外務委員会

1970-04-08 衆議院 全129発言

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会議録情報#0
昭和四十五年四月八日(水曜日)
    午前十時十二分開議
 出席委員
   委員長 田中 榮一君
   理事 青木 正久君 理事 田中 六助君
   理事 永田 亮一君 理事 山田 久就君
   理事 戸叶 里子君 理事 大久保直彦君
   理事 曽祢  益君
      石井  一君    鯨岡 兵輔君
      小坂徳三郎君    野田 武夫君
      羽田  孜君    浜田 幸一君
      福田 篤泰君    森  喜朗君
      山口 敏夫君    加藤 清二君
      堂森 芳夫君    松本 七郎君
      中川 嘉美君    林  百郎君
 出席国務大臣
        外 務 大 臣 愛知 揆一君
       運 輸 大 臣 橋本登美三郎君
 出席政府委員
        外務政務次官  竹内 黎一君
        外務大臣官房領
        事移住部長   遠藤 又男君
 委員外の出席者
        外務省アジア局
        外務参事官   金沢 正雄君
        外務省条約局外
        務参事官    山崎 敏夫君
        外務省情報文化
        局文化事業部長 兼松  武君
        運輸大臣官房観
        光部長     渋谷 正敏君
        運輸省航空局監
        理部国際課長  松本  操君
        外務委員会調査
        室長      吉岡 俊夫君
    —————————————
委員の異動
四月八日
 辞任         補欠選任
  木村武千代君     羽田  孜君
  中山 正暉君     浜田 幸一君
  豊  永光君     森  喜朗君
  不破 哲三君     林  百郎君
同日
 辞任         補欠選任
  羽田  孜君     木村武千代君
  浜田 幸一君     中山 正暉君
  森  喜朗君     豊  永光君
    —————————————
四月八日
 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び
 脱税の防止のための日本国政府とマレイシア政
 府との間の協定の締結について承認を求めるの
 件(条約第五号)(参議院送付)
 所得に対する租税に関する二重課税の回避のた
 めの日本国政府とオランダ王国政府との間の条
 約の締結について承認を求めるの件(条約第九
 号参)(議院送付)
は本委員会に付託された。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 旅券法の一部を改正する法律案(内閣提出第一
 四号)
 北西大西洋の漁業に関する国際条約及び関係諸
 議定書の締結について承認を求めるの件(条約
 第一六号)
 全米熱帯まぐろ類委員会の設置に関するアメリ
 カ合衆国とコスタ・リカ共和国との間の条約へ
 の加入について承認を求めるの件(条約第一七
 号)
 南東大西洋の生物資源の保存に関する条約の締
 結について承認を求めるの件(条約第一八号)
 日本国とアフガニスタン王国との間の文化協定
 の締結について承認を求めるの件(条約第六
 号)
 日本国政府とフィリピン共和国政府との間の航
 空業務協定の締結について承認を求めるの件(
 条約第七号)
 アジア統計研修所の設立及び運営のための援助
 に関する日本国政府と国際連合開発計画との間
 の協定の締結について承認を求めるの件(条約
 第八号)
     ————◇—————
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田中榮一#1
○田中委員長 これより会議を開きます。
 旅券法の一部を改正する法律案を議題として審査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松本七郎君。
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松本七郎#2
○松本(七)委員 きょうは運輸大臣に来ていただいてどうも御苦労さんです。いま審議中の旅券法改正案ですが、御存じのように海外旅行も非常にふえているので、旅券給付の能率もあげようというので、かなり改善のあとが見えるのですけれども、私どもが前回の国会でも重点的にただした点は、要するに、社会主義諸国あるいは承認国と非承認国の間、そういうところに、同じ旅券の発給にしても非常に差別があるわけです。だから、この差別をどの程度なくす姿勢が政府にあるか。またそういう方針に基づいて具体的に今後どう前進するかという点が今回の特に私どもの注目しているところなんです。
 それで参考までに運輸大臣に申し上げるならば、旅券というのは許可でなくて、本来はもう全面的に認めるものだ。ただし、場合によっては気違いを外国に出すわけにいかないですから、そういう場合に個人を対象にして例外的にはこれを許可しない場合がある。そういうふうに本来は身分証明書であって、その身分証明書によって相手国に対して保護を要請する、こういうことでなければならないと思うのです。それが日本の場合は依然としていわゆる外出許可みたいな許可証的な性格を持っているわけです。この点は、外務大臣の答弁によりましても、政府は将来そういう方向に持っていきたいんだ、本来そらあるべきだ、しかし今日すぐそういうふうなところまで到達できないので、漸進的にそういう姿勢で取り組みたい、こういうことです。
