松本七郎の発言 (外務委員会)
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○松本(七)委員 きょうは運輸大臣に来ていただいてどうも御苦労さんです。いま審議中の旅券法改正案ですが、御存じのように海外旅行も非常にふえているので、旅券給付の能率もあげようというので、かなり改善のあとが見えるのですけれども、私どもが前回の国会でも重点的にただした点は、要するに、社会主義諸国あるいは承認国と非承認国の間、そういうところに、同じ旅券の発給にしても非常に差別があるわけです。だから、この差別をどの程度なくす姿勢が政府にあるか。またそういう方針に基づいて具体的に今後どう前進するかという点が今回の特に私どもの注目しているところなんです。
それで参考までに運輸大臣に申し上げるならば、旅券というのは許可でなくて、本来はもう全面的に認めるものだ。ただし、場合によっては気違いを外国に出すわけにいかないですから、そういう場合に個人を対象にして例外的にはこれを許可しない場合がある。そういうふうに本来は身分証明書であって、その身分証明書によって相手国に対して保護を要請する、こういうことでなければならないと思うのです。それが日本の場合は依然としていわゆる外出許可みたいな許可証的な性格を持っているわけです。この点は、外務大臣の答弁によりましても、政府は将来そういう方向に持っていきたいんだ、本来そらあるべきだ、しかし今日すぐそういうふうなところまで到達できないので、漸進的にそういう姿勢で取り組みたい、こういうことです。
そこで、いろいろ質問した中で、社会主義諸国、特に大臣御存じでしょうけれども、未承認国の中で朝鮮民主主義人民共和国に対する扱いが一番きびしいし、差別がひどいわけです。その次はドイツ民主共和国、これは朝鮮の場合は韓国から非常にやかましくいってくる、ドイツの場合は西独からいろいろいってくる点があると思うんです。そういう点を非常に気がねしている。だから今日はもうこういう情勢ですけれども、これらの面についても旅券法が改正になったあとは運営について大いに自主的な態度を貫いてほしいという要望を付して質問は展開してきたわけです。
そこで結局きょう大臣に私は御意見を伺いたいのは、時間が非常に制限されておりますから、一つ一つやっていると時間をとりますから、質問する要点だけ最初にごくかいつまんで申し上げておきますから、一応御答弁を願って、その上でまた詳しいあれが必要なら質問したいと思います。
一つは、社会主義諸国、これは同じ社会主義諸国といっても非常に違うでしょう。いろいろ違うでしょうが、社会主義諸国に行く人も非常にふえてきたし、これからもまたふえると思いますね。それと同時に社会主義諸国と体制が異なる国ともだんだん、一歩ずつではあるけれども、友好関係を前進させようという政府の方針ならば、旅券法というようなそういうものの扱いばかりではなしに、その発給自体においてはある程度の差別はあっても、それをなくすためにはやはり具体的な経済交流とか文化交流、学術交流あるいは新聞記者の交流、そろいうものを積み重ねることによって一そうその友好関係は促進するし、また旅券法のねらいも円滑に実施できてくると私は思うのです。だから旅券法を改正したらそれでいいというものではないので、やはり実際の社会主義諸国との交流をどうするかということが非常に大事なことになってくると思います。
そういう意味で特にまず第一にあげてみるならばソ連との関係ですが、これは皆さんの御努力によって自主運航もシベリア上空を飛ぶことによってだんだんできてきた。しかしもうあの以前から問題になっておったハバロフスクと新潟間なり、もう少し短距離の日ソの航空ということもずいぶん——あれは佐藤さんが何の大臣のときでしたかね、特に佐藤さんがこれは実現するという公約をしたこともありますね。そういうふうな状況です。今日は万博のために大阪——ハバロフスク間の航空が、これは一時的なものでしょうが、そういうところまできているわけですから、今後それらの航空路についてどういう方針で臨まれるか。
それからもう一つは中国の関係です。とれも現政府の中でもときどき日中航空協定とか実際の運航の問題等も一時的な、松村さん出迎えとかそういうことでなしに、全般的な問題としても話題にものっておったんです。単なる話題であって、少しも具体的に進むというような様子がない。こういう方針について、当面の責任者である運輸大臣の方針を聞いておきたい。
それからこれはあとのことになりますけれども、旅券法の改正の時期に関連して伺っておきたいのは、今日これはまだ運輸省の観光部の部内案らしいのですけれども、旅行業法案というものを用意されております。これについてかなり直接利害関係のある者あるいは業界からいろんな不満、意見等も出ております。それはどういうことかというと、第一は審議会の構成、これが受け入れ側の、意見があまり反映されないでちょっと片手落ちなところがあるんじゃないかという点、それから実際にこの法案を準備するにあたって、確かに形式的には旅行あっぜん業制度及び通訳案内業制度のあり方についてという旅行あっせん及びガイド制度懇談会というのがある。その懇談会が、こういう意見書を出して、これに基づいていま観光部の案ができたということになっていますけれども、形はいかにも民主的なようであって、実際の業界から出ている案そのものが、たとえば補助金をもっと上げるとか、あるいは試験制度をめぐるやり方等で中小企業が非常に圧迫されるような内容を持っているわけです。どの程度内容を御存じか知りませんけれども、それらについて少しあとで御質問したい。こういうことですから、ひとついま御答弁できる範囲で一応していただきたいと思います。