井上泉の発言 (本会議)
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○井上泉君 私は、ただいま提案をされました石井議長不信任案に対し、全面的に賛成するものでありますけれども、事は、日本のいわゆる国権の最高機関といわれまする国会の議長の身分に関することでありますので、提案者の中嶋議員に対し、いま少しく提案の内容について御説明をいただきたいと思います。
そのまず第一点は、確かに中嶋議員は、さきに健保の特例法案が出されたときの国対の副委員長であったと記憶をするわけでございます。そしてわれわれは、初めて経験をした牛歩戦術というものを用いた、その思い出のあるときの国対の副委員長であり、その当時の議長がやはり石井議長であったことであります。私は、そのときからすでに、この石井議長には日本の国会の運営を託する議長としての資格なしと、かように判断をいたしましたけれども、一年生の身として、石井議長の不信任を出すというようなことを申し上げるのはいささか僭越と考えて、遠慮しておったわけでございます。その後の二カ年の経過を見ましても、全く私の当初感じたとおりの石井議長の行動でございます。そこで、その問題となりました健保特例法の二年前の国会の当時の状況と、そうしてその後この特例法に対して政府がとり来たったところの態度、そしてまた国会がとり来たったところの態度等について、いま少しく詳細に説明を賜わりたいと思います。
次に、この国会というものは、国権の最高の機関として、国民の前にこの巨大な建物が君臨をしております。しかしながら、建物が巨大なるだけであって、ほんとうに日本の国民のしあわせを守ってきたかということを考えてみますと、いささか疑問を持たざるを得ないものがあるわけでございます。ましてや、戦前の政治を担当せられた方等におきましては、今日日本の国が、戦後二十四年たったといいながらも、いまなお広島では原爆の症状のもとに苦しんでおる同胞があり、そうしてまた同じ沖繩では、同胞百万のわが国民が、アメリカ軍の銃剣の支配の中に本土への即時復帰を念願して戦っておる、この悲惨な第二次世界大戦を引き起こし、その戦争を阻止することのできなかったのが国会であり、むしろ戦争に拍車をかけたのがこの国会であったわけでございます。私は、そこに戦前の政治家の政治姿勢というものをきびしく糾弾しなくてはならないと思います。石井議長は、政治経歴のきわめて古い方でございますので、この時代に生きてきた方だと思います。だから、石井議長の政治姿勢というものが戦中戦後においてどのような政治姿勢であったのか、これまた先輩である中嶋議員に御説明を賜わりたいと思います。(拍手)
そうして、もう一点は、私どもが委員会で法案を審議するときにふしぎに思うことは、法案審議にはろくろく参加せずに、法案の採決のときには、いわゆるてんぷら屋小僧と称せらるるような、あげることのみにきゅうきゅうとして追い回されておる自民党の議員が入ってきて、法案をそのまま可決をし、本会議に送り込むというこのやり方です。こういうふうなことで、はたして国民のためのしあわせな政治、法律が生まれるかという疑問を持たざるを得ないのでございます。(拍手)この点について、先輩中嶋議員の御意見を賜わりたいと思います。
次に、石井議長は、私どもがこの国会に出る以前のことですけれども、総裁選に出馬をし、日本の総理を夢見たところのいわゆる大政治家だと私どもは承知をしておったのでございます。しかしながら、私はその自民党の体質を考え、そしてまた、石井派という派閥の領袖であるということを考えた場合に、私どもが選挙で出てきたところのいわゆる黒い霧解散というその時点において、この石井派と称する政治派閥に対する黒い霧の問題はなかったかということでございます。これはやはり石井派の領袖であり、国会の議長である石井議長にとっては、この問題は欠くことのできない資格の条件だと思うので、この点についても中嶋議員の説明を求めたいと思います。(拍手)私は、石井議長が、石井議長の頭の髪のごとく純白そのものであったのかどうか、そのことについて、十分なる政治経験を持たれておる中嶋議員でございますので、十分な御説明が願えるものと確信をするものでございます。
いまやわが国は、安保条約破棄を目ざす国民の願いというものがますます大きな高まりを見せております。政府・自民党は、この日米軍事条約ともいうべき安保条約破棄への願いを無視して、ひたすら日本の政治、経済の体制をアメリカ帝国主義者に奉仕をせしめようとしております。私どもは、この議事堂が日本の平和と日本の民主主義を守る殿堂として、第二次世界大戦に多くの国民に大きな犠牲をしい、たくさんの命を失わしめたような、ああいうあやまちを、この議事堂の中から再び起こさしめないようにしていただきたい。しなくてはならない。これがわれわれ議員としての任務であり、議長はそれに対して、その議長としての権威というものを守り、その方向に議会の指導に当たらなくてはならないと思います。それにもかかわらず、議長は総裁選に敗れ、さらにまた佐藤総理のひざに屈して議長のいすに恋々としておるような状態を考えた場合に、私は、議長はよわいまさに七十二歳と聞くのでありますが、だから老人の執念ともいうべき権力への執着が、議長にこのような状態を起こしてまで議長としてのいすにかじりつきたいという心境にあるのかどうか。それがために、単に健保特例法の審議強行、こういう議事上の混乱だけではなしに、議長としての公的な仕事、任務を遂行する上における議長自身の性格的な欠点というものを中嶋議員はお考えになって、さらに不信任の理由の一端とされておるように聞き及ぶわけでございますが、この点についての中嶋議員の御説明を承りたいと思います。
要するに、私どもは、少なくとも国権の最高の機関としての議長としてふさわしくないとわが党の中嶋議員が提案をしておるこの議長不信任案に対し、与党たりといえども、これに反対する何ものもないということを申し上げて、私の質問にかえます。(拍手)
〔中嶋英夫君登壇〕