 そこで、いろいろ質問した中で、社会主義諸国、特に大臣御存じでしょうけれども、未承認国の中で朝鮮民主主義人民共和国に対する扱いが一番きびしいし、差別がひどいわけです。その次はドイツ民主共和国、これは朝鮮の場合は韓国から非常にやかましくいってくる、ドイツの場合は西独からいろいろいってくる点があると思うんです。そういう点を非常に気がねしている。だから今日はもうこういう情勢ですけれども、これらの面についても旅券法が改正になったあとは運営について大いに自主的な態度を貫いてほしいという要望を付して質問は展開してきたわけです。
 そこで結局きょう大臣に私は御意見を伺いたいのは、時間が非常に制限されておりますから、一つ一つやっていると時間をとりますから、質問する要点だけ最初にごくかいつまんで申し上げておきますから、一応御答弁を願って、その上でまた詳しいあれが必要なら質問したいと思います。
 一つは、社会主義諸国、これは同じ社会主義諸国といっても非常に違うでしょう。いろいろ違うでしょうが、社会主義諸国に行く人も非常にふえてきたし、これからもまたふえると思いますね。それと同時に社会主義諸国と体制が異なる国ともだんだん、一歩ずつではあるけれども、友好関係を前進させようという政府の方針ならば、旅券法というようなそういうものの扱いばかりではなしに、その発給自体においてはある程度の差別はあっても、それをなくすためにはやはり具体的な経済交流とか文化交流、学術交流あるいは新聞記者の交流、そろいうものを積み重ねることによって一そうその友好関係は促進するし、また旅券法のねらいも円滑に実施できてくると私は思うのです。だから旅券法を改正したらそれでいいというものではないので、やはり実際の社会主義諸国との交流をどうするかということが非常に大事なことになってくると思います。
 そういう意味で特にまず第一にあげてみるならばソ連との関係ですが、これは皆さんの御努力によって自主運航もシベリア上空を飛ぶことによってだんだんできてきた。しかしもうあの以前から問題になっておったハバロフスクと新潟間なり、もう少し短距離の日ソの航空ということもずいぶん——あれは佐藤さんが何の大臣のときでしたかね、特に佐藤さんがこれは実現するという公約をしたこともありますね。そういうふうな状況です。今日は万博のために大阪——ハバロフスク間の航空が、これは一時的なものでしょうが、そういうところまできているわけですから、今後それらの航空路についてどういう方針で臨まれるか。
 それからもう一つは中国の関係です。とれも現政府の中でもときどき日中航空協定とか実際の運航の問題等も一時的な、松村さん出迎えとかそういうことでなしに、全般的な問題としても話題にものっておったんです。単なる話題であって、少しも具体的に進むというような様子がない。こういう方針について、当面の責任者である運輸大臣の方針を聞いておきたい。
 それからこれはあとのことになりますけれども、旅券法の改正の時期に関連して伺っておきたいのは、今日これはまだ運輸省の観光部の部内案らしいのですけれども、旅行業法案というものを用意されております。これについてかなり直接利害関係のある者あるいは業界からいろんな不満、意見等も出ております。それはどういうことかというと、第一は審議会の構成、これが受け入れ側の、意見があまり反映されないでちょっと片手落ちなところがあるんじゃないかという点、それから実際にこの法案を準備するにあたって、確かに形式的には旅行あっぜん業制度及び通訳案内業制度のあり方についてという旅行あっせん及びガイド制度懇談会というのがある。その懇談会が、こういう意見書を出して、これに基づいていま観光部の案ができたということになっていますけれども、形はいかにも民主的なようであって、実際の業界から出ている案そのものが、たとえば補助金をもっと上げるとか、あるいは試験制度をめぐるやり方等で中小企業が非常に圧迫されるような内容を持っているわけです。どの程度内容を御存じか知りませんけれども、それらについて少しあとで御質問したい。こういうことですから、ひとついま御答弁できる範囲で一応していただきたいと思います。
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橋本登美三郎#3
○橋本国務大臣 今回のハイジャックの問題につきましては、特に外務委員会は、問題が国際的な問題に発展いたしましたので、たいへん各党ともに非常な御心配にあずかりまして、まことに感謝、感激にたえません。私現地に責任者として参りましたが、ただ申しわけないことは、ああいうような事件でありますだけに、いろいろ国際的な関係で、たとえば韓国記者団、日本人記者団、日本人記者団も百人くらい行っておりますから、それに外国人記者団と三つのグループがありまして、それに対する十分な情報を提供することが不可能であった、実際上人手がありませんので。さようなことのために正確に事情を刻々と皆さんのところに御通告申し上げなかったために、いろいろ国内においては心配をかけまして、その点の不手ぎわはひとつお許し願いたいのであります。ただ幸い山村政務次官の自発的な勇気ある行動によって最終的な措置を講ずることができまして、不幸中の幸いであると心から喜んでおるわけであります。また韓国政府をはじめ、あるいはソ連、北朝鮮等が人道主義という大きな目的のために協力一致せられまして、イデオロギー、政治関係を越えて、そうして万全の措置を講じてくれた、これに対しては関係各国に心から御札を申し上げる次第であります。
 この事件は、いろいろな意味において、われわれに考えるべき点、あるいは将来の取り扱いの点、こういうことについていろいろの資料と、またわれわれに考えるべき点を与えてくれたと心から信じます。何せ日本でハイジャックという問題は、これは初めてでありまして、それ自体でもってわれわれ当局だけではなくて、国民各位も非常な衝撃を受けた——外国のような何回かの経験があると別でありますけれども、ことに日本の場合は、先ほど松本さんからお話がありましたように、分裂国家といいますか、未承認国家がある。それと日本は国交を持っておらない。こういうことのためにいろいろな点で慎重に扱わざるを得なかったということも御了承願いたいと思います。
