松本七郎の発言 (外務委員会)
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○松本(七)委員 順を追って少し質問をしたいと思うのですが、運輸大臣は、今度のハイジャック事件で人道主義の立場が貫かれて解決できたと、これは非常にけっこうなことなんですけれども、それを実際に担当されただけに、やはり未承認国といえどもできるだけそういう航空協定とかあるいは郵便協定とか、承認というところまでいかなくても、それとは別の次元でそういう協定ができることが人道主義を貫く上からも非常に大事な点だということをきっと痛感ざれたと思うのですよ。そういう点からも、私どもはいろいろ質問したいことはあるのですけれども、いま、少し問題を限って、まず第一にいまのハバロフスクと日本間のローカル線の問題、これは確かに以前はそういうローカル線よりもまずモスクワ−東京間、シベリアの自主運航ということと、それから当時日本航空が非常に難色を示したのは、御存じのように——運輸大臣、よく聞いておいてくださいよ、日本航空が難色を示したのは、将来はやはりビヨンド・モスクワ、パリなりロンドンまで飛べるということを獲得したい、それをしないでモスクワ−東京間だけにローカル線までやってしまうと、たとえば日本からハバロフスクまで行くと、あとは全部安いソ連の国内線を使ってモスクワまで行く、そういうことが固定化してしまうとこれはビヨンド・モスクワが実現できなくなる、これはもう世界の航空路としての東京というものの地の理からいっても、非常に国益を害することになるんじゃないか、こういう観点から——ただ日本航空が自分の利益という点だけでなかっただろうと私は思うのですよ、そういう立場から、むしろローカル線の問題はもっと先に延ばしてほしいということだった。ところが、今日はもろシベリア自主運航もできたし、それからビヨンド・モスクワも実現したわけですね。おまけにシベリア開発という、非常に日本とソ連の将来の経済交流の大きな基盤になる問題も、具体的にもう折衝が始まっているわけでしょう。そうなると、なおこれはハバロフスクと日本の間のローカル線の問題は私は切実な問題になってくると思うんですよ。だからそういう意味でこれはもう当時とは——ずいぶん昔のことをしきりに答弁されておったけれども、今日の時点においては当時とは事情が違うのですから、もう少し真剣にこれは万博のあともローカル線が実現されるようにひとつ努力していただきたい。
それから朝鮮の問題は、これは一ぺんに航空協定とかあるいは船の定期航路とか、そんなところまでなかなかむずかしいでしょう。しかし私はそれを政府の態度を是認しているわけじゃないんですよ。不満であり私どもはこういう状態ではだめだと思いますけれども、政府がそう言うからしかたがない、その範囲でどの程度のことが実現できるかという観点からいま質問しているのであって、何も政府のいまの態度をわれわれは是認しているわけじゃないということをよく御了解願いたい。そこで、人道主義を貫くならば今後やっぱり在日朝鮮人の帰国の問題それから自由往来の問題、こういう問題がこれから一そう切実になってくると思います。そういう問題についても、今度の貴重なかつ苦い経験をみずからざれた運輸大臣としては、よほどこれは力をかしていただきたい。その点もお願いしておきたい。
それから時間がないようですから急ぎますが、いまの旅行業法案、これについての問題点をごくかいつまんで申し上げておきたい。それはあまりこの懇談会の意見に拘束されないと言われるから、今後、運輸省独自の案をつくられるときに、十分考慮していただきたい点をこの際申し上げておきたい。
〔永田委員長代理退席、委員長着席〕
第一、その懇談会の構成なんです。これは旅行あっせん業が三名、それから宿泊施設側が三名、運輸機関が三名、これは日航とか国鉄とかバス協会、それから通訳案内、ガイド協会、これが一名、学識経験者が三名、それから官設機関三名、これは日本観光協会とかなんとかいう、そういうものでしょう。それでこの中で通訳案内及びこの学識経験者あるいは官設機関、これを中立とかりにしますね、そうしても結局はいま言うように送客側が三名、そして受け入れ側が六名という比率になります。そういうところからすでに受け入れ側の意見というものが、特に国際旅行を担当しているものですね、そういうものの意見というものがあまり重要視されてないきらいがある。そういう点から中小企業がだんだん締め出されてくる。それから今後中小企業がそういう事業をやろうという場合に非常に困難が増すような、答申ではないけれども、意見が出ている。その第一が、さっき申しましたように資力信用基準を引き上げようとしている、それが一つ、それから経験能力基準を判断するために資格試験制度を採用しよう、こういうわけですけれども、これは非常に重要な問題になってくると思うのです。この試験制度ですね。ただ、この中には資格試験制度の合格者のほかに、それだけではやらないのだ、資格試験もやって合格者のほかに期間導入該当業務といって相当な長期の経験能力のある者が何名かいればそれは認めようというような、そういう余地も残すべきであるという意見が出されているのですけれども、ところが全くこれは文字どおり余地程度であって、実際の問題となると中小零細企業の進出というものをはばむばかりではなしに、小規模の既存の業者もこれは非常に切り捨てられる危険に私は遭遇してくると思う。その点。
それから今度は経験能力者試験の委託実施及びその講習というものを業者団体が行なうということが出されている。これは全体に今度の意見書に官僚統制の危険が私は非常にあると思うのです汗れども、一々ここでは申し上げませんが、その官僚統制、下請団体が戦時中のちょうど統制会のようなそういう性格を持ったものになりそうなんです、これは。ですからそういう点を十分考慮してもらいたい。
まだいろいろ問題ありますけれども、担当の運輸委員会がだいぶせいているらしいから、それらについて意見をちょっと伺って、また別な機会にお願いしたい。