。拍手
    —————————————
 園田直君外二十六名提出発言時間制限の動議を可とする議員の氏名
      安倍晋太郎君    足立 篤郎君
      阿部 喜元君    相川 勝六君
      愛知 揆一君    青木 正久君
      赤城 宗徳君    赤澤 正道君
      秋田 大助君    天野 光晴君
      荒舩清十郎君    井出一太郎君
      井原 岸高君    伊藤宗一郎君
      伊能繁次郎君    池田 清志君
      石田 博英君    稻葉  修君
      稻村佐近四郎君    宇野 宗佑君
      上村千一郎君    植木庚子郎君
      臼井 莊一君    内田 常雄君
      内海 英男君    浦野 幸男君
      江崎 真澄君    遠藤 三郎君
      小沢 辰男君    小渕 恵三君
      大石 八治君    大竹 太郎君
      大坪 保雄君    大野  明君
      大野 市郎君    大橋 武夫君
      大村 襄治君    岡崎 英城君
      岡本  茂君    奥野 誠亮君
      加藤常太郎君    加藤 六月君
      鹿野 彦吉君    鍛冶 良作君
      海部 俊樹君    金丸  信君
      金子 岩三君    亀岡 高夫君
      亀山 孝一君    鴨田 宗一君
      仮谷 忠男君    川島正次郎君
      川野 芳滿君    木野 晴夫君
      木部 佳昭君    木村 武雄君
      菊池 義郎君    北澤 直吉君
      久野 忠治君    久保田円次君
      久保田藤麿君    熊谷 義雄君
      倉成  正君    藏内 修治君
      小峯 柳多君    小宮山重四郎君
      小山 長規君    河野 洋平君
      佐々木秀世君    佐藤 文生君
      坂田 道太君    坂本三十次君
      櫻内 義雄君    笹山茂太郎君
      塩谷 一夫君    重政 誠之君
      篠田 弘作君    島村 一郎君
      正示啓次郎君    進藤 一馬君
      周東 英雄君    菅波  茂君
      鈴木 善幸君    砂田 重民君
      世耕 政隆君    園田  直君
      田澤 吉郎君    田中伊三次君
      田中 角榮君    田中 龍夫君
      田中 正巳君    田村  元君
      田村 良平君    竹内 黎一君
      竹下  登君    谷垣 專一君
      谷川 和穗君    千葉 三郎君
      地崎宇三郎君    中馬 辰猪君
      塚田  徹君    渡海元三郎君
      登坂重次郎君    床次 徳二君
      内藤  隆君    中尾 栄一君
      中垣 國男君    中川 一郎君
      中野 四郎君    中村 梅吉君
      中村庸一郎君    中山 マサ君
      永田 亮一君    永山 忠則君
      灘尾 弘吉君    二階堂 進君
      丹羽喬四郎君    丹羽 兵助君
      西岡 武夫君    西村 英一君
      西村 直己君    野田 卯一君
      野原 正勝君    野呂 恭一君
      羽田武嗣郎君    橋本登美三郎君
      橋本龍太郎君    長谷川四郎君
      長谷川 峻君    八田 貞義君
      早川  崇君    原 健三郎君
      原田  憲君    広川シズエ君
      廣瀬 正雄君    福家 俊一君
      福井  勇君    福田 赳夫君
      福永 一臣君    福永 健司君
      藤井 勝志君    藤枝 泉介君
      藤尾 正行君    藤波 孝生君
      藤本 孝雄君    藤山愛一郎君
      船田  中君    古井 喜實君
      古内 広雄君    古川 丈吉君
      保利  茂君    坊  秀男君
      細田 吉藏君    堀川 恭平君
      増岡 博之君    増田甲子七君
      松澤 雄藏君    松野 幸泰君
      松野 頼三君    三池  信君
      三ツ林弥太郎君    三原 朝雄君
      水野  清君    湊  徹郎君
      宮澤 喜一君    武藤 嘉文君
      村上信二郎君    村山 達雄君
      毛利 松平君    森田重次郎君
      森山 欽司君    保岡 武久君
      山下 元利君    山田 久就君
      山村新治郎君    吉田 重延君
      早稻田柳右エ門君    渡辺 栄一君
      渡辺  肇君    渡辺美智雄君
      關谷 勝利君
 否とする議員の氏名
      安宅 常彦君    阿部 昭吾君
      阿部 助哉君    赤路 友藏君
      淡谷 悠藏君    井岡 大治君
      井手 以誠君    井上  泉君
      井上 普方君    石川 次夫君
      石田 宥全君    石橋 政嗣君
      板川 正吾君    稻村 隆一君
      江田 三郎君    枝村 要作君
      小川 三男君    大出  俊君
      大原  亨君    太田 一夫君
      岡田 利春君    岡田 春夫君
      岡本 隆一君    加藤 万吉君
      勝澤 芳雄君    勝間田清一君
      角屋堅次郎君    金丸 徳重君
      唐橋  東君    川崎 寛治君
      川村 継義君    河上 民雄君
      河野  正君    木原  実君