 この問題は、いずれ関係委員会においていろいろ私の考え方も述べたいと存じますが、ただいま松本さんからの御質問の要点は、やはりこれにも関連があるのでありますからして、大前提として、さようなことを申し上げたのであります。
 そこで、これは、私は松本さんの御意見も、また愛知外務大臣の——先ほどから松本さんのお話を聞いておれば、そういう外務大臣の御発言であるとすれば、これは、原則はそう変わっておらないのではないだろうか、私は外国旅行は好きでありませんのであまり行っておりませんけれども、あのEECグループといいますか、そういうところにおいては一つの身分証明書的なものをもってこれが済んでおる。しかし国交ができていない国では、やはり相当のむずかしさがあるようであります。御承知のように、東ドイツに入る場合は非常にむずかしい点があります。しかしながら原則としてこれほど飛行機による国際人的交流が激増してまいる場合において、かつまた世界のものの考え方が世界平和といいますか、そういう自由のもとに世界平和を求めるという人類のいわゆる大きな目的、こういうものがだんだんと実っていくに従って、こういうような人的交流が盛んになると同時に、ある意味においては人的交流を促進せしめなければならぬということによって、人類の平和といいますか、世界の平和を達成する努力が人道的な意味にも、あるいは政治の理想の上からも積み重ねられていく、とれが一つの理想であろうと思います。
 そういう意味におきまして、政府、おそらく外交の責任者である外務大臣としても、現状で直ちにいま言ったようなことのできないことは、松本さんもお認めのようであります。しかしながら積極的に、そうして徐々にそういうような実績を積み重ねていこうという前向きの姿勢は御了解が願えるのではないだろうか、私は運輸大臣としての事務的なものの考え方にとどめざるを得ませんけれども、その立場から考えましても、できるだけ陰といっては問題がありますけれども、慎重なる中に人的交流としては比較的容易に行なえる状態をつくっていきたい、かような考え方を持っておりますので、外務大臣のお考え方と松本さんのお考え方とは、必ずしも全然食い違っておるのではない。ただ現在の国際、国交、あるいは条約等の関係から、その間におのずとある程度は違わざるを得ない点もあると思いますが、特に未承認国の場合、国交のない場合は、それらのお客を送った場合、あるいは入った場合に、もし不注意によって問題を起こしたときに、問題の解決が非常に困難になります。そういう意味においていろいろ慎重に問題を——向こうに送る場合におきましても、慎重なる態度をもってその人たちを送ったり受け入れたりしませんと、問題をかえってつくり上げる場合もあり得ると思います。そういう意味において、今回人道的立場で北朝鮮当局が山村政務次官や機長らを直ちに送ってくれたことに感謝をいたしたい。一つは、山村政務次官というものの資格がはっきりしておる。いまさらこれがどうかと調べる必要もない。機長にしても資格がはっきりしておるという点で、あまり御迷惑をかけることがなかったのではないだろうか、これが日本ですらも、なかなか乗った人の身分が当時はっきりわからなかった、住所と氏名が一致しなかったのもあったようであります。そういう状態で参りますと、かえって相手方に御迷惑をかげる場合もあるということで、お互いに公的機関を未承認国の場合には持っておりませんために、これらの行き違いが起こり得る危険性もありますので、できるだけ親善関係といいましょうか、人的交流は好ましいのではありますけれども、それらについても、おのずから慎重な態度をとらざるを得ないというのが、われわれの考え方でありますが、気持ちとしては、日本の憲法のたてまえからも、また総理大臣が言っておるように、どこの国とも仲よくしていきたい。イデオロギーを越えて仲よくしていきたい。おのずから国際政治の何はあるけれども、その気持ちとしては、どこの国とも仲よくしていくようにしたい、こういう考え方は、皆さんと決してあまり変わりはないと私は考えておるわけであります。
 第二の中共の、いわゆる臨時便、ハバロフスク—大阪間の問題でありますが、これは実は私が官房長官をいたしておりましたその後において、当時交渉がありましたハバロフスクと日本との間——新潟等でありますが、それに対しまして、日本側も必ずしも反対ではない。その後四十四年に、日ソ航空交渉の際に合意したわけでありますが、ただ私は、当時官房長官としてソ連の大使にも、それからちょうど日本に参られました外務次官——大体かたかなの名前を忘れる傾向がありまして名前を忘れましたけれども、その従属者である外務次官が参りましたときにも、その問題は日本でもあるけれども、それについてはわれわれは必ずしも反対ではない。ただしかし、本筋でない問題に力を入れるよりは本筋に、モスクワと日本のいわゆる相互乗り入れを考えるべきじゃないか、そういうことによってお互いの信頼感が増すと同時に交通上の利益も非常にこれは倍加される、われわれはモスクワと東京間の乗り入れのほうがより日ソ関係の親善を増す上においては重要じゃないか、いろいろソ連には事情があるようだけれども、そういうことによって日ソ関係のいわゆる親善関係を抜本的に促進せしめるということが必要であろうということを、総理大臣、私も同席いたしましたが、私からも強くその点を要請をいたしたのであります。ちょうど四十年の暮れでありましたが、日本大使から、これはコスイギン首相の佐藤総理に対する親電であるという中に、日ソ航空について交渉をすることをしようという、本式の内容は忘れましたが、さような意味の電文があったのであります。そのときに、総理、私、当時の外務大臣、椎名君でありますが、これはどういうことだろうか。
  〔田中委員長退席、永田委員長代理着席〕
