愛知揆一の発言 (外務委員会)
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○愛知国務大臣 先ほど申しましたように、いわゆる核拡散防止条約の署名を決意いたしましたときに、北京政府の態度に対する呼びかけをしたということも、先ほど私が申しましたような気持ちからであります。
それから二つの中国論というものは、まあこれはざっくばらんに申しまして、やはり国際的にタブーでございますので、政府としてこれにコメントできませんけれども、ただこれはちょうど先般の小坂提案にもございますように、北京政府と台湾政府とが相互に武力を行使しないことを希望する。やはりこれは両方とも内政問題であるといい、一つの中国ということを主張してやまないわけでございますから、それならそれでひとつ両者の間で平和的に何とか解決のめどがつかぬものだろうかということを、現状としては期待をいたしておる。それから同時に、先ほどもお話があったように、北京政府が中国本土を支配していることは事実なのでありまするから、その事実に即して、政府といたしましては前々から申し上げておりましたが、たとえば抑留邦人の問題についてはだいぶ時間がかかりましたけれども解決したといいますか、釈放してくれた者もあって、その点は喜んでおるわけですが、なお残っておる人もございますし、それらを含めてではありますが、同時に、第三国において日中両方が大使館を持っているところも相当ございますし、それから北京政府の側も文化大革命の終息に伴って、いわば外交機能の回復ということにだんだん努力のあとが見えてきておるようにも思いますので、こういう機会でございますから、日本としては、いつどこででもけっこうですが、そういう場所において、いわば大使級会談なりあるいは政府機関同士、外交機関同士の接触、話し合いができれば喜ぶべきことであるということで努力をいたしておるわけでございます。こういうことができればまず——いままでずいぶん長きにわたって率直に言って双方に誤解もありましょうし、また直接触れないでいていろいろと意見を言ってみるよりも直接触れ合って、政府機関同士が、たとえばわが方からいえば敵視政策などというものはとっているつもりはない、あるいは共同声明に盛られている日本としての考え方はこうなんだといろいろと説明をしたい機会もあるわけでございます。そういうことも直接の話し合いの場ができれば、それをだんだん積み上げていくことによって事実的にいろいろと実りも期待できるのではなかろうか。こういう考え方で努力しているのでありますけれども、先般予算委員会で申し上げましたように、現在のところこれといって御報告のできるような事実とか事態はまだできておりません。私どもとしては、誠意を尽くしてそういう接触をできるようにいたしておる。これが現状でございます。