      北山 愛郎君    久保 三郎君
      久保田鶴松君    工藤 良平君
      黒田 寿男君    小林 信一君
      兒玉 末男君    後藤 俊男君
      神門至馬夫君    佐々栄三郎君
      佐々木更三君    佐野 憲治君
      斉藤 正男君    阪上安太郎君
      柴田 健治君    島本 虎三君
      下平 正一君    田中 武夫君
      田邊  誠君    多賀谷真稔君
      高田 富之君    武部  文君
      楯 兼次郎君    戸叶 里子君
      堂森 芳夫君    内藤 良平君
      中澤 茂一君    中嶋 英夫君
      中谷 鉄也君    中村 重光君
      永井勝次郎君    楢崎弥之助君
      西風  勲君    野間千代三君
      芳賀  貢君    畑   和君
      華山 親義君    浜田 光人君
      平岡忠次郎君    平林  剛君
      平等 文成君    広瀬 秀吉君
      福岡 義登君    古川 喜一君
      穗積 七郎君    細谷 治嘉君
      堀  昌雄君    松本 七郎君
      三木 喜夫君    三宅 正一君
      美濃 政市君    武藤 山治君
      村山 喜一君    森本  靖君
      八百板 正君    八木 一男君
      八木  昇君    矢尾喜三郎君
      柳田 秀一君    山内  広君
      山口 鶴男君    山崎 始男君
      山田 耻目君    山中 吾郎君
      山本 幸一君    山本 政弘君
      山本弥之助君    米内山義一郎君
      米田 東吾君    渡辺 惣蔵君
      渡辺 芳男君    池田 禎治君
      内海  清君    小沢 貞孝君
      岡沢 完治君    神田 大作君
      河村  勝君    小平  忠君
      曾禰  益君    田畑 金光君
      塚本 三郎君    中村 時雄君
      西村 榮一君    吉田 賢一君
      吉田 泰造君    有島 重武君
      伊藤惣助丸君    石田幸四郎君
      小川新一郎君    大野  潔君
      大橋 敏雄君    沖本 泰幸君
      小濱 新次君    斎藤  実君
      鈴切 康雄君    竹入 義勝君
      中野  明君    伏木 和雄君
      正木 良明君    松本 忠助君
      矢野 絢也君    山田 太郎君
      田代 文久君    谷口善太郎君
     ————◇—————
 衆議院議長石井光次郎君不信任決議案(柳田秀一君外六名提出)
          (委員会審査省略要求案件)
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小平久雄#8
○副議長(小平久雄君) 柳田秀一君外六名から、衆議院議長石井光次郎君不信任決議案が提出されました。
 本決議案は、提出者の要求のとおり委員会の審査を省略して議事日程に追加するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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小平久雄#9
○副議長(小平久雄君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
 衆議院議長石井光次郎君不信任決議案を議題といたします。
    —————————————
 衆議院議長石井光次郎君不信任決議案右の議案を提出する。
 昭和四十四年七月十一日
     提出者
      柳田 秀一   八木  昇
      平林  剛   三木 喜夫
      中嶋 英夫   池田 禎治
      大野  潔
    —————————————
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小平久雄#10
○副議長(小平久雄君) 提出者の趣旨弁明を許します。中嶋英夫君。
    〔中嶋英夫君登壇〕
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中嶋英夫#11
○中嶋英夫君 私は、日本社会党、民主社会党、公明党三党を代表し、衆議院議長石井光次郎君の不信任決議案の提案理由を申し上げます。
 まず、決議案文を朗読いたします。
    衆議院議長石井光次郎君不信任決議案
 本院は、衆議院議長石井光次郎君を信任せず。
    〔拍手〕
      理 由
 議長は、議会運営の全体に責任を負う最高の機関であり、ことに国会正常化を自ら提唱している石井議長は、国会正常化について大きな責任があり、その実現のために全力を傾注すべき立場にある。
 しかるに石井議長は、今国会の重要法案であり、国民生活に直接影響をおよぼす「健康保険法及び船員保険法の臨時特例に関する法律等の一部を改正する法律案」に対する修正案が、自民党のかつてない議会政治無視の暴挙によって強行採決された社会労働委員会の異常な事態を正常なものと認め、政府与党の意のままに、この法案の本会議上程に加担した。
 この行為は、自ら主張した国会正常化を自ら放棄したばかりでなく、議長の職をけがしたものであり、その責任はきわめて重大といわねばならない。かかる議長をそのまま放置しては正常な国会運営はとうてい期することはできない。
 これが、本決議案を提出する理由である。
    〔拍手〕