ハバロフスクと日本間の問題であろうか。それなれば、私はすでに、その問題については原則としてはかまわぬけれども、それじゃなくしてモスクワと日本との間の本筋の、いわゆる航空交渉がわれわれは望ましいんだ、それについての回答をわれわれは知りたいんだ、こういうことを言ってありますので、私の判断としては、このコスイギン首相から言ってきたこと、これはモスクワと日本との乗り入れについて交渉を始めてもよろしい、お互いに検討してもよろしい、ころ理解すべきではないか。いろいろ総理、外務大臣と三人でお話しした結果、総理も、たぶんあるいはそうかもしらぬ、そういう意味にわれわれはとるということで、四十一年の元日に大きなニュースとなって、初めてニュースらしいニュースが元日の新聞を飾ったのであります。それからモスクワ−東京間の乗り入れ交渉が始まりまして、長い間かかりまして日本が自主運航を展開することになりましたが、とにかくそれがあったのであります。したがって、このハバロフスクと日本間のローカル線、この問題は日ソ航空関係から見れば、原則としては日ソ航空交渉において合意しているのでありますからして必ずしも問題はありませんけれども、ただ、これから経済上の問題を考え、あるいはこれは貨物の輸送等も考えておるようでありますが、そういう面から見て、はたして今後定期的に、永続的にやっていける可能性があるかどうか、現状からいって、という問題が残っているわけでありますけれども、現状では、ただいま御承知のように、ハバロフスクと大阪の間には大阪万博のための臨時便がすでに十二便運航されております。今後引き続き万博期間中はこれが動かされますので、それらの実績及び将来のお客さん及び貨物の量等を検討した上でお互いに——これは政治問題でありません。ある意味においてはこれは経済問題といってもよろしい。そういう極東の開発は、日本に対してソ連政府からも要請があり、日本ももちろんコマーシャルベースにおいて可能なものはやろう、こういうような基本的なことすらも出ておるのでありますから、したがって、この線について何ら政治的要件を加える必要はないという意味において、問題は経済的問題でありますから、私は万博等においてこれらの実績を見た上で、そうしてお互いに希望があれば検討を加えていく、こういう考え方でおるわけであります。
 第三の、中共のいわゆる臨時便の問題でありますが、御承知のように、これは定期航空になりますと航空協定ということになります。航空協定を持つということは、政府間の協定ということになるわけなんです。そういうことが、何せ国際慣例であり国際通念なんですね、なかなかお互いに隣同士がというわけにはいかないところに国際政治のむずかしきもあることは御承知のとおりであります。そういうような問題があり、かつまたその間においては領空上、航空管制の問題があることは、これは御承知のとおりであります。韓国及び台湾側の航空管制の問題、これらの了解を得なければ飛べないという問題もある。こういうことで、いわゆる定期航路を結ぶことができるかといえば、そういうような国際関係等の問題から考えて、なかなか困難な事情が現状ではあるといわざるを得ません。ただ、松村謙三氏が向こうに参りまして帰る場合に、非常に健康上無理があるというのは人道上の問題であり、そういうような場合においては、これは私は外務大臣にお願いをし、また外務大臣もその意向でありますが、その必要があれば出してもよろしい、こういう了承を得ております。松本さんは、そんなことだけではなく、もっとスムースに人的交流ができたらいいじゃないか、こういうお話でありますが、いま申しましたように、中期航路を結ぶということは、やはりお互いに国家間に国際定期航路開設に関する航空協定がなければならぬ、こういうような間々かた苦しい国際関係がありますので、直ちに定期航路を開設するということは困難である。いわゆる臨時便の形で、しかもいろいろ制約がありましょうけれども、子の制約をできるだけお互いの理解で、より関係国の理解を求めつつ、そうしてこれを徐々に進めていくというわれわれの政府の考え方はひとつ御理解を願いたいのであります。ただ、総理大臣も外務大臣も言っておりますように、人的交流は非常にわれわれは好ましいと思っておる。したがって、最大限可能な範囲において、そうしてお互いに人的交流及びその国、お互いの国を刺激しないというかあるいは干渉しない、内政不干渉でありますが、それは政治の上ばかりじゃない。文化、言論の上においてもさようなことは抜きにして、そうしてお互いが知り合うというための、あるいは文化交流、人的交流というものは好ましい、こういうことは政府も言っておりますし、われわれもそのように考えておるし、皆さんもそのようにお考えになっておる。その道が必ずしも定期航空によらなくても、それは多少不便がありますけれども、しかし香港回りでも可能でありますので、できるだけ現状においてはそのような道を講ずる以外にない。ただ臨時便の場合は、やはり特に必要性があった場合、ケース・バイ・ケースで考えて、そうして可能な範囲で進めていく、かように私もいたしたいと考えております。
