愛知揆一の発言 (外務委員会)
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○愛知国務大臣 北方領土問題は戦後わが国のかかえております最大な外交問題の一つであることにつきましては、申し上げるまでもないことであると思います。同時に最近になりまして、この問題は国際的な関心も相当に呼び起こしている問題であると私は認識いたしておるわけでございます。こういうおりからでございますから、佐藤総理が国連総会に出席いたしまして演説をする機会に、この日ソ間の領土問題という懸案を平和的な話し合いによってぜひ解決したいという意図を各国代表の前に披瀝いたしましたことは、私は国連憲章の精神にもかなうものであると考えまして、妥当であったと思われるわけでございます。この点について先ほど、これを取り上げることについては反対があったのではないかという御質疑もございましたけれども、私といたしましては、積極的にこの点に賛意を表し、かつそのプレゼンテーションと申しますか、そういう点につきましては、十分周到な注意をいたしたつもりでございまして、私は本件に総理演説が触れましたことは妥当であったと考えておる次第でございます。
それから第二点は、総理大臣の記者会見の場における総理の御発言に関連して、訪ソの問題をお尋ねになりましたが、これは顧みて他を言うようになっても恐縮なんでありますけれども、私が最近ある機会にコスイギン総理と会いましたときにも、コスイギン総理もいつかどこかで佐藤総理に会いたいなという感懐を漏らしたくらいでございますから、しかるべき時期に会う、あるいは訪問する、あるいは訪問し合うということは、私は大局から考えて、日ソの親善友好関係ということから考えて適当なこととも考えておりますけれども、たとえば訪ソするといたしましても、実りの多き訪ソであってほしい、そういう角度から考えまして、ただいまいつ、その時期が妥当であるかということについては、まだきめてもおりませんし、また具体的に話を詰めておるわけでもございません。
それから第三番目のお尋ねは、十一日にソ連の臨時代理大使が森次官に申し入れをいたしましたのに対しては、ただいま御意見のありますとおり、日本側からといえば、かねがねソ連として言っておりましたことを、腹一ぱい何かつづってきたような感じがするわけでございますが、それに対しまして、わがほうの北方領土問題に対するかねがねからの、また国民的の願望であるところのいろいろの根拠を十分主張し、かつ、ただいまのも、お尋ねがございましたが、内政干渉みたいな言動に対しましては厳重に注意を喚起いたしたわけでございます。先ほど読み上げましたものの中に、それらの点は私としては十分に織り込んだつもりでございますが、お話のように、双方の態度といいますか、ソ連の態度はずいぶんほど遠いところにある、これは現実に私も当事者の一人として認めざるを得ないわけでございますが、基本的には友好関係の雰囲気の中、平和的な話し合いで、忍耐強くこの結実を求めるということで今後ともやっていきたい。当面のところは、さらに先ほどお話も伺いましたが、安全操業の問題というような非常に緊切した、早急に手がけなければならない問題もございます。また経済問題その他ではむしろ先方が非常に要請をしておる問題もございますが、安全操業の問題について申しましても、領土問題というものを留保しながらといいますか、当方の主張を堅持しながら、その上に立って当面の安全操業問題を解決をしたい、それから他の各種のソ連側の希望する問題等につきましても、一つ一つ友好信頼関係の上に立って解決をしていきたい、そして領土問題が片づきさえすれば、平和条約の締結が直ちにされる用意があるということで、この態度というものをただいま申しましたが、忍耐強く強力に積極的に押してまいりたいと考えております。