 私から申し上げるまでもなく、憲法第四十一条におきまして、「国会は、国権の最高機関であって、国の唯一の立法機関である。」と規定しておるのであります。衆議院議長はこの国権の最高機関の長であり、いやしくも、その席を占める人は、その権威を少しでもそこなうようなことがあってはならないのであります。本来、議会制民主主義は、普選獲得運動をはじめとして、国民の政治的自由を保障し、その政治的要求を実現する方途として生み出されたのであります。いわば、近代民主主義の政治的所産であります。したがいまして、議会制民主主義に沿うた国会運営は、あらゆる民主的慣行と手続によって円滑に行なわれるために、十分なる用意と万全なる手続が規定され、かつ、要求されているところであります。
 しかるに、石井衆議院議長は、今回の第六十一国会において、まさに国会の最高機関としての権威を消失せしめ、議会制民主主義を破壊し、国民の国会不信、国会軽視に拍車をかける役割りを演じ来たったことは、国民周知のこととなってまいりました。石井議長は、自民党と佐藤内閣の議会軽視の行動に唯々諾々として加担し続け、今国会においては実に十一回にのぼる不法不当な強行採決を許し、過般の国鉄運賃値上げ法案の例に見られるように、正常な議会運営について何らの責任を持とうともしなかったのであります。あまつさえ、昨夜、社会労働委員会におきまして発生した事態、すなわち、自由民主党の十一回目の暴挙につきましても、これを合法的と称し、本日の本会議の議事日程にのせておるのであります。
 昨日の社労委員会は、与党議員の出席数名、速記者も不在、委員会開催の放送に先がけ、存在しない審議をあったがごとく言いくるめ、ルールに全然合致しない行動——委員会で健康保険法及び船員保険法の臨時特例に関する法律等の一部を改正する法律案に対する修正が、その提案と政府見解の発表と採決とを数分問で行なったと称する自民党の態度も暴挙でありますが、それを合法と認めた石井議長のなした措置こそ大暴挙というべきであります。拍手私ども野党各党は幾たびか石井議長に反省を求め、その撤回を強く要求してまいりましたが、石井議長は頑迷にこれを拒み、ついに本会議を開会いたしました。
 本来、議会の運営の中心として中立性を要求されております衆議院議長が与党に加担し、その暴挙を是認するとき、国会における民主主義はその影をひそめ、ファシズムが台頭し、議会はみずからを葬る暗黒に向かって傾斜をいたします。
 石井議長は、昭和四十二年二月、本院議長に選任され、その際の就任あいさつにおきまして「私は、議会人といたしましての覚悟を新たにいたしまして、誠意を尽くして議院の運営に当たり、もって国会の権威を一そう高め、国民の期待にこたえるよう、最善の努力を払う所存でございます。」と述べておられるのであります。しかるに、今国会におけるきょうまでの運営は、戦前戦後を通じてのわが国の議会史上かつてない暴走、混乱の連続であり、まさに最低の議会運営と断ぜざるを得ないのであります。
 イギリス議会の議長は、一党一派に偏しないために、党籍を離れることはもちろん、その公正、厳正を保つために、同僚議員とも、ともに食事をすることなく、私的交流もほとんど行なわないことが不文律となっているほどであります。私は、石井議長就任のあいさつを聞きながら、このことを思い、それを期待いたしたのであります。しかし、いま目の前にあるのは、まさに石井議長の言行不一致、指導性の喪失、職務怠慢であるといわなければならないのはまことに残念でなりません。拍手
 特に、自由民主党の党利党略に屈して、今国会の会期延長においての七十二日に及ぶ大幅延長を強行し、その上に、健保特例法案をはじめとして大学管理法案、防衛二法案、出入国管理法案、靖国神社法案など、日米安保体制の核安保、アジア安保への拡大発展に沿うた国内体制を確立する反動立法の成立を期そうとしたことに協力したことは、行政府に対し厳然として立法府の独立性を堅持すべき議長として、まことに許しがたいことであります。拍手
 そして、今回の健康保険特例法延長法案は、いまより二年前に、石井議長のあっせん過程で時限立法として生まれたものであります。この議長手元において各党が申し合わせたところの、二年間に抜本改正を行ない、特例法再延長は行なわないと約束されていたのでありますから、石井議事は、みずからの権威をみずからの手によって打ち砕いたことになり、行政府に対し完全屈服をしたことになるのであります。その責任は、まさに重大であります。
 私は、本提案に対する採決の以前において、石井光次郎君が議長を辞すべきだと考えます。辞職することによって、せめて晩節を少しでも守っていただきたいのであります。代議士当選九回、商工大臣、運輸大臣、通産大臣、国務大臣など多くの重職を歴任した政治家石井光次郎君の傾き倒れんとする名誉を何とか守るには、石井議長みずからの決断あるのみであります。
 石井議長はよく知っているはずであります。昭和四十二年八月五日、健康保険特例法案をめぐって紛糾しておる際に、わが党の成田委員長は、当時書記長として、議長の再三にわたる懇請とその権威を認める立場から、石井議長あっせん案を党に持ち帰り、その承認を得られないと知ったとき、公党の信義の立場から、中央執行委員長とともに従容としてその役職をみずから辞したこと、これを知っておるはずであります。責任のとり方の大切なことを、九州男児石井光次郎君は知っておられると思います。
 石井議長の決断を求め、決議案の趣旨弁明を終わります。諸君の賛同を得たいと存じます。拍手
    —————————————
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小平久雄#12
○副議長(小平久雄君) 質疑の通告があります。順次これを許します。武藤山治君。
    〔武藤山治君登壇〕
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武藤山治#13
○武藤山治君 私は、日本社会党を代表して、ただいま趣旨弁明のありました石井衆議院議長不信任案について、提案者中嶋代議士に質疑をいたすものであります。