 第四の、いわゆる旅行あっせん業法の改正の問題でありますが、この問題はまだ運輸省において成案を得ておる問題ではありません。ただ最近、御承知のように、非常な数で飛行機を利用する人が多くなってまいっております。あるいは一般の旅行も非常に多くなっておる。国内飛行をする者は、十年後には一年間に一億二千万人の人が動くだろう。そうなりますと、一年間に生まれた赤ん坊一人まで動く、ある人が三回、五回乗るからでありますが。さようないわゆる飛行機だけを考えても、旅行の数というものは非常に激増をしてきておる。そういうような激増に伴って、サービス業者あるいはそういう交通機関と旅客との間のトラブルあるいはあっせん業者との間のトラブルが発生し始めておりますので、そこで従来あまりに不明確であった旅行あっせん業者の取引のルールをきめたい、こういう考えは運輸省当局も考えております。しかしこのために大企業だけに片寄るような、中小企業を圧迫するようなことはもちろんあってはなりません。先ほどお話しがありました懇談会なるものは、これは運輸省の特別の機関でもありません。ある意味においては研究機関でありますからして、その機関から出されました意見は意見として、一応われわれは参考資料にはしますけれども、それを全面的に取り上げる考えもない。当然これらをやる場合においては、運輸省が自主的に独自の立場から関係方面の意見を十分に、中小企業に至るまで、あるいはお客さんの意見も十分に徴して、そうして旅行あっせん業者の中小企業の実態に対しても十分に調べた上、かつまた迷惑を、中小企業圧迫というようなことにならないように、全体が日本は営業の自由という原則があるのでありますからして、そういう上に立って公正にしてしかも自由経済、あるいは自由に商売をし得る、こういう原則をもある程度貫きまして、満足できるものをつくりたい。まだ残念ながら申し上げるような具体的成案を得ておらないのが現状であります。
 以上、松本さんの御質問に対してお答え申し上げます。
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松本七郎#4
○松本(七)委員 順を追って少し質問をしたいと思うのですが、運輸大臣は、今度のハイジャック事件で人道主義の立場が貫かれて解決できたと、これは非常にけっこうなことなんですけれども、それを実際に担当されただけに、やはり未承認国といえどもできるだけそういう航空協定とかあるいは郵便協定とか、承認というところまでいかなくても、それとは別の次元でそういう協定ができることが人道主義を貫く上からも非常に大事な点だということをきっと痛感ざれたと思うのですよ。そういう点からも、私どもはいろいろ質問したいことはあるのですけれども、いま、少し問題を限って、まず第一にいまのハバロフスクと日本間のローカル線の問題、これは確かに以前はそういうローカル線よりもまずモスクワ−東京間、シベリアの自主運航ということと、それから当時日本航空が非常に難色を示したのは、御存じのように——運輸大臣、よく聞いておいてくださいよ、日本航空が難色を示したのは、将来はやはりビヨンド・モスクワ、パリなりロンドンまで飛べるということを獲得したい、それをしないでモスクワ−東京間だけにローカル線までやってしまうと、たとえば日本からハバロフスクまで行くと、あとは全部安いソ連の国内線を使ってモスクワまで行く、そういうことが固定化してしまうとこれはビヨンド・モスクワが実現できなくなる、これはもう世界の航空路としての東京というものの地の理からいっても、非常に国益を害することになるんじゃないか、こういう観点から——ただ日本航空が自分の利益という点だけでなかっただろうと私は思うのですよ、そういう立場から、むしろローカル線の問題はもっと先に延ばしてほしいということだった。ところが、今日はもろシベリア自主運航もできたし、それからビヨンド・モスクワも実現したわけですね。おまけにシベリア開発という、非常に日本とソ連の将来の経済交流の大きな基盤になる問題も、具体的にもう折衝が始まっているわけでしょう。そうなると、なおこれはハバロフスクと日本の間のローカル線の問題は私は切実な問題になってくると思うんですよ。だからそういう意味でこれはもう当時とは——ずいぶん昔のことをしきりに答弁されておったけれども、今日の時点においては当時とは事情が違うのですから、もう少し真剣にこれは万博のあともローカル線が実現されるようにひとつ努力していただきたい。
 それから朝鮮の問題は、これは一ぺんに航空協定とかあるいは船の定期航路とか、そんなところまでなかなかむずかしいでしょう。しかし私はそれを政府の態度を是認しているわけじゃないんですよ。不満であり私どもはこういう状態ではだめだと思いますけれども、政府がそう言うからしかたがない、その範囲でどの程度のことが実現できるかという観点からいま質問しているのであって、何も政府のいまの態度をわれわれは是認しているわけじゃないということをよく御了解願いたい。そこで、人道主義を貫くならば今後やっぱり在日朝鮮人の帰国の問題それから自由往来の問題、こういう問題がこれから一そう切実になってくると思います。そういう問題についても、今度の貴重なかつ苦い経験をみずからざれた運輸大臣としては、よほどこれは力をかしていただきたい。その点もお願いしておきたい。
 それから時間がないようですから急ぎますが、いまの旅行業法案、これについての問題点をごくかいつまんで申し上げておきたい。それはあまりこの懇談会の意見に拘束されないと言われるから、今後、運輸省独自の案をつくられるときに、十分考慮していただきたい点をこの際申し上げておきたい。
  〔永田委員長代理退席、委員長着席〕
 第一、その懇談会の構成なんです。これは旅行あっせん業が三名、それから宿泊施設側が三名、運輸機関が三名、これは日航とか国鉄とかバス協会、それから通訳案内、ガイド協会、これが一名、学識経験者が三名、それから官設機関三名、これは日本観光協会とかなんとかいう、そういうものでしょう。それでこの中で通訳案内及びこの学識経験者あるいは官設機関、これを中立とかりにしますね、そうしても結局はいま言うように送客側が三名、そして受け入れ側が六名という比率になります。そういうところからすでに受け入れ側の意見というものが、特に国際旅行を担当しているものですね、そういうものの意見というものがあまり重要視されてないきらいがある。そういう点から中小企業がだんだん締め出されてくる。それから今後中小企業がそういう事業をやろうという場合に非常に困難が増すような、答申ではないけれども、意見が出ている。その第一が、さっき申しましたように資力信用基準を引き上げようとしている、それが一つ、それから経験能力基準を判断するために資格試験制度を採用しよう、こういうわけですけれども、これは非常に重要な問題になってくると思うのです。この試験制度ですね。ただ、この中には資格試験制度の合格者のほかに、それだけではやらないのだ、資格試験もやって合格者のほかに期間導入該当業務といって相当な長期の経験能力のある者が何名かいればそれは認めようというような、そういう余地も残すべきであるという意見が出されているのですけれども、ところが全くこれは文字どおり余地程度であって、実際の問題となると中小零細企業の進出というものをはばむばかりではなしに、小規模の既存の業者もこれは非常に切り捨てられる危険に私は遭遇してくると思う。その点。
