相沢武彦の発言 (予算委員会)

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○相沢委員 ただいま長官からお話がありましたように、沖繩基地のうちで特に騒音障害のひどいのは、嘉手納基地でございます。その実態について長官も十分御承知とは思いますが、嘉手納の村の八七%が米軍に接収されておりまして、残されたわずか一三%の狭い土地に約三千百世帯、一万五千余人の住民が住んでおります。戦後二十五年の間、嘉手納の村人は連日連夜爆音に悩まされておりまして、再三米軍司令官や在日米国大使あるいは高等弁務官、日琉政府関係者に対して善処方を要請はしておりますが、なかなか思うような解決をされていないということでございまして、特にベトナム戦争の激化に伴って、B52が常駐するようになってからは、その騒音はまさにもう殺人的なんですね。ですから、村民の生活を全く破壊していると言っても過言でないほどのひどさでございます。ここに嘉手納基地周辺のジェット機騒音の調査表がございます。長官、ごらんになったことがございましょうか。これは、日常生活を破壊し、人体に悪影響を与える強烈なジェット機爆音の発生状況を調べ、爆音防止の抜本的対策を訴える資料とする、こういった調査目的のもとに一九六八年の二月一日から二月二十九日までの間、爆音の発生時刻と継続時間及び阻害音量を、二十四時間継続して調査された表でございます。これを一々読み上げると時間がかかりますので、私、まとめてみたんですが、この二十九日間に百ホン以上の騒音を浴びせられたのが二百六十三回、時間にしまして十三時間六分十一秒だそうであります。七十ホン以上になりますとこれは二千二百八十回、一日平均に直してみますと、七十八回、時間にして二時間五十五分三十三秒、約三時間。このホンの問題ですが、国立公衆衛生院のある生理衛生学部長は、五十ホン以上をこえると、生理的機能に影響があることはもうはっきりしている、こういうわけですから、七十ホン以上あるいは百ホン以上のすごい騒音を浴びせられたら、その人体に与える影響は目に余るものがあると思うわけなんです。ですから、嘉手納基地の周辺の子供さんたちの中には、耳の聞こえなくなった子供さん、あるいは頭の変になっちゃった子供さん、こういう痛ましい犠牲者が次々と出ているわけでありまして、日本政府も多少は考えて援助されているようでありますが、もっともっとこの騒音対策にはいまから力を入れていただきたい、こう思うわけなんです。
 ここに騒音におびえる現地の子供さんの訴える声を収録した小冊子がございます。「B52 いますぐ出ていけ! 核基地におびえる子どもらの訴え」という本でございますが、この中に嘉手納中学校三年生の安次嶺明美さんという子供さんが、騒音を雷さんになぞらえて、「雷さん」という詩をつくってございますので、抜粋してちょっと読んでみたいと思います。
 嘉手納に雷さんが住んでいる
 空で暴れ過ぎてつかれてしまったのか
 地上が気にいってしまったのか
 なかなか帰ろうとしない

 雷さんは気が荒い
 嘉手納の皆が
 もう少し静かにしてくれと頼んだら
 砂の風を吹かしたり
 井戸を燃やしたり
 雷さんはこわい

 空と地上を、行ったり来たりするため
 ものすごい音を出す。
 私達はもう雷さんのヒステリックな声に
 慣れきってしまった
 感覚がまひしてしまったのか
 雷さんが大声でどなっても
 それに気ずかないことがある
 ああ、私達は狂ってしまいそうだ
 雷さん、空へ帰って下さい
こういう詩でございます。まあいかに子供たちが騒音の障害におびえ、またからだにこたえているかという一つの実証だと思います。
 公明党は、近く沖繩の総点検を実施することになっておりますが、これは沖繩施政権返還に至るまでの体制づくりと含めまして、沖繩の総合開発に関する長期ビジョンを立てることが現在重要な課題となっておるわけでございますが、そこで経済、社会、福祉あるいは教育、農漁業、生活環境などのあらゆる面の実態を正確につかむために行なうわけでございます。まあ政府当局としましても、準備委員会等が発足しておりますが、沖繩に対する正確な認識、実態の把握というものがなくては、現地に即応した援助あるいは開発計画が立たないのじゃないかと思うのです。そこでこの基地の公害につきましても、政府みずからのもっともっと徹底した調査をお願いしたい。特に沖繩基地の住民は本土政府のあたたかい思いやり、その実行というものを望んでいるわけでございますから、ここで本土政府の思いやりあるあたたかい心を示す一つの具体的な実践活動として、沖繩基地における住民の被害意識の調査、そして特に児童の騒音障害によるところの身体調査等をおやりになって、いまから対策に着手されるようにしていただきたいと思うのですが、長官の御決意を承りたいと思います。

発言情報

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発言者: 相沢武彦

speaker_id: 1061

日付: 1970-03-07

院: 衆議院

会議名: 予算委員会