 最近の自由民主党の行動は、あまりにしばしば正義の法や少数党の権利を無視して、利己的で威圧的な多数者の優勢な力によって諸法案を決定されるという思慮のないありさまであります。かかる多数党の危害を矯正する方法を論及し、いまにして大規模民主主義の真にあるべき姿を追求しなければ、わが国の民主政治は崩壊するでありましょう。拍手議院内閣制のもとにおいては、議会において過半数の議席を制する政党の幹部によって内閣が組織され、内閣の提案は大体において多数で承認されることになるでしょう。内閣も国会も、実質的には多数党によって動かされ、多数党をバックの議院内閣制では、内閣は政治の全範囲にわたって完全な独裁力を持っておるのであります。だから、多数党はその独裁力を利己心や党利党略に利用する場合、十分慎重に配慮しなければならないのであります。
 イギリスにおける議院が議長の地位を非常に権威あらしめ、多数党に引きずり回されないように配慮されているのは、この多数党の独裁力を牽制することができるためであります。多数党なら何でもできる、議論も尽くさず、反対の意見を聞かず、成規の手続も踏まずということでは、議会制民主主義、議院内閣制は形のみとなり、すでに死んでしまったと同然といわざるを得ません。拍手民主国会をかかる仮死状態に追い込んだその責任の一半は、中立、公正で規則を重んじなければならない議長の責任であると断ぜざるを得ません。民主主義は、その本質、内容、真理が重要であると同時に、そのプロセス、手続そのものが民主主義でなければならぬのであります。拍手
 私は、六月三日、六月二十日の二回にわたって国対委員長会談が開かれ、定足数を守ろうじゃないか、強行採決は慎もうではないか、十分審議をやろうではないか、この紳士的な申し合わせが文書で行なわれた。しかるに、いまだ一カ月の日時を過ごさないのに、本議場でわれわれが投票をして選んだ衆議院議長の不信任案を出さざるを得ないという、この議会の今日の姿を心から嘆く一人であります。ヤジしかし、われわれはその理由を、いまこれから古川君にもお答えいたしたいと思います。
 以下、具体的に、石井議長が正義を無視し、民主的法律の規定をいかに犯したかを追及し、提案者にその実情を伺うつもりであります。
 まず、その第一は、国会法第十九条には、「議長は、その議院の秩序を保持し、議事を整理し、議院の事務を監督し、議院を代表する。」と書いてあります。「秩序を保持し、」というところをわれわれは強く訴えたいのであります。さらに、国会法二十条は、「議長は、委員会に出席し発言することができる。」となっております。昨晩の状態のときに、委員会はまさしく委員長の宣言で休憩になっていたのであります。休憩の札が下がっていたのであります。その休憩中に社会党の議員が部屋の中におった。しかし、一度でも、委員会を開くから諸君出てくれという通告もない。第一、議長みずからが国会法二十条に基づいて、当然委員会に来て、何時から委員絵を開くから社会党の諸君出てくれぬか、一言半面の通告も、相談も、話し合いもないじゃありませんか。私は、その点、国会法を忠実に守ろうとするならば、まず、国会法の十九条と二十条の規定を議長が……ヤジ議長、やじがある間はやりませんからね。やじがある間は休憩ですよ。議長、やじを制してください。やじをとめてください。
    〔発言する者あり〕
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小平久雄#14
○副議長(小平久雄君) 静粛に願います。静粛に願います。
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武藤山治#15
○武藤山治君(続) そこで、まず提案者にお尋ねいたしますが、第一は、この第十九条と二十条による法律で定められた手続を、議長は忠実に実行する意思があったのかなかったのか、あるいは、実際にこういう規定をフルに活用して、議長としての権威を守ろうとしたのかしないのか、この点が第一であります。
 第二は、国会法第四十九条に、「委員会は、その委員の半数以上の出席がなければ、議事を開き議決することができない。」と法律できまっている。私も、当日そこにおって見たのでありますが、私の目にとどまった議員は、内部に入ってきたのは四名であります。それ以外に、廊下か入り口をまたいだ議員が何人かおると聞いておりますが、これは一体何人ぐらいおったのでしょう。どう考えても、成規の法律に基づく成立要件を満たしていなかったと思うのでありますが、提案者はその当時の状況をどのように御判断されておりますか。
 さらに、新聞の報道によりますと、質問者の予定者は十八名通告してあった。ところが、十八名の予定者中質問したのは二名だ。三人目が質問をしていた。したがって、まだ通告者の六分の一も質問が終わっていない。十八人の通告者の中には公明党も民社党も通告してある。これらの人たちの質問も済んでいない。こういうやり方で、しかも、修正なるものまでこれにくっつけて一挙に採決をするということは、どう考えても正気のさたではできない措置だと思います。拍手これが民主主義のルールを守り、法律の尊厳と法律の正義を実現しようとする精神を踏みにじっていないといえるかどうか。この点、提案理由の説明をされた中嶋さんに、明快にひとつお教えを願いたいのであります。
 第四に、国会法五十七条の三には、修正案を可決したり修正をするときには、予算を伴う場合には、当然政府の意見を述べなければならないとなっている。その場合に、斎藤厚生大臣が意見を述べたということは、新聞にも全然書いてない。自民党がそういう説明をしたと書いてあるだけであります。そばにいた提案者は、はたして政府の見解がどのようなものであったかお聞きになりましたか、これをひとつ明らかにしてもらいたいのであります。