 それから今度は経験能力者試験の委託実施及びその講習というものを業者団体が行なうということが出されている。これは全体に今度の意見書に官僚統制の危険が私は非常にあると思うのです汗れども、一々ここでは申し上げませんが、その官僚統制、下請団体が戦時中のちょうど統制会のようなそういう性格を持ったものになりそうなんです、これは。ですからそういう点を十分考慮してもらいたい。
 まだいろいろ問題ありますけれども、担当の運輸委員会がだいぶせいているらしいから、それらについて意見をちょっと伺って、また別な機会にお願いしたい。
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橋本登美三郎#5
○橋本国務大臣 最初の、日航にその後のローカル線をやらなかったじゃないかという御意見ですが、私は当時日航の幹部はだれ一人知りませんし、接触もありません。ただ国家、国民の利益のためにモスクワと東京との乗り入れ、これが第一に必要であるという観点でやったものでありまして、今日になりますと、大阪−ハバロフスクというものは政治的な関係は御承知のように全然ありませんから、経済的な問題としてどう考えるか、もち一つは航空政策もあります、こういう点から十分に検討して善処したいと思います。
 なお、旅行あっ旋業法の問題につきましては、松本さんからいろいろの御意見もありますので、それらも十分に考えながら、自主的な立場で公正かつ妥当なる案をつくりたい、かように考えておりますので、御了承願います。
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田中榮一#6
○田中委員長 大久保直彦君。
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大久保直彦#7
○大久保(直)委員 旅券法の質疑を続行しているわけでございますが、きょう二、三お伺いして私の質問を終わらせたいと思います。
 旅券の発給申請に伴う返事の問題でございますが、十三条で発給しないということが決定した場合に、十四条でその返事をいたすことになっておりますが、この条項ははたして実行されているのかどうかという問題と、あとはイエスにしましてもノーにしましても、やはり期限をきちっと定めたほうがよろしいのではないか、これが無期限に延ばされて、実際自分が参加する予定である国際会議なりまた博覧会が終わってしまってから返事をもらうようなケースが二、三あったというふうに伺っておりますが、この期限をつげていくことがはたしてどうなのか、この点まず一点お伺いしたいと思います。
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愛知揆一#8
○愛知国務大臣 旅券の発給の申請がありました場合には、たとえばやむを得ずといいましょうか、お断わりしなければならない場合には書面で回答する。これは従来もそういうふうにやっておったはずでございますけれども、なお先般来の御審議を通してのいろいろの御意見もございますから、的確に、なるべくすみやかに書面で御返事をすることにいたしたいと考えております。
 なお、昨日も申し上げましたように、そういう場合には申請者との間にとっくり口頭でも政府の考えていることなども十分御説明を申し上げ、親切に扱うということを心してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
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大久保直彦#9
○大久保(直)委員 ただいまのなるべくすみやかにというのは、善意的におっしゃっておるのだと思いますけれども、やはり受け取るほうからしますと、大体二カ月以内にはっきりした確答をいただけるのかどうかということが一つの目安になるのじゃないかと思うのですが、そういう意味で期限をあらかじめ定めるということは不可能でございましょうか。
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愛知揆一#10
○愛知国務大臣 これは率直に申しますと、事案によっても回答の日にちが違うことがあり得ると思いますけれども、先般も御説明しておりますように、申請書の数を減らしたり手続を簡素にするということも期限を短縮するというつもりでございますから、従来よりはよほどその期間が短くなる、二カ月というようなことは、率直に言いまして、そこまでいかないで、最長の場合でももっと短縮をするようにいたしたいと思っております。
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大久保直彦#11
○大久保(直)委員 前にもお話があったと思いますけれども、もう一度あらためてお伺いしておきたいのは問題の十三条でございます。第十三条の判断といいますか解釈がかなりばく然としておりまして、時の行政官庁の包括的な判断によるところが非常に多いわけでございますけれども、こういった事実について、愛知外務大臣がずっと大臣でおられるわけではないと思いますので、今後この十三条の運用といいますか適用について、大臣御自身はどのようなお考えを持っておられるのか、その点をあらためてお願いいたしたいと思います。
