田川誠一の発言 (社会労働委員会)

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○田川委員 本件につきましては、自由民主党、日本社会党、公明党、民社党、日本共産党、五党委員の協議に基づく試案を各委員のお手元に配付してありますが、五党を代表して、私からその趣旨を御説明申し上げます。
 わが国は近年、人口及び産業の都市集中、高度の経済成長、建築技術の著しい進歩等によって、建築物の高層化、巨大化が促進されるとともに、その数はますます増加する傾向にあります。
 これらの多数の者が使用し、または利用する建築物の衛生状態を見ますると、その環境御生の維持向上について、必ずしも十分な配慮が払われているとはいえず、空気調整設備の管理の不適による生理的障害、伝染性疾患の発生、給水及び排水設備や汚物処理設備の不備によるネズミやこん虫の発生、その他悪臭や飲料水に起因する伝染病発生の要因ともなり、多くの再検討すべき問題をかかえているのであります。
 このほか、最近、大都市中心部に次々と建設されている地下商店街についても、公衆衛生上あるいは災害予防の観点から幾多の問題を生じているのであります。
 したがって、国民の健康を保持増進するため、建築物の環境衛生基準を設定し、当該建築物の管理者がその基準を順守し、環境衛生を維持向上させるための責務を負うべきものとすることは、急務であると考えられるので、本法案を提出した次第であります。
 次に、その概要について御説明申し上げます。
 第一に、この法律において「特定建築物」とは、興行場、百貨店、店舗、事務所、学校、共同住宅等の用に供される相当程度の規模を有する建築物で、多数の者が使用し、または利用し、かつ、その維持管理について環境衛生上特に配慮が必要なものとして政令で定めるものをいいます。
 第二に、特定建築物の所有者等は、政令で定める建築物環境衛生管理基準に従って、その建物を維持管理しなければならないのであります。
 この建築物環境衛生管理基準は、空気環境の調整、給水及び排水の管理、清掃、ネズミ、こん虫等の防除その他環境衛生上必要な措置について定めるものであります。
 第三に、特定建築物の所有者は、その建物の維持管理を監督させるため、建築物環境衛生管理技術者免状を有する者のうちから建築物環境衛生管理技術者を選任しなければならないこととなっております。
 この建築物環境衛生管理技術者免状は、厚生大臣が指定した講習会の課程を終了した者または厚生大臣が行なう試験に合格した者に与えられるものであります。
 第四に、特定建築物の所有者は、その建物が使用されるに至ったときは、一カ月以内にその旨を都道府県知事に届け出るものとし、この届け出を受けた都道府県知事は、政令で定める建築物については、その旨を都道府県労働基準局長に通知することとなっております。
 第五に、都道府県知事は、特定建築物の維持管理が衛生管理基準に従って行なわれておらず、人の健康をそこない、またはそこなうおそれがあると認めるときは、その所有者等に対し、維持管理方法の改善を命じ、または当該建築物の使用または設備の使用を停止し、もしくは制限することができることとするものであります。
 なお、先ほど申しました建築物環境衛生管理技術者は、この法律の施行の日から二年間は置かないことができることとなっております。
 以上が本試案のおもな内容でありますが、この際、私は五党を代表いたしまして、動議を提出いたしたいと思います。
 お手元に配付してあります試案を成案とし、これを本委員会提出の法律案と決定されんことを望みます。
 委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
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発言情報

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発言者: 田川誠一

speaker_id: 10486

日付: 1970-03-12

院: 衆議院

会議名: 社会労働委員会