 さらに、今回の改正について私はたいへんな疑義を持つのであります。というのは、国会法の中には、議員修正の場合の規定がありません。しかし、議院内閣制は、すなわち多数党が国会運営のポイントを握り、内閣を握り、立法府と行政府の独占力を持っているわけであります。したがって、国会法五十九条の規定というものは、当然、議員修正の場合にもこの精神は生かさなければいかぬと思うのであります。しかるに、その規定を全く無視して今回の修正案なるものを可決したというに至っては、法の精神をじゅうりんするもはなはだしいといわなければなりません。拍手
 五十九条には、「内閣が、各議院の会議又は委員会において議題となった議案を修正し、又は撤回するには、その院の承諾を要する。」——「その院の承諾を要する。」とは、正式に議院運営委員会の議を経て、本会議において、重要法案ならば修正の説明をして、しかる後に委員会で十分議論をするのが法五十九条の精神であると私は思います。拍手これらの法の精神を無視したと私は感ずるのでありますが、提案者はいかなる御所見であるか、中嶋さんに伺いたいのであります。拍手
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小平久雄#16
○副議長(小平久雄君) 武藤君、制限の時間になりましたから、結論を急いでください。
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武藤山治#17
○武藤山治君(続) 最後にもう一点、これで終わります。
 もう一点は、自由民主党が会期を七十二日間延長したという問題は、憲法第五十九条に違反をするおそれがあるのであります。
    〔発言する者多し〕
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小平久雄#18
○副議長(小平久雄君) 静粛に願います。
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武藤山治#19
○武藤山治君(続) 議長、これじゃしゃべれません。
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小平久雄#20
○副議長(小平久雄君) 静粛に願います。
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武藤山治#21
○武藤山治君(続) 憲法第五十九条の問題であります。憲法第五十九条には——もう皆さんがやめろと言うから、私は一項、二項、三項はやめますが、四項目にはこう書いてある。「参議院が、衆議院の可決した法律案を受け取った後、国会休会中の期間を除いて六十日以内に、議決しないときは、衆議院は、参議院がその法律案を否決したものとみなすことができる。」すなわち、参議院の否決権というものは六十日間と憲法できまっておる。しかるに、六十日以上会期を延長するということは、参議院のこの否決権を否認するものであります。まさに憲法違反のおそれあるとわれわれは断ぜざるを得ない。拍手こういうような七十二日の長い会期を、何ら多数党にこれを忠告せずうのみにして、長期の国会延長を認めたという議長の責任は憲法軽視もはなはだしく、議会の民主主義のルールをじゅうりんするといわざるを得ません。この点について、憲法五十九条との関係における会期七十二日の延長というものが、いかような憲法違反のおそれがあるかを、中嶋さんからもひとつ御答弁をいただきたいと思います。
 以上で、私は質問を終わります。拍手
    〔中嶋英夫君登壇〕
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中嶋英夫#22
○中嶋英夫君 答弁申し上げます。
 国会の権威を保持し、国会の正常化を確立することのために、議長にぜひ積極的に働いていただきたいことを私どもは望みます。かりに、それが消極的であっても、好ましいことではありませんが、ある程度許し得ると思うのです。何ぶんの御年配であります。しかし、怠慢であることは許し得ないと思うのであります。ただいまの武藤山治議員からの質問の諸点は、私は、石井光次郎議長のこの怠慢な点をつかれたのだと思うのであります。私が不信任の決議の趣旨を説明したのも、指導性の喪失と同時に、その怠慢を責めたいのであります。
 第一点の国会法第十九条、二十条の関連において、「議長は、委員会に出席し発言することができる。」ということは、議長の任務である国会の権威を保持し、正常な運営を期するという立場から、必要があった場合は、議長はどの委員会にも行って話をすることができるということであります。前にも私は石井議長に、この点についての積極的な活躍を期待し、要求したことがあります。ところが、石井議長の考え方は、議長は委員会には口を出すべきではない、委員会でどんなことが起きようとも、とにかく、そこの委員長から報告が来れば、これを議長である私は拒み得ないのです、こういうお話であります。それは非常に大きな考え違いであるということでお話し合いをしたことがありますが、意識的なのか、あるいは錯覚なのか、ともかく、この考え方を一向に変えようとされないのでありまして、そういう点から、今回の問題についても、議長の怠慢のために、せっかく議長が国会の権威を守り、正常な運営のために積極的に動き得る余地があるのに、その余地に一歩も足を踏み入れることなく終わったことは、まことに遺憾であります。
 第二点の、国会法四十九条の関係であります。武藤議員は、問題の焦点である第三委員室の動きやいかにと、国民の生活に直結する問題がかかっておるだけに、重大な関心をお持ちになって、当日の様子をよく御存じのようであります。確かに、後部のほうに主ないし四名の自民党の議員がおられたことは私も知っております。同時に、前のとびらのほうから、やはり三、四名の人が委員室に片足あるいは両足お入りになったことも事実であります。したがって、どう見ても、与党の委員の出席は七名以下となるわけであります。この状態の中で採決がかりに行なわれたとしますならば、賛成者七名、当然否決をされる状態でありました。もっとも自民党諸君は、そのことなどはあまり気にしていないのであります。それは、あとの御質問にある厚生大臣が政府の意見を述べたかという問題との関連で、ともにお答えしたいと思うのであります。