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愛知揆一#12
○愛知国務大臣 これは全くごもっともな御意見であると私もかねがね考えておるわけでございまして、法文の土でもいろいろくふうがこらされて、非常に厳格に運用すべきものであるというその法の趣旨は明らかになっておると思います。たとえば「著しく且つ直接に」という表現がございますし、また外務大臣といいますか外務省として決定したいと思いますときには、法務大臣に代表されている法務省に協議をしなければならないというようなことが法文上明記してあるのも、やはりそういう法の精神によるものである、かように存じておりますから、これはなるべく厳格に公正に運用してまいりたい。これが厳正であるかどうかということが、結局たとえば司法上の問題になりましたときに、仮定の問題でございますけれども、やはり裁判所の決定ということ、判決を求める場合におきましても、これが非常に大きな根拠になると思いますから、そういう点も十分考えて、厳格に運用をいたしたい。これはもう法の基本的な運用の心がまえの問題であると考えます。いやしくも党利党略等によって左右されないようにこれを厳重に守っていきたいと思っております。
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大久保直彦#13
○大久保(直)委員 この旅券法の一部を改正する法律案につきましての提案理由の説明によりますと、旅券制度の適正な運用をはかるものであるということであるわけでございますが、いままでどのような点について適正な運用がなざれなかったのか、またその点を今後どのような適正な運用をしようというのか、この点を総括的に大臣の御見解を伺いまして、私のこの質疑を終わりたいと思います。
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愛知揆一#14
○愛知国務大臣 この適正な運用をはかると提案理由に書きましたのは、先般来当委員会でもしばしば私からも申し上げておりますけれども、前国会のときの本案の御審議をいただいたときの経緯もあります。たとえば当時の委員長の御発言で政府の態度を確認を求められたわけですが、そういう経緯にもかんがみまして、当時の委員長の御発言の趣旨を体して、そういうふうな御趣旨によって善意をもって運用していきたいということを政府の姿勢として明確にいたしたつもりでございます。従来そういう点について欠けるところがあったかどうかということよりも、今後そういう意味で適正な運用をはかりたいということを特に提案の説明に明記いたしたような次第でございますから、この点も御理解をいただきたいと思います。
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田中榮一#15
○田中委員長 戸叶里子君。
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戸叶里子#16
○戸叶委員 事務的な問題で一点だけ伺います。
 第三条の一項六号にこういうことがあります。「前各号に掲げるものを除く外、渡航先及び渡航目的によって特に必要とされる書類」こういう未のがあげられておりますけれども、「特に必要とされる書類」というのは一体どういうようなものであるかというのがわからないわけです。そこで、その必要とされる書類と、それからこれらの書類がそろっていないときには旅券は発給されないのかどうか、この点をはっきりさしていただきたい。
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遠藤又男#17
○遠藤(又)政府委員 ただいま御指摘の第六号でございますが、われわれとして現在考えておりすすものは、その人の赴任命令書、それから留学の場合ですと入学許可証、それから移住者でございましたら移住者適格通知書、こういうものを考えております。
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戸叶里子#18
○戸叶委員 旅券申請に入学許可証が必要なんですか。それはどういう理由なんでしょうか。
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遠藤又男#19
○遠藤(又)政府委員 第六号は、その前にいろいろ並べておりますが、そのあとを受けまして、旅券を発給するに必要な、参考となるような、特に旅券を発給してあげるのに都合のいいような書類ということで考えておるわけでございます。それで、いま申し上げました入学許可証——入国関係で必要な場合は、その前の第五号に出ております必要な場合には入国に関する許可証を出していただくことも考えます。
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戸叶里子#20
○戸叶委員 相当いろいろな書類が必要だということがわかるわけですけれども、そこで、国家公務員が海外旅行をする場合は一般旅行者と何か違った書類が要求されるのかどうか、この点を伺いたい。
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遠藤又男#21
○遠藤(又)政府委員 公務員の海外渡航の場合は二つあるわけでございまして、一つは国の用務のために出る場合、それから国の用務でない場合とございます。国の用務で出る場合には公用旅券の請求ということになりまして、各省庁の長が請求をするということで、これは公用旅券の発給、第四条の規定がございます。
