武藤山治の発言 (本会議)
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○武藤山治君(続) そこで、まず提案者にお尋ねいたしますが、第一は、この第十九条と二十条による法律で定められた手続を、議長は忠実に実行する意思があったのかなかったのか、あるいは、実際にこういう規定をフルに活用して、議長としての権威を守ろうとしたのかしないのか、この点が第一であります。
第二は、国会法第四十九条に、「委員会は、その委員の半数以上の出席がなければ、議事を開き議決することができない。」と法律できまっている。私も、当日そこにおって見たのでありますが、私の目にとどまった議員は、内部に入ってきたのは四名であります。それ以外に、廊下か入り口をまたいだ議員が何人かおると聞いておりますが、これは一体何人ぐらいおったのでしょう。どう考えても、成規の法律に基づく成立要件を満たしていなかったと思うのでありますが、提案者はその当時の状況をどのように御判断されておりますか。
さらに、新聞の報道によりますと、質問者の予定者は十八名通告してあった。ところが、十八名の予定者中質問したのは二名だ。三人目が質問をしていた。したがって、まだ通告者の六分の一も質問が終わっていない。十八人の通告者の中には公明党も民社党も通告してある。これらの人たちの質問も済んでいない。こういうやり方で、しかも、修正なるものまでこれにくっつけて一挙に採決をするということは、どう考えても正気のさたではできない措置だと思います。(拍手)これが民主主義のルールを守り、法律の尊厳と法律の正義を実現しようとする精神を踏みにじっていないといえるかどうか。この点、提案理由の説明をされた中嶋さんに、明快にひとつお教えを願いたいのであります。
第四に、国会法五十七条の三には、修正案を可決したり修正をするときには、予算を伴う場合には、当然政府の意見を述べなければならないとなっている。その場合に、斎藤厚生大臣が意見を述べたということは、新聞にも全然書いてない。自民党がそういう説明をしたと書いてあるだけであります。そばにいた提案者は、はたして政府の見解がどのようなものであったかお聞きになりましたか、これをひとつ明らかにしてもらいたいのであります。
さらに、今回の改正について私はたいへんな疑義を持つのであります。というのは、国会法の中には、議員修正の場合の規定がありません。しかし、議院内閣制は、すなわち多数党が国会運営のポイントを握り、内閣を握り、立法府と行政府の独占力を持っているわけであります。したがって、国会法五十九条の規定というものは、当然、議員修正の場合にもこの精神は生かさなければいかぬと思うのであります。しかるに、その規定を全く無視して今回の修正案なるものを可決したというに至っては、法の精神をじゅうりんするもはなはだしいといわなければなりません。(拍手)
五十九条には、「内閣が、各議院の会議又は委員会において議題となった議案を修正し、又は撤回するには、その院の承諾を要する。」——「その院の承諾を要する。」とは、正式に議院運営委員会の議を経て、本会議において、重要法案ならば修正の説明をして、しかる後に委員会で十分議論をするのが法五十九条の精神であると私は思います。(拍手)これらの法の精神を無視したと私は感ずるのでありますが、提案者はいかなる御所見であるか、中嶋さんに伺いたいのであります。(拍手)