坪川信三の発言 (建設委員会)
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○国務大臣(坪川信三君) 建設行政の諸施策について御審議をお願いするにあたりまして、建設行政の基本的な考え方について、私の所信を申し述べたいと存じます。
さきの建設大臣就任あいさつにおいて申し述べましたとおり、建設行政の使命は、住宅、都市、河川、道路等に関する各般の施策を通じて、立ちおくれた社会資本を充実強化し、国民経済の発展と国民生活の安定向上をはかり、住みよい国土を建設することにあります。
昭和四十四年度においては、これらの施策を積極的に推進するため、建設省関係事業費の規模は、二兆円余に達することになります。この膨大な資金をもって事業執行に当たるからには、最も効率的にこれを活用すべきはもとよりのことであります。また、そのすべてが国民の貴重な資金であることを思えば、特にきびしい倫理感と使命感をもって、国民と愛情のあるつながりを持った公正な施策を推進し、すみやかにその成果をあげることこそ、建設行政を遂行する上で、何よりも根本であると信じております。
高度成長の経済下において、全国的規模で都市化の現象が進展し、国土も、われわれの生活も、激動の波に洗われております。私は、この国土の一大改造期に直面して、これを賢明に乗り切り、均衡ある豊かな国土を二十一世紀に残すために、創意をこらして邁進する決意であります。よろしく御指導、御支援くださいますようお願いする次第であります。
以下、当面の施策について申し述べることといたします。
第一に、住宅問題であります。
昭和四十五年度までに一世帯一住宅の実現を目標とする住宅建設五カ年計画の達成を目ざし、第四年度に当たる昭和四十四年度においては、政府施策住宅の戸数を、前年度より六万七千戸伸ばして五十七万三千戸の建設を行なうこととしております。
また、公営住宅の建設につきましては、事業量の増大をはかるとともに、用地費に対する補助を地方債に切りかえ、地方の超過負担の解消をはかることといたしております。このほか、公営住宅の管理の適正化をはかるため、公営住宅法の改正案を提出することといたしております。
さらに、民間住宅の建設の促進をはかるため、昭和四十四年度におきましては、住宅融資保険のワクの拡大及び保険料率の引き下げを行なうとともに、税制上の優遇措置を拡充することといたしております。
次に、建築行政につきましては、近時ホテル、旅館等の火災により人身事故が頻発している実情にかんがみ、このたび、建築基準法施行令を改正して、とりあえず大規模建築物等の防火、避難対策を強化することといたしました。さらに、安全基準を整備するとともに、都市化現象の進展に対処し、土地利用の純化、合理化をはかるため、用途地域制を整備し、建築行政の執行体制を強化する必要があると考えております。このため、目下建築基準法の改正を準備中であります。
第二に、都市対策であります。
第五十八回国会において成立いたしました都市計画法が、いよいよこの六月を期して施行となりますので、市街化区域の設定、大幅な土地区画整理事業のための調査を早急に行なうとともに、道路、下水道、都市公園その他の主要な都市施設の計画的かつ先行的な整備をはかる所存であります。
また、市街地における土地の高度利用と都市機能の更新をはかり、あわせて住宅供給の促進をはかるため、都市再開発法案を今国会に提出することといたしております。
さらに、下水道整備五カ年計画を近く閣議決定し、公共下水道における補助対象事業の割合を引き上げることといたしております。
第三に、土地問題であります。
近年の地価高騰に対処するため、政府としては、昨年十一月地価対策閣僚協議会において決定された総合的な地価対策の実施をはかることといたしております。
このうち、特に新たな制度として、かねて国会の決議等において強く要望ありました地価公示制度を、昭和四十四年度から発足させることといたしております。すなわち、建設省に土地鑑定委員会を設け、市街化区域について標準地の適正な時価を毎年定期的に公示するものとし、地価形成の合理化をはかるようするものであります。このため、今国会に地価公示法案を提出することといたしております。
第四に、治水対策であります。
最近の災害の発生状況等とますます増大する水需給の緊迫化に対処するため、昭和四十四年度においては、新治水事業五カ年計画の第二年度として、中小河川の対策、都市周辺の河川の整備に重点を置き、河川改修事業、ダム建設、砂防事業等の計画的推進をはかる考えであります。
また、海岸事業、急傾斜地崩壊対策事業にも意を用い、さらに公共土木施設の災害復旧の早期完成につきましては、一そうの努力をいたす所存であります。
なお、第五十八回国会より継続審議となっております急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律案につきましては、災害防止の緊急性にかんがみ、早期成立をお願いするものであります。
第五に、道路問題であります。
道路の整備については、第五次道路整備五カ年計画の第三年度として、事業の積極的推進をはかることといたしております。特に国土開発幹線自動車道の建設を促進するものとし、また、一般国道については、一次改築の概成を急ぐとともに、バイパスの建設を促進することといたしております。都道府県道については、特に舗装事業を強力に推進し、舗装率を格段に引き上げる所存であります。その他奥地開発道路、山村振興道路等の整備をはかる所存であります。
さらに、交通安全対策の推進につきましては、昭和四十四年度を初年度とする交通安全施設等整備事業三カ年計画を策定して、交通安全施設の整備をはかりたいと考えております。
そのほか、積雪寒冷地域における道路の交通確保をはかるため、雪寒事業、特に除雪事業を拡大強化する所存であります。
また、有料道路による道路整備の促進をはかるため、有料道路整備事業への融資を大幅に拡充するほか、地方公共団体が設立する公社等の法人に有料道路事業を行なわせる道を開くため、道路整備特別措置法の改正を準備いたしております。
以上、諸般の施策について所信を申し述べましたが、いずれも国民の生活と生命にかかわる重大な問題でありますので、国民の期待を身に体し、誠心誠意、建設行政の推進につとめる所存でありますので、何とぞよろしくお願い申し上げる次第であります。
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