 それからもう一つは、国の用務でなく出る場合があります。これは一般旅券の請求ということになるわけでございますが、それにつきましては、国家公務員の身分上特別な書類を出すことにきめております。それは現行法の第三条第一項第八号、渡航先、渡航目的によって特に必要とされる書類、これで読むことにいたしまして、現行法の第二十二条第二項によって外務大臣が告示することにいたしまして、特別の書類を出していただいております。これは昭和四十年の外務省告示百七十一号でございまして、その中で外務大臣の告示といたしまして、国家公務員で、国の用務以外の目的で渡航するものは、所属省庁の長の海外渡航承認書を出す必要があるというふうに定めております。
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戸叶里子#22
○戸叶委員 そうすると、いま外務省の告示によって所属省庁の長の承認書が必要なんだということがわかったわけです。そうしますと、それは昭和四十年の告示でございますが、四十年の前は所属省庁の長の承認書というものは必要なかったわけですか。その当時も必要であったわけでしょうか。
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遠藤又男#23
○遠藤(又)政府委員 四十年以前は特別定めがございませんので、実際の運用でやっておったわけでございますが、それ以後こういうはっきりした定めをつくったわけでございます。
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戸叶里子#24
○戸叶委員 それまではなくて、その告示によって出すようになったとするならば、何かやはり出したほうがいいということをお考えになったからこういう告示によってお定めになったと思いますけれども、その承認書を出すようにしたほうが、出さないよりいいというふうに判断されて告示でおきめになったその基準はどういうところにあるのでしょうか。
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遠藤又男#25
○遠藤(又)政府委員 これは、第一には国家公務員の特別の身分から考えているわけでございます。国家公務員法第九十六条からいたしまして、国民全体の奉仕者で公共の利益のために勤務することが服務の根本基準だというふうに考えております。それからもう一つ、国家行政組織法第十条に、各省各庁の長はその職員の服務を統督する職責を持っておるというふうに定められております。したがって、国家公務員が国の用務以外で比較的長期にわたって職務を離れ、それから統制の及びがたい海外に旅行をする、こういう場合には統督する立場からいたしましても、その実情を把握しておく必要があるということで、こういうふうなはっきりした規定を置いたわけでございます。
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戸叶里子#26
○戸叶委員 私らとしますと、告示前と国家公務員の性格というものは変わっていないと思うのです。国家公務員というのは国民に奉仕をする者をいうということやら、それからまたそういう人の身分を把握しておかなければいけないという考え方といろものは、この告示があるなしにかかわらず当然だろうと思うわけです。それが四十年に急にこういうふうな告示で変わったというのは、一体何かあったのかしらというような危惧の念を抱くわけでございまして、その点がちょっとはっきりしないのじゃないかと思います。
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遠藤又男#27
○遠藤(又)政府委員 もちろん四十年の前後で変わるはずはないわけでございますが、一つ実際問題として状況の違いがございました。それは、外貨面から見まして海外渡航の制限が実際上はずれましたのが昭和三十九年で、昭和三十九年以降は観光渡航が自由になったわけでございます。したがいまして、それまでは国家公務員が国の用務以外で出る場合には外貨面からのチェックということが可能でございましたけれども、それ以後は外貨面からのチェックということはなくなりまして、公務員が観光その他の理由で外に出ることが非常に多くなった。したがいまして、それを把握する必要からも、こういう定めを置く必要が現実の必要として起こったわけでございます。
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戸叶里子#28
○戸叶委員 外貨という面からというようなことをおっしゃいますけれども、ちょっとそこいら辺が私はすっきりしないものがあるような気がします。といいますのは、外貨面というのは、ほかの人も行くわけですから、それだけで公務員がどれだけ行くかということがわかるものじゃないんじゃないかと思うのです。ですから、そこら辺私にはのみ込めないわけです。たとえば外貨面でどういうふうなことで公務員の承諾書がなければならなかったかということを、もうちょっと具体的におっしゃっていただきたいのと、もう一つは地方公務員にこれが当てはまっているかどうか、この二つの点を解明していただきまして、私の質問を終わります。
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遠藤又男#29
○遠藤(又)政府委員 初めのほうの部分でございますけれども、これは実際問題といたしまして、国家公務員の海外渡航を目的別に見てみますと、休暇をとって観光旅行で出るケースが圧倒的に多いわけでございます。さっき申し上げましたような観光渡航の自由化の以後におきましては、公務員が観光のために外に出るというケースが非常に多くなったわけでございますから、実際上の必要からも、外貨面を離れた別の面から見る必要があるということで、把握の必要上こういう定めを置いたというのが一つでございます。
 それかう地方公務員につきましては、この規定は適用されません。
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