 確かに斎藤厚生大臣の顔は見えました。そうすると、大臣のそばにおる自民党のある議員が、とにかく、わあっと叫んで手をあげていればいいのだ、とにかく、わあっと言って手をあげればそれで済むのだと盛んに指導をいたしておりました。これに対し斎藤厚生大臣は、うんうんと、あごを上下するだけ、うなずいただけであります。間もなく退席をいたしました。したがいまして、冒頭の趣旨弁明で申し上げましたように、修正動議の提出と大臣の意見表明と委員長のそれぞれの発言、採決が二分、三分で終わりようがないのでありますから、委員会における採決は存在しなかったとお答えせざるを得ないのであります。
 同時に、第三の御質問でありますが、延長法案が一つの法律案として国会の審議にかかり、議運委員会の議を経て本会議で趣旨説明があり、総理大臣から前の約束を破って申しわけないというおわびのことばがあって、そして委員会に付託されました。ところが、今度の修正案というのは、原案の期間を延長するという内容と全然異なって、二年前に、これを恒久化しない、二年の間に抜本改正を出すという約束と全然違反をした、いわゆる現在の特例をそのまま恒久化しようという内容でありますから、当然新たな提案、したがって、前の提案は撤回、議運委員会の議を経て本会議あるいはそれを省略して委員会付託、こういうことになるのが当然でありました。この手続を省略して、修正案が第三委員室における社労委員会の席に突如と顔を出したことそれ自体が大きな間違いだといわざるを得ません。
 次に、憲法五十九条の関連における、すなわち、参議院における審議が六十日間進まない場合、衆議院で可決をした案件が六十日をこえると、参議院が、まだ賛否が明らかでなくとも、これを否決したものと一方的に認めるという条項があります。したがって、六十日以上の会期延長を意図的に多数派が行なって、参議院が慎重審議をしておる間——あるいは国会の運営ですからいろいろな戦術もあります。ことさらに他の法案に重点を置いて、その法案をあと回しにしておいて、六十日たったからあれは否決したものだ、返してほしい、衆議院では三分の二の人々が集まってそこで採決をしたと、こうなりますと、これで多数派の横暴はいよいよその道を広くするわけであり、したがって、当然この憲法の精神からまいりますと、会期延長は、どのように長くとも六十日でとめるのが至当だと考えるのであります。したがいまして、武藤山治議員の指摘した諸点——私、冒頭申し上げましたように、できれば石井議長に積極的な指導性を発揮していただきたかった。少なくとも、消極的にしろ、その意欲があることを私どもに示していただくならば、私どもは、この議長のもとにあすへの希望、あすへの期待を持ち続けることができたであろう。しかし、完全なる怠慢では、何としてもこの議長のもとに今後の国会運営を進めることは——野党に不利だとか、与党に有利だとかということを越えて、いわゆる国会の権威を高め、国民の国会に対する信頼を育て、拡大し、守るためには、議長の積極的な指導性が必要だという考え方に変わりはないのでありますので、御了承をいただきたいと存じます。拍手
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小平久雄#23
○副議長(小平久雄君) 井上泉君。
    〔井上泉君登壇〕
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井上泉#24
○井上泉君 私は、ただいま提案をされました石井議長不信任案に対し、全面的に賛成するものでありますけれども、事は、日本のいわゆる国権の最高機関といわれまする国会の議長の身分に関することでありますので、提案者の中嶋議員に対し、いま少しく提案の内容について御説明をいただきたいと思います。
 そのまず第一点は、確かに中嶋議員は、さきに健保の特例法案が出されたときの国対の副委員長であったと記憶をするわけでございます。そしてわれわれは、初めて経験をした牛歩戦術というものを用いた、その思い出のあるときの国対の副委員長であり、その当時の議長がやはり石井議長であったことであります。私は、そのときからすでに、この石井議長には日本の国会の運営を託する議長としての資格なしと、かように判断をいたしましたけれども、一年生の身として、石井議長の不信任を出すというようなことを申し上げるのはいささか僭越と考えて、遠慮しておったわけでございます。その後の二カ年の経過を見ましても、全く私の当初感じたとおりの石井議長の行動でございます。そこで、その問題となりました健保特例法の二年前の国会の当時の状況と、そうしてその後この特例法に対して政府がとり来たったところの態度、そしてまた国会がとり来たったところの態度等について、いま少しく詳細に説明を賜わりたいと思います。
 次に、この国会というものは、国権の最高の機関として、国民の前にこの巨大な建物が君臨をしております。しかしながら、建物が巨大なるだけであって、ほんとうに日本の国民のしあわせを守ってきたかということを考えてみますと、いささか疑問を持たざるを得ないものがあるわけでございます。ましてや、戦前の政治を担当せられた方等におきましては、今日日本の国が、戦後二十四年たったといいながらも、いまなお広島では原爆の症状のもとに苦しんでおる同胞があり、そうしてまた同じ沖繩では、同胞百万のわが国民が、アメリカ軍の銃剣の支配の中に本土への即時復帰を念願して戦っておる、この悲惨な第二次世界大戦を引き起こし、その戦争を阻止することのできなかったのが国会であり、むしろ戦争に拍車をかけたのがこの国会であったわけでございます。私は、そこに戦前の政治家の政治姿勢というものをきびしく糾弾しなくてはならないと思います。石井議長は、政治経歴のきわめて古い方でございますので、この時代に生きてきた方だと思います。だから、石井議長の政治姿勢というものが戦中戦後においてどのような政治姿勢であったのか、これまた先輩である中嶋議員に御説明を賜わりたいと思います。拍手
