松本七郎の発言 (外務委員会)

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○松本(七)委員 法理的にはそれを正統政府だと解釈しながら、現実には大陸には支配が及んでないわけですから、その現実の事実を認められるのならば、法理論だけではなしに、いま中国と日本との関係を打開しようというのは、これは実際の政治の面でその現実の条件の上に立脚しなければ、法理論だけ振りかざしていたのでは打開できないわけなんで、そこに問題があるわけでしょう。藤山さんの言う基本的姿勢が大事だというのも、そこのところをついているわけです。法理論一点ばりで言うのなら、日華条約を結んだときと何ら変わりはない。しかし当時から政府の説明しているように、それは日本の政府は中華民国政府を選択したのですから、その中華民国政府がただ法理的に唯一の主権者であるばかりでなしに、現実に大陸に支配を及ぼすことを期待する、そういう期待をすることは、それは政府の自由でしょう、そういう答弁をいままでもやってきました。だけれども、その現実の動きというものは、政府が期待するようには動いていないのだから、むしろ国際的な発言力その他では、政府が期待したと反対の方向に、だんだん中華人民共和国政府の力というものが国際的には増大してきているわけなんです。
 そこで、自民党政府としてもあるいは自民党自体としても、いろいろな人を派遣して、貿易面から打開していこう、さらにそれでは足りない、もっと日中の関係を全面的に改善していこうというような発言が総理からもなされるという事態になってきたわけです。こうなると、やはりその現実の事態というものにもつと目を向けて、そうして現実に支配が及んでないし、だんだんその支配する力というものが弱まってきておるという、この現実を考えるならば、やはり中華民国政府は実態的には限定政権であるということはいえると思うのです。それを、限定政権ということばさえ回避しようという、そういう態度に終始しておったのでは、これは幾ら松村さんを迎えるためにわざわざ飛行機を出そうが、そういう小手先の細工をどんなにしても、私はこれはごまかしにすぎないと思うのです。ただあたかも政府が前向きに日中関係を改善しよう、前進させようとしておるのだというポーズを国民の前に示したにすぎない、これは一種の欺瞞です。
 ですから、この現実に立脚した、もっと政府のはっきりした姿勢というものを私は要求せざるを得ないし、それがまた自民党の藤山さんなんかの代表した人の発言になって、ああいう公の席であそこまで——普通に、常識的に考えれば、あれほど大事な問題で基本的な意見が分かれておるものが、よくもうまく一つの政党にまとまっているものだと思うほど、これは大きな違いがあるのですから、政府はほんとうに日中関係を打開しようという方針があるのならば、ああいう公の席で自民党内で意見の食い違いのあった点について、もう少し前進的な解釈を、また態度を政府もとるべきだと思うのですが、いかがですか。

発言情報

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発言者: 松本七郎

speaker_id: 4708

日付: 1970-03-18

院: 衆議院

会議名: 外務委員会