 そうして、もう一点は、私どもが委員会で法案を審議するときにふしぎに思うことは、法案審議にはろくろく参加せずに、法案の採決のときには、いわゆるてんぷら屋小僧と称せらるるような、あげることのみにきゅうきゅうとして追い回されておる自民党の議員が入ってきて、法案をそのまま可決をし、本会議に送り込むというこのやり方です。こういうふうなことで、はたして国民のためのしあわせな政治、法律が生まれるかという疑問を持たざるを得ないのでございます。拍手この点について、先輩中嶋議員の御意見を賜わりたいと思います。
 次に、石井議長は、私どもがこの国会に出る以前のことですけれども、総裁選に出馬をし、日本の総理を夢見たところのいわゆる大政治家だと私どもは承知をしておったのでございます。しかしながら、私はその自民党の体質を考え、そしてまた、石井派という派閥の領袖であるということを考えた場合に、私どもが選挙で出てきたところのいわゆる黒い霧解散というその時点において、この石井派と称する政治派閥に対する黒い霧の問題はなかったかということでございます。これはやはり石井派の領袖であり、国会の議長である石井議長にとっては、この問題は欠くことのできない資格の条件だと思うので、この点についても中嶋議員の説明を求めたいと思います。拍手私は、石井議長が、石井議長の頭の髪のごとく純白そのものであったのかどうか、そのことについて、十分なる政治経験を持たれておる中嶋議員でございますので、十分な御説明が願えるものと確信をするものでございます。
 いまやわが国は、安保条約破棄を目ざす国民の願いというものがますます大きな高まりを見せております。政府・自民党は、この日米軍事条約ともいうべき安保条約破棄への願いを無視して、ひたすら日本の政治、経済の体制をアメリカ帝国主義者に奉仕をせしめようとしております。私どもは、この議事堂が日本の平和と日本の民主主義を守る殿堂として、第二次世界大戦に多くの国民に大きな犠牲をしい、たくさんの命を失わしめたような、ああいうあやまちを、この議事堂の中から再び起こさしめないようにしていただきたい。しなくてはならない。これがわれわれ議員としての任務であり、議長はそれに対して、その議長としての権威というものを守り、その方向に議会の指導に当たらなくてはならないと思います。それにもかかわらず、議長は総裁選に敗れ、さらにまた佐藤総理のひざに屈して議長のいすに恋々としておるような状態を考えた場合に、私は、議長はよわいまさに七十二歳と聞くのでありますが、だから老人の執念ともいうべき権力への執着が、議長にこのような状態を起こしてまで議長としてのいすにかじりつきたいという心境にあるのかどうか。それがために、単に健保特例法の審議強行、こういう議事上の混乱だけではなしに、議長としての公的な仕事、任務を遂行する上における議長自身の性格的な欠点というものを中嶋議員はお考えになって、さらに不信任の理由の一端とされておるように聞き及ぶわけでございますが、この点についての中嶋議員の御説明を承りたいと思います。
 要するに、私どもは、少なくとも国権の最高の機関としての議長としてふさわしくないとわが党の中嶋議員が提案をしておるこの議長不信任案に対し、与党たりといえども、これに反対する何ものもないということを申し上げて、私の質問にかえます。拍手
    〔中嶋英夫君登壇〕
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中嶋英夫#25
○中嶋英夫君 健康保険特例法の問題が重要問題だから、自民党は暴挙強行をしようとした、私どもは、重要問題だからこれに対する監視をきびしくし、抵抗する、どこが重要かであります。この問題についての解明を井上議員は求められました。
 戦争前には、子供を五人、六人つくるのがあたりまえでありました。十人の子持ち、子福者というのも、そう多くはないが、たいていの部落、たいていの町内にあって珍しいことではなかった。いまは子供を二人でやめる、三人目をどうすろか。産児制限が普及したからといいますが、これは戦争が終わったあのあとの極端な食糧難、住宅難生活苦の中で、一時しのぎ、やむを得ないものとして私どもは採用したはずであります。決して一生、孫子の代までわれわれ日本人は子供はつくらぬのだと、こうきめたわけではない。その一時しのぎが、あたりまえになり、固定化しつつあります。これはなぜでありましょう。経済第一主義の影響であります。ものをつくる力は世界で三番目になった。船をつくらしては世界で一番、自動車をつくらしては世界で二番、そのつくっておる人々の生活の実態は非常におくれておる。いわゆる子供を産み、育てるという基本的この条件ですら、私どもは、戦前よりもきびしい状態を国民に与えておるということ。住むという条件、その他の基本的条件で、私どもは、大切なことをがまんすることによって、別な喜びを求める。たとえば子供をつくることをがまんをして、うちを建てようとしたり、うちを建てることをあきらめて、子供の進学、その将来に夢を託する。あるいは中には、うちをつくることはとても無理だ、貯金しても、地価がどんどん上がっていく。子供をつくることも、それをやれば生活が苦しい。両方あきらめた。それでは自動車を買おう、レジャーを楽しもう、こういう風潮を生む経済第一主義、そろばん主義、採算主義が、いわゆる社会保障制度として採用すべき日本の医療制度を、そろばんずくの社会保険として存在せしめ、そこに会計がちょっと苦しければ、いわゆる受益者負担の考え方で、せっかく日本をここまで持ち上げてきておる、努力しておる人々に負担をかけていく。こういうことで、健康保険の問題が絶えず国会で大きな議論になるわけであります。この真因を議長がよく知り、そのことについて議長としての見識ある立場から、慎重に、慎重にと審議を要請するのが当然だろうと思うのでありまして、この点不十分であったことは、残念ながら怠慢だといわざるを得ません。
 私は、本来、人を信じやすいほうであります。人と人との間はできるだけ好ましい状態に置くべきだという考え方を持っております。したがって、戦前からの政治家としての石井光次郎君の足跡をここで語ることはお許しをいただきたいと思います。また、その自民党内における位置とか、どういうお考えで、どういう動きがあったとか、何か忌まわしいことに関係があったかどうか、そういう問題についても答弁はお許しをいただきたいと思います。
 先ほど出ました、法律案をとにかく上げることに、上げることにと専念する最近の自民党の動き、これも私はやはり能率主義、打算主義、経済第一主義の影響だと思うのです。まさに行き詰まりを見せつつある日本の経済第一主義の、その悪い風潮がついに国会まで及んできた。いわゆる人間喪失の風潮を国会の中にまで広げていくということは、私は、特に前途有為と目される自民党内の生き生きとした若い議員諸君の中に広まりつつあることを、非常に残念だと考えるものであります。拍手したがって、こういう点について井上議員の御心配になる点は、ひとつお互いにお互いの問題として改革をはかっていくことが、かりに石井光次郎氏がこの議場で議員各位の多数の決議でこの議長の座を去りましても、その去ったあとを埋めるものとして、私は大きいものがあると信じます。
 それから、今後、安全保障の問題をめぐって国会がいろいろ紛糾する可能性が多いというお考えのもとに、国会運営との関係でこの点にお触れになりました。安全保障については、各党それぞれに意見の相違があります。しかし、少なくとも私どもは、議長のもとでよく話し合いをし、安全保障の問題と取り組むときに、どの党に所属しようが、合意する点があると思うのです。合意できる点があると思うのです。それは、いままでの人間の歴史は戦争、戦争、戦争の歴史でありました。人間の歴史そのものが戦争の歴史という、そういう感じすらありました、西洋においても、東洋においても、日本においても。そしてその戦争は、勝った者は得をし、敗れた者は損をする、いや、損どころか、非常に悲惨な状態におちいるということを歴史は示しております。したがって、おのおのの中には、戦には敗れてはならない、戦争で負けてはならないという、そういう意識がまだ残っております。しかし、いま、月にロケットが届く以上の大きな人間の歴史上の大変革があります。それは、戦争は勝っても負けても損だということであります。勝っても負けても何にも得ることがない。アメリカがベトナムの地で長年にわたって多額の戦費を投入して、いまアメリカ経済に大きな暗影を投げかけておる。三万四千の人命を失い、何十万というアメリカの青年が病み、傷つき、倒れていく、あるいはそれがアメリカの黒人問題に反映し、日本にない大騒擾事件がアメリカ各地に起きておるという事実、そして。ハリ会談の進行の中で、少しずつ、未練たらたら譲っていっても何もそこで得るものがないという、こういう事実。したがって、この点は、私は党派を越えて合意ができると思うのであります。同時に、戦争があってはならない。しかし、この戦争というものが、南米やアフリカやその他の国のようなおくれた地域では、どんどんぱちぱちの戦争があるかもしれない。しかし、工業力の進んだ日本、ドイツ、フランス、イタリア、アメリカ、ソビエト、こういう大国間において、もしあってはならない戦争があったとするならば、それは破滅の戦争、ボタン戦争、核戦争。したがって、私どもは、もし戦争が起きた場合に、どの党の政策がいいか、どの党の防衛政策がいいかということの比較をしておるということは、ちょうど関東大震災の二十倍、三十倍規模の大地震があったときに、自民党といううちなら残る、社会党といううちならつぶれるという、そんな議論をしておることと同じだ。したがって、私どもは、起きた場合という前提での防衛論争をやめるなら、新しい議長のもとに、安全保障の問題でさえ、国会の正常を保ち、権威を保ちつつ、お互いの真意を交換できることを信じ、井上泉議員に対するお答えとしたいと思います。拍手
    —————————————
質疑終局の動議(園田直君外二十六名提出)
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小平久雄#26
○副議長(小平久雄君) 園田直君外二十六名から、質疑終局の動議が提出されました。
 本動議を採決いたします。
 この採決は記名投票をもって行ないます。本動議に賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参せられんことを望みます。——閉鎖。
    〔議場閉鎖〕
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小平久雄#27
○副議長(小平久雄君) 氏名点呼を命じます。
    〔参事氏名を点呼〕
    〔各員投票〕
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小平久雄#28
○副議長(小平久雄君) 投票漏れはありませんか。——投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開匣。——開鎖。
    〔議場開鎖〕
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小平久雄#29
○副議長(小平久雄君) 投票を計算いたさせます。
    〔参事投票を計算〕
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